スキー運動のバイオメカニクス
ターン技術の組み立て
スキー用具の知識
スキー用語
スキー年表
導入段階
安全で確実な技術を目指す過程
美しく快適な技術を目指す過程
速く、強い技術を目指す過程
発展段階
1 基礎スキー指導員規定の各条を書きなさい
・第1条(任務) IJLM
指導員、準指導員、
文部大臣認定「スポーツ指導員の知識・技能審査事業」による地域指導者並びに
商業スポーツ施設における指導者は、
財団法人日本体育協会公認スポーツ指導者制度によるスキー指導員及びスキー教師(以下「指導者」という)は、
スキー界の先達として自覚と誇りをもって、その普及発展に努めなければならない。
・第2条(資格)
指導員は全国共通の資格を持ち、基礎スキー公認検定員規定に定めるところにより、
その検定員となることができる。
・第4条(義務) FGHIJKLMNO
指導者は次に掲げる義務を負うものとする。
・指導者の任務を完遂するため、積極的に指導者研修会に出席するものとする。
・指導者は、加盟団体の事業には、優先的に参加しなければならない。
・第5条(資格の停止) FGHIJKLMNO
指導者で次の各号に掲げる一に該当する者は、指導員の資格を停止するものとする。
・所定の研修会に2年続けて欠席したとき。
・年次登録料を納期までに納入しないとき
・第6条(資格の喪失) O
指導者で指導者として体面を汚すような行為があった者は、評議員会の決定によって、指導者の資格を喪失するものとする。
2 指導者で次の各号に掲げる一に該当する者は、理事会の決定によって、指導者の資格を喪失するものとする。
・ 本連盟会員登録規定第9条の規定により、会員の資格を喪失したとき
・ 正当な理由なくして、研修会に3年続けて欠席したとき。
・ 年次登録料を3年続けて納入しないとき
3 指導者が辞任したいときは、その理由を付し、加盟団体長を経て、本連盟会長にその旨届け
出て、理事会で承認された者は、指導者の資格を喪失するものとする。
1 「 日本スキー教程」 の目指すところについて 教程P3 HJL
この「 日本スキー教程」 の目指すところを一言で言うならば、安全で快適なスキー、自己実現が可能なスキーとはなにか、またいかに早く習得していくかという、全スキーヤーの命題を簡潔に整理し、提示することにある。
具体的な技術論としては、プルークボーゲンによる回転要素の習得から、両脚の同調運動を中軸としたパラレルによるターンの質的な向上を目指した。これは、単にパラレルターンという形態的な種目としてのとらえ方ではなく、従来の種目配列による組立から脱皮を図ったものである。
2 目的と課題 教程P32 GIK
アルペンスキーの運動目的は、いかに安全に、確実に、そしてスピーディに、長い斜面を連続して滑り降りることができるかにある。
課題
速度と回転弧の大きさを、自由にコントロールすること。
3 指導の方法論は予想以上に速い時間で改善されていく運命にあるといわれているが、その理由を3つ書きなさい。 指導実技編P8 K
・ スキーを行う場所の変化(場) 指導理論編P129
・ スキー道具の性能の進歩(物)
・ スキーヤーの指向の変化(人)
4 スキー・スポーツの本質的価値について 教程P13 JK
スキー・スポーツの本質的価値を一言で表現すると「人間性の回復と構築」 にあるといえる。スキー・スポーツでは、人がプレイ、フィジカル・アクト、チャレンジ、コミニケーションを繰り返し行ううちに、自由、創造、成熟、そして豊かな気持ちなどを経験し得る。このようにスキー・スポーツを通して「身体的教養=スポーツヒューマニティー」を高めることによって、私たちは、よりうるおいのある生活文化を構築することが可能になるのである。
5 スキー文化の特性について、簡単に説明しなさい M
スキーは、自らの意思で、自由に滑るという運動そのものを楽しむことができ、自然とふれ
あい、仲間との交流などを生き生きと体験ができる文化
6 スキー傷害に関する、事故発生に係わる要因を3つ答えなさい。 指導理論編P174
・ スキーヤー自身にかかわる要因
スキー技能
受傷時のスピード
滑走と時間経過
転倒・衝突
・ 用具や服装にかかわる要因
スキー、ブーツ、バインディングの管理
服装への配慮
・ 環境にかかわる要因
ピステの斜度
斜面の状態
天候
7 スキー障害はなぜ起こるのか。そのスキーヤー自身にかかる要因について 教程P16 H
初心者から初級者までのスキーヤーが、受傷者の全体のほぼ半数を占め、中級者まで含めると、ほぼ90%となっている。そのうち、70%近い人がスピードをコントロールできずにけがをしている。事故の原因には、疲労や不安、自信過剰や興奮などの肉体的、心理的な要素も考えられる。滑りはじめての時間経過から、重傷事故の発生率を見ると、時間が経過するにつれて多くなり、3時間目で33%ともっとも高くなる。
8 アルペンスキーが持つ、他のスポーツにない技術特性を答えなさい。教程P24 GJLMNO
指導理論編P35
・ 重力の利用による落下運動である
・ 複雑な状況に対応する技術である
・ 用具との一体化運動である
9 スキースポーツの多様化する中で大別して3つの指向性に分けることができる。その指向について書きなさい。 教程P13 F
・ 能力指向のスキー分野
・ 健康指向のスキー分野
・ 遊び(レクレーショナル)指向のスキー分野
10 次の文章の( )に適当な語句を入れ、文章を完成させなさい。(目的と課題) 教程P32 GIK
( 外力 )を原動力とし、( 用具 )の性能を生かして行うアルペンスキーは、技能レベルに応じて誰でも自由に楽しめるスポーツである。アルペンスキーの運動目的は、いかに( 安全 )に( 確実 )に、そして( スピーディ )に、長い斜面を連続して滑り降りることができるかにある。このようなスキーの運動目的は、( 速度 )と( ターン弧 )の大きさを、自由にコントロールすることができて、はじめて達成することができる。アルペンスキー技術は( 速度 )と( ターン弧 )をコントロールする技術であり、スキーヤーは( 荷重 )、( 角づけ )( 回旋 )といった身体運動によって、( 横ずれ )の度合いを調整し、( スピード )や( 進行方向 )をコントロールする。
11 スキーヤーが回転に必要とする雪面抵抗は荷重、角づけ、回旋という動作を、どのように行うことによって得られるか、それぞれの動作について簡単に説明しなさい。教程P36 FHJK
・ 荷重
スキーヤーがスキーよりもターン内側に位置を変え、体重と筋力によって回転外向きにスキーを押す力(荷重)を働かせる。
・ 角づけ
荷重による力を受け止め、ターン内側向きに働く雪面抵抗をとらえるように、回転内側の角づけを行う。
・ 回旋
回旋運動によって、進行方向に対し、スキーの先端の向きを変える(迎え角をつくる)
12 変化に富んだ斜面を、滑りながら身体運動を行ったり、バランスを保つための、基本となる姿勢とはどの様なものか、簡単に答えなさい。 教程P43 HK
・ 目的に応じて上下左右前後方向への身体運動が素早く行える。
・ スピードや斜面状況により変化する抵抗力に素早く対応できる。
・ 長時間滑っても疲れが少ない。
13 スキー技術の組み立てについて 教程P74HKL
スキーの技術は、( 重力 )や、( 雪の抵抗 )など、スキーヤーに外部から働く( 力 )とスキーヤーの( 筋力 )による( エネルギー )とを( 調和 )させ、もっとも( 効率 )よく、経済的な方法で、目的とする( 運動成果 )が得られるものでなければならない。
したがって、( 変化 )の多い情況、条件に即応し、もっとも適切な技法を、( 安全 )、確実、( 正確 )に駆使して、自在に斜面を滑ることができる( 運動形態 )の幅の広さと、運動の( 質 )の高さが求められることになる。
14 日本スキー教程(指導実技編)には、指向別に3つの目標技術とその指導プログラムが設定されています。その3つを簡単に説明しなさい。 実技編P13 K
・ 安全、確実な技術を目指す(セーフティー)
・ 美しく、快適な技術を目指す(コンフォート)
・ 強く、速い技術を目指す(チャレンジ)
15 ターンの段階区分における雪面抵抗について 教程P55 I
スキーヤーは、舵とり期に雪面からの抵抗を受け、雪面を押す荷重意識が強くなる。
切り換え期には、雪面抵抗が減少するので荷重意識も弱まる。リズムは、このような力の強弱から生まれる。
16 身体が常に両スキーの間にあり、たやすく回転運動を導き出すことができる。プルークポジションにはどのような特徴があるか簡単に答えなさい。 教本P48 FGHIJKL
・左右のスキーの間隔が広いワイドスタンスで身体はいつも両スキーの間にあるので左右のバラ
ンスがとりやすい。
・スキーの後ろを開いたハの字形(プルーク形)にすることで両スキーに二つの角度(角づけ角
・迎え角)が生まれ雪面から抵抗を受けやすく回転を導きやすい。
17 運動効果を狙いとし、スタンスを3つに分けたが、それぞれのスタンスについて簡単に説明しなさい。 教程P52 FIJ
・ ワイドスタンス 指導理論編P95
意図的に両スキーの内側が角づけされるように、腰幅以上に開いたスタンス。
回転に必要とする角づけの条件と回旋のためのポジションを備えている。
・ オープンスタンス
意図的に、左右のスキーの間隔を腰幅程度に広くしたスタンス。
角づけの条件は満たさないが、足の種々の運動を行いやすい。
・ ナチュラルスタンス
スキーをつけて自然に立ったスタンス。
その場で足踏みするときの間隔が一応の基準ではあるが、
条件、状況に最もあった間隔で、可変的なもの。
18 スキー指導員に必要な資質について、空欄に適切な語句を入れなさい。指導理論P29 M
スキー指導者の対象者は、幼児から高齢者、身障者を含め、すべての人々を対象とします。参加
形態も、ファミリー、職場の仲間、地域のクラブ、学校の生徒などさまざまです。
今までのスキー指導者には、自分が経験し、体得した技術を手がかりに教えてやるタイプの人が
多くいました。これからのスキー指導者は、多様な対象の人々の、多様な要求に応じることのできる資質を持ち、学習者の自発的な学習を引き出し、支援できるタイプが望まれる。より高い指導技術に加え、より深い専門知識、より広い教養とより豊かな人間性を備えていることが
求められる。
19 スキー運動の内力と外力について簡単に説明しなさい。指導理論編P38 M
1 内力
スキー操作に必要な力をスキーヤー自身の筋力により発揮すること。ターンでのスキー操作。すなわち、スキー(板)の回旋、角づけ、荷重からなるエッチングをスキーヤーの筋力で行うことを意味している。
