火打山―焼山北面台地」滑降記
参加者:L/S.Y(65)、H.S(42)、T.N(32),K.H(54)

金曜日は晴れ、土曜日は悪天の予想だったが、幸いにも天候は大崩れせず何とか目的を達した。
それにしても悪雪のため、核心部の空沢尾根下降点から
快適に滑降出来なかったたのが悔やまれる。
次回は是非とも定番の影火打コースに挑戦しよう。

Sさんが参加出来ないのがやはり寂しい。今日のスキー客は春休み中の連休のせいもあり、結構多い。

3/20(木)21:50JR大阪貨物駅、集合22:30出発

3/22(金)
6:00妙高杉ノ原スキー場7:15スキー場出発9:20三田原山-13:30高谷池小屋-
(Y,N偵察行)-20:00就寝

3/22(土)

5:30起床-7:20出発-8:15火打の肩9:00火打山頂上9:30滑降開始-10:30アイゼン装着(2250m地点)11:35下降点((1740m地点)12:35谷の合流点、シール装着1350m地点、溶岩台地トラバース開始-13:05溝13:20―15:10笹倉温泉下降点?15:30笹倉温泉(昼食、入浴)17:40バス出発-18:15糸魚川19:29---20:39富山(夕食)22:39?金沢

3/23(日)

3:13急行「北国」--6:45大阪((解散)?7:50帰神

  糸魚川ではましな店がないとのことで富山まで出かけ、更に金沢駅で仮眠して、漸く「北国」に乗ったのは日曜日の3:13になっていた。

          (おわり)
今日は快適な天気で、気温は些か高めだ。登行とあと3本のリフトを乗り継ぎ、終点の1850m地点に到着した。2月に比べて雪は1m以上多そうである。出だしの谷の渡河も前回よりかなり高めの地点で廻り込まれており、なお且つ雪質がよいので足元の崩れもなく今回はクトー(スキーアイゼン)は着けずに行けた。
樺、オオシラビソの疎林の中を急傾斜でトラバースして行くが、今回は前回滑降した2300mのピーク手前の斜面を巻くようにして登る。黒姫山が段々と眼下になる。雲海の上に高妻山をはじめとする北信五山が、火山島のように聳えて見える。好天なので北アルプスの山並みも遠くに壁のように見通せる。槍が岳も聳えている。今回はsさんの指摘で大渚山も同定できた。相変わらずの素晴らしい眺望に感激だ。
前回苦戦であったY氏だったが、何らかの加減でフルスロットルの前進モードに入ったのだろうか?彼は後続を引き離し猛然とダッシュし出した。結局三田原山までノンストップで登ることになってしまった!
黒沢池目指しては、三田原山から外輪山の斜面の今日唯一の大滑降だ。2月に比べて雪はやや重い。すぐ眼下の沢沿いの樹林を縫って、皆思い思いのコースを滑降する。池のあたりには広大な雪原が広がっており、最後はターンもせず人のシュプールを利用して出来るだけ遠くまで雪原を滑る。
雪原からは再びシールを貼りゆっくりと登り返すが、今回は茶臼と黒沢岳のコルを目指す。コルからもシールを外さないで、緩い斜面を高谷池小屋を捜して下った。思いのほか遠かったが、到着は13時30分と早かったので、Y氏とN氏は偵察を兼ねて出かけた。夕暮れの栂池スキー場の明かりは、それはそれは幻想的であった。
前回と同様に火打の手前のピークは巻き気味にトラバースして、標高2300mの火打山の肩に達した。肩からは先行者のトレースを利用して壷足で直登したが、この方が圧倒的に早かった。例によってパノラマの世界で、日本海の海岸線、佐渡の雪山そして上信越国境の山々が見渡せる。近くには野沢や志賀高原、更には菅平のスキー場が見える。すぐ西には焼山が黒々と大きく、北には鉾ケ岳が優美な姿を見せている。それにしても焼山溶岩台地の広大なこと!
最後は笹倉温泉の建物を眼下に見ながら、九十九折の林道を快適に高度を下げる。
 火打山川の橋の手前でスキーを脱ぎ、ザックのパッキングを行った。歩行10分で待望の笹倉温泉に到着。温泉に入浴後、帰路に着いた。夕焼けの太陽の素晴らしかったこと!
此処からは広々とした焼山北面溶岩台地を気持ちよく滑っていく。「空沢尾根の苦労がこれで報われた」と、みな口々に感想を漏らす。高度が下がると次第に雪質が悪くなるが、天候は何とか持ちそうだ。


シュプールを忠実に辿ると2箇所ほど登り返しがあったが、何とかアマナ平に到着した。アマナ平は川岸の広大な平坦地で標高1000mから焼山川右岸の林道に入るが、林道の左側は断崖に落ちており、転倒の許されないトラバースとなる。
谷の平坦部から賽ノ河原を渡る手前まで、広大な雪原を1350m等高線通しにシールで進む。最初の雨裂溝は難なく読図通りに末端で巻き、心配していた賽ノ河原の雨裂溝はトレースを見つけたのでそれに沿って横断する。溝は非対称な断面なので、スキーで下り、対岸の10メートルほどの垂直に近い雪壁は壷足で登った。

ようやく1740m地点に到達し、大休止。火打山と焼山が背後から大きくのしかかる。ここから尾根通しの滑降は全く無理なので、トラバースして左手の急な沢を下ることにする。此処もかなりの距離、斜滑降キックターンでの下りだ。ようやく斜面が和らぐと、滑ってきたコースを振り返る余裕が出る。お世辞にも美しいシュプールとは言い難い。しかし心の持ち方もあるのだろうが、緩傾斜ではターンも流石に決まる。

危険地帯を過ぎると再度滑降だが、2030mピークよりの1740m標高点への下降ルートがいまいちハッキリしない。急斜面をトラバース気味に北西に滑り漸く1740m台地を視野に納めるが、此処からの斜面は悪雪の代表のようなモナカ雪で、転倒しまくる。仕方なく慎重にキックターンでお茶を濁す。実力は如何ともしがたい。
2つほど急斜面を下ると地図上の2250mピークの手前のコルに到着した。ここで偵察したところ、ピークの先の斜面はかなりの急傾斜で一気に谷底まで落ち込んでいた。東側より回り込んで滑降するのも可能だが、万一転倒するとかなり危険だとの判断ですっぱりとアイゼン、ピッケルで西面の凍った草付きをトラバース気味に下降した。

頂上から影火打ルートと空沢尾根ルートを慎重に確認してから、予定通り空沢尾根に入る。後立の山々が白くぼやけて、なにやら空があやしい雰囲気になってきているのが不安だ。最初は気持ちの良い新雪であったが、すぐにクラストした洗濯板斜面になる。越すところを間違えると、スキーが引っかかる。