「高津山荘」お別れ会の旅
2005年11月19()〜20日()      高津山岳会会員
カランクルン会員、会友
その他「エルフ」、「テンション」の皆さん
11月19日():
 
9:000JR近江高島駅集合10:00出発10:30ガリバー旅行村出発ー13:00高津山荘到着ー一部武奈ケ岳登山ー後発隊送迎ー16:00宴会

我々淀屋橋をはじめとして、大阪労山、労山以外の山の会の方々も、高津山荘を長年に渡って利用させて頂いてきた。
此処をベースに、数多くの比良山行企画を行ってきた。
快く貸して頂いた会長の藤本様、管理人の林さん、高津山岳会の皆様方、ここに改めて感謝を捧げます。

それほど頻回に利用され、愛着を持たれてきた小屋であったが、
昨冬の積雪で梁が折れるなど多大の損傷を受けてしまった。

度重なる調査の結果、補強あるいは再建は困難で、取り壊すしかない
との、悲しい結論に達した。

今回は、積雪前に「お別れの会」を開催するという。
来春の終焉を惜しんで、高津山岳会のOBの方々、それ以外にも小屋縁の他の大勢の人達も大勢集まり、賑やかに夜は更けていった。


今冬初積雪の高津山荘

台所付近の描写
近江高島9:00の集合予定なのに、Hさんが来ない。
同じ電車に乗ったH本さんは言う。

「30分ほど遅れると、携帯に連絡がありました」

高津山岳会の面々も、車で参集されてきた。

「そんなら、少し待ちますか?」

軽い気持ちでそう答えたが、

「事実は奇なり」

で、彼らが到着したのは、何と1時間以上も後であった。
近畿道の渋滞と、湖西の駅伝の交通規制で遅れたのだった。

「まあ、無事でよかった。」

久方ぶりの邂逅を懐かしむ。

早速、登山基地である、「ガリバー旅行村」に向けて、そそくさと車に分乗して出発する。

登山口からは食料、共同装備を分担して担ぎ上げる。

私は「八淵の滝」コースは登った記憶があるのだが(それも素人を連れてであるが)広谷に直登するルートは初めてであった。これはそれなりに、武奈ケ岳への最短ルートだ。此処に小屋を作られた「高津山岳会」の先輩方に敬意を表する。

 「私の所属した大学山岳部は、もっと低い「深谷」に小屋を設えた。湖西の交通機関(近若鉄道あるいは京都バス)からのアクセスは非常に便利であり、その脇の丸山沢、対岸の”セント ソフィア”などの岩場とも、青春の挑戦欲を満足させるのに十分であったろう」

と、思うのである。

何れにせよ、最後の時を共有するべく、多数の仲間達(!)が参集した。
これは本当に素晴らしいことである。
楽しい交流の時間は、惜しみなく、記憶無く(?)過ぎていった。
11月20日():

5:00起床朝食7:00出発8:30武奈ケ岳山頂…10:30高津山荘ー昼食…12:00出発…(長尾尾根)…13:00釣瓶岳…(細川越)…14:00高津山荘15:00出発-16:00近江高島ー帰阪

朝は早起き。昨夜は(幸運にも)倒壊せずであった。
今朝の朝食を済ませた後は、天候も良さそうなので武奈ケ岳を目指す。当日組みが合流してから、再度釣瓶岳にも登頂できた。

「一粒で二度美味しい山行でした!」

良く利用させて頂いた、高津山荘との別れは惜しい。
取り敢えず来春までさよならである。
今冬の積雪で崩壊しないことを祈る。

朝食を済ませると、昨日武奈ケ岳まで登った人たちに負けてはならぬと、俄然登頂の機運が漂う。

「何をぐずぐずしているんだ、行くぜ!」

と、I会長が騒ぐ。

我々、登頂希望者も直ちに参集する。
此処から、北稜を経て武奈ケ岳までの、約1時間半の行程である。

I会長が言う。
「後続(当日)パーティーが到着するまでに、取り敢えず登りましょう。!」

思わず皆さん、参集して先を急ぐ。
道のりはまだまだ雪化粧である。
幸いにも今日は天候に恵まれ、降雪は無い。
細川越までは傾斜も緩い。
湿地帯も早朝の凍結(?)で潜らない。
もっとも、
「(小屋の)長靴ですから」
と言うわけである。
何せ昨日は、突然の雪の中、登山靴を(仕事場に)忘れたので、運動靴での登高を余儀なくされたのであった。
おかげで
「靴下がびしょ濡れになってしまった!」
お粗末さであった。