2 外力
スキーヤーとスキーに外部から作用する力のこと。これらは、スキーヤー系の重心に働く重力、雪面抵抗や空気抵抗などである。
20 質的な変化の「カービングターンの場合」における力の方向の変化と角づけの変化について簡単に説明しなさい。 指導理論編P112 MN
「力の方向の変化」
縦方向への荷重から内方向への荷重へ
「角づけの変化」
脚部の傾けから全身の傾けへ
外脚主導の同調から内脚主導の同調へ
19 ターンの運動類型の表を完成しなさい。 教程P62 H
( ストレッチングターン )
同調系
( ベンディングターン )
( 踏み出し )
(交互系) ( ステッピングターン )
踏み蹴り
20 上達と運動の変化について、次の問いに簡単に答えなさい。 教程P70 HN
・ (1)形態的変化
@ スタンスの変化
A ポジションの変化
(2)質的な変化
@ 運動リズムの変化
・ 個々の動きから全体の動きへ
・ ぎこちない動きから滑らかな動きへ
・ 意識された動きから自動化へ
A 力のコントロールの変化
・ 内力主体のコントロールから外力活用のコントロールへ
「スキッディングの場合」
@ 力の方向への変化
・ 横方向への荷重から縦方向への荷重
A 回旋の変化
・ 押し出しからピポットへ
・ ずれ幅大からずれ幅小へ
「カービングの場合」
@ 力の方向の変化
・ 縦方向への荷重から内方向への荷重へ
A 角づけの変化
・ 脚部の傾けから全身の傾けへ
・ 外脚主導の同調から内脚主導の同調へ
スタンスの形態的変化はどのように現れるか答えなさい。 H
( ワイドスタンス )→( オープンスタンス )→( ナチュラルスタンス )
・ ポジションの形態的変化はどのように現れるか答えなさい。 H ・
・プルークポジション → プルーク・パラレルポジション → パラレルポジション
・部分的な抵抗力への対応から全体的な対応へ
・外脚主体の舵取りから両脚での舵とりへ
・ 運動リズムの質的変化はどのように現れるか答えなさい。 教程P72GJL
・個々の動きから全体の動きへ 指導理論編P110
・ぎこちない動きからなめらかな動きへ
・意識された動きから自動化へ
力のコントロールの変化はどのように現れるか答えなさい。 GL
●内力主体のコントロールから外力活用のコントロールへ
・ 回旋の質的変化はどのように現れるか答えなさい。
・押し出しからピポットへ ・ずれ幅大からずれ幅小
21 スキーの形状から見た技術の展開図を完成させなさい。 教程P77 F
発展技術
パラレルポジション
ナチュラルスタンス
応用技術
基礎技術
基本技術
22 技術の練習の前に確認しておかなければならないことを5つ記しなさい。教本P81 GI
・ スキーブーツの履き方、微調整の仕方
・ スキーの取り扱い方、滑走面のチェック。特にスキーワックスの使用について
・ スキーポール(ストック)の取り扱い方。
・ バインディングの機能、調整、取り扱い方
・ その他装備品について
26 レベル5での指導のねらいを6つ記しなさい。 教本P89 F
・ バランス保持能力を高める。
・ スキーを踏む、踏み換えるなどの動作から荷重と荷重移動を覚える。
・ スキーをまわす、身体をひねるなどの動作から回旋を覚える。
・ 踏み換える登るなどの動作から角づけを覚える。
・ 荷重 回旋 角づけを満たす一つの動作(エッジングの原型)を覚える。
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・ プルークボーゲンを覚える(雪面抵抗のとらえ方、左右への荷重移動)
27 レベル4での指導のねらいを6つ記しなさい。 教本P106H
・ スキーの横ずれが少ないエッジングの仕方を覚える。
・ 補助動作の使い方を覚える。
・ 正確な回旋動作を覚える。
・ 力の大きさのコントロール
・ 左右のスキー操作の時間差を少なくする
・ 運動のはずみをとらえパラレルポジションによる切り換えを覚える。
28 レベル3での指導のねらいを4つ記しなさい。 教程P118J
・ エッジングの質をさらに高め、オープンスタンスでの滑りを習熟する。
・ 伸ばし動作(ストレッチング)によるターン切り換えを覚える。
・ ストックの活用法を覚える。
・ 力の大きさのコントロール能力を強化する。
29 レベル2での指導のねらいを6つ記しなさい。
・ リズム変化の能力を高める
・ エッジングの強さのコントロール
・ スピードコントロールの能力を高める。
・ 状況別運動動作の要点を整理する。
・ ウィークポイントを確認し、対策を考える。
・ 二つの切り換え動作を覚える。
30 パラレルポジションでの、身体と両スキーの位置を切り換える運動は、2つの運動が組み合わさって行われる。この2つの運動を書きなさい。 教程P50 H
1 スキーを回転外側に動かす運動
2 身体をターン内側に移動させる運動
32 レベル3の指導段階の課題を4つあげなさい。 教本P80 I
・ エッジングの質の変化
・ 斜面、斜度、滑走距離等に応じた運動の時間的な変化を学ぶ
・ ストレッチングによる切り換えの習得
・ ターン弧の調整
33 レベル4の指導段階の課題を4つあげなさい。 教程P80 G
・ エッジングの質の変化
・ 働きかけの力の方向を横から縦に変え、スキーのずれを少なくする。
・ 交互運動を同調運動にしていく。
・ 運動の弾みを利用し、パラレルの切り換えを習得する。
36 指導内容の組み立てにあたって留意点を5つ書きなさい。 教本P75 GK
・学習目標を明らかにする
・学習内容を把握する
・学習過程および内容を明らかにする
・学習の結果を確かめる。
・指導過程を構造的にとらえる
37 斜面を自由に滑り降りるための条件を3つ書きなさい。 教程P35 G
・滑走するための推進力が得られること。
・滑走中にスピードをコントロールしたり、方向を変え、ターンを連続するための雪面抵抗が得られること。
・安定して滑走を連続するために、スキーヤーと、スキーに働く力の釣り合いが取れていること、すなわちバランスが保たれること。
39 プルークボーゲンを組み立てる場合にスキーヤーが覚えなければならないことを記しなさい。教本P97 F
・ 滑るプルークを覚える
・ 角づけの調整法を覚える
・ 左右への荷重移動を覚える
・ エッジングの調整法を覚える
・ 荷重移動を洗練する
41 パレレルターン実現の糸口を探る段階でのプルークボーゲンは、「どのようにできるか」という観点で、運動の質的な内容を見て次の段階に進ませる必要がある。その内容を記せ。 教本P106F
・ スムーズな脚の曲げ伸ばしができるかどうか
・ プルークポジションを一定に保つことができるかどうか。
・ 左右同じ動きを繰り返すことができるかどうか
42 教程「第4章 3 応用技術」 のストレッチングターンで取り上げているショートターンの要領について書きなさい。 教本P106F
・ 同調させた両脚の屈伸動作を素早く行う
・ 反力(はずみ)を意識的に利用し、谷方向への重心移動や、角づけの切り換えを行う。
・ 重心の移動や、リズムづくりに、ストックを活用する。
44 ギルランデの練習効果について記しなさい。
リズム感・スキー操作をみがくトレーニングとして、また運動のはずみを具体的に感じ取る練習
45 スピードをコントロールする方法を記しなさい(レベル2) 教本P137F
・ エッジングの中で主にスキーの横ずれの量を調整する。
・ 弧の深さでコントロールする。
47 「自発的な運動学習」が行われるような「動機づけ」の主な方法を5つ書きなさい。 教本P11 G
・ 学習目標や学習内容をよく理解させる。 指導理論編P119
・ 技能に応じた課題を設定する
・ 仲間との競い合いを演出する
・ よい学習環境を選択する
・ 学習意欲の継続的な方向づけと強化
48 スキーの指導について 教程P14 H
指導員は、スキー技術の指導のみならず、スキー場で発生するさまざまなトラブルに対して、それらを事前に防止するためのルールやマナーなどの指導も行っている。とくに障害の発生やその予防、さらには事故発生後もパトロールや、救護機関と密接な連携プレーを行うなど、指導者の果たす役割は大きい。
49 スキーの指導について 教程P14 I
スキーの発展のためには、スキー学校、スキークラブなどの協力が今後ますます必要となるであろう。そして生涯学習が言われ、さらに増大する自由時間活動のなかでのスキーの果たす意義と役割は、国民の健康や福祉、明るく、豊かな生活の形成に不可欠のものである。
全日本スキー連盟をはじめとするスキー指導者の責任は重い。
51 スキースポーツを楽しむためには、年齢的な特徴を理解し、年齢に応じた配慮をしなければな らない次のスキー活動について述べなさい。教本P22 I
・幼児期のスキー活動
・3才頃からがスキー遊びの開始適期
・自発的な遊びを盛り上げる環境条件を整える。
・抽象的な指示よりも具体的な目標を与える。
・児童期( 6才〜11才)のスキー活動 教程P33 H
・児童期はスキースポーツ開始の最適期である
・技術レベルに応じて斜面やスピードの条件を配慮する
・グループ活動を中心にして、グループ成員の協力による相互啓発を重視する
・思春期(12才〜14才)のスキー活動における指導の留意点 教本P24 G
・“思春期の不器用さ”を理解し、根気よく指導する。
・束縛や強制的制限は極力少なくする
・思春期(15才〜20才)のスキー活動
・ ・ ・
52 下図は「運動構造と質的内容について」示したものです。( )内に適する語句を入れな
さい。 教本P33 F
指導理論編P115
53 次は関節の運動について述べたものです。( )内に適語を入れ、文章を完成させなさい
曲げることを( 屈曲 )といい、作用を営む筋を( 屈筋 )という。逆に伸ばすことを( 伸展 )といい、作用をいとなむ筋は( 伸筋 )である。脚、腕自体を回転させずに、体幹に近づけることを( 内転 )遠ざけることを( 外転 )といい、作用をいとなむ筋をそれぞれ( 内転筋 )、( 外転筋 )という。脚ではつま先を外側に開くようにひねる(シザース)ことを( 外旋 )、内側に向くようにひねる(プルーク)のことを( 内旋 )という。
54 関節の運動(骨格運動)の型を3つ書きなさい。 教本P35 IKL
・ 曲げと伸ばし (屈曲と伸展) 指導理論編P47
・ ひねり (内旋と外旋(回旋))
・ 開くと閉じる (外転と内転)
・ 内がえしと外がえし(内反と外反)
55 雪面抵抗を3種類答えなさい。
・除雪抵抗 ・摩擦抵抗 ・圧雪抵抗
56 プラトーの状態からの脱出方法を3つ書きなさい。 教本P16 HL
