05年春山山行、八ケ岳ー杣添尾根から赤岳
2005年4月28(木)〜5月1日()      同行者:Bergen,OM,IS,KK,HT,CN
記録
4月28日(木):


 21:00淀屋橋集合-名神中央道-2:30駒ヶ岳SA(幕営)
夜だと地理がわかりにくかろうと、登山口にはあえて現着せず。
以前にも利用した、駒ケ岳SAの東屋の中で幕営した。
Bergenにとって久しぶりの、山スキー以外の春山である。
今夜の宿を何処にするか?
迷ったが、結局駒ケ岳SAの例の場所にした。
小宴会後、今回の山行の成功を祈って床に就く。

出発日の内に無理に現着せずとも、時間的に余裕を持って睡眠をとる。

「疲れが全然違いますね」

当然でしょう!
これもまた良しです。
人生全て、臨機応変に動かなくては!
結果的に翌日は間違えずに登山口に到達できた。

横岳登山路、入り口の標識
4月29日(金:祝日/みどりの日):

5:00起床朝食5:30出発小淵沢IC−8:10海の口別荘地登山口ー杣添尾根ー2650m地点(幕営)
登山口から杣添尾根を登ったが、直ぐに雪面となった。
幸いにも締まった雪であった。
主稜線の見える尾根の北脇に快適なテント場を作った。
昨夜の幕営環境があまりにも良かった(?)が、
今朝は予定通り起床。既に周囲は明るく、行き交う人も多い。食堂は既にオープンしている
各自そそくさと用足しを済ませ、出発。

「さあ、頑張るぞ」}

途中、諏訪湖SAで朝食。
連休ゆえ?早い時間であったが、意外なほど多くの車で駐車場は満たされていた。
SAの花々が色とりどりで美しい。
背後の落葉松林は新芽が出だしたばかりだ。
諏訪湖の奥に、蓼科山がその山頂を覗かせている。

小淵沢ICで高速を降り、山麓のドライブウエイをR141目指して進む。
目当てのGSは、野辺山を過ぎて漸く出てきた。

「ひえーっ、安心です」

帰りのガソリンを入れておかないと!
ここで登山口の情報を教えて頂き、間違うことなく到着。
8台分くらいの駐車スペースあり。
昨夜来なくて良かった、と真剣に思う。

周囲は木立の中の別荘地で、人の気配はあまり無い。
環境整備作業の人達が行き交うのみである。
登山口から暫くは別荘地の中の道を、谷沿いに進む。
林道を2回横切り、左手の尾根に取り付く。
積雪は僅かであるが、登るにつれて一面の雪原となる。

最初はトラバース気味に、すぐに明瞭な尾根状を進む。
結構急な傾斜で、オオシラビソの林も次第に背丈が低くなる。

「気持ちの良い登山路です。
人が少ないのが、なお良い。」


勝手なことを言います。
はじめての小ピークを越すと傾斜も緩くなるが、その後は尾根が狭くなってくると、漸く主稜線の見えるピークに出た。
ここから見る赤岳は立派だが、山頂はガスに隠れている。

少し北の斜面に幕営適地を見つけ、幕営準備にかかる。
斜面をかなり削ったので、快適なテント場が出来た。

「此処は最高のテント場だ」

Bergenが言います。
MSさんも賛同!
夜の風にも悩まされなかった。
例によって宴会モードである。
オオシラビソの林を登る。

オオシラビソの林で-Bergen

テント場、抜群の立地であった。


赤岳山頂は霧の中

宴会モードに突入
4月30日(土)

5:00起床6:00出発…6:30稜線(横岳)…9:00赤岳山頂−(軽食)-9:40下山開始…11:30横岳…12:30テント場ー20:00入眠
天候に恵まれ、快適に赤岳を目指せた。
稜線上は、さすがに見事な眺望である。
初心者に人気のある山だと言うのも、頷ける。
昨夜は大宴会で盛り上がり、前夜の睡眠不足も解消されたに違いない。
今朝は抜けるような快晴で、絶好の登頂日和である。

