鈴鹿、愛知川支流神崎川、大阪労山救助隊沢搬出訓練参加の旅
2005年7月2(土)〜3日()      同行者:N会長、TH,NS、マルコス、Bergen,
記録
7月2日(土):
 
10:15阪急茨木市駅前pikup-N代表宅ー名神大山崎IC-八日市IC−1330永源寺町神崎川林道脇(幕営)
 空梅雨の天候から、一転して再度梅雨空に突入した。今週は休養かと考えていたが、YMCCの計画に同行させて頂くことにした。
例によって、なかなか楽しい有意義な山行になった。代表のNさんに感謝する次第です。
それにしてもTHさんの多芸多才振りには驚嘆です。
今夜は早い集合時間であるが、鈴鹿までは比較的遠い。
しかしTH車は、予定より1時間以上も遅刻。
結局N代表宅から八日市のICを出たのは、12時過ぎになってしまった。
IC近くのラーメン店で昼食を済ませ、スーパーで買出し少々。
「やはり冷たいビールも買っておかねば」
と、気合が(?)入ります。

惨めな貯水量の永源寺ダムを過ぎ、目的地を探しますが、集合場所はいまいち不明です。

「まあ、こんな時間に来る奴はいないで!」
(実は初級の方は金曜の夜から来られていたのでした!)

と言いながら、林道脇の広場で幕営準備します。

先ずはテントとタープの設営です。
それからおもむろに今回の主題の「ワラジ製作教室」です。

最初、誰言うともなく、

「喉が渇いたな!」

との、訴えあり。
THさんの

「酒を飲んだらワラジ作りはできないデ!」

との訴えを丁重に聞き流し(?)、ビールで乾杯。
その後は、各自身真剣にワラジ編みを行う。
やってみれば意外と面白く、極めて参考になる技術でした。
THさんに感謝です。

例によって種々の持ち寄り品での会席の宴会後、
明日の訓練の成功を祈って床に就きます。

それにしてもいつもいつも気楽な幕営であると思うが、
「まあいいんじゃない」

これもまた良しである。

ワラジ作りの師匠、THさん。

靴底を示すBergen
7月3日():

6:00起床朝食7:00集合場所出発ー沢搬出訓練ー14:00帰着−(反省会)-14:40下山開始ー17:00茨木
昨夜はかなりの降雨を予想していましたが、期待はずれでした。そのため、今日の神崎川は例年に比べてもかなりの低水位です。京都の労山もご一緒ですが、大勢の参加者に恵まれたので(?)、単独行動のようです。
兵庫と合同で訓練し、何とか訓練が無事に終了してほっとしました。救助隊のスタッフ、参加の皆さんご苦労様でした。
昨夜は大雨の予想だったが少雨で済み、
神崎川の水位もまったく上昇していない。

「空梅雨の時期、これで良いのか?」
と、複雑な気持ちになるが、訓練にはこの方が宜しい。

昨夜の幕営環境は、あまりにも快適だった。
蛍も見ました。
他の参加者の皆さんは少し上流の「神崎川キャンプ場」という、河川敷に作られたキャンプ場で幕営だった由.。

そそくさと朝食を済ませテント撤収し、集合場所に急ぐ。
THさんのワラジが、皆さんの注目の的です。

「これどうしたの?」
と問われます。
THさんが

「作ったんや」
と、言われますと、皆さん非常に吃驚しておいでです。
何せ2束作るのに4時間掛かりましたから。
(しかも、腕、脚、腰痛のおまけ付でしたから。)

今日は京都、初級、大阪と兵庫の混成隊の3グループに
分かれての訓練だそうです。
早速、共同装備を分担して目的地に向かいます。

最初は林道を遡り、発電所を過ぎます。
取水口堰堤手前の入渓点から河原に下ります。
水はやはり非常に少ない。

鈴鹿の花崗岩の白い岩が、エメラルドグリーンの水に
映えます。自然林の林と青空にマッチします。
時たま小雨ですが、絶好の訓練日和です。
もっとも水に入ると、些か寒げです。
各自どんどんと上流に向かいます。

鈴鹿の神崎川の渓流遡行は20年振りくらいの再訪です。
もっとも最近来たことはあったのですが、その際は雨で登れずでした。
今回は良いめぐり合わせのようです。

「日ごろの心がけが良いと、やっぱり違うな〜」
と、満足の(?)Bergenです。

いざ出発、左よりR、TH,マルコスの各氏

自家製のワラジで足元を固めるTHさん。
普通の靴の上に装着できる優れものだ!

