焼岳「リベンジ山行」 & 奥飛騨、高原川支流「沢上谷」遡行 の旅 |
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2004年10月9日(土木)〜11日(月、祝日●) | 同行者:ST隊長以下9名 (ST,SY,MK,MS,OM,KK,IS,HT,NO&bergen) |
記録 | |
10月9日(土): | |
13:30大阪淀屋橋集合19:30奥飛騨、上宝「道の駅」で泊 |
今回は紅葉巡りと今冬の焼岳のリベンジ山行です。 Y山岳会は何時も欲張りな隊ですが、今回も盛り沢山なツアーです。 この所何時も台風、雨に見舞われているので、今回は如何でしょうか? |
今回は台風の加減で出発が当初の金曜日夜から土曜日昼に変更になり、お陰で土曜日出勤のbergenも参加出来ました。 今回は何はともあれ、台風に感謝です。 「台風さん、有難う!」 さて、台風の接近にも拘わらず、高速道には雨の気配もなく進みます。 例によって高山を北方面に巻き、丹生川村から平湯トンネルを抜け、今夜の幕営場所の設定です。 当初は栃尾の村営温泉脇やその上流の園地も考慮にあったのですが、 結局は上宝村の「道の駅」での宿泊となりました。 夜間の雨の心配があり、東屋の無い地点での幕営が嫌がられたのでしょう。 何はともあれ、乾杯です。 「御苦労様でした!」 その夜はベンチを囲んで宴会です。 その後は、皆さん順次、エアーマットをひいて休憩室の奥から詰めて寝ます。 「くー、くー」 心地よい寝息を立てて眠りますが、 朝になったら他のグループが直ぐ横でお休みになっていたのには、吃驚しました。 |
道の駅で宴会 bergen(左)とKKさん |
10月10日(日):「焼岳」登山 | |
4:00起床4:30朝食6:00出発ー7:00中尾登山口10:00中尾峠11:00山頂(北峰)昼食14:30登山口-(入浴、買い出し)-16:00幕営地19:00夕食22:00就寝 |
さて昨夜は屋根付き快適な宿泊場所で、快眠できました。 今日は焼岳の登山です。 どうなる事でしょうか? |
出発の朝ー中尾登山口の駐車場で 途中の「秀綱神社」で,OMさん |
昨夜は遅駆けにもかかわらず、今朝はリーダーの指令の下、早起きする。 辺りは真っ黒であるが、流石に「道の駅」は明るい照明もあり有利だ。 今朝の献立は雑炊だ。 そそくさと食事を終え、テントの撤収も無いので早々と出発する。 お陰で登山口には早い時間に到着出来た。 このコースは,大学2年(昭和43年、1968年)の夏合宿の際に越した。 その際に訪れた「石戸先輩の遭難碑」も、 これだけ集落が発展すれば再訪もまま成らない。 登山口には既に数台の車が止まっている。此処からは頂上まで1200m程の標高差なので、人気の無いコースであるはずだ。 案の定、最初は舗装された林道を嫌になる程登る。 次いで山道になるが、これも急傾斜の葛篭折れのトラバースルートとなる。唯一の救いは、植生(素晴らしい自然林の広葉樹)と対岸の大滝である。 急な登りも所々のビューポイントで疲れが和む。途中の滝もそうだが、三木秀綱の遭難を記念する碑、秀綱神社には非常に興味をそそられた。 巨岩の下に鳥居があり由来を示す標識があるのだが、非常に神秘的な雰囲気に支配されている。 |
此処で後発メンバーを待つ。 Y山岳会は、現時点では元クライマーの中高年山岳会であるが、「俺は此処で休憩する!」の一言で遅れる人は勝手に休憩し、 先行メンバーとパーティが二分する可能性がある山の会になってしまった? 今回の 山行の平均年齢も55歳弱であり、高齢者の処遇を考えねばならぬのは、なにも国全体の話ではない!? |
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後発隊の到着を待ち、暫し休憩の後、中尾峠に向かう。 「えらい早いな!」 そうです。この行程は頑張リました。 なんせ中尾峠まで、後20分と書いて有りましたから、頑張ったわけです。 休憩後、後発の皆さんが続々到着します。 |
中尾峠に皆さん]集合 |
中尾峠から北峰のコルで |
