乗鞍連峰、十石山スキー登山の旅
2006年2月17(金)〜19日()      同行者:OM,SK
記録
2/17(金)

10:00名神茨木ICー(東海北陸道)−清見ICー高山ー平湯ー2:30乗鞍高原(幕営)

遠見尾根の山スキーの予定が、時ならぬ天候の変調(雨、晴れなど)により雪崩リスク増大?止む無く乗鞍、十石山に転進。首尾は如何でしたか?
SKさん宅に寄り、一路高速を高山に向かう。
正月に比べて、道路や道脇の雪は驚くほど少ない。

安房トンネルを抜け、乗鞍高原の駐車場で幕営。
驚くほど気温は低い。
例によって宴会の後、就寝。
(これがイカンかった?)
乗鞍高原より乗鞍岳、剣が峰(中央)
2/18()

7:30起床8:30出発9:30スーパー林道料金所…13:30十石山山頂手前の台地14:30…15:30料金所…乗鞍高原(幕営)
朝の起床も遅れ、急坂の登りに喘ぎます。
本当にここを滑り降りるの?という、密集した潅木帯の登りです。
今日は心身ともに疲れました。
明日に影響しないといいのですが...


何やかんやで起きるのが遅くなりました。
出発準備も遅れがちですが、今日は素晴らしい快晴に恵まれました。
スーパー林道を白骨温泉に向かいます。

トンネルを越すと、路面に雪が。
白骨温泉は初めてでしたが、沢山の温泉宿が犇いています。
料金所脇の駐車スペースに車を置きます。
先行者が一台。前後して2人組が到着します。
あっけないほどの空きようです。スキーはザックに着けて担ぎます。

3つ目のカーブに目印あり。
そこで林道から離れ、急傾斜のトラバースをコルを目指します。
先行者のトレースはあるが、雪面は硬く滑落の危険が大でした。
スーパー林道料金所
おまけに所々で木を越さねばならない。
枝が邪魔だ。左はなかなか急な斜面です。
雪もところどころ固いので、キックステップにも苦労します。
結果的には、

「アイゼンを着けて登るべきだった!」

と、言っても遅い。
車に残してきました。

漸く平坦なコルに到着です。
標識もあります。
夏道のようです。ここから左の斜面を登ります。
溝状の地形ですが、次第に急傾斜になるようです。
林道から登山道への取り付き
青空に岳樺の木が映えて、とても美しい。
しかし、登りはキツイ。
ここで後発の2人組が追いついてくる。
若いだけあってペースは速い。
熊谷から来たという。

トレースはあるが、この急傾斜でもしっかりとシールで登っている。
われわれはトラーゲン(ザックに結わえて登行)だが、2人組はスノーシューだ。
どうも、あちらのギアが効率がよさそうである。

抜きつ抜かれつを繰返したが、次の急傾斜であっけなく追い抜かれてしまった。
1800m台地に到着すると、迷うことなくシール登行に変更する。
ラッセルは多いところで足首までである。
傾斜が緩くなると、流石に楽である。
汗をかき、息を切らしながらの登りは無用となった。
コルからの急坂ー青空に岳樺が映える
1800m台地は巨木の深い樹林帯。
ピーク伝いに行かず、左の肩付近をトラバースする。

なんと言っても天候の良いのが助かる。
今年は雪が多いといっていたが、流石に乗鞍まで来ると、白馬方面と比較すると圧倒的に少ない。
まめに写真を撮りながら進みます。

「OMさん、楽しいですね?」
「ちっとも!登りはしんどい!」


女は「欲張りです。
(しかし、頑張る貴女は素敵ですヨ?)

