白馬、遠見尾根 一ノ背髪 村尾根スキー
2015年4月11〜12日     
同行者:WYリーダー以下、KMSCの皆さん(U,N,F)、総勢5名

遠見尾根で遭難したYHさん他2名の捜索を兼ねての山スキー山行です。
幸いにも天候には恵まれました。
しかし、直前まで晴れの天候や雨が続いたので、凄まじい雪解けでした。

白馬47スキー場の駐車場と八方尾根
4月11日(

20:00神戸出発…3:00駐車場

白馬47スキー場の駐車場に大型のテントを設営し、ゆっくり仮眠
4月12日(

8:00ゴンドラ乗車ー8:50登行開始…10:00村尾根入り口ー13:00平川…14:30白馬47駐車場ー23:00帰神

村尾根を下降して降り立った平川左岸沿いの林道も、激しいデブリと崩土に覆われ、通過にはかなりの困難を止む無くされました。
スノーブリッジも方々で崩落し、渡渉も困難を極めました。
結局、予定を大幅に超過し、更に今後の捜索の困難が推察されました。


始発のゴンドラに乗車。
2本のリフトを乗り継いで最終リフトは地蔵の頭の麓に到着。
白馬五竜スキー場ゲレンデを回り込み、其処からシールをつける。
「さあ、山行開始です」
些か緊張しますが、雲ひとつ無くよく晴れた天候に心は和む。

地蔵の頭には雪はなく、目前の急登のピークとのコルを目指す。
急登の入り口付近には、遭難掲示の立て札があった。
 
晴天に気も軽い

この標識で偶然に、(今回の捜索を指揮している)早稲田OBのIさんと邂逅。情報交換を行った。
Iさんは遭難対策協議会の人と2名で、村尾根東側の沢および南面を偵察する予定の由。。
この日は快晴で、残雪期では登りに苦労せず沢入口でIさんらと分かれる。
「此処からが急で、谷筋の偵察が難しいのですよ」
リフトで地蔵の頭に

シールで高度を稼ぐ。
少しクラストしているが、スキーアイゼンを着けたので、結構快適に登れる。
ムラ尾根入口に10:00に到着した。
北側には結構急な斜面が広がっている。しかも幅も狭い。
左は濃密な樹林帯、右は急傾斜で谷筋に落ち込んでいるばかりでなく、雪庇もありそうで危険だ。
めいめいに滑降準備をする。
Wリーダーは、チェックポイントごとに、積雪量と携帯電話の受信アンテナ状況を確認していった。

二股分岐付近で大きな崩落面があり、スキー滑降ができない。
幸いにも少しの藪漕ぎで通過できた。。
雨飾山を望む
滑降中に遺留物等を目視確認したが、残念ながら何も発見することはできなかった。

見上げると、五竜岳の雄姿が聳えている。
武田菱もクリアーに見えている。
思わず来た目的(捜索)を忘れそうな好天と素晴らしい眺望である。
五竜岳
二股で左の稜線を下らねばなら無い。
「真っ直ぐ行くと急傾斜の澤筋に落ち込みますね」

この稜線は一応ツリーランだが、かなりの下り斜面であり、注意が必要です。視界が利かないときなど、かなり難しい下りが強いられそうです。
今日は比較的楽に進めました。
村尾根の下降の途中にて、傾斜はきつい
最後は平川の本流を堰堤部で徒渉して左岸に渡った。
流されて堰堤下に転落しかねない急流に、及び腰で何とか渡渉できた。
平川林道に登ると、対面のムラ尾根および両側の沢がよく観察できた。雪とともに土砂が堆積している。ブロック雪崩れの危険性は高いと考えられる。

Uさんの提案で、3名を忍んでムラ尾根に向かって合掌。
此処からは平川林道を下る。
八方尾根側からのデブリが方々で行く手を塞ぎ、下降には予想以上の時間を要した。スキーで滑降できる場所もかなりの急斜面で、エッジを外したら滑落必至の場所も多かった。

慎重に平川林道を下り、最後の渡渉も靴を濡らす。
47駐車場には何とか14:30に到着できた。
雪解けが進んだこれからの時期は、危険度も増し、トータルな山行技術を要するルートになっていると実感した。
 
尾根の末端は雪解けが激しい

遠見尾根 村尾根の偵察行は、天候と仲間に恵まれ快適に(!?)下降出来ました。
今回は参加メンバーが5名でしたが、50代前半が3名、60台後半が2名と、何れも高齢者の方々でした。
残念ながら成果は得られませんでしたが、今後の捜索のあり方に参考になる知見は得られたようです。

それにしても、山は安全が一番です。
私は何時も言います、
登り下りのの全ての苦しみを、安全に向けよう!
人生の無駄はひとつも無い!


平川の堰堤