此処からは急な登りです。 岩の所々から煙が吹いて利ます。 亜硫酸ガスや硫化水素です。 極めて危険な有毒ガスです。 しかし、 「此処まで来れば登るのみ!」 覚悟を決めて登ります。 中尾峠からの途中の噴煙はまだたいしたことありませんが、頂上直下の噴煙は素晴らしかった。 硫黄の結晶が析出し、史跡的にも重要なものだと思われた。 |
北方を見やりますと、遥か西穂に続く稜線が延びています。 峰々の紅葉も未だシ!の感はありますが、よく目を凝らせばそれはそれは美しい微妙な色彩で彩られています。 残念ながら、明神や、この夏登った奥穂南稜は微かに見えますが、その奥に遠く聳えてに見えるはずの奥穂高岳は濃いガスの中です。 (後で聞くと、この時,私の施設のリハビリスタッフが穂高岳山荘まで登っていたようですが、流石のガスと風に恐れをなして引き返したとのことです。 真に残念な話でした。) 手前に焼岳小屋、次いで割谷山さらには新穂高ロープウエイに西穂小屋も見えます。 ロープウエイは2階建てだそうで、その白い搬器が嫌でも大きく見えます。 |
中尾峠から焼岳への登りから見る北の稜線 左下の青い屋根が焼岳小屋 |
山頂(北峰)にて、bergen |
中尾峠から約1時間で山頂です。 ここからの展望は流石に良好です。 百名山だけあって、流石に登山者も大勢です。 でも何と言っても、一番楽なルートは上高地からでしょう。標高差と、道の傾斜が楽です。もっとも梯子もあるようです。 直ぐ南に南峰が見え、北峰とのコルまで中ノ湯からの道がトラバース気味に見えています。 此処から見た風景を考えますと、1月の 山行では、どうも南峰に登頂した可能性が大いに考えられます。 実証するには、残置した赤旗を見つけることですが、南峰への登頂は敢え無く却下されました。 「残念じゃー!」 と言っても、単独行動は厳禁ですから致し方ありません! |
山頂でビールで乾杯、思い思いに昼食を摂ります。 南を見やれば、火口湖のコバルトブルーの湖や、聳え立つ火口壁の壁が威圧的に見えます。 そうこうしてる間にも、登山者が続々と到着です。 皆さん、この晴れ間に感激しておいでです。 我々も、余り期待せずに赴むき、尚且つ正月での思いがあったから尚更です。 帰りは新中尾峠に出て焼岳小屋を訪問し、往路から登山口に着きました。これが又思いのほか急な下りでした。OMさんは膝の故障があったとも思えないほどのスピードで下り、我々を唖然とさせました。 「流石、頑張りの人! それにしても彼女のリハビリ 山行に良く付き合ったものだ!」 と、私も妙に感心します。 中尾温泉の入浴は、とても快適でした。 奥飛騨温泉郷は何れも豊富な湧出量で、「かけ流し」の湯のようです。 露天風呂もありますが、 混浴で、しかも 「体に自身のある人しか入れない露天風呂」 に、 MSさんを除いて皆入りました。 (勿論、男女時間差です。) |
北峰から見た火口湖 |
中尾峠よりの焼岳東の紅葉 |
焼岳小屋にて |
10月11日(月、祝日●):「沢上谷」遡行 | |
4:00起床4:30朝食6:00出発ー(車、回送)-8:30入渓点12:30終了点-13:30神岡「割石温泉」入浴-富山IC−北陸道ー16:30徳光SA(夕食)17:30−21:00帰阪、解散 |
さて、次の日は沢上谷(そうれたに)の遡行です。 昨夜は平湯の「秘密の場所」で幕営しました。 雨も降らなかったので、快適なテント生活でした。今日の天気は如何? |
秘密の場所での宴会 |
昨夜は宿泊場所を求めて奔走した。 一番楽な場所は、昨日の「道の駅」なのだろうが、時間も早いし、異論が強かった。 結局、「尾ノ上園地」と「秘密の場所]が鍔迫り合いを起こし、後者での幕営となった。 色々あっても、要は他人に迷惑を掛けない場所での、我々の場所が確保出来るかである。 その面で、この場所は皆さんの賛意を得た。 「漸く、ほっとしました」 案内役のbergenでした。 |
さて朝は明けますが、天候はイマイチのようです。 小雨がぱらついています。 一昨日泊まった「道の駅」でトイレを済ませます。 此処から焼岳が見えますが、黒くケムッテいます。 「今日の天気はドウナンヤ? 冷たい中、沢登りはカナワンナ! 増水してるんとちゃうか?」 など、ネガティブな言葉が行き交います。 しかし最後はリーダーの下、入渓点に向けて出発です。 |
