食中毒を知ろう

最近の食中毒事情

疫学
●全国で年間2,500〜3,500件発生しています。
●菌種別では、サルモネラ菌と腸炎ビブリオ菌が圧倒的に多くなっています。ついで、下痢性大腸菌、カンピロバクター、ウエルシュ菌が続きます。
●半数近くが7〜9月に集中しています。この傾向は冷蔵庫や冷暖房が完備した最近では変化がなくなっています。

食中毒には2種類ある
1. 感染型
   食事してお腹の中で菌がふえて症状が出る
   そのために食事して6〜18時間以上経過し
   てから症状が出る。
サルモネラ、腸炎ビブリオ、組織侵入性大腸菌、病原性大腸菌、腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、NAGビブリオ、エルシニア
2. 毒素型
   病原体で産生された腸管毒素で発病
   症状発症は食後数時間〜8時間と短い
   毒素は耐熱性なので、食品の熱処理による 
  予防効果は期待できない。
ブドウ球菌、ボツリヌス菌、嘔吐毒素産生セレウス菌、
      

気をつけるべき事
●調理後、かなり時間を経過したものを食べた場合、同じ食物を食べた集団で、嘔吐や下痢を発 症した場合は食中毒を疑い、速やかに保健所に届ける。
●普通の食中毒では、人から人への感染は少ないので、隔離の必要はない。赤痢、腸チフス、コ レラ、出血性大腸炎0157などは、感染力が強いため、感染症新法では2類または3類として食 中毒とは区別している。
●治療は脱水に対する輸液療法
 感染型に対しては抗生剤が使われる。毒素型では、特にボツリヌス菌では、抗毒素血清が必要 となる。