ある岳人の旅立ち

その1

ネパール、クーンブヒマラヤ、チョラツェ南西稜での遭難事件

榊原義夫氏:2003年10月7日10:40 
チョラツェ南西稜5800mにて墜落死亡
編著:平井和雄(淀屋橋労山)
引用先の明示していない文章の文責は、全て平井にあります。
北尾根より前穂山頂にて
(右が榊原氏、左が編著者)

 私にとって初めてのネパールヒマラヤの登山、メラピークの遠征の陰には、尊敬すべき偉大な岳人の遭難が同時進行していた。
 2002年のモンブラン 山行の準備山行であった、前穂高岳北尾根登山で、初めて山行を共にさせて頂いた、故 榊原義夫氏。
 
 高校山岳部時代から華麗な山行暦を持ち、フランスでの優れた登攀歴、居候歴。
 昨年は今回のパートナーの宮本さんと共にネパールのクスムカングル登山を成功させ、今年は更に困難を目指して20年ぶりに開放された峻峰、チョラツェを目指した。
 彼に如何なる運命が襲ったのか?

事故前後に発信された資料を元に、彼への永遠の想いを綴ってみよう。

先ずはパートナー、宮本氏の記録を辿ってみる。
(以下、文中敬称略)
チョラツェ(6440m)の全貌
-魅力的な山容だ
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