・新しい課題を正しく理解し、全体のイメージを把握する。 指導理論編P124
・学習の方法を検討し、効率的、効果的な方法を工夫し実施する。
・指導者に助言を求め、指導を受ける。
58 スキー指導者に期待される役割として、5つのサービスを答えなさい。指導理論編P32 L
・リーダー・サービス スキーのたのしさを得る手助けのできる指導者
・インフォメーション・サービス スキーに関する興味ある情報を提供できる指導者
・エリア・サービス スキー場や関連施設の安全性・快適性を考慮できる
・クラブ・サービス グループやクラブの育成に指導・助言できる
・プログラム・サービス 参加意欲のでる行事やスキー教室の企画、開催のできる
59 「良い指導を実施するための要素」について答えなさい。 教本P69 F
・計画と内容に関して
・指導回数や、指導時間が少ない場合は、基本的なことを中心に取り扱い、その内容を適切に決める。
・下手を上手に、嫌いを好きにするための学習内容を決める
・学習全体の積み上げを計画し、その中で何をどのように教えるか考える。
・管理や方法に関して
・学習者の活動に対して、指導と評価を効果的に行う。
・熱のこもった活気ある展開をするとともに、指導の山場を考える。
・けがや、病気発生を避ける十分な配慮をする。そのためには、保険法、安全法、施設、用具の管理と使用法を良く知り、守る。
・指導者自身に関して
・様々な学習者をまとめ、学習意欲を持たせていくためには、指導者自身が情熱を持つ。
・指導効果を上げるための技術を持つ。指導者は絶えず自分自身がどのように振る舞ったらよいかということに注意を払い、考え方、話し方感情の表現から容姿、音声にいたるまで心配りをする
60 スキー指導において安全面より指導者として必要な10項目を列記しなさい。
・スキー場におけるマナー教育の徹底 ・指導中における受講者の掌握
・服装・用具の点検 ・並び方と指導者の位置
・受講者の個人的特性の把握 ・スピード・コントロールの技術の重視
・適正な学習人数 ・初心者への配慮
・学習環境の整備 ・体調と疲労への配慮
61 指導者として傷害防止のための留意点を10書きなさい。 安全編P21 KM
帽子の着用を指導者自らが、手本を示し実行する。
・生徒のスキーセーフティーバインディングの点検と調整およびその指導
・スピードコントロール技術の指導を徹底する
・正しいリフトの乗り方と降り方を指導する。(リフト使用心得を体で示す)
・帽子着用を指導者自らが手本を示し実行する。(頭部の切挫創予防)
・怪我につながる危険な転倒を指摘し矯正する(安全な転び方を指導する)
・スキーヤーとスノーボーダーの衝突の回避の仕方を指導する。
・生徒の疲労を判断し適切な休憩をとる
・指導種目に合った安全な斜面を選定する。
・雪質の変化に伴う対応技術を指導する。
・他のスキーヤー、スノーボーダーに対して思いやりの心と気配りの姿勢を指導
・ 欲求や動機に基づき具体的な目標が立てられる。
・ 目標を達成するための見通しと練習方法が決められる
・ 試行ー修正ー試行の繰り返しによる反復練習が続けられる。
66 基本技術の技術種目について書きなさい。 教程P76 I
・歩行 ・直滑降
・推進滑走 ・プルーク
・方向変換 ・斜滑降
・登行 ・横滑り
67 基礎技術の技術の概要についてのべよ。 教程P76 GIJ
・プルーク・ボーゲン
・プルークターン
・パラレルターン
68 応用技術の技術の概要についてのべよ。 GJ
・ ストレッチングターン
・ ベンディングターン
・ ステッピングターン
69 ストレッチングの留意点およびその効果について書きなさい。
留意点・ ・ ・
効 果・ ・ ・
70 ウォーミングアップの必要性を3つ書きなさい。 教程P133 HL
・身体の体温、とくに筋肉の温度を上げ、筋肉の動きとともに、神経系の回路のとおりをよくする。
・外気温が低いときは、全身運動によって体温をあげることが望ましく、心肺の運動に対する準備にもつながる。
・これからスキー運動にうち込むのだ、という試がまえをつくる。
71 次の用語を説明しなさい。
73 プルークポジションの特徴について書きなさい。
体がいつも両スキーの間にあり、一方のスキーへの荷重・角づけ・回旋の運動によって回転運動を始動したり舵取りを行えるポジションにある。
74 技術評価の要点について書きなさい。〔質的内容と同義〕 教本P32 FGIJKMN
・ 運動リズム 指導理論編P115
・ 運動の流れ
・ 運動の正確さ
・ 運動の弾み
・ 運動の伝導
・ 運動の先取り
75 スキー術の仕組みについて( )を埋めて完成させなさい。 教程P37 GIJ
運動課題 ターンに働く外力 技術要素 力の制御 技術の要点 ターン運動
スピード (推進力(重力) (荷重 ) 方向 (バランス)(ポジショニング回転弧の スキー(調整)(角づけ ) (量 ) リズム
コントロール 制御力(抵抗力) (回旋 ) (時間) (タイミング) エッジング
76 年表
77 スキーおよびスノーボードにおける怪我の種類で多いもののベスト3をそれぞれ書きなさい。
安全編P22 K
●スキー
・捻挫 ・打撲 ・切挫創
●スノーボード
・骨折 ・打撲 ・捻挫
78 ショック症状を4つ書きなさい 安全編P72 FL
・顔面が蒼白になる
・冷や汗が出る
・吐き気がする
・脈が弱くなり数が増える
・気力が衰え元気がなくなる。
・直接圧迫法
・間接圧迫法
・直接圧迫法と間接圧迫法の併用
・止血帯法
80 アルペンスキー競技のジュリーメンバーを書きなさい FI
技術代表 競技委員長 主審 副審 スタート審判 フィニッシュ審判 コース係長
81 アルペンスキー競技のRCの構成を書きなさい
技術代表 競技委員長 主審 副審 スタート審判 フィニッシュ審判 コース係長
82 アルペン競技の種目を書きなさい
回転 大回転 スーパー大回転 滑降 複合(コンバインド)
83 大回転種目の概要を書きなさい HKMO
大回転競技 大回転競技(GSL)の旗門は、( 4 )本の回転ポールと( 2 )枚のフラッグで構成され、旗門( 赤 )と( 青 )が交互に並ぶ。フラッグは下端が雪上から( 1
)m以上の高さにくるように、二つのポールの間に結び付けられる。旗門の幅は、( 4 )m以上( 8 )m以下とする。連続する二つの旗門の距離は( 10 )m以上なければならない。
旗門は、( 赤 )( 青 )交互とし、雪上( 1 )mにセットする。2つの連続するインポール間の距離は( 10 )m以上とする。旗門数は、標高差の( 12〜15% )である。旗の布は、横(75 )cm・縦( 50 )cmの長方形である
84 フリースタイル競技の種目を書きなさい
モーグル エアリアル バレエ
85 競技会において競技者が申し出ることができる再レースの条件を5つ書きなさい G
・ 役員、観衆、動物、またはその他の妨害によるコースの遮断
・ 転倒してコースをすぐ空けれなかった競技者によるコースの遮断
・ 前の競技者の置き去られたスキーとか、ポールのような物がコース上にあるための妨害
・ 前の競技者によって倒され、また飛ばされて元通りにポールが立てられていなかった旗門の
状態
・ 計時装置が作動しなかった場合
86 回転競技 JLN
回転競技 回転の旗門は、( 2 )本のスラロームポールから成り、連続する旗門は( 交互 )に色が並ばなければならない。旗門の幅は、( 4 )m以上( 6 )m以下でなければならず、2つの旗門の距離は(0.75)m以上でなければならない。旗門数は男子の場合、最低( 55 )旗門、最高( 75 )旗門。女子の場合、最低( 45 )旗門、最高(
65 )旗門、男女とも例外的に( ±3 )である。
87 スキーヤーが遵守すべき注意義務 教本P58 FJ
滑り・障害・死角・下方・標識・飲酒・パト・正しい
88 スキー文化の特性について、簡単に説明しなさい。 M
スキーは、自らの意思で、自由に滑るという運動そのものを楽しむことができ、自然とふれあい、仲間との交流などを生き生きと体験できる文化
89 山の気温について、空欄に適切な語句及び数字を入れなさい。 安全編P118 MO
山の高さが増すにつれ気温は下がるが、気温の下がる割合は気温の減率といい、高度100mについておよそ0.6℃である。
体感温度は、風の強弱にも影響されるが、風速1m増すごとに1℃(1.2〜1.5℃)以上低くなるといわれている。氷点下20℃で風速20mの吹いている稜線上での体感温度は氷点下40℃以下になるといわれている。
90 日本のスキーの始まりについて、空欄に適切な語句を入れなさい。M
1911年、オーストリアのレルヒ少佐が高田の第13師団に着任し、日本初の本格的なスキー技術の講習会を行った。彼が伝えた技術は、長い一本杖をもちいた半制動滑走とボーゲンがその特徴であった。
1930年、映画と著書スキーの驚異で世界を席巻したハンネス・シュナイダーが来日し、映画と講演、雪上での実技指導は、日本のスキーヤーに大きな影響を及ぼした。日本のスキーヤーは、アールベルク・スキー技術がシュテム技術を核心とする技術体系であることを知った。ホッケ姿勢、プルークボーゲンの習得が全てのスキーヤーの目標になり、上級者は、シュテム・クリスチャニア、パラレル・クリスチャニアの技術習得に全力を注いだ。
91 スキーヤーの身体運動について、空欄に適切な語句を入れなさい。 指導理論編P79 M
スキーヤーの運動感覚から技術を考えると、スキーを操る要点は、「自分の重心はどこへシフトしていくか」原則的な動き方になる。
ターンの構造をスキーヤーの運動という観点から見ると、エッジングによってターンポジションをつくりだし、エッジングを調整して弧を描き、エッジングをやめて切り換えに移る。このようにポジショニングとエッジングの関係も切り離して考えることはできない。
要約すると、重心移動と荷重移動、ポジショニングとエッジング、この4つの課題は、常に「ひとつ」にまとめておくことが大切である。
1 レベル5での指導のねらいを6つ記しなさい。
・ バランス保持能力を高める。
・ スキーを踏む、踏み換えるなどの動作から荷重と荷重移動を覚える。
・ スキーをまわす、身体をひねるなどの動作から回旋を覚える。
・ 踏み換える登るなどの動作から角づけを覚える。
・ 荷重―回旋― 角づけを満たす一つの動作(エッジングの原型)を覚える。
・ プルークボーゲンを覚える(雪面抵抗のとらえ方、左右への荷重移動)
2 レベル4での指導のねらいを6つ記しなさい。
・ スキーの横ずれが少ないエッジングの仕方を覚える。