定刻に起床。
昨夜作っておいた水が有効に働く。
朝食は昨夜の残りのご飯で雑炊だ。
気持ちよく起きられたので、朝食もすすむ。

そそくさと出発準備する。今朝はアイゼンでの登行だ。
テント場から出て南を見ると、雲海上に富士山が見えている。赤岳もすっきりと見えている。
ますます登行意欲が湧くと言うものだ。

主稜線まではあっけなく到着する。
ここから見る赤岳、阿弥陀岳の立派さは息を呑むほどだ。
その肩に南アルプス北部の名峰が聳える。
北岳、甲斐駒そして仙丈の各峰だ。

「巣晴らしい、の一言に尽きる!」

懐かしさに思わず喝采を叫ぶ。
西は中央、御岳、乗鞍そして北アルプスが屏風のように連なる。北の妙高、火打に身近では浅間の噴煙も懐かしい。

ここでKKさんは待機しいてる、という。
遠慮深い彼は、皆の足かせになるのを恐れたのか?

それでも登行意欲に燃える我々は、一路赤岳を目指して、出発した。
途中、横岳の難場を通るが、危険な場所には梯子や柵が
設けてある。行き交う人達も完全装備だ。
振り返ると、横岳、大同心そして小同心などの岩峰群が大迫力で迫ってくる。

出発の朝

赤岳の右に甲斐駒と仙丈が見える。

Bergen

赤岳山頂

赤岳山頂にて、MSさん(右)と

帰幕してしばし寛ぐ。
何れにしても天候が良いと、身も心もリラックスする。この下りは大学5年の時にも経験したが(確か11月)、岩峰を巻くので、その都度佐久側と諏訪側を行き来する。
佐久側は風が無く暑く、諏訪側は快適な風に吹かれる。これが絶妙のバランスで交互するので、あまり汗をかかずに快適に下れるのだ。

ISさんが言う。

「気持ちが良いのう!」

途中の急な雪渓の下りは少し緊張するが、程なく赤岳天望荘に到着した。
冬なので羽根は外されていたが、建物の西面のポールに数多くの風車が設置されていた。
山小屋も自家発電のみならず、ソーラーや風力発電の時代なのだ。

ここからの赤岳の登りは思ったほどでなく、30分くらいで到着した。

「もっと掛かるで」

と言う皆さんの声も、私の経験から打ち消された。

山頂からの眺望は、

「見事!」

の一言に尽きた。
KKさんを待たせているので気掛かりであったが、余りの素晴らしさについ長居してしまった。
昼近くになってくると、遠くの山々も次第に厚いベールに覆われてくる。

「日本の山の眺望は、昼迄なのよ」、

と言うMSさんに賛同す我々であった。
横岳直下の雪田でKKさんと再会した時には、遠くの峰々は霞んでいた。

「今日中の下山、桜の元での宴会」

も考えたが、誰言うと無く、昼間からテント場での大宴会に再度突入。
しかし、如何せん、今夜はアルコールが足りなかった。
5月1日(

5:00起床6:30出発…9:00登山口ー高根温泉ー長坂IC−11:00諏訪湖SA(入浴、昼食)−16:00帰阪
天候に恵まれ、下山も快適。さすがに雪はかなり融けている。
温泉探しは結局、諏訪湖SAの温泉に落ち着いた。
幸いにも天候は持った。
しかし朝の曇天は、その後の悪化を如実に語っている。
残念ながら富士山も見えない。

食料も殆ど食い尽くしたので、帰りの荷は軽い。
アイゼンを着けて下り出したが、途中は気持ちの良い林なので、思わず早足で下る。

「そんなに駆けて何処へ行く?!」

昨日の快適な登頂で、満足感に満たされている。
思いがけない融雪状況から途中からアイゼンを外したが、
これだけ好天が続けばやむを得ない。

帰りは温泉を求めて高根温泉まで足を伸ばした。
残念ながら11時からオープンなので、1時間も待てない。
予想通り、諏訪湖SAで入浴となった。

野辺山付近から権現岳

天候に恵まれ、まことに快適な春山でした。
もっとも、御手軽すぎるとの批判もありましょう。
八ヶ岳の東面は、西面に比べて人気の無い登路です。それもそのはず、アプローチがやや長く、見所に欠けます。
でも人が少なく、非常に落ち着いた山行が出来たので、皆喜んでおりました。