アフリカ、タンザニアの旅-キリマンジャロ登山
2008年2月20〜23日      同行者:カランクルン会員、会友、総勢11名
2/24()

7:00起床ー11:35ゲート出発…15.50マンダラハット(2727m)18:30夕食,20:00就寝

ここのコースは最も登り易くポピュラーなルートなので、「コカコーラ・ルート」と呼ばれているようだ。もっと困難なルートは、「ウイスキー・ルート」など、ハードリカーの名前がつけられている。

モシより小一時間でマラング・ゲイトに到着する。
キリマンジャロ登山では、一番ポピュラーな登山口である。
(登山記録は几帳面な人が記録しくれるので、大雑把なBergenはありがたい?)

マラング・ゲート

乾燥しているが、鬱蒼とした密林の登山道を歩く。
子供たちが、小枝の先のカメレオンやタンザニアの国旗のバンダナを売りつけようとする。

所々の樹冠近くで、木を飛び移る猿達の音がする。
だが、中々その姿は見えず。
「微妙ですね!」

結構、濃密な樹林を進みます。
視界が開けて目の前が急に明るくなったら、マンダラ・ハット(2727m)でした。
ゲートにて
食堂を中心にして、三角屋根のコテージ(2段ベッド、6人収容)が10棟ほど点在しています。テントを張っているパーティーもいますが、下りだけ利用可能という。

コテ-ジ周囲の樹林帯で、猿の群れが梢を揺さぶっていた。白い体毛の手長猿らしいが、見えそうで見えない。

夕食まで時間があったので、近くのクレーター見物に出かけた。
マンダラ・ハットにて、覆面のBergen
2/25(月)

6:30起床8:00出発14:50ホロンボハット(泊)

マンダラ・ハットを出発し、高度を上げるにつれ植生が変わってきます。1時間弱歩き、小さな尾根に出ると、漸くキリマンジャロの頂上が顔を出しました。周りは針葉樹の潅木帯、標高が3000mを越える頃には草原地帯だ。上昇気流がガスを運んでくる。

緩やかな起伏の丘を越えながら登山道は進んでいる。カラフルな服装の登山者や、ポーターたちの姿が遠くに垣間見える。
プロティア(南アフリカの国花)の白い花、巨大なサボテンのジャイアントヘネシア、道端にエーデルワイスの白い花も見られる。

登りの途中で休憩
時間が丁度そうなのか、下ってくるポーター達と行き違う。
そのたび、脇によって道を空ける。
中々軽快に、吃驚するほどのスピードで駆け下りてゆく。
すれ違う際、お互いに声掛けしあう。

「ジャンボ!」(こんにちわ!)
「ポレポレ!」
(ゆっくりゆっくり!)

荷物は頭の上だ。
ネパールでは背中に背負い、額のバンドで支えるが、ところ変われば品変わる、の見本だ。
頭上に荷物を載せて歩くポーター達
15:00前にホロンボ・ハット(3720m)に到着。
ホワイト・ネック・ロビンという、カラスが遊弋している。首の周りの白い帯斑が印象的である。
残飯を漁っている。生命力の強い鳥だ。
勿論、人が大勢集まるので、食い物には困らないという事情もあるのかもしれない。

右手上方にマウェンジ峰(5151m)が、研ぎ澄まされた岩稜を伴い蒼空に聳えている。
ホロンボ・ハットもマンダラ・ハットと同様に、2段ベッド、6名収容の部屋が2部屋、背中合わせのコテージである。
彼方にキリマンジャロの雪が、右手はマウェンジ
2月26日(火)晴れのち高曇り

6:30起床7:30朝食8:30出発…10:40ラストウオター…12:10サドル部分で昼食12:50…14:50キボハット(泊)
コテージの上手の谷筋のジャイアント・ヘネシアの群生をカメラに収める。なんとも異様な植物である。
植物の背丈がだんだんと低くなり、それとともに視界が広がってゆく。
だが、微妙な傾斜の山並みで、行く先の様子は中々わからない。
ジャイアント・ヘネシア

昼前にラスト・ウォーターを通過し、マウェンジ峰を右に見てサドル部分(4000m)に到達した。
見渡す限り、砂漠の平原である。
荒涼たる砂礫の平原を風が吹きすさぶ。

