南アルプスの秀峰&麗峰、甲斐駒&仙丈岳
2006年9月1〜3日     同行者:,FM,IK,MA
訪問先  北沢峠、甲斐駒&仙丈岳

南アルプスの森

職場のジョギンググループ「どんこーず」の「山」分科会には随分とご無沙汰していたのだが、
今回、ひょんな経緯でリーダをする次第になった。

今回の山行は、,再三に渡り天候不安の情報が寄せられていた。
しかし、幸いにも、予想とは裏腹に快晴に恵まれた。

南アルプスの山々のみならず、御岳、乗鞍、白山はじめ北アルプスの山々、
八ヶ岳など、大眺望にも恵まれ、快適な登山が出来て非常に満足しました。
殊に、ほぼ30年ぶりに訪れた仙丈岳の伸びやかな山容が非常に感動的だった。

9月1日(金):西宮出発

13:30西宮、出発-名神西宮IC-名神、中央道-伊那IC−18:00戸台、仙流荘(泊)
 
出発を昼にしたが、買出しで時間が掛かった。
休憩時間を最小にして高速を進む。今夜の宿は「仙流荘」だ。


9月2日():甲斐駒ケ岳

4:30起床-5:55出発…6:50北沢峠、長衛荘(宿泊受付、荷物デポ)7:10出発…7:20北沢駒仙小屋…仙水峠…11:30山頂12:20…双児山経由…15:40長衛荘(泊)


朝の天候は肌寒い。
しかしその後、ぐんぐん気温が上がり、好天に恵まれた。
予想と異なった展開に、一同驚いたのであった。

昨夜はこれ以上無いという恵まれた環境で、十分な睡眠時間を取った。
登山準備を済ませ、戸台から南アルプス林道バスに乗る。
もう既に長い行列が出来ている。

「これは、ミスった。出だしから出遅れている!

正直なところ、皆さんがこんなに早くから並んでいるとは、想像出来なかった!
(登山バスやケーブルを常時、利用していないと、こういったケースが往々ある!)
しかし、何とか最後のバスに乗車できた。

北沢峠までの林道脇、ここは貴重な自然林の林である。
青春時代に、戸台口から延々6時間以上費やして辿り着いた美しい北沢峠は、今は無い!無粋な林道脇でバスから下車し、小屋脇で休憩する。

「今夜の宿は”長衛荘”です。宿泊手続きをします」
登録を済ませて、甲斐駒に向かうが、最近の山小屋は、予約が無ければ泊まれない!
出発の朝、北沢峠、長衛荘で、左からMA,FMの両氏

一旦、林道を広河原方面に下り、途中から長衛小屋に向かう。
ここからは谷沿いの、緩やかな樹林帯の道である。
植生は南アルプス特有の「オオシラビソ」が主体で、どんどん高度を稼ぐ。


「今日は晴れだね?」

この天気では悠々山頂まで辿り着ける状況です。
仙水峠まで40分で到着しました。

「ここから見る、摩利支天や甲斐駒は、
ほんとに、ほんとに素晴らしいの一言に尽きますね!」
同感です、
これほどの素晴らしい景観は、日本アルプスと言えども無いでしょう。
(かなりに独断が入ってるでしょうが、まあ好いですか?)
仙水峠にて、快晴である。
仙水峠から急傾斜の樹林帯の登山道をひたすら登ります。
途中で視界が開けますが、更に高みの駒津峰に登山道が伸びます。
開ける眺望が唯一の慰めです。
北岳方面、南アルプス南部の眺望が素晴らしいでしょう。

「今日は最高の天気です!」

お花畑も盛りを過ぎたが、登高は楽しい!?
標高の加減で暑さもそう激しくないので、尚更です。

「視界は最高ですなー」
仙水峠から甲斐駒ケ岳
仙水峠から50分。
漸く、
「駒津峰」
に到着。

登山道の先に、”ピーク・ビアンコ”で有名な甲斐駒の山頂あり。
ここから地図上の標高差は僅か200mですが、上り下りの尾根筋を経て、
急傾斜の取り付き迄、かなりの距離と思える印象でした。

「こら〜、(見た目以上に)なかなか大変ですね」
駒津峰から甲斐駒ケ岳,bergen
六方石という尾根上の巨石を過ぎると、登山路は2つに分かれる。
「直登ルート」と「巻きルート」である。
前者は距離が短いが急であり、岩場も出てくる。
後者は困難度は少ないが、長い。

IKさんが言う。
「巻きルートが安全では無いですか?」

へそ曲がりの真骨頂発揮である!
迷わず、私は前者を進む。

「人生、直行が全てです!迷ってはいけない!」
(しかし、時には回り道、寝技も必要なんですね!)

