加賀白山、スキー登山の旅
2005年5月13(金)〜15日()      同行者:OM
記録
5/13(金)

19:10名神西宮19:35京都東ICー(湖西経由)−21:00敦賀ー22:00福井ICー大野ー勝山ー(R157)−白峰ー一ノ瀬ー23:30別当出合

13日に、別当出合の白山登山口まで林道が開通したので、途中で幕営し、山頂の東面と西面のスキー滑降を目指した欲張りな計画でした。
今日は早い出発予定であったが、OMさんの遅刻(私が急なお願いしたのが理由だが)、車の施錠の再確認で、予定を1時間ばかりオーバーした。
更に、所用時間の確認の希望もあり、到着予定を30分くらい超過してしまった。

これがその後の行程の遅れに繋がった?
しかしやはり計画に無理があった、と言えるだろう。
謙虚に反省せねば。

一ノ瀬から別当出合までは葛折りの狭い林道だが、一応舗装はしてある。
終点の駐車場には既に多くの車が止まっていた。
静かにテントを設営し、例によって宴会モードである。

出発の朝、OMさん-別当出合にて

白山ルート図ー赤が登山路、黄色破線が滑降路(Kashmirより作成)
出発の朝、Bergen-別当出合にて
5/14()

5:30起床6:45出発9:30甚ノ助(テント設営)11:45
南竜ケ馬場方面、エコーライン経由13:45室堂14:10出発〜(滑降:黒ボコ岩経由)〜14:40テント

朝の起床も遅れ、重荷に喘ぎ登ります。
幕営予定地からの直接の滑降は無理のようなので、甚ノ助避難小屋の上に幕営しました。
設営にも予想外の時間がかかりました。
 何やかんやで起きるのが遅くなりました。
出発準備も遅れがちですが、今日は素晴らしい快晴に恵まれそうです。
辺りの山々も綺麗に見えています。
対岸、別山に向かう主稜線から派生する尾根には、縞々の残雪と、新緑の林が綺麗です。

 この時期は、さすがに生命の息吹きの神秘さ、そして狂うことない季節の移り変わりを実感させられます。
自然はいつも、変わらない姿で迎えてくれるから、尚更一層感激させられます。

そうは言っても、重荷は堪えます。

「こんなんなら、空身で主峰日帰りにすべきであった!」

、といっても遅すぎます。
登り、スキーの方は何れも軽い荷物で、日帰りのようです。

「これは戦略の誤りか?」

まあ仕方がありません。
予定通り、南竜が馬場まで担ぎ上げましょう。

中飯場を越すと雪がしっかり着いて来ます。
此処から甚ノ助避難小屋までが急な登りです。
スカイラインが高みに見えますが、あの麓の辺りが避難小屋でしょう。
焦らず一歩一歩、登るのみです。

 
甚ノ助避難小屋は、屋根と上部1/3の壁だけが露出しています。母屋は利用可能のようで、人が出入りしています。
此処から南竜ケ馬場への道は、途中雪が切れていて下降にスキーは使えないようです。
帰りに歩きも詰まりません。
なんとなく、此処で幕営と決定しました。
それにしても朝早くで雪がまだ硬いので、テント場の設営に苦労しました。
ようやく出発できたのは、昼前になってしまいました。

対岸の山肌の新緑が美しい

スキーを担いだOMさん

一路、甚ノ助小屋に向かう


甚ノ助避難小屋にてーかろうじて屋根が見えている。

別山の威容


南竜ケ馬場に向かう道より直進者を見る。

エコーラインの急斜面を登るOMさん(背景は南竜が馬場)

室堂の宿舎より御前峰
 皆さんは此処から正面の斜面を、黒ボコ岩に向かう夏道に沿って登っているようです。
我々は途中から南竜が馬場方面に道を取ります。その方があの雄大な景色-別山を背景にした南竜が馬場の広大な雪原-を満喫できると考えたからでした。
予想にたがわず、しっかりと目を楽しませてくれました。それにつけても別山までの稜線はアップダウンと岩塔もあり、ピッケルとアイゼンの世界ですね。山スキーではなかなか困難なようです。

南竜ケ馬場まで行かず、途中からエコーラインに沿った稜線に取り付き、室堂を目指します。
これがなかなか急な斜面です。
雪もところどころ固いので、キックステップにも苦労します。

「アイゼンを持ってくるべきだったね」

と、言っても遅い。
テントに残してきました。

 漸く急坂を上り詰めますと、幅広い尾根となり一安心です。正面に室堂や御前峰の景観が広がっています。下ってくる大勢の人たちと出会います。
下りは此処が最短ルートのようです。
弥陀ヶ原の広大な雪面を経て室堂に到着したのは、(終了予定時間の)14:00少し前でした。
 15:00頃には雪も凍結始める可能性があります。
残念ながら御前峰登頂は割愛です。
過去に何度も登っているので、未練はありません。
そそくさと栄養補給を済ませ、いざ出発です。

最初は弥陀ヶ原までの緩い斜面ですが、これがなかなかの曲者でした。

「アレー、なんだ!?」

と、驚きの滑り始めでした。
旧雪と新雪が斑模様になり、加速するかと思えばブレーキが掛かるなど、スキーコントロールに苦労します。

次は弥陀ヶ原の緩斜面です。これは少し漕がざるを得ません。
程なく黒ボコ岩の上部に着きますが、夏道と異なり、スキーではやや下の谷沿いに下るようです。

 此処がなかなかの急傾斜です。
更に、降りすぎてはいけません。
適当なところから又左隣の谷に移り、少し下った後、大トラバースをして漸く黒ボコ岩の夏道に合流です。
このルートは晴れていて見渡せるから行けますが、ガスならお手上げでしょう。
晴天に感謝です。

幾度か登り返しも少しありましたが、甚ノ助避難小屋の稜線まで何とか戻りました。
小屋上部に建てられたテント群を眼下に見て、ゆったりと滑降します。
雪質も問題なく、何とか無事に帰幕出来ました。

テント張り綱の補修と防風壁の補強後、満足感に満たされて宴会の開始です。

「ああ、幸せ!」

乾杯を重ねます。
今日は本当に良い一日でした。
明日も好天を、と願いましたが...

黒ボコ岩の少し下の急斜面

テント場に無事帰着

調理に励むOMさん
5/15()

2:00より雨
7:30起床、朝食9:00出発11:00別当出合(山菜採取)
13:30白峰(入浴)14:20-19:00西宮浜20:00帰神

昨夜より雨模様で、テントを雨粒が叩きます。
朝起きると一面のガスです。
今日は下山と山菜取りです。
 夜間、雨音で目を覚ます。
寒さも少しあった。用足しで外に出ると、一面のガスである。時折雨脚がきつくなる。

やや遅めに起きたが、一向に天候改善の見込みがない。
昨夜来の雨で、雪面にはかなり深い縦縞が入っている。
今日の滑降はあまり楽しいものではないし、このガスなら下降し過ぎでルートを見誤る可能性も高い。

 そそくさと朝食を済ませ、テント撤収に掛かる。
この時は雨が止んだが、その後は降ったり止んだりの天候で、結局甚ノ助からスキーを担いだままで下降した。

途中で山菜を取り、温泉にも入った。
最後は雨に見舞われたが、それなりに楽しい一日を満喫した。

朝のテント、周囲に濃密なガスが立ち込めている。視界は50mか?

白峰の温泉(公衆浴場)、¥300と言う安さ。

最初は東面の滑降も予定した欲張りな計画でしたが、戦略過大と天候で、些か寂しい(?!)ツアーになりました。しかしそれなりにしっかりと楽しめました?