緩やかな登山道を、サドルに向かって歩く

最後の小屋のキボ・ハットは、手前の低い尾根に遮られて、ここからは見えないが、平坦な砂漠のような砂礫の原を進まざるを得ない。
傾斜が緩いので、なかなか高度が稼げない。
しかも、鞍部なので風が強まり、最後には小粒のあられも降り出す。

約2時間の踏ん張りで、漸くキボ・ハット(4703m)に到着した。

ポーターと、Bergen(右)

キボ・ハットは広い平地にある。
周囲は月面世界を思わせる、荒涼たる砂礫、岩山地帯である。
乾燥が一層顕著なので、マスクは欠かせない。

今回は大部屋で、全員が同じ部屋だ(2段ベッド)。
早い出発にはこのほうが好都合だ。

お茶のあと、山頂アタックの準備をする。
隊長から改めて、「防寒対策の徹底」の指示あり。
これは、大いに参考になりました。夕食を17:00に済ませ、直ちに就寝。

キボ・ハットにて,Bergen
2/27(水)

26日23:00起床27日0:00出発…5:30ギルマンズ・ポイント…7:30ウフル・ピーク…10:00キボ・ハット10:30…13:30ホロンボ・ハット(泊)

お茶とビスケットだけの軽食だ。全員そろって0:00に出発する。
辺りは漆黒の闇である。
ヘッドランプを点けて、砂礫のジグザグ道を登り始める。

気温は極めて低いが、着込んだ防寒具のため、十分に暖かい。
「これは助かりますね」

食欲不振に苦しんでいた小林さんが、早々にリタイヤした。

出発の朝
ギルマンズポイントは暗いうちの登頂だ。登頂を果たしてウフルピークに向かうのは、私とIさんのみだ。他の方々は、野心が無い?

皆さんの(ウフルピーク登頂の)意思を確認して、Iさんとガイドの3人で先を急ぐ。
登る前にIさんと確認していた。
「我々の目標は、ウフルピークです!」

岩の隙間から前方下方に火口原が見える。
取り敢えず暫定的に、暗闇の中、ギルマンの標識をバックに記念撮影をする。
夜明け
ウフルーピークは富士山の剣が峰である。
キリマンジャロの最高地点である。
登りの途中に火口原を横切る凍結した雪面もあったが、概ねは砂礫帯の登りである。取り立てて難しい箇所のない、平凡な登山道であった。
日の明けるに伴い、周囲の視野が開け、大いなる感動とともに、頂上に到達した。
ウフルピーク山頂にて

我々以外にはウフル・ピークに来ないので、記念撮影の後、徐に出発する。行きの火口原の凍結した雪面も、軟らかくなっている。

ギルマンズポイントの途中からは、砂礫帯をまっすぐ下る。丁度、富士山の「須走りコース」の下りのようである。砂礫の崩れの都度、砂埃が舞い上がる。次第に暑くなり、防寒着を脱ぐ。


皆が揃った後、ホロンボ・ハットに向けて出発する。
緩やかな下り道であっても、下山は早い。

下りの、キリマンジャロ山頂(ギルマンズポイント)にて
2/28(木)

6:30起床、7:00朝食8:00出発…11:40マンダラハット…14:00ゲート14:45出発ー15:45レパードホテル
往路のときも一緒だった海外青年協力隊の若者4人と、帰路も一緒になり、記念に一緒に写真を撮る。
タンザニアとマダカスカルに派遣されてから1年になるそうで、指導や援助のために遠い異国で専門分野で活躍している。これらの若者たちは日本の誇りである。

3000mの森林限界点を過ぎると樹林帯だ。
ゲイトの公園内でゆっくりとランチを食べることにして、ランチを持って上がったポーターと一緒に下る。
漸くゲートまで下山

バスでレオパードホテルに帰着。
靴とズボンの裾は、埃で真っ白。
急いで汗を流すが、湯が出にくい。

夕食は、前回と同じレストランに、今回は車で出かける。ガイドたちとも今夜でお別れだ。

席上、両山の「登頂証明書」が各人に渡された。
ウフルピークは金色、ギルマンは緑色の枠の証明書だ。トランス・キボの社長も同席し、宴会は大いに盛り上がった。

モチの町にて、Bergen

あとがき
アフリカ、キリマンジャロの登山記、お読み頂き、どうも有難う御座いました。
これからも機会のある限り、楽しい海外登山を続けて行きましょ
う。精神の開放には、山登りが有効です。