大台、大杉谷支流、堂倉谷遡行2
2006年10月28()〜29日()      同行者:KK,ST、IS,SK(COWAC)
記録
10月28日():

(先発隊)12:00大阪駅集合ーKK宅(pick-up)−大台ケ原
(後発隊)12:30西宮集合-阪神高速ー16:00大台ケ原ー(幕営)

この沢はその前半は8月に遡行したが、素晴らしい渓谷であった。土曜は雨の予想は全くしていなかったが、かなりの雨に見舞われた。堂倉小屋から林道脇での幕営を断念し、日曜だけの遡行に変更した。
 


今回の計画は先発、後発に分かれての出発だが、間際にOMさんに突発事故があり、MKさんも風邪で参加不能になったので、灘高山行(男性ばかりの山行)になってしまった。
大台ケ原のドライブウエイに掛かる前から雨模様となり、混雑を予想していた駐車場は比較的空いていた。

明日の晴れを祈って乾杯。
「明日は晴れるかな?」
些か絶望的な気分!
KKさんー宴会の風景
10月29日():

4:30起床、朝食ー6:30大台駐車場出発…7:30日出ケ岳…9:00堂倉小屋…10:00堂倉橋(入渓)…15:30尾鷲辻…16:00駐車場ー21:00帰神
 
朝は晴れている。
車を駐車場に停め、日出ケ岳まで登った後、一路下降する。何時もながら、これがなかなか長い。

  朝から日出ガ岳に向かい、石畳の道を急ぐ。
紅葉は丁度の時期かと思っていたが、あにはからんや、少し遅くて殆ど落葉している。
日出ガ岳では小休止の後、そそくさと大杉谷道を下降する。思ったより急な下りである。
日出ガ岳へ急ぐ  
 
朝早いが、もう既に3パーティーほどとすれ違った。急傾斜を下り降り、堂倉避難小屋に到着。
天候はまあまあか?
朝食を食べてきたが、この先の林道の長さを考え、更に行動食を食べる。
直ぐ目の前に粟谷小屋の屋根が見える。
此処からは林道歩きだ。幸いにも水平か、或いは緩い下りなのが助かる。
堂倉避難小屋
この時期、堂倉谷の水はかなり少ない。
林道から水面はかなり下だが、水音も弱い。

堂倉橋の脇には、8月に行った際の湧き水
「堂倉の若水」がコンコンと沸いている。
「うーむ、テントを撤収している人が居る!」
やはり此処で幕営していた人ガおられたようです。
「やはり幕営適地ですね!あの雨でテントを張られたのでしょうか?」

林道の先を急ぎ、左の支流から入渓です。
文献では2時間ほど河原歩きのようですが、実際にその通りです。
長い河原歩き
このあたりは傾斜は緩いが、所々に深い淵があったようだが、林道工事の土砂投棄の加減だろう?見る影もない河原歩きに変貌してしまっている。

ゴルジュ状の所は、ルートを考えながらどんどん進んでゆく。腰まで水に入ると流石に寒く、へつりよりは高巻きをを繰返し通過して行く。

「バミューダ-パンツ(膝まで)は良いですが、ハイレグ(腰まで水に浸かる)は堪忍して!」 
ゴルジュ状を快適に登る
今堰堤を過ぎ、小ゴルジュ状の地形に来ますと、沢は多様に変化します。
微妙なへつり、高巻き、直登が出てきます。登れそうな岩は頑張って登り、出てくる小滝は弱点を見つけて越えて行きます。

次は10mの滝です。
右側の段々を登りますが、ここで安全のためロープを出す。

「ここも変化に富んでいますね。
ある意味、核心部でしたね」

10mの滝、右を登る。
最後はチムニー登り様の滝を左から越すと、谷は2つに別れ、右は枯れ木の詰まった涸れ谷、左は2段40mの連瀑である。文献に書いてあるように、2段目から先は極めて困難そうで、何れも左を高巻いている。此処で色々考えたが、2本手前の左のルンゼを登って、尾根に取り付くのが良かろうと、結論した。
「この谷の源頭部は、ルート取りが難しいですね!」
美しい堂倉谷源頭部の山並み
危険な部分は積極的にロープを出したが、比較的簡単に尾根筋に出れた。それにつけても源頭部は激しく伐採されており、地面が著しく侵食されている。

こんな急傾斜を皆伐して!これで植林が着くのだろうか?
一般の登山者が見えないところで、どんな破壊が進んでいるのか?よーく分かりました。

尾根筋に出ると、赤テープで目印が続きます。
尾鷲辻から堂倉山に向かう道のようですが、廃道寸前です。それでもないよりまし。

「漸く尾鷲辻に到着です。
道標の嬉しかった事!」
漸く尾鷲辻に合流
東屋で乾杯します。
土曜日が雨で、当初の計画通りに行きませんでしたが、何とか8月の借りは返せました。

それにつけても、
「尾根に上がってから、最後の巻き道は長かった!」
地形図を確認しながら辿ったのですが、本当に合っているのか、些か心配でした。
「矢張り、見通しは間違ってませんでしたね!」
遅い到着でしたので、温泉で入浴をせず、(しかしKKさん宅には清算で寄った)一路帰路に着きました。
尾鷲辻の東屋にて、KKさん

今回、前回し残した上半分を遡行し、漸く堂倉谷の全貌が分かりました。前半に比べると美しさは劣りますが、それなりに渓谷でした。
残念なのは平行うる林道工事の影響でしょうか、土砂で埋まっている谷の現状でした。また、源頭の森林伐採による山の荒廃は目を覆おうほどでした。

今回初めての10月の沢登りでした。
紅葉と沢登りは響きがヨロシイガ、水につかると、矢張り「冷たい!」やはり十分な防寒対策が必要です。