岩と水と緑の森のコントラスト

訓練開始場所の壁を登る参加者

ザイル担架に包まれた兵庫労山A芦山のOさん

いざ移送、チロリアンブリッジは撓む

川を渡る。上半身が苦しそう。
歩きやすいところをどんどんと遡行してゆきます。
途中で一度休憩して、今日の予定を再確認します。

最初の小ゴルジュ(といっても川幅が広いので、小さな滝に伴う両岸の壁です)は無理をせず、左岸を鷹巻きます。

「ここを降ろすのはチロリアンを張らないといけないな!」
思わずつぶやきます。

その上は河原から岩盤の川床になり、所々で深い
淀みになっていますが、何とか太腿までの渡渉で済みます。
元気な人たちは進んで水と戯れています。


2度目のゴルジュが混成隊の今回の開始点のようです。京都、初級の面々は更に奥で楽しむようで、
更に上流に進みます。

ここは10mほどの大きな岩盤になっており、壁を登って全員集合です。
対岸と彼岸に分かれて、チロリアンブリッジを張る工作です。今回は2本の11mmロープを張り、牽引とバックアップロープもセットします。

兵庫労山のOさんが遭難者に扮しますが、何せかなりの巨漢なので、これからの搬出作業に難渋しそうです。幾多の悶着の末、漸く巨体が川を渡ります。
対岸での回収にも、なかなか手間取っているようです。
此処からはルート工作隊、搬出隊、回収隊の3パーティに分かれて下降する運びになりますが、又意思統一に時間が掛かりました。

Oさんも何時の間にかロープ地獄から抜け出しています。

「意外と尿意を催す。縛られると両膝がくっつき、非常に痛い.。何か膝の間に入れるべきだ。」
など、経験に即した的確なアドバイスをされます。
工作隊は先行して、搬出隊のためにケルンを積んでルートを分かりやすく表示します。
幸いにも(?)、大きな難所は暫くはありません。
水嵩も少なく、力を合わせれば何とか突破できるようです。

途中のへつり場所には、念のためフィックスロープと確保用の振り子ロープをセットしました。

最後の難所は、最初の出発点と同様な巨大な岩盤で、川沿いは壁になっており、とても背の立つ水深ではありません.。水も激しく泡立っています。
往路で使った巻き道を使用してもいいのですが、足元が些か悪そうで、最後は急な岩場の下りです。

「此処はあっさりと下の河原までチロリアンですね!」

我々工作隊が先ず上流の木に支点を取り、
終点の岩盤にボルトを打ち込み、ロープをセットします。
今回はザイル担架でなく、座位での移送です。
途中ロープが絡みついたり苦労しましたが、
お二人目は極めて順調でした。

「何事も経験と工夫が道を開くのだ」
なんて、生意気にも思います。

此処でかなりの時間が掛かって、しかも下降の隘路になっていたのか?
京都の面々が川身を下降してきました。
思い切り(?)滝をウオータスライドし、滝壷に飛び込んでいます。
「わー、楽しい。気持ちいい!最高!」
と興奮冷め遣らぬようです。皆、非常に楽しそうです。
実際、これは早く下降できます。
山科のAさんも喜んで下降されています。

「趣味と実益を兼ねての下降法だ」
と言っても足を挟まれたりして溺れる危険もあるのです。
底の岩の状態に、細心の注意が必要です。

訓練も此処で終了です。
皆さん、ご苦労様でした。
出発地点で「反省会」を行い、事故防止の誓いを新たにしました。


帰りは往路を戻ります。
茨木で車を降り、阪急で帰神しましたが、乗り継ぎの便に恵まれて、比較的早くに帰宅できました。



これを機会に、もっと岩と安全の技術習得、搬出技術のノウハウを更に深めて行きたいと思いました。
皆さんご教示よろしくお願いします。


壁を懸垂で降りる

最後の難所もチロリアンで搬出。

京都労山のパーティーは水中を下降。

水はあくまでも清く美しい。
水浴びは喜びであり、楽しみである。