・ 補助動作の使い方を覚える。
・ 正確な回旋動作を覚える。
・ 力の大きさのコントロール
・ 左右のスキー操作の時間差を少なくする
・ 運動のはずみをとらえパラレルポジションによる切り換えを覚える。
3 レベル3での指導のねらいを4つ記しなさい。
・ エッジングの質をさらに高め、オープンスタンスでの滑りを習熟する。
・ 伸ばし動作(ストレッチング)によるターン切り換えを覚える。
・ ストックの活用法を覚える。
・ 力の大きさのコントロール能力を強化する。
4 レベル2での指導のねらいを6つ記しなさい。
・ リズム変化の能力を高める
・ エッジングの強さのコントロール
・ スピードコントロールの能力を高める。
・ 状況別運動動作の要点を整理する。
・ ウィークポイントを確認し、対策を考える。
・ 二つの切り換え動作を覚える。
89 スキッディングターンのメカニズムとスキーのたわみ効果について、空欄に適切な語句を入れなさい。 指導理論編P39 L
水平面を直線滑走しているスキーがターンを起こすためには(迎え角)が生じるようにスキーを(回旋)することと、(角づけ)をして内エッジを立てることが必要である。この場合、運動量(MV)に抗して雪の抗力による(向心力)が生まれることでターンが行われる。スキーのたわみ効果として、(迎え角)はスキー前半で大きくなり、(後半部)では小さくなる。このため抗力の着力点はスキーの(前方)となり荷重点との間でターンが必要な(モーメント)が大きくなることから、スキーのたわみはターンを容易にすることがわかる。
SAJ安全10則 指導理論編P177 I
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平成14年度 理論養成講習会演習の解答
101 技術の特性と指導において、運動の技術の特徴を3つ記せ。 指導理論編 P114 M
1 運動の課題(目的)を達成するのに最も適したものである
2 効率的に成し遂げることのできるものである
3 誰でも伝達できる普遍的な方法である。
102 スキー技術の質的内容をとらえた6つのポイントを記せ。 指導理論編 P115 FGIJKMN
・運動リズム
・運動の流れ
・運動の正確さ
・運動の弾み
・運動の伝導
・運動の先取り
103 自発的な学習意欲を喚起させるためのポイントを5つ記せ。 指導理論編 P119
・ 学習目標や学習内容をよく理解させる。
・ 技能に応じた課題を設定する
・ 仲間との競い合いを演出する
・ よい学習環境を選択する
・ 学習意欲の継続的な方向づけと強化
104 技術習得のメカニズムにおいて重要な、フィードバックとフィードフォワードについて記せ。 指導理論編 P122 N
フィードバック 誤差を知覚し認め、意識的に修正のはたらきをすること。
フィードフォワード 運動の直前に運動の結果を予測して、事前に行動の修正を行うこと。
P53N
フィードフォワード制御とは(予測情報)をもとに次に起こる動作を(予測または見越して)動作の開始前にプログラムをセットして出力を調整することである。
フィードバック制御とは、運動の(目標値または入力値)と動作の結果の(出力値または制御量)と比較して、その(誤差)を検出し、フィードバックすることで(出力)を調整することである。
105 スランプに陥る原因として考えられることを5つ記せ。 指導理論編 P125 M
・ 高度な技術の習得段階
・ 疲労による場合
・ 心理的原因による場合
・ 学習活動、方法のマンネリ化
・ 病気・障害
106 主体的学習を展開するのに重要なポイントを2つ記せ。 指導理論編 P128 M
・ 適度な難易度の克服と運動感覚の変化
・ 学習者の能力を充分に把握して、適切な課題を設定すること
107 グループ編成を行って指導する場合の、編成における留意点、および指導中における留意点を
記せ。 指導理論編 P129
指導者は最初の段階で対象が〔どのような希望をもっているか〕を十分に把握し、グループ編成に生かさなければならない。
指導中は学習者に心理的安心感を持たせることが重要である、学習者の考えや希望にも耳を傾けて、指導中においても、集団間の移動がスムーズに行なわれるような配慮が必要である。
・グループ編成を行なう場合は対象が「どのような滑り方で楽しみたいか」また「技術をどのように活用したいのか」というような希望を把握し、年齢、能力、経験などの技能を考慮して、7〜10名のグループに編成するように留意する。
指導中は学習者に心理的安心感を持たせるようにし、学習者の考えや希望にも耳を傾け、指導中においても、グループを代われるよう集団間の移動がスムーズに行なわれるような配慮が必要である。
108 指導案(日案)を考える場合のポイントを7つ記せ。 指導理論編 P135 M
・ その日の狙い
・ 指導の場所
・ 指導内容の要点
・ 学習者の活動
・ 準備すべき資料や用具
・ 指導上の留意点
・ 評価の観点
109 評価の方法に、診断的評価、形成的評価、総括的評価があるが、それぞれどのような評価であるか記せ。 指導理論編 P144
診断的評価
指導計画の立案、修正のための事前評価です。
形成的評価
指導過程において行われる評価で、内容や方法の調整および学習者への動機づけ・意欲化のために行なわれます。
総括的評価
ある一定の指導が一段落した時点に行なわれるもので、どのような成果があげられたかを、まとめて評価するものです。
110 効果的な指導技術を備えた指導者として求められるポイントを、下記のポイント毎に記せ。
指導理論編 P150
(雰囲気づくりについて)
叱責が少ない
非難が少ない
よく賞賛する
肯定的な動機づけを与える
(学習者に対するマネージメントについて)
マネージメントに費やす時間が短い
学習時間が長い
マネージメントがより構造化されている
(学習課題に対するマネージメントについて)
すべての学習者に対して指導を行う
監督されない個人活動は少ない
121 スキー障害はなぜ起こるか3つの要因とそれぞれの要因の要素を書きなさい。
・ スキーヤー自身にかかわる要因 指導理論編 P174
スキー技能
受傷時のスピード
滑走と時間経過
転倒・衝突
・ 用具や服装にかかわる要因
スキー、ブーツ、バインディングの管理
服装への配慮
・ 環境にかかわる要因
ピステの斜度
斜面の状態
天候
122 スキーヤーに求めるマナーと安全の中でスキーヤーが遵守すべき注意義務を3つ書きなさい。
・滑り方とスピードを自分の技術とゲレンデの状況や天候に合わせてコントロールする義務
・障害物や危険箇所には近寄らない義務
・死角にいるスキーヤーの存在にも気を配る義務
123 スキー障害はこうして防ごうの中でSAJ安全のための10則を書きなさい。
SAJ安全10則
1.準備運動を忘れずに
2.無理なスピード事故のもと
3.自信過剰は事故のもと
4.睡眠不足はケガのもと
5.止まるな休むなコースの中で
6.割り込みや無理な追越しはやめましょう。
7.安全締具も調整次第
8.服装整え安全第一
9.もう一回そこがスキーのやめどころ
10.事故なら無理をしないこと。
順 無 自 睡 止 割 安 服 もう 事
5 スキースポーツには、運動上の特性以外にどのような特徴があるか、7つ答えよ。
・ 遠距離性・自然環境性
・ 長期滞在性
・ 季節性と地域振興
・ 多様性と生涯スポーツ
・ システム性と大規模産業
・ 危険性
・ 国際性とスポーツ文化
25 レベル5で始めて滑走するときの練習バリエーションとしては、どんなものがあるか。
・前後に ・上下に
・スキーを前後に ・足踏みしながら
・左右に ・上体を左右にひねる。
・スキーを左右に
18 次の文章は、プルークボーゲンの運動構造についてのものである。文中の( )に当てはま
る語句を補い、文章を完成させなさい。
プルークボーゲンは、連続する回転を通し、スキーを( ハの字 )に保ち、身体を常
に( 両スキー )の( 内側 )に置くものをいう。いたがって、両スキーは( 内側角づけ )の状態に保たれ( 切り換え )は行われない。( 舵
取り )は外スキーへの( 荷重 )による押しずらしと、脚の( ひねり動
作 )による( 回旋 )によって行われる。内スキーは、外スキーの押しずらしや回旋運動を補助するよう、( バランス )の保持や( 制 動 )のための働きをする。
脚の曲げと伸ばしによる上下運動は、外脚への荷重と押しずらしを、タイミングよく、リズミカルに行う上で効果的である。
舵をとり、回転が進行する時期では、( 膝 )を中心とした( ひねり動作
)そして体重を外スキーに乗せ、外側に押し出すため、脚は( 曲げ )の動作となる。姿勢は押しずらしの動作に対応して、自然に外向となり外側に傾く姿勢( 外向傾姿勢
)となる。一方への舵とりを終わらせ、回転の方向を変えるには、( 立ち上がっ
て )、左右対称の中立姿勢に戻すことである。
23 エッジングの調整での3つの観点をあげ、それぞれについて簡単に説明しなさい。
・ 荷重
スキーヤーがスキーよりもターン内側に位置を変え、
体重と筋力によって回転外向きにスキーを押す力(荷重)を働かせる。
スキーに体重を乗せたり、運動することによって作用する雪面を圧する力
・ 角づけ
荷重による力を受け止め、ターン内側向きに働く雪面抵抗をとらえるように、回転内側の角づけを行う。
スキーを傾けて角(エッジ)を立てるように接触させてた状態
雪面にスキーの角を立てたり、角を効かせること
・ 回旋
回旋運動によって、進行方向に対し、スキーの先端の向きを変える(迎え角をつくる)
スキーをまわすひねり、軸をとらえてそれを回すこと。
スキーヤーが筋力でスキーをまわす操作
24 「プルークボーゲンができる」に至る迄の過程においる、注意点を述べなさい。
励まし適切な評価を与えることによって「自信」を持たせ、練習の方法を工夫し、楽しい雰囲気の中で行動様式に慣れさせる。
31 レベル3では3つのステージに分けられるが、それぞれの練習目標を述べなさい。
ステージ1 積極的な重心移動によるターンの切り換え方法
ステージ2 ストックの使い方
ステージ3 パラレルターンをより強化する。
34 ストレッチングのロングターンでの緩斜面と急斜面の滑り方について違いをのべよ。
緩斜面 ターン弧を浅く縦長にする。
急斜面 ターン弧を深めにすることが適切
35 「パラレルターンができる」のレベルでの、考えられるウィークポイントはどんなケースがあ るか。
・上体の順ひねりを使うケース ・操作の支点が高すぎる。
・失速 ・瞬間でスキーをまわしてしまう
・内倒 ・暴走してしまう。
・ターンの中でエッジの角度を変える ・
