ソロツーリングやマスツーリング、タンデムなど、ツーリングにはいくつかの形態があります。  また、ツーリングでの楽しみ方や走り方なども、十人十色だと思います。
ここではツーリングの魅力やマナー、走り方などについて、日頃私が考えていることを掲載しています。
書いてあるのは当たり前の内容ばかりですが、たまに読み返して初心に戻るようにしています。



基本はソロツーリング...

オートバイという乗り物は、常に自然と触れ合う事を余儀なくされます。 そしてその影響を、少なからず受けてしまい ます。 クルマと違って乗り手の身体がむき出しなので、真夏の照りつける太陽や冬場の寒風、そして雨など、自然の 千変万化に晒されてしまうのです。
しかしその反面、オートバイに乗っていると、四季折々の風情を肌で感じることができます。
このように、自然との触れ合いを愉しむ事ができる贅沢なひとときが、オートバイでツーリングする素晴ら しさではないでしょうか。

そして、ひとたびアクセルを開けると感じれる、風を切り裂く爽快感。 体重移動とアクセルワークを調和させ、 コーナーをクリアしたときの一体感は、バイクならではの醍醐味といえるでしょう。

ツーリングといえば、ひとりで走るソロツーリングと、複数で走るマスツーリングに大別されると思います。
そして近頃では、高速道路の二人乗り解禁をうけて、ご夫婦や親子、カップルで、タンデムツーリングをされる 人も増えています。
しかしオートバイツーリングの基本は、やはりソロツーリングにあるのではないかと私は考えています。

たまの休日に気に入ったオートバイへ跨ってみる。 そして都会の喧騒を忘れ、ひとり気の向くまま走り出す。
そんな自然との触れ合いや、オートバイとの対話によって、日頃のストレスも癒されるのではないでしょうか。
そして、あまり目的地まで急ぐことはせず、ルートから外れた小さな観光スポットや、取り残されたような 場所にある温泉などを探したりしながら走ってみるのです。  そうする事によって、旅をしているという 実感が一段と湧いてくるかもしれません。
やはりソロツーリングだと、誰に気遣う必要もなくてとても気楽です。
それに、ツーリング先で出会ったライダーや、地元の方々と話したりする機会も、ソロの場合の方が格段に多い ように思います。


マスツーリングもまたいいもの...

基本はソロとはいえ、気の合った仲間同士で走る愉しさも、また格別です。
マスツーリングの ”Mass”は、「かたまり、集団、多数」 といった意味があります。 そのまま解釈すれ ば 「複数台で行うツーリング」 ということになると思いますが、特に定義などはないと思います。

オートバイによるマスツーリングと、自家用車やバスによる団体旅行とを比較してみると、同行メンバーが 常に同じ道を走るという点は共通です。 ところが、一部無線を使われているクラブ等を除き、オートバイの場合は 走行中にメンバー同士の会話ができません。
しかし、お互いが相手を意識しながら共に走るわけですから、会話を交わさなくとも一体感は感じられます し、孤独感を感じることもありません。

休憩中などに、走っていて印象に残った事柄を尋ねるてみると、面白いことに意見が違っていたりします。
同じルートを走ったにもかかわらず、ある人は 「あそこの景色が綺麗だった」、またある人は 「あの道が 気持ちよく走れた」 などと、それぞれの思いが結構バラバラだったするのです。
また、そうやってお互いの印象を語り合うことによって、同じ時間を共有していたことを改めて確かめ 合い、連帯感を深める事もできます。

マスツーリングとは、まさに ”集団にして個であり、個にして集団である” と言えるでしょう。
それに、複数の人と一緒に走るわけですから、もし何かトラブルが起こった場合にも心強いですし、 ライディングテクニックや新たなツーリングの楽しみ方など、得られるものも多いと思います。


マスツーリングにおけるマナー...

ソロツーリングであれマスツーリングであれ、基本的なマナーとしては ”常識を守り、他人に迷惑を掛け ない” といったことだと思います。 そしてマスツーリングでは走行中や休憩中など、常に同行メンバーとのチーム ワークを意識しているかどうかが、重要なのではないでしょうか。
もっとも長年オートバイに乗っていれば、普通は自然と身に付くことでしょう。 何よりも、他人と一緒に走ること を楽しむ気持ちが一番大切だと思います。

マスツーリングでは、団体行動が基本となってきます。
ソロツーリングの場合のように、気ままに コースを変えれなかったり、自分の思うペースで走れないなど、どう しても色々な制約ができてしまいます。
排気量の違いや乗り手の技量によって、楽しいと感じるペースが異なりますし、ベテラン とビギナーでは疲れ方も違ってくるためです。
ですからマスツーリングでは、ツーリングリーダーだけでなく、参加メンバー全員が ”相手を思いやる気持 ち” を持って走るべきなのではないでしょうか。
わがままが許されず、それらの制約を ”不自由” と感じるかどうかが、マスツーリングへ参加して楽し めるかどうか、また参加する資格があるかどうかの境目だといえるでしょう。


マスツーリングでの走り方...

マスツーリングでは、その日のツーリングリーダーがメンバー全員に、あらかじめ目的地や走行 ルートを説明します。
そして走り出すと、基本的に二列縦隊の ”千鳥走行” で隊列を組んで走ることになります。
なかには、「 うちは隊列走行など強制しない、基本的にフリーだ 」 といった走り方のツーリングクラブ もあるようです。 しかし千鳥走行には、視界が開けるので前方が視認しやすい、全体の動きが把握しやすい、 車列全体を短くできる、とっさの場合に回避しやすい、などといった利点があります。
私は、千鳥走行で走る車列の中へ身をおいた時が、マスツーリングをしていると一番実感できる瞬間です。

見通しのいい所や直線道路では、前車のミラーの死角に入らないような間隔で隊列を組んで走ります。
そしてコーナーの連続するようなところに差しかかれば、すみやかに一列縦隊へと移行しましょう。
コーナーで隊列にこだわったまま走っていると、 走行ラインの自由度が低下しますので、かえって危険だと思います。

走る順番ですが、先頭はグループ全体を把握しながらペースやルートを考えて走る必要があり、責任も 大きいと思いますので、ベテランが望ましいです。
私の場合、先頭を走る時はいつも ”前方6:ミラー3:振り返り1” といった配分で視覚を振り分けてい ます。
それから最後尾についても、トラブルや迷子を防止するために、やはりベテランがいいでしょう。
そうやって、ビギナーやグループに不慣れな人を間に挟んで走るのが、一番トラブルが少ない方法だと 思います。

マスツーリングの中で走っていると、どうしても全体のペースから遅れがちになる場合があります。
そんな場合でも、決して無理は禁物です。 前車が四輪を追い越したりした場合でも、思わずついて行くのでは なく、自分でしっかりとタイミングを計ってから追い越すようにしましょう。
置いてきぼりになるのを恐れる必要はありません。 一般的なマスツーリングでは、分岐箇所ごとに必ず 先頭が止まって後続を待つはずです。
ビギナーやグループに不慣れな方は特に、余計なことを気遣うことなく自分のペースで走るように心掛け、ツーリング を楽しみましょう。




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