阿弥陀堂(白水阿弥陀堂)

所在地 福島県いわき市内郷白水町広畑 種別 近世以前/寺院
構造形式 桁行三間、梁間三間、一重、宝形造、とち葺
時代区分 平安後期 年代 永暦元年(1160)
指定年月日 1952.03.29(昭和27.03.29) 所有者 願成寺
願成寺は、藤原清衡の娘徳姫が永暦元年(1160)に建てた無量寺院に始まる。寺地は背後の経塚山から延びる東西の屋根によって三方を囲まれ、阿弥陀堂の前方と左右を大きな苑池が囲い、池の中央部に配した大中島の南北に橋をかけ渡した浄土式庭園を有する。
文化庁HPより:阿弥陀堂は一間四面堂で、正面三間と両側面前瑞間および背面中央間を扉口、その他の柱間を板壁にして、阿弥陀堂の最も標準的なc平面形式をもつ。柱上の組物は出組で、勾配がゆるく、先端の反り上がりの少ない深い軒を支える。内部は四天柱内の後ろ寄りに高欄付黒漆塗須弥壇を構え、本尊阿弥陀三尊像、持国天、多聞天像を安置する。堂内前面に折上小組格天井を張るが、庇部分の天井は中世に加えたもので、もとは化粧屋根裏である。内陣の長押、来迎壁、小壁、天井には仏画・繧繧彩色を施す。四天柱には鋲・花菱風飾金具を帯状に打ち並べ、上下五段に区分して仏画を描き、下端部にはいまはないが蓮花座をつけていたらしい。また、内陣長押角に木製漆箔の飾板を打ちつけるなど装飾性に富み、金色堂を模してこの阿弥陀堂を造営したと伝えるだけあって、安置仏ともに両堂の類似点は多く、平安時代後期に隆盛した浄土美術を代表する作品である。


中尊寺金色堂によく似た、平安時代後期の阿弥陀堂建築の代表


白木のままの外観 宝形造の屋根は栩葺き 二軒垂木 出組


 <アクセス>
白水阿弥陀堂のある願成寺は、JRいわき駅の南西約6.5kmの地点。国道6号線の「一の坪」交差点を北に折れ、線路を高架で越えて直ぐを道なりに左に曲がる。直ぐの三叉路を右折して、1.2km先の案内標識のある三叉路を右折する。橋を渡ると右側に拝観者用の広い無料駐車場がある。(2013.06.12)