38 指導を進めるうえでは、スピードの条件と運動のスペースの条件を段階的に変化させていく必 要がある。ここでいう「運動のスペース」について記しなさい。
46 次の( )内に適語を入れ、文章を完成させなさい。
この『日本スキー指導教本』は同時に改訂、発刊された『日本スキー教程』の( 技術
理論 )に基づいて、スキーヤーの誰もが習得しなければならない運動の( 原則的
な課題 )とその( 展開 )を整理し説明した。
具体的には( 回転技術 )の導入から応用にいたるカリキュラムを中心に取り扱った。なかでも、( プルーク )から( パラレルターン
)に至るプロセスは、最も重要なテーマとし、解説の重点を( パラレル )による( ターンの習得 )とその応用においた。パレレルによるターンは『日本スキー教程』においても( 中心的な技術 )として取り扱っているように( 実践技術 )として優れた特性を持ち、多くのスキーヤーの憧れる技術でもある。また最近の( スキー環境 )や( 用具の機能 )によって無理なく( プルーク )から( パラレル )へ進むこ
とができるようになった。
50 次の( )内に適語を入れ、文章を完成させなさい。
技術の学習では、課題となる運動を全体としてまとめて練習する( 全習法 )と運動の部分を取り出して、個々に練習する( 分習法 )がある
スキーの( 中心技術 )はターンにある。ターンは( 舵取り )、( 切
り 換え )といった、( 部分的技術 )で構成されている。さらにこれらの技術の基盤として( 荷重 )( 角づけ )( 回旋 )の技術要素で成り立っている。学習はこれらの技術を( 全体 )としてとらえ、(
総合的 )に練習することで技能を高めていく方法がもっとも( 効率的 )で効果がある。
62 スキー指導における能力別編成の問題点について説明しなさい。
学習者が自己の要求水準以上の集団に入ってしまったり、その反対のケースの場合などは、大きな不安や不満の原因となり、学習意欲を失ってしまう。
63 スキーの主体的学習の基本的ねらいを4つ書きなさい。
・一人ひとりの学習目当を持つ
・自ら工夫し、全力で努力していく
・みんなで考え、助けあい、練りあい、高めあう。
・個々の学習課題や核になる共通課題を解決しながら、技を磨く。
64 スキー指導の目標と内容について( )に適当な語を入れなさい。
指導者にとっては( 目標達成 )の手段としての方法論の取扱いが重要な( 課
題 )となる。
指導者は( スキー運動 )の本質、特性のとらえ方、そして( 学習指
導 )の運営法などスキー指導の( 基礎理論 )はもとより広範な( 指
導知識 )を、つねに吸収する姿勢も持たなければならない。
平
平成15年度 理論養成講習会演習の解答
201 スキー運動の特性を3つ書きなさい。 指導理論編P35 GJLN
・ 重力を利用した滑降運動である
・ 複雑な状況に対応する運動である
・ 用具との一体化運動である
202 カービングスキーの技術の特性と指導において、運動の技術の特徴を3つ記せ。 指導理論編 P114
1 運動の課題(目的)を達成するのに最も適したものである
2 効率的に成し遂げることのできるものである
3 誰でも伝達できる普遍的な方法である。
202 スキー技術の質的内容が高い状態を3つの要素で答えよ。 指導理論編 P115
・空間的 身体各部やスキーの位置関係がバランスを保ち、運動を行うのに最もよい状態にあるフォームを正確に実現できること
・時間的 動きの移り変わりがタイミングよく行われること。
・力動的 力配分が適切で、強弱のリズムが滑らかであること。
203 自発的な学習意欲を喚起させるためのポイントを5つ記せ。 指導理論編 P119
・ 学習目標や学習内容をよく理解させる。
・ 技能に応じた課題を設定する
・ 仲間との競い合いを演出する
・ よい学習環境を選択する
・ 学習意欲の継続的な方向づけと強化
204 プラトーが起こる原因を5つ記せ。 指導理論編 P124
・ 学習に対する集中力や興味が減退したとき
・ 自分の能力では解決困難な課題にぶつかったとき
・ 次の課題に進むのに障害となる悪い癖が身についているとき
・ 用具が自分に合ってないとき
・ 課題を果たすための体力が不足しているとき
205 スランプに陥る原因として考えられることを5つ記せ。 指導理論編 P125 M
・ 高度な技術の習得段階
・ 疲労による場合
・ 心理的原因による場合
・ 学習活動、方法のマンネリ化
・ 病気・障害
206 主体的学習のねらいを4つ記せ。 指導理論編 P129
・ 一人ひとりが学習の目当てを持つ
・ 自ら工夫し、全力で努力していく
・ みんなで考え、助け合い、練りあい、高めあう
・ 個々の学習課題や、核になる共通課題を解決しながら、技を磨く。
207 スキー学習の環境整備において指導者に求めれれるものとは何か
スキーヤー個々のニーズに合わせた指導、その時々、場面場面の状況に合ったもっとも効率の良い方法を多様にもつこと
208 指導の方法論が予想以上に速い時間で改善されていく理由を3つ記せ。
・ スキーを行う場所の変化(場) 指導理論編P129
・ スキー道具の性能の進歩(物)
・ スキーヤーの指向の変化(人)
211 スキー運動の特性を3つ書きなさい。 指導理論編P35 GJLN
・ 重力による滑降運動である
・ 複雑な状況に対応する運動である
・ 用具との一体化運動である
212 カービングターンのメカニズムについて、空欄に適切な語句を入れなさい。 N
カービングという言葉には、(切る)、彫る、(刻む)といった意味がある。カービングターンとは、スキーの(インサイドエッジ)を雪面に強く(角づけ)して、斜面に(深く)、細い溝(弧)を掘り込むターンのことである。このことにより(横ずれ)が極力少なく大きな(推進力)が得られる(スピード)あるターンとなる。
213 アルペンスキーの運動目的とそれを達成するために適切にコントロールされる必要のあるものを答えよ 教程P32 GIK・
目的と課題
アルペンスキーの運動目的は、いかに安全に、確実に、そしてスピーディに、長い斜面を連続して滑り降りることができるかにある。
課題
速度と回転弧の大きさを、自由にコントロールすること。
214 評価の観点3項目を完成させよ。 指導理論編P73
・運動の構成
○ポジショニング ○エッジング
・運動要領への適応度
○スピードと回転弧のコントロール
・運動の質的内容
○バランス・リズム・タイミング
215 回転弧を描く「回る」を実現するための「回す」方法を3つあげよ。指導実技編P26 N
・ 身体全体を回転の方向に回す「順ひねり」
・ 脚部を回転方向に回す「脚部の順ひねり」
・ 重心の横へのスライドとスネの傾けを伴う「足部の反し」
221 フィットネスの一般原則を6つあげなさい N
・個別性
・全身性
・斬新性
・継続性
・自覚性の原則
・栄養と休養の原則
222 筋力トレーニングには、筋収縮の状態によって、ふたつのトレーニングに分類することができる。その2つをあげなさい
アイソメトリックス(静的トレーニング)
アイソトニックス(動的トレーニング)
223 次の表は、動きの基礎としての筋収縮様式を分類したものである
等張性収縮・筋収縮時、筋の張力がほぼ一定の場合
短縮性収縮 筋の長さが短くなりながら力を出す場合。
伸張性収縮 筋の長さが長くなりながら力を出す場合
等尺性収縮、筋収縮時、筋の長さがほぼ一定の場合
等速性収縮 筋収縮が一定速度で行われる場合
224 次の表は、アルペンスキーで求められる体力要素について説明したものである。
1 行動を持続する能力 全身持久力
2 行動を起こす能力 筋力
3 行動を調整する能力 柔軟性
平衡性〈バランス能力〉
巧緻性 姿勢反射
随意反応
予測的姿勢制御能力
状況把握能力
動きの正確さ
動きの素早さ
動きの持続性
225 次の文は、スキーにおける巧緻性(巧みさ)について説明したものである。
スキー運動における巧緻性〈巧みさ)とは複雑な動きに対応し、身体各部の多くの関節を同時にコントロールできる能力であり、アルペンスキーでは、特に次の 4つの能力が必要です。
・状況把握能力 斜面状況を予測し、運動感覚による自分の身体運動を認知できる。
・動きの正確さ ・体肢のポジショニング能力・・・必要な技術動作にかなった体肢の動きができる
・力の調整能力・・・状況に応じた力の発揮やエッジングにおける力の強さ、方向、時間の調整ができる。
・タイミング能力・・・適切なときに適切な時間的配列に従った動作ができる。
・出力の再現能力・・・同じ状況では常に同じ動きができる。
・動きの素早さ・・・動作を早く始めたり、動作の切り換えが素早くできる。
・持続性・・・動きの正確さと素早さが持続できる集中力がある。
226 トレーニングの計画立案の原則を4つあげなさい。
・ 系統性と漸進性の原則
・ 科学性と創造性の原則
・ 適合性と反復の原則
・ 意思性の原則
231 年表
・ 1889年スキーを用いてグリーンランド横断の快挙を成し遂げた。
フリフチョフ・ナンセン
・ 1896年にリリエンフェルト・スキー滑走術を発表した。
マチアス・ツダルスキー
・ 1911年新潟県高田の第13師団に着任し、スキー術の講習会を行った。
テオドール・エドレル・フォン・レルヒ
・ 1930年に来日し、「アールベルク・スキー術」の実技指導を行った。
ハンネス・シュナイダー
232
233
234 スキースポーツの社会的特性
・自己実現・自己創造に最適なスポーツ
・自然環境に恵まれたシーズンスポーツ
・広域活動による滞在型スポーツ
・多様な活動のタイプのスポーツ
235 スキー指導者に期待される役割として、5つのサービスを答えなさい。指導理論編P32 L
・リーダー・サービス スキーのたのしさを得る手助けのできる指導者
・インフォメーション・サービス スキーに関する興味ある情報を提供できる指導者
・エリア・サービス スキー場や関連施設の安全性・快適性を考慮できる
・クラブ・サービス グループやクラブの育成に指導・助言できる
・プログラム・サービス 参加意欲のでる行事やスキー教室の企画、開催のできる
236 高齢社会とスキーについて簡単に説明しなさい。 指導理論編P23 L
高齢者となっても心身ともに健康で、生き生きとし充実した生活を過ごしたい。これは全ての人々の共通した願いである。中高年者のレジャーの関心が、「健康」「社交」「アウトドア」「知識・教養」に集中していることから考えて、スキーは全ての条件を備え今後ますます要求は高まるものと考えられる。
