風邪ウイルスに効く薬はないというのが、今までの常識だったのですが........

抗インフルエンザ薬は発症後48時間以内に飲まないと効かない

インフルエンザの治療薬として、平成10年11月から抗インフルエンザ薬が使用可能となりました。しかし、抗インフルエンザ薬はインフルエンザを発症してから48時間以内に飲み始めないと効果がありません。また、抗インフルエンザ薬はインフルエンザワクチンで予防した後に、その効果を増強するものとして使用することが望まれます。


最初に承認された薬は

塩酸アマンタジン(商品名:シンメトリル)という薬で、A型インフルエンザにしか効果がありません。この薬はもともとパーキンソン病の薬として1970年代から使われていた薬ですが、この薬を飲んでいる人がインフルエンザにかかりにくいことから、抗インフルエンザ薬としての作用があることがわかり、米国などで以前からインフルエンザの治療薬として用いられていました。インフルエンザウイルスは気道から身体の中に侵入するのですが、気道の細胞表面に吸着したウイルスは細胞のM2イオンチャンネルというものを活性化して、細胞の核内に更に侵入して増殖するのです。この活性化を塩酸アマンタジンは邪魔するのです。このM2イオンチャンネルはA型ウイルスしか効果がないのです。

更に、増殖したインフルエンザウイルスが他の細胞に移ろうとする時に必要な、ウイルスが持っているノイラミニターゼという物質の邪魔をすることにウイルスが増殖を抑える薬が開発されました。これがA型にもB型ウイルスにも効くザナビル(商品名:リレンザ)(吸入薬として使用します)とリン酸オセルタメミビル(商品名:タミフル)という薬です。後者は内服薬として5日を限度として使用します。このタミフルという薬が現在、インフルエンザ流行対策に国をあげて備蓄を行なおうとしている薬なのです。

平成14年4月からはリン酸オセルタメミビルのドライシロップが1歳以上の小児にも使用可能となり、平成16年からは自己費用負担で予防投与も可能となりました。