燧ケ岳&会津駒ケ岳山スキー登山
2006年5月2〜6日     同行者:,OM、IS,ST,SY,NC,HT,,MK,SK,、
訪問先  その2−会津駒ケ岳
5月5日:会津駒ケ岳

4:00起床 6:45出発(登山口)…10:40会津駒ケ岳山頂11:15出発…13:00大津岐峠…15:00キリンテー入浴ー19:30阿賀野川SA(幕営)
 昨日,御池を出て、燧ケ岳に登って来ました。頂上からの滑降は、この世のものとも思えない素晴らしさでした。下山後、キリンテに降り、川べりで幕営。今回の目的は、この地域での山スキーです。今朝は会津駒ケ岳に来ました。
昨夜のテント場でした。
アスファルトの上なので、快適に過ごせました。
今朝も早起きして、今日の目標の会津駒ケ岳に向かいます。

朝の予定ではスキー隊は大津岐峠からキリンテに下山しょうかと思っていますが、車は取り敢えず2台とも会津駒登山口に置いておきます。
登山隊は往路往復なので、トランシーバーで連絡して迎えに来てもらいます。頂上で気が変わったり、行路が困難そうであれば、元来た道を戻るだけです。
今日も快晴なので、気分は上々です。
昨夜のテント場
会津駒ケ岳周辺図:赤線/登り、青線/滑降星印/間違えやすい尾根、赤丸/事故地点
 
 登山口は数台の車が駐車可能で、立派なトイレも作られている。
4月の中旬に遭難した人の友人たちが、ビラを配っておられる。
1名の登山者は何とか下山したが、もう1名の山スキーヤーの行方がわからいらしい。一応あらゆるところを探したが、見つからない。
どちらに降りたか不明なので、捜索は困難を極めているという。

何とかご協力差し上げたいが、この雪の量では、手がかりを掴むのも困難だろう。キリンテ方面に下降する途中で幸運にも見つかればよいのだが。
登山口駐車場にて 

最初は林道の雪道だ。曲がりくねりながらどんどんと高度を稼ぐ。 
途中でかの有名な木の階段が現れた。約20段ほどか?

「ここからの登りは急ですね?」
「滑り降りるときは何処を降りるのかな?」


と、皆さん思い思いに言われますが、昨日の登山と宴会(こちらの方が重度?)疲れが多少残っているのでしょう。足取りも重そうです。

幸いにも今日も天候には恵まれました。
うっすらと雲があり、快晴とは行かないまでも良いお天気です。
今日も

「山の神さまに、有難う様!」

です。
 
急な樹林帯のトレースを辿る

かなり急な樹林帯の登りです。
シールで登るにはややきつそうです。
NT、MKの2名は非積雪期に来た由。
ほとんど記憶がないといいます。

 「雪でない時なら、景色がだいぶ違うでしょうね!」

途中から傾斜も緩やかになり、木々も巨木の疎林帯になる。地形図から判断すると、標高1400m地帯である。

ここで休憩していると、大勢の山スキー隊がシールで登ってきた。

「これはシール登高やで!」
迷わずシールを着けて思い思いに登りだす。
スキーを担がない分、流石にシールは楽である。
途中から燧ケ岳の眺めが素晴らしい。

 
登山隊の面々
「無木立の稜線まで頑張りましょう!」
シールで黙々と尾根筋を進みます。
漸く傾斜が緩くなると、右手に大戸沢岳に向かう稜線が見えてきます。
2098mのピークも大きく見えます。
 しかし風は比較的強く吹いています。

1950mのピークを越すと、漸く会津駒ケ岳の全貌が見えてきました。
頂上はドーム状で、数多くの支稜線を出しています。
これがこの山の山容が極めて大きく見える一因でもあるのでしょう。
なだらかな稜線を大勢の人たちが山頂を目指しています。
漸く山頂が見えてきた

シールですから、沢の源頭の最短距離を進みます。
ここは滑ると楽しいでしょうが、キリンテまで下るのなら
次回の課題にせねば成りません。

「漸く山頂です。それにしても疲れました!」

コースタイムどおり4時間の長旅でした。
燧ケ岳は3時間でしたから、それなりにお疲さまでした。

北側に中門岳が稜線上に延びています。
その左手には越後駒、中岳、平ガ岳が大きく見えます。
東の沢の源頭は、この世のものとも思えないようなスキーパラダイスの斜面です。
時間があれば登り返してもいいのですが、生憎と今日はキリンテへ滑降です。
山頂にて、見かけよりも強風が吹いている。
他の大勢の登山者、スキーヤーに混ざって、我々のメンバーも三々五々、頂上に到着します。少し北側の窪みで昼食を取ります。
ビールも出ます。しばし至福の時を過ごします。