超高齢社会において生き生きと健やかに高年期をすごせるか否かは、決して個人的な関心事ではなく、高齢化にともなう医療費の高騰など社会的な問題をも含んでいることも忘れてはならない。
237 スキー活動に伴う楽しさ(付帯的・二次的価値)を2つあげ簡潔に説明しなさい。
・ 自然に接する楽しさ
・ 社交・仲間作りの楽しさ
238 成人期(社会人前期)の女性は結婚、子育ての時期でもあり、女性の参加率が最も低下する時期である。女性がスキーに参加しやすくする対策をあげなさい。 N
・ 家族とりわけ配偶者の理解と協力が必要である。
・ ファミリースキーのプログラムサービスや、スキー場の付帯施設として託児所や子供のスキーエリアの設置、充実などによってこの時期のスキー参加の増加が期待できる。
239 スキー指導者に必要な資質について述べたものです。
・ スキー指導者は、多様な対象の人々の、多様な欲求に応じることのできる資質を持ち、学習者の自発的な学習を引き出し、支援できる指導者のタイプが望まれる。
・ 生涯スキーの指導者としては、技術指導にとどまることなく、時には人生のよきアドバイザーとしての役割も担う。
・ スキー指導者は、単にスキー技術に優れている技能者ではなく「より高い指導技術に加え、より深い専門知識、より広い教養とより豊かな人間性」を備えていることが求められる。
301スキーの楽しさとは何でしょうか?いくつか記して下さい
克服欲求
達成欲求
競争欲求
自然環境を楽しむ
滑る楽しさ
スキー活動に伴う楽しさ
自然に接する楽しさ
社交・仲間作りの楽しさ
302指導の方向性(内容)として技術指導と学習指導がありますが、その違いを考えて下さい
学習指導は「スキーの楽しさ(スキースポーツの目的)の学習」を指導するということです。
303指導者がサービス分野として役割を果たすうえで、身に付けておかなければならない「技術」とはなんでしょうか?その意味合いも簡単に説明しなさい・ 指導理論p148
マネージメント技術・・・学習の効率性
人間関係技術・・・・・・学習の雰囲気作り
内容指導の技術・・・・・与えられた時間の効率的運用
304スキー指導のあり方に関する文中の( )の中に適語を入れて下さい。
学習指導は、スキーを学ぶ者の自発的、(主体的)な運動要求が満たされるものでなければならなりません。 スキーを学習することの喜びは、学ぶ者自身の力で(挑戦対象)や、技術課題を克服し目標を達成していくことにあるからです。指導者には(与える)指導よりも、学習の意欲を引き出したり、学ぶ者自身に問題を解決していく能力を身につけさせるよう(手助け)する姿勢が望まれます。指導者としては、学習者全員対象に画一的に(教える)という姿勢ではなく、一人ひとりに目を向け、学習を(支援する)姿勢が何よりも重要です。
305良いスキー学習をするための基礎的条件に、滑る時間が十分確保されていることとありますが、そのために必要な事前準備と指導中の配慮について簡単に記して下さい。
1. 指導にあたって必要な学習者の個人的条件(年齢、経験の度合い、健康状態、学習に期待しているものなど)は、受講受付の段階で調査し、把握しておく必要がある。
2. 服装や用具の点検は、スキー場に出かける前に行なうのが良いが、指導者は集合時や準備運動中にも個々に注意を払い、観察し、点検を行なう。個人の運動特性も、準備運動や移動中の行動で把握する。
3. ポールなど器具を使用する計画のある場合には、事前に設定斜面へ搬送し準備しておく。
4. 指導計画に従った学習斜面の選定は、指導上大切な要点である。斜面の選定にあたっては、移動に要する時間を考慮し効率的な活用をはかる。そのためには、斜面状況、リフトの配置などを熟知しておくことが必要となる。
306良いスキー学習をするための内容的条件について考えて下さい。P120
具体的な目当てや運動の課題を意識化することで、学習者が「何を」「どのように」学習するかを自分で考えることができ、学習活動の「見通し」を持つことができます。「見通し」は学習者にやる気を起こさせ、自発的学習の意欲の喚起、自主的な学習を可能とします。
1. 大きな困難や失敗が少なく、成功する場面の割合が高い。
2. 具体的でわかりやすい(認識学習場面での“わかる”から“できる”、“できる”から“わかる”)
3. すべての学習者に技能習熟の達成や成功感の機会を保障する。(学習機会の平等性の確保)
師範による方法
1. 学習者がわかりやすく理解でき、容易に模倣できる師範である
2. 正しいものと正しくないものの判断の基準が理解できる師範(比較対比できる師範)である。
3. 動作の特徴に注意を向けさせられる師範(分解的師範、動作誇張師範)である。
4. 言語による説明を的確に加えることのできる理論的根拠に基づいた師範である。
言葉による方法
1. 客観的事実を感覚的ないくつかの言葉で表現し、学習者に最も理解しやすいものを見つける。
2. 学習者の過去の運動経験にある動きにたとえたり、他の動作に置きかえることによって運動のイメージを引き出す手がかりとする。
3. 学習者の感じたことを質問により、運動の経過を言葉で表現させ、感覚的共通語を見出す。
1. 学習者の過去の運動経験など、動作の手がかりとなるわかりやすいフィードバック情報を与える。
2. 良かった動き、悪かった動きが感覚的に捉えられるフィードバック情報を与える。
3. 良い結果に対して努めて肯定的なフィードバックを与える。“ほめことば”はやる気を喚起する。良くない結果や失敗に対しては、失敗の指摘や叱責だけの否定的なフィードバックではなく。失敗の原因や、失敗を繰り返さないためにどうしたら良いか示す矯正的フィードバックを与え、励ますようにする。
4. 今、矯正しなければならない点の指摘を的確に行なう必要がある。
5. フィードバック情報は学習者の滑りの運動感覚が残っている運動直後に与えることが効果的である。
1. 指導者は、スキー指導への情熱を常に保持するよう努めなければならない。
2. 指導者は、努めて肯定的な助言や励ましの言葉を用い、学習者の支援者として時には仲間となって常に学習の場が明るい雰囲気を作るよう努めることが大切である。
3. 学習者には親しみを込め名前で語りかけるようにする。
4. 指導者は学習者の性格的特徴を見極め、それに応じた指導方法を考慮する必要がある。
5. 指導者は、どのような学習場面においても公平であることが大切である。
307スキー指導の計画で、単元の計画をする際の留意点を3つ記してください。O
1. 単元計画の作成に先立って、学習対象者の実態を把握する(スキー経験・技能レベル・興味・関心・年齢・体力など)
2. 目標を明確に示す
3. 学習内容や学習活動の道筋(学習過程)を立案する。
308スキー指導においては、意図した目標が達成されたか、練習が計画的に進められたか、方向性を見失っていないか、さらにその時々の評価によって学習が喚起され、動機づけが強化されているかなど、つねに評価活動が存在します。評価の方法を3つあげそのポイントを記してください。
指導計画の立案、修正のための事前評価です。
指導過程において行なわれる評価で、内容や方法の調整及び学習者への動機づけ・意欲化のためにおこなわれます。
ある一定の指導が一段落した時点に行なわれるもので、どのような成果があげられたかを、まとめて評価するものです。
311設問に答え、人名をあげなさい
1889年スキーを用いてグリーンランド横断の快挙を成し遂げた・・・・フリフチョフ・ナンセン
1896年リリエンフェルト・スキー滑降術を発表した・・・・マチアス・ツダルスキー
1911年新潟県高田の第13師団に着任し、スキー術の講習会を行なった。・・・・テオドール・エドレル・フォン・レルヒ
1930年に来日し、「アールベルク・スキー術」の実技指導を行なった・・・・ハンネス・シュナイダー
1954年に来日し、全国各地でフランス・スキー技術を指導した・・・アンリ・オレイエ
1956年冬季オリンピックにて、日本初のスキーメダリストの誕生・・・・猪谷千春
1958年に来日し、全国各地でオーストリアスキー技術を紹介・指導を行なった・・・・ルディ・マット
1960年代に日本のスキー教程を編纂し、国際スキー技術者会議への加盟、デモンストレーター制度発足に尽力した。・・・ 大熊勝朗
1963年に来日し、各地でバインシュピール理論を講演・実地指導を行なった。・・・・シュテファン・クルッケンハウザー
1972年第11回冬季オリンピック札幌大会のジャンプ競技で1位・・・・笠谷幸生
312スキーの歴史
· 1958年(昭和33年)にオーストリア職業スキー教師連盟会長のルディ・マットが来日し、オーストリアスキー技術を紹介、指導した。当時の外傾技術はバインシュピール「脚部の動き」、ゲーゲンフェルビンデン「逆ひねり」、フェルゼンドレーシュープ「かかとの押し出し」、によって洗練され、リズミカルな動きに高められ、ウェーデルンに結晶しました。
· 日本のスキー界は大きくオーストリアスキーに傾倒していき、1959年(昭和34年)には、バインシュピール技術を根幹としたSAJスキーテストが発刊され、1960年代の技術動向の主流となった。
· 1963年(昭和38年)には、オーストリア国立スキー学校の総責任者であるクルッケンハウザー教授がデモンストレーターと共に来日、これによりバインシュピール理論は、日本のスキー界に深く根を下ろすことになった。
· 1968年アスペンで行なわれた第8回インターシーでは、従来のジャンプを使っての切り換えから、上体の上下動の少ない素早い切り換えのターンが主流となった。オーストリアの発表した開脚による指導法には、明らかにフランスが伝統的にもちいてきた平踏みを経由する切り換えが使われ、両国の歩みよりの方向がうかがえた。
20世紀のスキー技術と指導の流れについて 指導理論P207 N
· テレマークの時代、(外傾技術とローテーション技術)の時代、(バインシュピール技術)の時代、そして世界のスキーはひとつ大きく変遷してきました。日本においても㈶全日本スキー連盟は(一般スキー術要項)、一般スキーテキスト、(スキー教程)(SAJスキー教程)(日本スキー教程)と世界の流れと連動して指導書を編集し、スキーの(普及発展)に寄与してきたのです。しかし、今やスキースポーツは熟成し、(技術中心)だけの考え方から抜け出し、より、(本格的なスポーツ)の真の価値への傾斜を大きくして、スキーに期待する「価値観」も多様化しています。
スキーは能力スポーツとして、あるいは健康や趣味として(生涯スポーツ)として、さらにはクラブ活動など仲間と楽しむ(社交スポーツ)として、あるいは(自然と触れ合うスポーツ)としてすばらしいスポーツといえます。
