六甲、全山縦走トーライアルーその2、西六甲縦走(須磨浦公園から市ケ原)
2006年11月26日()     SY,Bergen

6:35須磨浦公園…7:00鉄拐山…7:30横尾山…9:20高取山…10:30鵯越…11:30菊水山…12:50大龍寺
…13:10市ヶ原(下山決定)…布引滝…15:00三ノ宮ー帰宅


神戸市の「六甲全山縦走」に申し込みましたが、定員枠で(参加を)蹴られました。それではと、11月末に独自の「個人山行全山縦走」を考えました。
これだと23日の(全山縦走)会合の後なので、山も空いていると考えたのでした。



 6:30時に須磨浦公園駅に集合ですが、阪神電車の魚崎駅には5時10分に到着しました。暗い中、住吉川に沿って下ります。
何時もの癖で、大阪方面のホームで待ちますが、直ぐに間違いに気付きました。

高速神戸で(阪急から来た)SYさんと合流。
神戸高速の地下線内では、直通特急は各駅停車でなく、比較的早く通過するので感激!須磨駅で普通に乗り換えるのだが、ホームで小雨がボツボツ!

「やめようか、折角此処まで来たから続けようか?」
心は千路に乱れますが、
「行くしかないよな!雨も昼からの予想だし!」
気楽にGOサインを出しました。普通電車は須磨浦公園駅に着きます。


駅に降り立つと、人影は全くなし。
でも此処から鉄拐山までは、見知った道で安心です。
出発した阪神電車、魚崎駅
急な石段を登ります。
何時ものように、明石海峡の景色が広がります。
登る人も、予想通り居ません。貸切の山です。
鉢伏山の昼の賑わいは何処へ行ったのでしょうか?
流石に人影はありません。
しかし、漸く、夜が明けて来ます。

今日は天候も不安定なので、出来るだけ先を急ぎましょう。
鉄拐山からは急な階段の下りです!」


 ウバメガシの樹林帯を進みますと、「おらが茶屋」に到着です。
1Fにはトイレと自販機があり、その屋上は展望台です。
今日は先を急ぐので、展望台も割愛します。
此処からの縦走路は、狭くて急なコンクリートの階段であり、何時果てるとも知れない。山麓の高倉台住宅地まで延々と続いていました。

漸く住宅団地に降り立ち、団地内の道路を、次の横尾山登山口に向かいます。
立派な標識が立てられています。
「流石は六甲全山縦走の始まりですね!」
鉄拐山からの長い下り階段ーSYさん
  現在の高倉台住宅地は、神戸ポ−トアイランドの埋め立て用の土砂を削り取られた高倉山です。歩道脇には大丸ピーコックがあり、ここで食料や飲料水を調達できるのだが、残念ながら今は閉店だ。

前方に栂尾山の300階段が見える。。
道路を歩道橋で越えると、栂尾山の登りである。
この階段の途中には、何箇所かベンチが置かれているが、気が張っているのか?渾身のペースで階段を登りきった。


「振り返ると、鉄拐山が遠くに見えますね」
「出だしから間もないですが、感慨ですね」


それにしてもえらい坂でした。
しかしこれくらいは、取るに足らなかったのでした。
(もっと急な上り下りがありました)
高倉台住宅地からの長い階段を上る-SYさん
階段が終わってからは、岩稜帯(それほどたいしたことはないが)の登場であるが、すぐに栂尾山山頂に到着である。しかし、展望は効かない。
丸太で組まれた展望台があるが、先を急ぐので勿論登らない。
通過するのみである。

ここで休憩でも、と思ったが、折角ですから横尾山まで移動する。
「横尾山まで行きましょう」
まだ出発から1時間も経っていないのである。

縦走路は急な階段の下り道で、その後は小さなアップダウンを繰り返す尾根道である。鉢伏山から鉄拐山のルートに極めて酷似している。

登るに連れて、視界が良くなってきます。
「本当に、気持ちがいいですね!」
しかし、実は横尾山までは意外と遠かったのでした。
此処で初めて、暫し休憩します。
横尾山山頂
横尾山山頂には三角点がある。折角ですから、記念撮影しておく。

 横尾山をこえると、名勝 須磨アルプスである。丁度、芦屋のロックガーデンや蓬莱峡の雰囲気である。この頃から、また雨が降り出したので、傘を出す。仕方ないのでストックは仕舞う。はるか先に延々と風化した花崗岩の痩せ尾根が続く。