入渓点よりゴーロを進む |
死んだ蛇を棒に吊るし、皆を気色悪がらせるKKさん |
小雨降る入渓点で皆さんを下ろし、終了点まで車を回送しますが、途中の林道を見落として峠を越えて仕舞いました。 少し時間をロスしましたが、これくらいはご愛嬌。速やかに我々も用意をして入渓します。 先行パティーが1組いるようです。 最初は例によってゴーロを行きますが、水量はやや多く、水面も白く泡立っています。流量もかなりのもので、余り傾斜の無いこの辺りでも、少しの渡渉にもかなり苦労します。 途中の休憩場所で、KKさんが例によってお茶目をしていました。 その度に女性軍から、 「ワー、キャー、やめて!」 と、悲鳴が轟きます。 楽しそうなKKさん!!! |
ナメの小滝をその脇から上りながら進むと、やがて傾斜は急になり、正面に屈曲するかなりの傾斜のナメ滝が見えてくる。 先行パティーは右岸に渡渉しようとロープを出しているが、1人の女性が初心者らしく苦労している。 我々は此処はあっさりと左岸から巻いてゆく。すると急に蓑谷大滝が見えだした。見えだして4分ほどで到着する。 先を急いでいるので基部には行かなかったが、一枚岩のスラブの大滝は水量も多く、まさに白帯滝である。 じ〜っと見ていても飽きないスケールだ。 当然、此処は直登は無理で、木の中の急な草付きの踏跡を右ぎみに登り進むと岩壁が見える。その下には明らかに人工的な石垣がある。上がってみると幅1mほどの立派な仙道が岩壁のヘリに沿って上がっている。 滝へと直進すると、落ち口上あたりで右へ曲がる。 すぐ木に目印があるのに気がつく。 此処からは急な懸垂下降で降りる。 更に途中から木の中の急な斜面の踏みあとを下りると、落ち口すぐ上のナメ床に出た。 ここからも素晴らしいナメが続くが、まずは急なナメの枝沢と、急速に流れる本流の渡渉をせねばならない。 「あの急流で滑ったら、滝の上からジャンプやで!」 確かに、滝の落ち口まで30mばかりで、流れは速い。アンザイレンしていても、流されれば止めるすべは無い。皆の心に不安が過ぎます。 急流をロープで確保して渡る 穏やかなナメが続く |
箕谷大滝上部(上)下部(下) 杣道を行く しかし流石はSTリーダー! アンザイレンして苦も無くルンゼを越え、更に本流も難無く渡渉した。それにしても、狭まった急なナメゆえ、流速と水の破壊力は相当のものだ。実際に、足を流れに入れれば、股の付け根まで水しぶきが上がるのだ! 漸く核心部を終えると、そこからは嫌になるほどのナメが続いていた。 しかし水の勢いは相変わらず強く、しかもナメの表面の微細な凹凸により生じる水紋が目を回させてくれることこの上ない。我々は目を回しながら先を進んだ。 |
やがて嫌になる頃、最後の10mのナメに行き当たった。これは左岸を登るが、チャチなロープが垂らしてある。 足場はしっかりしているので、注意さえすれば問題の無い滝だ。おりしも青空が見え出し、心にもゆとりが出てくる。 ISさん 「おい!写真をとるから、登れや」 絶好の風景を前にして極めてリラックスしています。 滝を越せば急に川幅が狭くなるが、腐ってもナメはナメである。この上も延々とナメは続く。 最後の橋から終了点まで林道を歩く。車の駐車場所で思い思いに休息を取ります。メンバーの全員に満足感が拡がります。 「此処は極楽やなー] 元集落の住民の(?)おじさんも、耕しに来られてます。 色々とお話を伺いました。 神岡の「割石温泉」で入浴の後、一路家路に急いだ。夕食は北陸道の徳光で摂ったが、夕陽の素晴らしさはこの世のものとも思えなかった。幸いにも、その後の高速は空いていた。 当初金曜日の出発予定が台風で邪魔され、その計画達成に心配していたが、最後まで快適に 山行を終えることが出来た。 「感謝、感激、雨霰!」 です。 何事も何時も感謝を!デス |
![]() 10mのナメ、左岸を登る。見る以上に易しい。 終了点近く、緊張がゆらぐ |
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