313 SAJスキー教程発刊された年である。 技術の動向は?
1969年 開脚練習法(立ち開き)ターンABCDに分類
1971年 屈膝平踏み先落し技術「曲進系」
1980年 交互操作とステップターン
1986年 ヴァリアブルスキーイング ステップターン
1994年 状況・条件への対応、同調によるターン
314スキースポーツの社会的特性を4つあげなさい。
234 スキースポーツの社会的特性
・自己実現・自己創造に最適なスポーツ
・自然環境に恵まれたシーズンスポーツ
・広域活動による滞在型スポーツ
・多様な活動のタイプのスポーツ
315 多様な対象者に対応する指導者の役割を5つ書きなさい
58 スキー指導者に期待される役割として、5つのサービスを答えなさい。指導理論編P32 L
・リーダー・サービス スキーのたのしさを得る手助けのできる指導者
・インフォメーション・サービス スキーに関する興味ある情報を提供できる指導者
・エリア・サービス スキー場や関連施設の安全性・快適性を考慮できる
・クラブ・サービス グループやクラブの育成に指導・助言できる
・プログラム・サービス 参加意欲のでる行事やスキー教室の企画、開催のできる
316 高齢社会とスキーについて簡単に説明しなさい
88 高齢社会とスキーについて簡単に説明しなさい。 指導理論編P23 M
高齢者となっても心身ともに健康で、生き生きとし充実した生活を過ごしたい。これは全ての人々の共通した願いである。中高年者のレジャーの関心が、「健康」「社交」「アウトドア」「知識・教養」に集中していることから考えて、スキーは全ての条件を備え今後ますます要求は高まるものと考えられる。
超高齢社会において生き生きと健やかに高年期をすごせるか否かは、決して個人的な関心事ではなく、高齢化にともなう医療費の高騰など社会的な問題をも含んでいることも忘れてはならない。
317スキー活動に伴う楽しさ(付帯的・二次的価値)を二つあげ簡潔に説明しなさい。
237 スキー活動に伴う楽しさ(付帯的・二次的価値)を2つあげ簡潔に説明しなさい。
・ 自然に接する楽しさ
・ 社交・仲間作りの楽しさ
318
238 成人期(社会人前期)の女性は結婚、子育ての時期でもあり、女性の参加率が最も低下する時 期である。女性がスキーに参加しやすくする対策をあげなさい。N
・ 家族とりわけ配偶者の理解と協力が必要である。
・ ファミリースキーのプログラムサービスや、スキー場の付帯施設として託児所や子供のスキーエリアの設置、充実などによってこの時期のスキー参加の増加が期待できる。
319 スキー指導者に必要な資質
18 スキー指導員に必要な資質について、空欄に適切な語句を入れなさい。指導理論P29 M
スキー指導者の対象者は、幼児から高齢者、身障者を含め、すべての人々を対象とします。参加
形態も、ファミリー、職場の仲間、地域のクラブ、学校の生徒などさまざまです。
今までのスキー指導者には、自分が経験し、体得した技術を手がかりに教えてやるタイプの人が
多くいました。これからのスキー指導者は、多様な対象の人々の、多様な要求に応じることのできる資質を持ち、学習者の自発的な学習を引き出し、支援できるタイプが望まれる。より高い指導技術に加え、より深い専門知識、より広い教養とより豊かな人間性を備えていることが
求められる。
321 フィットネスの一般原則を6つあげなさい。 N
221 フィットネスの一般原則を6つあげなさい
・個別性
・全身性
・斬新性
・継続性
・自覚性の原則
・栄養と休養の原則
322筋力トレーニングは、筋収縮の状態によって、ふたつのトレーニングに分類することができる
222 筋力トレーニングには、筋収縮の状態によって、ふたつのトレーニングに分類することができる。その2つをあげなさい
アイソメトリックス(静的トレーニング)
アイソトニックス (動的トレーニング)
223 次の表は、動きの基礎としての筋収縮様式を分類したものである
等張性収縮・筋収縮時、筋の張力がほぼ一定の場合
短縮性収縮 筋の長さが短くなりながら力を出す場合。
伸張性収縮 筋の長さが長くなりながら力を出す場合
等尺性収縮、筋収縮時、筋の長さがほぼ一定の場合
等速性収縮 筋収縮が一定速度で行われる場合
スキーやスノーボードの事故発生のメカニズム及び事故の未然防止についてである。
選手の義務
TDの任務
主審の任務と権利を述べなさい
・ 重力を利用した落下運動である
・ 複雑な状況に対応する技術である
・ 用具を利用するターン運動である
「テールコントロール」
体幹部は重心を通る軸線よりもターン外側に傾けられる。「外傾」
体幹部は落下運動の方向に向けられる「外向」
ターン外側のスキーを働かせる「外スキー主導」
「トップ&テールコントロール」
体幹部は重心を通る軸線よりもターン外側に傾けられる。「わずかな外傾」
体幹部は落下運動の方向に向けられる「わずかな外向」
両スキーを働かせる「両スキー主導」
「トップコントロール」
体幹部と内脚を結んだラインはターン内側に傾けられる。「内傾」
体幹部は落下運動の方向に向けられる「内向」
ターン内側のスキーを主に働かせる「内スキー主導」
「テールコントロール」
スキーが水平面に対してターン外側(谷側)へ角づけられ、荷重されることによって行われます。
スキーヤー(スキーを含む)の重心がその基底面上に置かれ、スキーが水平面に対してターン外側(谷側)へ角づけされることが必要条件となる。
「トップ&テールコントロール」
スキーが水平面に対してターン外側(谷側)へ角づけられ、荷重されることによって行われます。
この場合、斜面への角づけは「テールコントロール」におけるものよりも強くなります。
スキーヤー(スキーを含む)の重心がその基底面上に置かれ、スキーが水平面に対してターン外側(谷川)へ角づけされることが必要条件となります。しかも「トップ&テールコントロール」におけるスキーの横軸(谷側)方向への落下運動は「テールコントロール」におけるそれに比べて小さいものとなります。
「トップコントロール」
スキーが水平面に対してターン内側(谷側)へ角づけられ、荷重されることによって行われます。
スキーヤー(スキーを含む)の重心がその基底面上に置かれ、スキーが水平面に対してターン内側(山回り)の場合は、山側、谷回りの場合は、谷側へ角づけされることが必要条件になります。
「あらゆるスポーツの中で、その王者に値するスポーツは、スキーにおいてほかにない。スキーほど(筋肉を鍛え)(身体をしなやかに)、しかも弾力的にし、巧緻性を養い、(注意力を高め)、意志力を高め、心と身体を( 爽快にするスポーツは )ほかにない。晴れわたった冬の日に、スキーをつけて森の中を滑走していく・・・・。これにまさる健康的で、そして純粋なものがあるであろうか。深々と雪におおわれた森や山のすばらしい自然に勝る清らかな貴いものがほかにあるだろうか〈中略〉日常の文化生活はいっぺんにわれわれの頭から拭い去られ、汚れた空気もろとも、はるか後方かなたへ遠のいてしまうかのようである。われわれはスキーと、そして自然と、渾然としてひとつになってしまうのである。スキーは(身体を鍛える)ばかりではなく、心も養い高めるものであり、多くの人が予感しているよりも、いっそう深い意義を持っているのである」。このように ( フリチョフ・ナンセン ) (ノーベル平和賞受賞者)は、有名な言葉を残しています。
これほど的確にスキーの魅力と意義を表現した言葉は数少なく、スキーヤーなら誰もが、うなずきながら実感できるはずです。
さて、このようなスキーの世界を知らない人たちに、ぜひともスキースポーツを紹介したく、この本は企画されました。
スキーによって自然の懐へ入り込むうちに、このナンセンの「(スキーはスポーツの王者)」という言葉がリフレインされて聞こえてくるはずです。そのお手伝いをスキースクールなどを通して行っているのが、(財団法人全日本スキー連盟)なのです。今まで良きスキー指導者の育成のために教科書として多くの(『日本スキー教程』)を作成してきましたが、この本はすべての人々に「スキーのもつ楽しさ、喜び、夢」を直接訴える初めての試みです。
この本が、ナンセンの言葉を写真と文章で表現できていて、一人でも多くの人がスキースポーツを楽しむきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。
情報化社会が進展すればするほどに、逆に人間同士の直接的コミュニケーションが希薄になり、ソフトなふれあいやハイテク社会における密度の高い人間関係が求められるようになる。コンピューターが人間の指導者やリーダー、コーチの代役を演じることは不可能である。高度情報化社会、ハイテク社会においては、人間同士のふれあいや社交を促進する社会的機能を持っているスポーツやレクリエーションに対する要求がますます高まってくるであろう。
高齢になっても心身ともに健康で、生き生きと充実した生活をすごしたい。これはすべての人々の共通した願いである。中高年のレジャーの関心が「健康」「社交」「アウトドア」「知識・教養」に集中していることから考えて、スキーはすべての条件を備え、今後ますます要求は高まるものと考えられる。
超高齢社会において生き生きと健やかに高年期をすごせるか否かは、決して個人的な関心事ではなく、高齢化にともなう医療費の高騰など社会的問題を含んでいる事も忘れてはならない。
『日本スキー教程 スキーへの誘い』はいかがだったでしょうか。この本は、まだスキーをしたことがない人、あるいは昔していたのに今はスキーから遠ざかっている人に「スキーの魅力」に一端でもお伝えできればと、財団法人全日本スキー連盟が始めて編纂した『( スキーへの招待状 )』です。また、長年スキーをされてきたベテランの人たちにとっても、ひとつひとつのスキーシーンが実感をともなって感じられ、あらためてスキーの魅力を再認識しているのではないでしょうか。
スキーは、誰もが、( 年齢に関係なく )、( 性別に関係なく )、( 技術に関係なく )、それぞれの目的やあこがれに向かって楽しむことができるオールマイティなスポーツです。何しろ5歳のこどもから、お兄さんお姉さん、お父さんお母さん、さらにはお祖父さんお祖母さんまで、同じ場所で同じ時間をともに楽しむことができるのです。こんなスポーツは他には見あたりません。もちろん楽しむための娯楽スポーツとしてのスキーだけではなく、オリンピックで金メダルを競うような能力スポーツとして、あるいは健康や趣味としての( 生涯スポーツ )として、さらにはクラブ活動など仲間と楽しむ社交スポーツとして、あるいは自然とふれあうスポーツとして、それぞれに価値ある素晴らしいスポーツなのです。
さて、このような魅力あるスポーツを広めるために、財団法人全日本スキー連盟は、日本を代表する団体として、1925年(大正14年)に創設されました。以来約80年の長きにわたって、常に日本のスキーをリードし続けています。目的は、「( スキーの普及・振興 )を図って、日本の国民の皆さんの心身の健全な発達に寄与する」にあるのです。
そのためには、スキーに関する( 調査や研究 )、良いスキー指導者を育成するための( 講習会や認定 )、さらには日本のナショナルチームの選手強化を通してオリンピックや国際大会への派遣、あるいはスキーの安全対策など、スキーに関する( すべての事業を遂行 )しているのです。現在、47の都道府県それぞれにスキー連盟が置かれ、全国では3100あまりのスキークラブ、330校を超える公認スキー学校を通して、それらの活動が活発に行なわれているのです。
今、大きな変化の時代を迎え、私たち財団法人全日本スキー連盟も新しい時代に向かって大きく歩みはじめています。とくに普及活動においては「( 安心・誠意・感動 )」をキーワードとして、スキーを愛するすべての皆さんとともに豊かな時間を過ごしたいと願っています。とくに、これからスキーをはじめようと考えている人、スキーをしたい人は、ぜひとも私たちと一緒に、楽しいスキーを始めてみてはいかがでしょうか。この本が、そのための一助となれば誠に幸いです。
最後に、多くの新しいスキー仲間との出会いを心から願い、この本の編集を支えてくださった全国のスキー学校、スキー指導者の皆さんへ感謝を申し上げます。
238 成人期(社会人前期)の女性は結婚、子育ての時期でもあり、女性の参加率が最も低下する時 期である。女性がスキーに参加しやすくする対策をあげなさい。N
・ 家族とりわけ配偶者の理解と協力が必要である。
・ ファミリースキーのプログラムサービスや、スキー場の付帯施設として託児所や子供のスキーエリアの設置、充実などによってこの時期のスキー参加の増加が期待できる。
技術指導は、スキーの( 楽しさ )を味わうための手段である( スキー技術 )を指導することです。
技術指導は、簡単なものから( 難しいもの )へ、単純なものから複雑なものへと 順序性のある技術指導は、一般的には合理性をもちます。しかし、初心者が基礎を学ぶ場合、基礎が全体の中で( 何なのか )を理解できないことがほとんどであるといえます。そして、最大の問題は、基礎がスキーヤーにとって( 興味あるもの )あるものではなく( つまらないもの ) になりうるということです。