雪がしっかり着いて来ます。
此処から急な尾根道の登りです。
迷うことなく、
「ずりずり」
に変更です。

ご機嫌のOMさん)
 木の間から霞沢岳のような峻峰が見える。
それにしてもいい天気だ。

時には膝までもぐりますが、焦らず一歩一歩、登るのみです。
シールの跡を追います。
スノーシューの2人組に先を譲ります。
少し雪が深くなってくると、その差は歴然たるものです。

「やはり沈み方がぜんぜん違いますネ!」
霞沢岳を見る
急な尾根筋を抜けると、緩斜面です。
迷うことなくシール登行に変更です。
この切り替えが大事です。
躊躇したり、ものぐさではいけません。
如何に体力を温存する登り方(滑り方)をするかです。

ここでシール登行の方が滑ってこられました。
美しい滑りで安定感抜群です。

「朝、天気がよさそうなので出かけてきました」

富山からだそうです。
朝晴れそうなので出かけられてきた由。
うらやましい限りです。

高度を稼ぐにつれて、木も大きくなり樹間も開き始める。
下部の密林と比べて開放的である。
右側には霞沢岳がチラホラと見え隠れする。
気分は最高である。
急登の途中で休憩、SKさん

山頂の手前の台地からは、一部の雪面がクラストしていた。
ハイマツも出てきた。しばし景色を楽しむ。
岳沢、奥穂高、霞沢が見える。その中でも前穂が特に立派だ。
八ヶ岳、浅間山、中央、南アルプスも見える。
何と!富士山も見えるではないか!

山頂まであと少だが、残念ながら時間切れである。
ツエルトを被って休憩を取る。
SKさんが赤ワインのホットワインを作る。
これがまたいける!
是非ともお勧めである。

2人組が滑降してきた。
流石に華麗な滑りである。
山頂手前の台地へのトレース
 
長居は無用なので、滑降の準備にかかる。
上部はつるつる。途中一部だけは快適に滑れる。
滑るにつれて雪が硬くなり、木も密なので滑りにくい。
先行者のシュプールは綺麗である。

「上手い人は違うな!」

と感心する。
1800m台地を除ければ、殆どが横滑り主体のスキーで、

「スキーを楽しむというより下山している」

との表現がぴったりだった。
クラストを恐れて休憩も取らずに下りてきたが、
最後の急傾斜は硬くクラストしていた!
ちょっと怖い。慎重に下る。

「ああ漸く(怪我も無く)帰ってきたな!」

いろいろありましたが、今日は本当に良い一日でした。
滑降を前に記念撮影、OMさん(右)とBergen
2/19()

7:30起床、朝食13:00入浴14::00出発ー薮原ー中津川IC−22:30帰神
昨日の疲れが...
今日は休養日(?)のようです。


昨夜の雲行きから今日は天候が下り坂の予想だったが、
雲は多いが雨ではない。むしろよい天気だ。

やや遅めに起きたが、

「今日の予定は?」

位ヶ原まで行くのも大儀だし、ゲレンデ練習もいまひとつ気が進まない。
朝食を作りながら、なんとなく
「まあ(アルコールもたくさん残っているので-「買いすぎだ」の声あり!)、
ゆっくりしますか?」


全員(といっても、他2名だが)賛成。
朝から宴会モードに突入。
昨夜に引き続き、昨日の(登りと滑りの反動?)精神的、肉体的疲労を
大いに癒す。

ゆっくりと温泉にも入った。

「こんなんで良いか?」
「まあ偶には良いでしょう。」


それなりにゆったりした一日を満喫した。
しかしながら、19号線はきっちりと渋滞していた。

滑降風景(上 OMさん、下 SKさん)

十石山の滑降は、最上部の無木立の斜面から急な尾根、台地、それに続く急斜面で構成されている。
今回何とか楽しめたのは最上部だけだった。

途中の尾根は木立が密でしかも急だ。
われわれの手に負えない。
最後の急斜面はクラストして横滑りの連続だった。
最後の恐怖のトラバースを嫌がって北側のスーパー林道に出たら、林道は脚が痛くなるほどのボーゲン下りだった。

「一度は行くべし!」という意見もあるようだが、あまりその気にはならない?
何れにせよ、最も楽しめる時期と、技量(こちらがもっと大事!)
があるのは間違いない。

まあ、そうは言ってもこのHpではネガティブばかりではない。

「これをよい教訓にさらに技術を磨こう!」

と、誓い合ったわれわれでした。。 

白銀に輝く穂高岳(中央が前穂高岳)