比良&比叡山、近江-京都の境界の旅
2007年6月15(金)〜17日()     同行者:NK
記録
6月15日():
 
23:18京都駅出発ー(湖西線)−比良駅(幕営)

6月の第3土曜は、年に1度の京都での恒例の「如水会」の集まりの時期です。
この機会を利用して、前後の時期に京都周辺の山登りを楽しんできました。
現在は埼玉在住のNKさんと、今回は土、日で比良と比叡に出かけました。
当初、候補地に北山も考えたのですが、思い付いて出かけたこの山の豊かさに、感激の旅でした。

新幹線が遅れて、NK君との合流は30分近く待ちぼうけ。
湖西線も23:18の終電前の近江舞子行きだ。この時間だが、堅田までは混み合っている。

駅の直ぐ脇で幕営。
久しぶりの邂逅を楽しんでいると、知らぬ間に時間が過ぎてゆく。それでも、明日は早いぞ!流石に2:00前に就寝。

比良駅で見る朝焼け
6月16日():

5:00起床5:45出発…深谷…深谷小屋(昼食)南比良峠…木戸峠…蓬莱山−16:00蓬莱駅−京都で宴会

朝早くから出発です。懐かしの母校山岳部の小屋(今は廃屋)を訪ね、比叡山へと続く稜線を辿ります。さて、何処まで行けますやら?
起床は定刻、NK君は朝飯も食わないそうだが、私には昔の苦い経験がある。研修医時代に、彼女と中谷に山登りに来て、シャリバテになった記憶があるのだった。

「あれはしんどかったですね」
「腹が減っては戦も出来ぬ!」の過去の戦訓を尊重し、朝食のさば寿司を食べる.。これが大いに奏効しました?!

朝の素晴らしい天候の中、先を急ぐ。
旧 江若鉄道の石垣も健在である。
予想に反して、今日は晴れが続きそうである。
旧 江若鉄道の石垣

林の中の舗装路を西に向かって進む。

養鶏場を見ながら大物からの舗装路に到達.。
途中、湖西道路が横切り、ガード下を登る。
昔の面影は全くない。途中にあった小屋もなくなっている。

季節柄、かなりの木の枝や草木が茂っているが、道はしっかり残っている。誰が整備をしたのか?。
途中の橋も、健在である。
深谷小屋への登行路ー架け橋
かなりの距離を歩いたが、なかなか小屋に着かない。
昔と違って、多くの木々が繁茂、成長したため、景観が大幅に変わったのだ。漸く、見覚えのある杉林と、左から入る枝沢に行き着く。

「此処だ、間違いない!」
見上げると、見覚えのある小屋の屋根が見えるが、周囲はブッシュに被われており、昔の面影はない。小屋の内部も、沢の副流が流れ込んで水漬かりだ。それでも辛うじて崩壊を免れている!

「長らく、ご苦労様でした。有難う!私の青春時代を支えてくれて」山岳部が(今は活動も下火)援助を放棄した現在、崩壊を止めるすべはない。

丸山沢も木々が繁茂している。
昔(30年以上前)の面影は、これまたない!
「えらく変わりましたね」
昔は、荒れ果てた岩床の沢でした。

懐かしの「深谷小屋」、概観はしっかり残っていました。

此処から丸山沢を詰めるか、或いは(荒廃したであろう)登山道を南比良峠まで登るか?判断に苦しみました。
でも、丸山沢の現状では、登山路を登るしかありません。
日差しはきつく、日影はありません。
でも満足して登山道を遡ります。

「(滋賀の、膳所高校の)太吉小屋がありませんね」
そうです、沢の崩壊のためでしょうか、登山道が、急な直登ルートに変更されていました。

漸く元の登山道に合流です。
その後、懐かしの南比良峠に到着です。
「思い返せば〜、この峠に到着したのは、現役、OB時代でも数回ですね」
久方ぶりの出会いに、思いは万感です。
南比良峠にて
折角(NK君が)埼玉からこちらに来て頂いたからには、それなりの(満足できる)計画を出さねば!との思いはあるのです。
しかし、計画立案の際は(自分の)未体験の領域に関心が移り勝ちです。
今日は此処から比良の山脈を南に縦走ですが、この山域は、私も未体験です。

かなりの上り下りを経験しましたが、極めて快適なピークハンティングが出来ました。
勿論、最後は蓬莱山よりの、京都、近江の大展望です。

「冬に琵琶湖バレーのスキーに来た際にも、京都の明かりが見えていただろう」
素晴らしい!の一言に尽きる、大景観でした。

蓬莱山山頂にて

蓬莱山の山頂からは、北山の花背峠の電波塔や遠くは西山、愛宕山が見えます。琵琶湖も一望のもとです。
何よりも、その俯瞰感がすばらしい!