細川越からは、北稜の稜線もくっきりと見える。
山肌には霧氷の木々も密集している。
山々は既に冬景色となっている。
足取りは快調である。

御年○○歳になられるであろう(!)、K見山さんもお元気である。この方とははじめてお会いしたのであるが、まさしくわたしのHpの理念「前向き生活のすすめ」を実践しておられる。50歳を過ぎて山に打ち込み、
「岩登りが大好きだ!」
と、おっしゃる。
YRさんやKKさんと、合計210歳の岩登りを楽しんでいらっしゃる先輩方である。

すっかり冬の景色ー遠くは武奈ケ岳

少し晴れ間が

山頂にて記念撮影。中学2年生の団体を教師が引率。
あれこれと止めの無い話をしながら北稜を進む。
偽の頂上に幾度か騙されて、漸く「武奈ケ岳」山頂に到着。
昨日と異なり、展望は素晴らしい。(彼らは霧であった由)
琵琶湖周囲、北山、湖北の山は全て見渡せる。
この時期に来たのも久しぶりだ。
晩秋の山もそれなりにヨロシイ。

これで朝のお勤めはすべて終わった。
山頂での展望を満喫し、出発の用意をする。
折角ですから往路を戻らずに、イブルギのコバから広谷に戻る。

しかし、YRさんは、

「タバコを途中の道で忘れてきた!」

と、言われて、往路を引き返された。
(実際は、小屋に忘れて来たのだった。)
我々、武奈ケ岳から八雲方面に下りたメンバーは、イブルギのコバから広谷出会いに向かった。
途中、右手に荒廃した「望武小屋」が目に入った。
早速、K見山さんが見に行きたそうにされる。

私が、

「折角ですから、見に行きませんか?」

と、お誘いすると、喜んでついて来て下さる。
(実のところ、私もこの小屋を真近に見るのは初めてだったのだ。)

小屋自身は老朽した概観に比べて、まだ使用可能であった。妙に昔の思い出を和ませた。

高津山荘から長尾尾根の道を行く


釣瓶岳への最後の登り

釣瓶岳山頂
一旦小屋に戻り、昼食を頂く。
サフランライスのカレーである。
前日から調理して頂いた、「きたろうハイキングクラブ」、カランクルン会友のKHさんや、KKさんに感謝感激だ。

「この方たちが無ければ、カランクルンの活動は停止してしまうか、あるいは極めて味気ないものになってしまうに違いない!」
あえて皆さんの思いを表現してみる。
(勿論、その他大勢の縁の下の力持ち達が会の運営を支えてくれている(!)のだが...)

腹具合は満足。登ってきた満足感もあり、些かだるい。
H本さんやT野さん等が当日に高津山荘まで登ってくる、「当日組」を迎えに行って既に3時間以上になる。
彼らの到着を、食後しばらく待つ。怠惰な時間が過ぎる。
やがて漸く、全員集合だ。
昼食を済ませると、彼らも
「幾許かのピークに登頂したい!」
と言う。

ほんの少し前に登った"武奈ケ岳"も、皆さん登っているので、
「変わったピークがイインデ無いか?」
と言う。
そうなると「比良の王者」の林さんの出番である。
早速彼は、長尾尾根から釣瓶岳へのコースを指示した。

このルートは小屋から直ぐに対岸の尾根に取り付き、稜線上を詰めると到着です。
雪もかなり融けてきていますが、朝に登ったOKさんらのトレースが残っていました。
幸いにも困難な場所も無く、釣瓶岳に到達出来ました。
当日隊の皆さんの喜び様は、
「満面の笑み!」
でした。
皆さん三々五々に下山されます。
最後に最終下山組の人たちが次第に集まり、最後の別れを告げます。記念撮影もされました。

「高津山岳会」のHTさんが言う。
「皆さんお世話になりました。
今日はここから下りましょう」


帰りは融けた雪の中、思いのほか急な登山道を、各自思い思いの感慨の中を下っていった。

右の写真にあるように、高津山荘前、や大摺鉢前の休憩所では、いろんな議論が満ちたのでした。
これこそが健全な”山の会"のあり方と思いました。
最後に、今回の山行を企画して頂いた皆さんに感謝します。

「どうも有り難う御座いました」


山荘前でのお別れ

八淵滝、大摺鉢での語らい