山スキーツアー
2005年2月10〜13日     同行者:OM,NT(L)
ツアーコース 栂池自然園ー西栂コースー岩岳スキー場

岩岳スキー場直前でほっと笑顔

 以前から頻回に栂池周辺のスキーツアーに出かけていた山スキー同好会であったが、一昨年トレースした西栂コースに出かけてみた。
 当初は生憎の天候で眺望に恵まれなかったが、最後は素晴らしく晴れ上がった。
その反面、時ならぬ大雪で、傾斜の緩い斜面ではお世辞にも快適とは言えない滑降であった。。
 季節と天候から、ルートファインディングのかなり難しいコースであったが、Nさんの繊細な読図で無事完遂出来た。
数箇所で道迷いは経験したが、足並みも揃った快適なツアーであった。

2月10日(木):出発

22:30ST宅-名神吹田IC-名神北陸道-
 STさんが仕事の加減で遅れる。北陸道は空いている。
2月11日(

7:00栂池高原ー8:30栂池ゴンドラー9:00栂の森ー神ノ田圃(テント設営協力)ー10:00出発11:00栂池自然園ー13:00偵察終了、滑降開始ー14:00栂池スキー場で滑走ー16:30神ノ田圃(幕営)
 今日は予定では天狗原まで登り、滑降の予定であったが、如何せん天候がイマイチである。明日の予定を考えると、出来るだけ偵察しておきたい雰囲気である。
 Bergen自身、今回の主目的は「西栂コースのトレース」であるから、リーダーを説き伏せて偵察に向かう運びになった。
 車をスキー場の駐車場に止めた際は、辺りは雪が舞い、上空は厚い曇り空であった。
誰がその後の天候の改善を予想しようか?
 
 しかし、「事実は奇なり」で、ゴンドラに乗車して栂の森に向かう頃には、厚い雲も吹き払われ、日差しも見えてきた。でも勿論、快晴と言うわけでもなく、吹き付ける風は強いものであった.。
 
 今回の他の山スキーメンバーはST,MTの二人も居たが、労山のセミナーメンバーと行動を共にするので、西栂コースを下るのは、右の3名である。この内、OMさんが唯一のルート経験者である。

栂の森ゴンドラ終点にてにて、左よりBergen,OM,NT

神ノ田圃でテント場設営

栂池ヒュッテと栂池小屋
 今日は迷ったが、ゲレンデも滑ろうと1日券にする。
栂の森のリフトも利用したので、無駄なく神ノ田圃に向かうはずだったが、リフトを乗り間違え一旦栂の森スキー場を滑降。
再度リフトで上に向かう。
結局、林道で徒歩組のセミナー連中と一緒になってしまった。 
 栂ノ森から神ノ田圃に向かう道は、積雪量が多いせいか?短く感じる。ちらちらと小雪が舞いだす。今夜は2張りの6人用テントで総計10人が泊まる。
栂池民宿街で泊まるメンバーも明日は登って来て、天狗原に向かうと、ST総リーダーは言う。

 我々も設営準備をひとしきり手伝い、早々に明日の偵察に出発した。
 例により先ずは成城小屋をめざすが、谷筋もしっかり雪が詰まって埋まっている。トレースはしっかり着いているが、成城小屋からは天狗原を目指している。我々は進路を左に取り、栂池ロープウエイのゴンドラ終点から自然園を目指した。
天気は曇りで小雪が降りしきっている。風はきわめて強い。


小屋はひっそりしており、勿論誰も居ない。
ただ風が駆け抜けるだけである。
 広大な自然園の高層湿原を行くが、先行するパーティもなく、我々3人のトレースが続く。

 所々に大シラビソの木が立っているが、行く先は白い霧に覆われている。

 天狗原の白い斜面も、白馬乗鞍の斜面も、ぼんやりと見えるのみである。
 全員でラッセルを交代し、出来るだけ白馬乗鞍の斜面から距離を途って進む。
最後は自然園の西端の尾根沿いにトレースをとる。

 尾根の最高点は風が激しく、シールを着けたまま下降点迄移動する。
積雪は多いので、最初の緩傾斜は滑らない。シールを着けたままルートを探り、岩岳までの大まかなルートを確認して帰路に着いた。

 帰りはシールを外したが、自然園は全く滑らず大いに苦労した。その鬱憤を栂池スキー場の滑走で晴らすべく頑張ったが、あまりの強風とリフトの時間切れで、目的を果たさず不完全燃焼であった。

自然園の奥の高みより栂池上部を見下ろす

神ノ田圃のテント群
2月12日(

7:00起床9:00出発ー:11:00栂池自然園上部、下降開始ー14:30滑降開始ー16:30 1300m 散策路分岐地点(幕営)

栂池自然園を行く


下降点の高みより白馬方面
翌日はやや遅起きであったが、前日の偵察で2時間も経たずに下降点まで到達した。昨日の経験から緩傾斜は滑らないので、下りでもシールを着けたままだ。