「この眺望は、最高ですね!」
山頂は風が強いが、非常に満足して行動食を食べます。
此処へ来て漸く、大勢の人と出会います。

「この大展望(を望む)の最短ルートは、蓬莱駅からのルートなんだ!」
漸く気付きました。

もっと簡単には,琵琶湖バレーのアルプスゴンドラなのでしょうが、生憎とこの時期は休でした。
「なかなか、思うようには行きませんね」
京都の大景観
「何処まで行きますかね?」
時間的には十分、花折峠まで行けるが、遠来の客(NK君)の心情も考えねば成らない。小女郎池より蓬莱の短縮ルートを取る。

「先ず、会合への出席を優先しましょう」
時間は十分あるが、遅れてはならないのである。

汗まみれの体はやはり温泉で汗を流すに限ります。
下山後は迷うことなく、京都駅前の京都タワーホテル地下3Fの浴場に向かいました。

入浴してさっぱりしました
。取り敢えずは前半の山行を思いかえし、ゆったりと
例会「蛍狩り(如水会)」の宴席についた二人でした。

小女郎池
6月17日():

6:00起床、朝食6:59出町柳出発ー(京都バス)ー大原7:40…11:00仰木峠…横川中堂…比叡山…(雲母坂)…13:10修学院登山口−(京都バス温泉入浴)−京都駅経由で帰神

昨日は出町柳で泊まりました。今日はじっくりと比叡山を楽しみます。
自然林林と自然歩道もそれはそれは奇麗でした。最後のバスは奇跡でした。

些か早く起きてしまったので、出町柳周辺をうろうろする。
大原行き京都バスの始発は、出町柳6:59発である。
流石に乗る人は少ない。
高野川沿いにバスは進む。

「朝早いのは、よろしいですね」
懐かしい金毘羅山の岩場に通った、戸寺のバス停の次でバスを降りる。今日は何かの祭りのようで、地元の産品を売っている。

大原からの登山口は、三千院と、此処、上野の2箇所である。
「此処からですね」
我々は、民家の脇の坂を登って行く。
此処は、東海道自然歩道の一部であり、立派な標識がある。
民家の脇を抜けると、直ぐに杉林の中の登山道だ。
大原、野村別れの標識
ゆったりとした広い道を、横に小川の流れを見ながら登って行く。昨日の宴会の話が話題になる。
山のスライドを上演したのだが、機器に不慣れだったのか?満足する結果が得られなかった。

「まあ、人生には色々ありますからね」
お互いに納得である。お互い、色々と波乱の人生を送ってきている。

「勿論、君の比ではないがね」
(お互いに思い込んでいる?)
2日も一緒でも、話題は尽きません。

そうこうするうちに、仰木峠に到着です。
琵琶湖側との交易に、大原の住民が昔から利用した、歴史の道です。
仰木峠にて
此処からは比叡山に向かって登りますが、我々は主稜線でなく横川中堂経由で向かいました。

「このルートは谷まで一旦下らないといけませんが、横川中堂から根本中堂を結ぶ、比叡山のメインルートなんです。
(千日回峰の)行者さんが通るルートなんです」


途中には、色々な仏さんや標識が設置されており、
なかなか立派な道です。
歴史をかみ締めながら進みます。
途中で3箇所ほど、比叡山、奥比叡ドライブウエイをトンネル
(ただの土管)で渡ります。
道の脇の仏さん
やがて、主稜線からの道と合流すると、比叡山の境内です。
登山者は(建物に入らない、と言うと)入山料も免除です。
流石に道も立派になり、樹木も手入れが行き届いてます。
「やはり、苔も美しいですね!」

種々の建造物が眼を楽しませてくれます。
知らないうちに、曇り空も夏空に変化し、汗ばむほどの陽気になりました。
「昨日に引き続き、やはり日ごろの行いの良い我々ゆえですね!」
NK君も埼玉まで帰らないといけないので、先を急ぎます。
(本当は、大文字山まで縦走したかったんですが...)
比叡山の境内
比叡山の境内になると、流石にハイカーが大勢見えます。
数人のグループから2人連れ、そして単独行など、皆さん!色々なパターンで山を楽しまれています。

今回、この山行計画を立案する際に相談したSさんは、
「京都の周辺の山は、歴史と絡めて登らないと、他の山とはスケールで負けますから...]と仰っていたが、
「成る程!」と、感心する。

感心ばかりもしておられないので、下りは、「八瀬ローウウエイ山頂駅〜雲母坂〜修学院」の、最短ルートに向かいます。
「この辺りは、なかなか樹木が濃いですね」
ロープウエイへの分岐の道標
途中に素晴らしい大展望台が広がります。
「素晴らしい景色ですね」

雲母坂は、流石に登ってくる人が多い!
「結構、気楽に登れますからね」
この道は、子供を背負子に乗せて登った記憶がある。
「はるかな昔です!」

樋状の花崗岩の急坂は、雲母坂の名前の由来である。
これがなかなか長い。
人家に突き当たっても、修学院の道は抜け所がない。
家が建て込んでいるのだ。
方角だけを頼りに、バス道に向かって進む。
比叡山より京の町を見下ろす
漸く修学院小学校に行き当たると、ヒョコッと白川通りに出た。
「えーっと、京都バスのバス停は?」

「直ぐ其処ですね。<修学院離宮道>ですね。」
「次のバスの時間は...?
えーっ!此処のバス停は1日に1本しかない!
しかも、あと3分後ですよ!」

これは待つしかないようです。

まもなく本日唯一のバスが到着。悠々と座れました。
ゆったりと車窓から東山通りの町並みを堪能し、京都駅までの短い旅を楽しめました。

「これに懲りずに、また来年の会合は、このパターンで行きましょう」
公共交通機関利用の山行も、また楽しいものです。
修学院、赤山禅院