くねくねと尾根道を辿り、鉄製の階段を下って、「馬の背」の手前にやってきた。
雨模様なので、滑りそうで気を使う。開き直り、気合を入れて、一気に馬の背を越す。幸いにも雨は酷くならないようである。

「ほっとしますね」
此処からは、次のピークである高取山が眺められる。
地図と照らし合わせて、山頂への登路を検索する。

「どうも左手が登山道のようだな」
山頂直下に赤い屋根が見えます。
「茶店かな?」
実は神社でした。
須磨アルプス
縦走路はまたまた住宅団地ないのアスファルト歩道になる。
地図で進行方向を執拗に確認する。
「でないと、必ず間違えます!」

3人組のジョガーが追い越して行く。
「あれは全山縦走だな」
タイツにナップサックという軽装です。

バス道を進み、横尾2丁目のバス停を過ぎた地点で、進む方角が違う、と気付いた。
「こら、おかしいで」
少し戻ったりupsetするが、結局道路脇の
微妙な標識に気付いて、17棟の団地の手前を右に入る。

寂しい歩道を階段を交え、阪神高速神戸山手線を越えて行くと、妙法寺に出くわした。
「これが正しいルートですね」

妙法寺小学校の前の道を高取山へ進んでいくと、またまたジョガーが追い越して行き、高取山への登り口らしき場所が期せずして分かった。
高取山の登りは階段もあるが、すぐに坂道に変り、山頂付近まで続く。
妙法寺
そのうちに、赤屋根の荒熊神社に到着。
此処からの眺めもそれはそれは素晴らしい。
「この縦走路の眺望は特筆すべきものですね」

この西六甲の銃走路は、各々のピークから見渡せる景観が非常に変化するのが印象的だ。此処からも、長田の町並みや来し方の鉢伏、鉄拐の山から淡路島、明石海峡大橋まで望まれる。高取神社でも素晴らしい景観に見入り、縦走路に沿って下っていく。此処は神社の参道の雰囲気である。

 石畳の階段が延々と続く。長者町の民家が見えてきたが、地図を読み誤り、逆方向に進んでしまった。しかし、直ぐに気付いて、通りがかりの人に正しい道を教えていただく。この辺りの住民は聞かれる場合が多いのだろう。
「慣れた調子で教えていただけますね」  
高取山、荒熊神社
此処から鵯越までが、この西六甲縦走路の一番ややこしいところである。
市街地の中を歩くのだが、目標が分かりにくい。道がくねっている。
教えてくださる親切な人も居るのだが、なんせ覚えきれない。
仕方なく、見当つけて歩き出す。
「此処は夜の暗闇では(通過)不可能ですね」

漸く神戸電鉄の線路を見つけたときには、ほっとした。
線路沿いに狭い階段を登り、道路の下の尾低い円形のトンネルを出ると、眼下に鵯越駅が出てきた。

「この区間は市街地地図で十分に確認せねばなりませんね」
此処から、烏原ダムの北側を、川に沿って大きく廻りながら菊水山登山口に向かう。最近出来た、石井ダムも見えている。
川の水は、お世辞にも美しいとは言えない。
鵯越駅にて
菊水山ゴルフ場を右手に見て、いよいよ菊水山の登りである。
急傾斜の階段が続く。

「横尾山の階段どころの騒ぎではないですね」
その分、眺望はどんどんと拡がってゆく。極めて快適である。
通ってきた高取山や横尾山は、市街地の海の中に浮かぶ島のようだ。

SYさんが「休もう」と言うが、「もう少しだ」と頑張る。
まもなく傾斜が緩まり、電波塔のある広い山頂に到着した。
「ご苦労様。しばらく休憩です」
休憩所で風を避けて、十分に水分と食料を補給する。
登りの途中でかなりの空腹感を覚えたのでした。

「空腹感を覚えてから補給しても遅い!」
思わず、常々言っている原則に外れかけたのでした。
菊水山
菊水山から手前の鍋蓋山、摩耶山が連なります。
遥かに六甲の本峰も見えています。