技術指導においては、その直接的な目的( スキー技術 )の達成のみに目が向けられるのではなく、絶えず究極的目的(( スキーの楽しさ ))が意識されなければなりません。そこで、スキーヤー(学習者)の側に立った( 主体的 )な学習活動への工夫が技術指導に求められるといえます。
一方、「学習指導」は、「スキーの楽しさ(スキースポーツの目的)の( 学習 )を指導する」ということです。指導者はスキーヤーの学習を( 間接的 )に指導(学習指導)することになります。その意味から学習指導は、スキーヤーの持つ( 個別的欲求 )に対応するものとなります。
ここでは( 技術 )が無くても( 未熟でも )楽しさを味わうことが可能であるという立場が採用されます。つまり、楽しさを味わうのに、( 技術習得 )が必ずしも前提にならないという考え方です。
技術があればもっと大きな楽しさを味わえるという学習への積極的期待を生み出します。
このことによって、スキーヤーの主体的学習が実現することになります。
423 社会環境の変化に伴い、スキー指導の考え方も旧来のものから大きく変わってきました。その変化に関する下記の問いに答えよ
「画一的なスキー技術の習得」をめざし、指導者を中心とした一斉指導を主流とした指導方法。
心豊かな生活を指標にした生涯スポーツの時代として「楽しさ」を体得し自発的・主体的能力を高めることで、「生涯にわたって継続的にスキーに参加するスキーヤーを育てる」
424 スキー学習の成立条件には「基礎的条件」と「内容的条件」があります。それぞれについて、具体的な項目を4つ挙げてください。
基礎的条件
1. 学習のマネジメント
2. 学習態度
3. 人間関係
4. 自然条件
内容的条件
1. 何を目指して
2. 何を
3. どのような工夫をして
4. どんな方法で
425 良いスキー学習を実現するための基礎的条件を5項目挙げてください。また、その中で学習者からの高い評価につながる項目については全体を○で囲む
426 計画段階での指導者の役割を6つ上げてください。
427 学習内容を適切に選択・設定する事に関する文章を完成させよ
(チクセントミハイル)の楽しさの流れのモデルが示すように、(挑戦)する目標と(能力)のバランスにより楽しさの流れがきまります。例えば、課題がやさしすぎる場合には、たとえ成功した場合でも成功感や(達成感)・(どちらも)が沸いてきません。逆に、難しすぎる場合には失敗した場合でも(意欲)が沸かず、失敗の経験が続くと(自信)を失い、学習に対する(意欲)が低下します。技能レベルに応じた(成功体験)が得られる課題を設定することが必要です。
428 有効な学習指導過程を設定する事に関する文章を完成させなさい。
運動・動作の不安定な未熟練者に対する効果的な指導要因としては、( 今できる )技能を使い、大きな( 失敗 )をしない( 距離 )をめどに、努めて( 長く )滑らせることが考えられます。学習者は「( できた )」経験によって技術課題が具体的に「( わかる )」ようになります。
431 スキーやスノーボードの事故発生のメカニズム及び事故の未然防止についてである。
432 指導者としての傷害防止の留意点を10点
61 指導者として傷害防止のための留意点を10書きなさい。 安全編P21 KM
帽子の着用を指導者自らが、手本を示し実行する。
・生徒のスキーセーフティーバインディングの点検と調整およびその指導
・スピードコントロール技術の指導を徹底する
・正しいリフトの乗り方と降り方を指導する。(リフト使用心得を体で示す)
・帽子着用を指導者自らが手本を示し実行する。(頭部の切挫創予防)
・怪我につながる危険な転倒を指摘し矯正する(安全な転び方を指導する)
・スキーヤーとスノーボーダーの衝突の回避の仕方を指導する。
・生徒の疲労を判断し適切な休憩をとる
・指導種目に合った安全な斜面を選定する。
・雪質の変化に伴う対応技術を指導する。
・他のスキーヤー、スノーボーダーに対して思いやりの心と気配りの姿勢を指導
433 ターン運動の原因としてのメカニズムを3態書きなさいO
434 運動に質を捕らえる3つの要素を書きなさいO
435 運動のリズムの変化について3つ書きなさいO
436 スキー指導のあり方O
学習指導は、スキーを学ぶ者の自発的、(主体的)な運動要求が満たされるものでなければならなりません。 スキーを学習することの喜びは、学ぶ者自身の力で(挑戦対象)や、技術課題を克服し目標を達成していくことにあるからです。指導者には(与える)指導よりも、学習の意欲を引き出したり、学ぶ者自身に問題を解決していく能力を身につけさせるよう(手助け)する姿勢が望まれます。指導者としては、学習者全員対象に画一的に(教える)という姿勢ではなく、一人ひとりに目を向け、学習を(支援する)姿勢が何よりも重要です。
437 スキー指導の計画で単元の計画立案する際の留意点3つO
1. 単元計画の作成に先立って、学習対象者の実態を把握する(スキー経験・技能レベル・興味・関心・年齢・体力など)
2. 目標を明確に示す。単なる理想や抽象的な目標ではなく、達成できるものであり、指導者や学習者が達成度を明確に評価できる具体的な目標が表現されていることが大切
3. 学習内容や学習活動の道筋(学習過程)を立案する。目標を実現するための学習内容や活動の道筋が明確にまとめてあり、段階的、発展的に示す必要がある。
438 運動の出来栄えに対し、指導者が有効なフィードバック情報をあたえることが重要ですが、その際どのようなことに留意して情報を与えたらよいか、いくつかのポイントを記してください。 O
1. 学習者の過去の運動経験など、動作の手がかりとなるわかりやすいフィードバック情報を与える。
2. 良かった動き、悪かった動きが感覚的に捉えられるフィードバック情報を与える。
3. 良い結果に対して努めて肯定的なフィードバックを与える。“ほめことば”はやる気を喚起する。良くない結果や失敗に対しては、失敗の指摘や叱責だけの否定的なフィードバックではなく。失敗の原因や、失敗を繰り返さないためにどうしたら良いか示す矯正的フィードバックを与え、励ますようにする。
4. 今、矯正しなければならない点の指摘を的確に行なう必要がある。
5. フィードバック情報は学習者の滑りの運動感覚が残っている運動直後に与えることが効果的である。
439 スピードの高まりとスキー主導性についてO
スピードの高まりに対応する対応力は、ターン外側への落下運動に用いられる( 外スキー主導 )よりもターン内側への落下運動に用いられる( 内スキー主導 )の方が高い。外スキー主導は( 安定 )に優位性を、内スキー主導は( スピード )に優位性を発揮する。
440 旗門審判員O
旗門審判員は、選手の( 旗門通過 )に関して責任を負う。旗門審判員の責任は、自分が受け持つ( 最初の旗門 )に選手が接近するときから始まり、自分が受け持つ( 最後の旗門 )を選手が( 通過 )したときに終了する
旗門審判員が正確な( 旗門通過 )と認め、選手が失格とならない場合は( Go )、選手が失格になると思われる場合は( Back )と、どちらかの言葉で指示する。
441 雪崩についてO
スキーヤーの雪崩遭難の事例が多いのは、( 面 )発生( 乾 )雪( 表層 )雪崩である。この雪崩は気温が( 低 )く、どか雪の最中か、その( 直後 )に発生しやすいと言われています。
* キーワード ・作用筋 ・伸張性収縮 ・短縮性収縮
ジャンプする作用筋を直前に伸展(伸張性収縮)させてから収縮(短縮性収縮)させジャンプする、反動作用を利用したパワー強化のトレーニングである。
具体的には、一定の高さから飛び降りて着地と同時に素早く次のジャンプするもので、着地の時間が短いほど効果が大きいとされている。
具体例:異なる高さの台を数台セットし、飛び上がり、飛び降りの運動を連続する。
○
台の高さと間隔は体力レベルに応じて設定する。標準としては、男子で70〜100cm、女子で50〜70cmくらいが目安となる。台が高すぎたり、間隔が適当でないと、着地時に膝が深く膝が曲がり着地時間が長くなり効果的でない。
筋力トレーニングには、筋収縮の状態によって、ふたつのトレーニングに分類することができる。その2つをあげなさい。
1、アイソメトリックス(静的トレーニング)
2、アイソトニック (動的トレーニング)
次の表は、動きの基礎としての筋収縮様式を分類したものである。 ( )の中に適切な語句を記入し表を完成しなさい。
┌(短縮性収縮)┈筋の長さが短くなりながら力を出す場合
筋収縮┬(等張性収縮)┈(筋の張力)がほぼ一定の場合
│ └(伸張性収縮)┈筋の長さが長くなりながら力を出す場合
│
├(等尺性収縮)┈筋の長さがほぼ一定の場合
│
└(等速性収縮)┈筋収縮が一定速度で行われる場合
次の表は、アルペンスキーで求められる体力要素について説明したものである。〔〕に適切な語句、数字を入れて表を完成しなさい。
行動を(持続)する能力 |
1)(全身持久力) |
<有酸素的作業能> |
行動を起こす能力 |
2)(筋力) |
|
行動を(調整)する能力 |
3)柔軟性 |
|
4)平衝性 |
<(バランス)能力> |
|
5)(巧緻性) |
@姿勢反射 |
|
A(随意)反応 |
||
B予測的姿勢制御能力 |
||
@状況把握能力 |
||
A動きの(正確さ) |
||
B動きの(素早さ) |
||
C動きの(持続性) |
つぎの文は、スキーにおける、巧緻性(巧みさ)について説明したものである。空欄に該当する語句を書きなさい。
スキー運動における巧緻性(巧みさ)とは、複雑な動きに適応し、身体各部の多くの(関節)を同時にコントロールできる能力であり、アルペンスキーでは、特に次の4つの能力が必要です。
@ 状況把握能力 |
(斜面状況)を予測し、運動感覚による自分の身体運動を認知できる。 |
|
A 動きの正確さ |
|
|
体技の(ポジショニング)能力 |
必要な技術動作にかなった体技の動きができる |
|
(力)の調節能力 |
状況に応じた力の発揮や(エッジング)における力の強さ、( 方向 )、時間の調節ができる |
|
(タイミング)能力 |
適切な時に適切な時間配列にしたがった動作ができる。 |
|
出力の(再現能力) |
同じ状況では常に同じ動きができる |
|
B 動きの素早さ |
動作を素早く始めたり、動作の(切り換え)が素早くできる |
|
C 持続性 |
動きの正確さと素早さが持続できる(集中力)がある |
|
トレーニング計画立案の原則を4つあげなさい。
1)
系統性と漸新性の原則
2)
科学性と創造性の原則
3)
適合性と反復の原則
4)
意志性の原則
次の文はアイソトニック実施の際の運動処方の条件を述べたものである。空欄に適切な数字を入れて文章を完成しなさい。
(1),トレーニング効果をあげるには普段出している力よりも強い筋力を出す必要がある(オーバーロードの原則)。最大筋力の(20)から(30)%以上の力を出すことで筋力を維持することができ、(40)から(50)%の力を使うことで筋力を強化することができる。運動強度(使用する重量)と運動を反復する回数には一定の関係が成立する。適正負荷重量の目安としては、最大筋力の60%の運動は、(8)回から(10)回反復できる負荷を、50%では(13)回から(20)回反復できる負荷量を選択すればよいこととなる。
(2)、筋力トレーニングの効果は、毎日1回実施したときを100%とすると、2日で1回では80%程度、3日で1回では(60)%、週1回で約50%以下の効果となり2週で1回だは効果がない。トレーニング効果を望むならば週に(3)回の実施を目安とし、最低限週1回実施することが必要となる。
ノルディック種目の男女共通種目を4つ挙げなさい
クロスカントリー ポピュラークロスカントリー
ローラースキー ジャンプ
アルペン種目を5つ挙げなさい
滑降 スーパーG 大回転 回転 アルペン複合 パラレル競技
大回転のフラッグを取り付けるときの要領で下記の空欄を埋めなさい
フラッグの下端が雪上( 1 )mにする
横幅は( 75 )cmくらいにするのが良い
宣の向きは旗門線になるポール側が下方向
旗門の幅は( 4m )以上8m以下でなければならないまた連続する2旗門の最も近いポールの
間は( 10 )m以上でなければならない
FIS・SAJ公認の大会の場合、大回転のスキー板のサイドカーブの半径は男女とも何メートルでなければならないか
21メートル以上
ゴールエリアにレッドラインが引かれているのは何を意味するのか
レッドラインの中でスキー板をはずしてはいけない
はずせば失格となる
レース中前の走者を追い越してゴールした。前の走者が邪魔になりタイムが遅かったと思うので再レースを申し入れた。この場合認められるか。
認められない
レース中に妨害を受けた選手は、妨害発生後、直ちに停止し、ジュリーメンバーに再レースを申し込まなければならない。