vol. 2  匿名社会 ・・・・ '06年3月1日


一昨日の朝から三日間にわたり、読売新聞紙上で 「異議あり匿名社会」 という座談会形式の特集記事 が掲載されていた。 そして その要旨はおよそ次の通りだった。

昨年4月の個人情報保護法の全面施行以降、個人情報の利用と保護のバランスをとるという法の趣旨をはき違え、いつの 間にか保護だけに重点が置かれて過剰反応や情報の出し渋りが起きている。 そして個人情報保護という言葉だけが、 ひとり歩きしている。

情報化社会では情報が大量に瞬時に駆け巡り、悪用の例もキリがない。 犯罪の認知件数は減っているが、振り込め詐欺 やカード偽造など個人情報を悪用する事件の情報が氾濫し、「体感治安」 は悪化している。 昔と違ってインターネッ トの普及が進み、顔の見えない相手に自分が発信した情報が、どこにどう伝達されていくのか見えないことが、不安や 警戒心を増幅させている。

「匿名社会」 を乗り越えるための方策は、情報を出し合って社会の透明化を進め、効率的に社会を運営していく「信頼 社会」 の構築である。 そのためには情報開示を進め、隠すことが不利になる社会システムを作らねばならない。 そ れには現在の保護法だけでは対応できず、新たな制度面での枠組みが必要となる。 また、情報弱者保護も重要であり、 一方的にプロテクトせず必要なものは共有し、円滑に運ぼうとする倫理観を育てることが重要である。

とまあこんな内容だったが、紙上特集を読み終えて感じたのは、まったく同感だということだった。
そして、以前こんな出来事があったことを思い出した。
マンション内で借りている駐輪場で、私の逆輸入バイクが何度も傷付けられたことがあった。 状況から見て、隣のスペースを契約しているバイクが原因としか考えられない。

そこで、駐輪場の管理会社へ事情を話して現場確認をしてもらい、そのうえで先方の連絡先を問い合わせたところ、保護 法の関係で教えられないという。 ならば管理会社の手で、バイク損傷の事実関係を明らかにしたうえで、先方との 賠償交渉をお願いしたいと言えば、それも出来ないという。
手をつくした結果、先方と連絡がとれてあっさりと弁償していただいたが、何も契約者名簿をよこせと言ってい る訳でもないのにと、管理会社の対応には憤慨したものである。

またインターネットの世界では、匿名で済ませるのが一般的になっている。
ただ中には、リアルな人付き合いが続いて も、あくまで匿名のまま済まそうとする人もいる。
たとえインターネットが知り合うきっかけだったとはいえ、顔を合わせて付き合っていくのなら、そのうちにせめて名前 ぐらいは名乗り合いたいと思う。
それが、「知り合う」 ということではないかと私は考えている。




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