菊水山からも、かなりの下りです。
この縦走路の前半は、激しいアップダウンの繰り返しが特徴と聞いていましたが、実際に体験すれば想像以上であるのが良く分かります。
急坂をダブルストックで駆け下ります。
左手に山を切り開いた住宅街が広がります。
まもなく小さなダムの脇を通過して、有馬街道に掛かるつり橋を渡ります。

「ひっきりなしに車が走ってますね」
この先に見えている鍋蓋山の登りも、大概タフそうです。
些か気が重くなりがちなのを、ぐっと前向きに修正します。

「よーし、ゆっくりと登りますか。
前向きに歩いていたら、何時かは目的地に着くでしょう」
有馬街道を橋で渡る
やはりというか、鍋蓋山の登りは大概でした。
それでもこの縦走路のよいところは、急坂の後には必ず穏やかな尾根道が続くことです。
鍋蓋山から大龍寺にはまさにその通りの尾根道がありました。
のんびりと下ります。

「ああ、いい気分ですね」

大龍寺は再度山ドライブウエイを通りかかる際に良くその山門にお目にかかるのですが、境内に入るのは初めてです。それにしても、境内の紅葉は素晴らしいです。
「次回は紅葉狩りに訪れねば」
と、思うBergenでした。

この頃から雨が激しくなりました。
再度、傘を出します。
市ケ原に下る道路からも、雨粒が水面を激しく叩く様がよく見えます。
大龍寺
市ケ原までの林道は行きかう人が多い。
それも主に登ってくる人が多い。
この辺りの紅葉はそれはそれは素晴らしい。
「余り期待してなかったですが、此処はなかなか良い所ですね」
六甲の布引谷周辺の素晴らしさを、見直したBergenでした。

市ケ原まで下ってくると、ハイカーが多数休憩しています。
此処は多くの登山道が分岐する、ハイキングの要所です。
予定では此処から稲妻坂を経て、天狗尾根から摩耶山に登るのですが、
「この雨なら、東六甲の縦走路を(夜間に)下るのは、しんどいですね」
市ヶ原の紅葉
摩耶山に登って六甲最高峰まで行っても、
「宝塚まで下るのは大変!」
の予想です。
完遂出来ねば、今日のトライアルは失敗です。

諸般の状況から、躊躇することなく、此処から新神戸に下ることにしました。
「やむを得ませんね。今日で終りにしたかったが、夜の雨の中の下降は、遭難のリスクもありますから」
妙に歯切れの悪さが残る、Bergenでした。

しかし、決定すればもう未練はありません。
布引ダムの貯水池に沿って下ります。
ダムの水は青々としています。
中学生の頃はもっと大きかったように記憶していましたが、実際は高さが30mなのですね。味わい深い風格を漂わせています。
布引堰堤
今日の布引滝(雄滝)は流れも細く、些か貧弱です。
やはり滝は堂々と流れ落ちる水量が命です。
やはり六甲の谷も昔に比べると、水量が激減したのではないでしょうか?
山の保水力は(樹木)そう低下していないでしょうが、やはり上流の開発(ハーブ園、)も関係あるのでしょうか?

「今日ぐらいの雨では(水量増加効果も期待できないので)仕方ありませんね」
些か残念な面持ちのBergenでした。
やはり、中断のショックが尾を引いているのか?

「正直言って、あの前半の上り下りを繰り返す気にはなりませんね」
(でもこれを書いている今では、再挑戦の欲望が、がんがんと湧いているのである。なんとも変わり身の早い、我ながら無定見の象徴である!)
布引滝、雄滝
滝を見る人は1組の家族のみである。
今日は雨模様だったので、こんな素晴らしい紅葉にもかかわらず、人出が少ない。
お蔭様で、十分に紅葉を堪能できた。
悪天に感謝する次第である。

なお新神戸駅付近迄下がると、流石にまだ紅葉していない木々が目立つ。
新神戸オリエンタルホテルの前には機動隊のバスが止まっており、厳重な警戒態勢であった。何処かの要人が宿泊していたのであろうか?

もったいないので三宮まで歩いて帰った。
皮肉なことに雨は殆ど止んでいる。
三宮周辺は、流石に人出が多かった。
阪急では丁度特急が来たので、さっさと岡本まで帰れた。
滝道の紅葉
「次回は(全山縦走)完遂ですね!」
「当然ですよ!」

次回のリベンジを期す、Bergen達でした。