「やはりキリンテに下ってみましょう!」

どうしょうか?迷いました。
ほとんどの山スキーヤーは登山口に降りるようですが、
大津岐峠からの快適な斜面を滑ってみたい思いが、結局勝ちました。

そうなると長居は無用です。
急いでシールを外す
そそくさと滑降に移ります。
まずは駒の小屋に向かいます。
この斜面も快適ですが、トレースがやや煩いです。
小屋まではあっという間です。

小屋はこの時期オープンです。
登山口の標識に
「宿泊の方は予約してください。」
と、ありました。小屋番の方もおられます。

小屋からの稜線は狭い急斜面で、左側が急峻な壁になっています。
左の沢の源頭は方々で雪崩落ち、稜線上は所々で雪庇も崩れています。
トレースはありますが1699m峰の手前は、右の急な樹林帯を巻いて行くしかなさそうです。「これは大変だぜ」
来ましたが、思わず呟きます。
駒の小屋より大津岐峠を経て燧ケ岳を望む、遠い!
1699m峰までは、ザックにスキーを結わえ付け通過することにします。
皮肉なことに此処からの燧、至仏の眺望は素晴らしいです。
まあ視界がクリヤーなだけ気楽です。
相変わらず、こちらに来るスキーヤは皆無です。

慎重に、慎重に進みます。
本当に大変でした。
微妙な雪の上のトレースも大変でしたが、樹林帯は極め付けでした。

「潜る、引っかかる、急な登り、岩稜!」
何でもありでした。
苦労した後の清清しさ!
見よ!この、すっきりした顔つきを!
本当に、ほっと、しました。
1699mのピークを越すと尾根筋も広くなる
1699mからは少し滑降しますが、それも瞬くの間!です。
この「富士見林道」と名付けられた尾根道は、1599m峰からほとんど平坦な、最後はかなりの登りのルートです。

これもまた
「テレマークの世界!」
のようです。

遠見尾根天狗岳南尾根の記憶が蘇ります。
振り返る会津駒ケ岳の姿や1699m峰など、天狗尾根に良く似ています。

大津岐峠からは左にルートを取りますが、樹林帯の中の快適な
緩傾斜の斜面をどんどんと下ります。

「ああ!幸せ!」

本当に快適です!
樹木も密でなく、傾斜も、雪質もこれまた宜しい!

ここまで足を伸ばした甲斐がありました。
(この後本当に脚を伸ばした!)
快適な尾根筋の滑降
途中でコルに至り、この先で尾根が二分します。
てっきり先のピークを越さないといけないと用意をしましたが、地形図をよく見ますと、
現在地は1764mピークで、ルートは右の刈り込まれた尾根を下るようです。
ここは間違いやすいところです。
かの深田久弥氏も間違えて直進したとか?
それにしても、要注意です!

「地図を確認して良かったですね!」

またも反省です!

ここからの尾根筋も快適です。最後は地図上の1400m付近から夏道どおりにキリンテ沢に滑り込みました。
ここの下りはやや急で、木に衝突せぬよう、注意が必要です。

沢の中央部は雪渓が割れて轟々と水が流れてますが、右岸よりで何とかキリンテ沢の出会いまで下りれました。
しかし、最後の最後にデブリでつんのめり、右下腿背部の肉離れを起こしてしまいました。

「気をつけないとイケマセン」

残念ながら今シーズンの山スキーは、暫くお休みのようです。
キリンテ谷下部の密生した樹林帯
5月6日(土):帰路

2:00起床 3:00出発ー11:00帰阪
SAで仮眠して、朝から一路帰ります。お蔭様で渋滞とは無縁でした。
天候に恵まれ、仲間にも恵まれ、本当に楽しい山行でした。
このシーズンで、この天候で、この山域だからこそ出来る、(山スキーと登山の)合同山行でした。
これからも楽しい山登り、スキーを続けましょう。
そして人生を豊かにしましょう。

その前に!
「おっと!怪我を怪我をしてはいけませんヨ!

(ひどいことにならずに、一安心でしたが、
年が行くにつれ、要注意!くれぐれも慢心は禁物です!)
御池での荷揚げのヘリコプター