濃密な樹林帯を過ぎると、幅広い尾根上となる。
南向きの広大な斜面を見下ろし、シールを外して滑りの準備をする。

所々で赤やオレンジの標識を目標に、進路を確認しながら少しずつ滑り降りる。積雪が多いので標識はなかなか見つからない。自然と読図が重要になってくる。

 大量の新雪が雪の上に乗っていて、非常に滑り難い。ターン藻なかなか困難である。晴れているのが何よりの心休めである.。それでも時折ガスが舞い、白馬乗鞍の稜線も一面の霧の中だ。


 疎林の中の快適な斜面を滑り降りると、広い谷のような地点に達した。この先、稜線上は上り下りの激しい鋸歯状になる。
此処は地図上の1657m標高点の南の窪地(地図上は池)の山肌をトラバースし一路コルを目指した。そして漸く尾根上に登り返した。
 時々空が明るくなりそうだが、明日の快晴は不明なので先を急ぐ。
 
 1600m地点で行く先を慎重に偵察する。此処からは急傾斜で、しかも地形は複雑である。運良く晴れ間も出てきて、凡そのルートが確認できた。最初はこの稜線を進むが、途中で右の尾根に移らねばならない。
 
 このルートの唯一の経験者であるOMさんは、記憶があまり。定かでないと言う.。でも右の尾根を意識する余り、間違えて降りかけた急な樹林帯の尾根には、流石に感じるものがあったのだろう。

「何か不気味な感覚がする」

と言うではないか!

 うすっらと木の間をよく見ますと、その先に本来のまがるべき尾根が有りました。

幅広い尾根上で

小休止、スキーを着けてるのはOMさん
 
偵察のNさん

少し休憩する。
 ここから急な下り。木々が密集していないのが楽と言えば楽.。しかし堅い雪の上に少量の新雪が乗っているので、コントロールし難い。

 この辺りの斜面はブナ林が広がる美しい斜面で、霧氷が素晴らしい.。
 1301m地点まで
ズリズリで登ったが、少々横着してトラバース気味に登ってしまった。そのためいざ滑降の段階で、、思いがけず左に進路を取ってしまい、最後は100mほど登りかえしを止む無くされた.。油断大敵の見本である。此処からは快適な滑降だと思っていたら、気が緩んだのであろう。今後も大いに反省すべきである。ポイント点では、何はともあれ進路の確認!、確認!である。

 本来の進路が、尾根筋を右に下り、それから南向きの広い斜面なのを、偵察して確認した。1301mを少し降りた尾根上の平坦地で、大きな木の下にテントを張った。明日の天候も良好のようなので、気持ちが良い。テントで今日の努力をねぎらい合う。
2月13日():帰路

6:00起床、朝食ー8:00出発ー10:00岩岳スキー場(ッ昼食)−11:00スキー場下ー北陸道魚津IC-北陸、名神ー22:00Sさん宅23:00帰神(解散)

 

テント場より杓子岳

テント場より八方尾根
 今朝は快晴。後立の山がよく見える。辺りは素晴らしい眺望が広がっている。遠くは八ヶ岳、浅間山から、北には火打、焼山、高妻山も近くだ。

 昨日の偵察で、今日は安心だ。なんせ、Nリーダーは登りの斜面まで1時間ほど下って確認してきてくれたのだ。

 今朝は雪も快適だ。皆、樹林の中を思い思いにシュプールを描いて滑降する。私も、昨日までの重い荷物が昨晩の夕食で空になったので、ルンルンである。

 リーダーのトレースからいよいよ登りだ。巨大なブナ林の中を
目印を頼りに進むと、ひょっこりと岩岳スキーの北面の滑降コースの途中に出てしまった。もう後はコースの脇を登るだけである。
 スキー場には大勢の人がいる。素晴らしい天気で、後立の山々が一望である。我々も辿ってきたルートを確認しあう。

 それにしても苦労して降りてきたものだ。そして又、何とか無事に降りて来れたものだ。

 結果的にはこのコースは、雪の落ち着く3月以降が快適に滑れるのだろう。
 
 しかしそれでも、

「もう既に次回のリベンジを考えている?」

岩岳スキー場より雨飾山

能生のマリンドリームで鮟鱇鍋

(あとがき)
 後から考えたら、快適なロングツアーであった。しかし初日は雪の重さで苦労した。ルート間違えも1度ならず、未遂が2回はあった。幸いにも、最後のみ登りかえしを余儀なくされたのみで、後は直ぐに修正できた。スキーツアーは如何しても下りすぎる危険があるので、要所要所でのチェックが欠かせない。
今回その点で、リーダーには大いに助けて頂いた。

「Nさん、有難う御座いました」

帰りは例によって、能生で宴会でした。
苦労したが、楽しい山スキー行でした。