結局、たいした困難なところも無く、山頂まで辿り着いた。
直登ルートを喘ぎながら登るIKさん
われらのメンバーのうち、唯一の女性であるMAさんは、
非常に元気である。
私と行動をともにして、ゆとりを感じさせる物言いである。

「いい天候に恵まれて幸せです」

その思い、よく分かります。

よれよれのIK,FMの両氏も、漸く憧れのピークが踏めました。
甲斐駒山頂にてIK(左)、FM(右)の両氏
漸く山頂に達したものの、今ひとつ、彼らは元気が出ない。

「漸く辿り着きましたが、えらいです。
食欲も無く、ビールも要りません!」

かなりお疲れのようです!

ほどほどに休憩し、巻き道から下ります。
芦屋のロックガーデンを思わせる、侵食された花崗岩の絶景が広がります。
花崗岩の豪快な下り
「この天気は明日も持ちますね!」
下りは稜線上を、駒津峰から双児山に向かいます。
コルから一旦急な登りがありますが、双児山の展望も素晴らしいです。
双児山からのルートは、急な樹林帯の下りですが、
登る必要も無く、素直に北沢峠に下山できました。

小屋に着くと、大勢の人が寛いでいます。
我々も早速、ビールで乾杯です。
「乾杯!」
双児山山頂にて、bergen(左)とIKさん
今夜は小屋も混雑のようです。
夕飯も2回に分けての給仕でした。

明日の仙丈岳登山に不安を訴えるIKさんですが、
甲斐駒よりはるかに楽の筈です。

「ノー・プロブレム。杞憂ですよ!」
北沢峠
9月3日():仙丈岳登山&下山、帰阪

3:30起床4:30出発…8:00山頂8:30…12:00北沢峠12:10バス出発ー仙流荘(入浴)14:20−1高遠(昼食)−伊那IC−18:00西宮
夜は山小屋はかなりの混雑だったようです。
早々に眠剤を服用して眠りましたのが正解でした。
朝は早々に準備しますが、大勢の方がすでに起きてでした。
今日も晴れのようですが、昨日ほど寒くはありません。

「今日も(天気もいいので)楽勝ですよ」

弁当の朝食を済ませそそくさと出発します。
甲斐駒に向かうグループが多いようです。
「気を付けて、ゆっくり行きましょう」
昨日へばったIK,FMの両氏とも元気を回復した様で安心です。

漸く甲斐駒の夜明けが見える地点まで登りました。
美しさに「ほっ!」と、一息つきます。

甲斐駒の朝焼け
樹林帯の中をひたすら登ります。
もう今日は雨の心配はないようです。
4合目を過ぎると傾斜も急になり、その後は這い松帯です。
視界も開けてきます。昨日に勝るとも劣らない眺望の素晴らしさです。
漸く小仙丈岳まで登りりましたが、時間的にも体力的にも
十分な余裕があるようです。

「あれが昨日登った甲斐駒ですね!」

その右の鳳凰三山の奥には、富士山が聳えています。
小仙丈岳にて左からMA,IK,bergen
この上からカール地形の縁の尾根筋を辿るルートです。
一見近そうですが、上り下りがなかなかです。
所々、急な岩稜地形も出てきます。

「本当に天候に恵まれて良かったですね!」

皆さん余裕すら感じさせる元気さです。
昨夜の不安、出発時の杞憂も一掃されました。
山頂へ登る急な尾根
痩せ尾根の縦走路を足元に注意しながら進みます。
やがて最後の急斜面の登ると、山頂の人垣が見えて来ました。

「かんぱーい!」
ビールで乾杯します。
「漸く、山頂に着きました!」

昨日と比べると雲の湧き方は早いけど、それでも素晴らしい眺望です。
山頂にて、左からIK,FM,MAの各氏
予定よりかなりのハイペースと早立ちで時間は十分ありますが、
折角ですから、13:00のバスで帰るよう予定を早めます。

「それでも十分な休息時間がありますね!」

と今日はラーメンを作ったり、コーヒーを沸かしたり、ゆったりと楽しみました。
これも(体力的に)余裕があるから出来るのです。

「やはり、2日に渡って体を慣らさないといけないな!」
1日では疲れが残るだけなのでしょうか?

ボッツラと下りはじめ、北沢峠に急ぎます。
仙丈岳とカールを背景に、帰路を急ぐbergen
「ここが藪沢との分岐点ですね!」
ここは本当に良い休憩地点で、誰もが休むようです。

「まあ-、13:00のバスには十分乗れるでしょう!」

その後、一路、北沢峠に向かいましたが、
幸いにも12時過ぎの臨時バスに間に合いました。
早いバスに乗れたので、ゆっくりと仙流荘で入浴して帰れました。
高速道路も空いていて、激しい渋滞とは無縁でした。

「本当に、本当に須くツイテイマシタ!
皆さん、本当にご苦労様でした」

藪沢ヒュッテ分岐で
「まあ、天候に恵まれたのが最高でした」
30年ぶりの山がまた増えました。
今なお、青春期の山を回帰して巡っています。
「さて次は何処へ行きましょうか?」