vol. 6  ライディングテクニックの向上は頭から? ・・・・ '06年4月16日


先日のロードツーリングでのこと、同行者のひとりからライディングテクニックに関する質問 を受けた。
「コーナリングに何となく苦手意識をもっていて少し怖い、けどもっと速く走るにはどうすれば良いの だろうか?」 という内容である。
なんとも抽象的な質問なのだが、私は苦笑しつつ 「怖いのを 我慢してもっとアクセルを開けてみては?」 と答えておいた。

もちろんそれはまったくの冗談である。 そこで、僭越ながら幾つかのアドバイスをさせてもらった。
すると、その人の走りはその日のうちから少し変化した。 そして翌週再びご一緒した時に は、それまでとは比べものにならないほどスムーズに、コーナーを抜けるようになっていた。
ライディングテクニックを頭で理解するだけで、こんなにも違うものか。 正直いって驚きだった。

もちろん、最初の質問だけではアドバイスしようがない。 そこで、走る姿を後ろから見せてもらう ことにした。 もし悪いところがあれば、それを指摘させてもらいましょうというわけである。
コーナーが連続する区間を選び、その人の後方についてしばらく走り方を観察させてもらう。
果たして、「 そりゃあ怖いわなぁ.... 」 と思える走り方をされていた。

簡単にいうと、アウトインアウトの概念を誤って解釈している。 バイクをただ傾けてコーナーのアール をトレースしようとしている。 バイクへの加重を意識していない。 といったところだった。
この走り方ではタイヤのグリップ力にばかり頼って走ることとなり、もし路面に浮き砂や荒れた箇所が あれば、大した速度でなくとも転倒しかねない。 走っていて何となくそれを自覚してしまうから、コーナ リングが怖いのである。
けどまあ、こういう走り方をされる人は実際によく見かける。 かつては私もそうだった。

走りを観察し終わったあと、私が感じたことをその人へ忌憚なく伝えた。
そのうえで、減速と進入速度、ラインどり、向き変えのタイミングと方法、ステップやシートへの加重、 旋回中の目線、アクセルワーク、トラクションなどについて、アドバイスさせてもらうことにした。
「 私の場合はこうしてますよ 」 或いは、「 私もできていないかも知れませんが、こうするように心 がけてますよ 」 といったことを伝えたのである。
しかしその人の場合はそこからが少し違っていた。 もっともっと詳しく.....と言われたので、喫茶店 へ入って紙とペンを借り、図解を交えて説明することになった。

ひとしきり説明をすませると、その人は 「 そうかぁ、なるほどなぁ.... 」 と一言呟いた。 その人が ライディングするうえで覚えていた違和感が、すうっと霧散したのかも知れない。 その後の走りは明 らかに違っていた。
それから一週間、毎日の通勤途上で少し遠回りして走り込んだのだという。 ただ闇雲に走っていても 殆ど上達しなかった自分だが、やるべきことを頭に描きながら走ってみると、面白いようにライディン グが変化していったのだとも言う。 一週間経ったその人の走りは、なるほどスムーズで安定したもの だった。

ライディングテクニックは頭から.......その走りを見て、ふとそんな言葉が私の脳裏に浮かんだ。
どなたか私の走りも後ろから観察したうえで、アドバイスして貰えないものだろうか。




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