私は、このゲームは、買ったのではなく、ゲーム仲間から頂きました。 舞台は、最大の産業が、裏山にある巨大ダンジョンに集まる人々への売買と各種サービスという町(と、そのダンジョン)。 主人公は、魔女の女の子。空を飛んだり魔法を使ったりは出来ませんが、あらゆる道具のエキスパートで、 またあらゆるモンスターと商談が出来るという才もあります。 プレイヤーは、町に来たばかりのこの子になって、相棒のネコと共に小さなお店を開きます。 そして、商売や、ダンジョンの冒険や、アイテム集めや、 気に入ったチームのプッシュなどなど…好きなことに、いそしむゲーム…だと、思います。 なかなかに面白く遊べました。 色んな登場人物がいて、それぞれに個性もあり、イベントも色々あって…。 (昔々、TRPGをしていた頃に読んだ本を思い出してにやりとする登場人物もいたり) マルチエンディングです。一緒にダンジョンに入って冒険出来るチームが沢山あり、 それぞれのチームごとに1つか2つのエンディングがあります。 が…私は、2つ見たところで力尽きました。 なぜかと申しますと…イベントの数が限られているのに、ダンジョンがあまりに広大、かつラスボスがあまりに強大なため、 エンディングを見るためには、私が大の苦手としている「レベルアップのためだけの戦闘の繰り返し」 を延々と続けなくてはならないからです。正直、苦痛でした。 しかも、出会う全てのモンスターと話をしたり、商売したり出来るのです。と、なると、ついついうざい戦闘より商談の方を 選んでしまい…ますますレベルが上がらなくなるという。 わたしが、もっと町での商売にもいそしむか、ひいきのチームにもっとのめり込むか、戦闘が好きだったなら、 もっと楽しめたのかも知れませんが…。 なんだかんだ言いましたが、でも、全体的にはやっぱりおすすめ出来る面白いゲームだと思います。 ダンジョン商店会・べに龍の主人公 ・ヤガナ 『ねこ屋本舗』店主の若き魔女。ダンジョン内での商売と、ふさふさ毛皮(獣人)が大好き。 ・ユーリ・オーン ヤガナの相棒のネコ。ツッコミ担当の良識派。 ○月×日 「ひい〜、疲れた。もう動けない…」 「売れ残りと、掘り出し物と、貸し出した装備と…そんなにいっぱい担いで、ダンジョンから帰ってきたんだもん、当たり前だよ。 行くときの荷物くらい、もう少し減らせばいいのに」 「そうはいかないわよ。仮にもプロの商売人よ。 ダンジョンに行くなら、食べ物、武器防具、服飾に売れ筋商品ぐらい一通りそろえて行かなきゃ」 「ヤガナ、もう、魔女っていうよりダンジョン行商人だね…」 ×月△日 「…では、この価格でいかがでしょう?」 「おや、ヤガナ殿にしてはずいぶんと思い切った値下げですな」 「うふふふ…。いつもごひいきにして頂いてますもの。 …それに、あたし原価割れだけはしない主義だけど、ダンジョンで拾ってきた物は原価タダですからね」 「はて、今なんと?」 「いーえ、何でもございませんのよ、うふふ…」 △月□月 「やっぱり、ダンジョンで商売してるのが一番儲かるわ」 「…そうだね…」 「あの生意気なガキやタカビーなお偉いさん連中なら、確かにどつき倒したくなるときもあるけど… いつも気持ちよく現金払いしてくれるおっちゃん達やお嬢ちゃん達にケンカを売る人の気が知れないわ」 「…そうかな?」 「ゴーレムさん達なんて、ほんっといいおっちゃん達よ。 先にこっそりミスリルの原石を盗んでから商談初めても、気づきもしないでちゃんと商品買ってってくれるし」 「酷い商売人…狸とかダンジョン行商人の方が、まだましだよ」 □月●日 「さぁ、今日もダンジョンに潜るわよ!」 「…またぁ? ぼく、もう飽きたよ」 「何言ってるのよ。せっかくいい場所見つけたのに。 気前のいい得意先と、その得意先が飛びつく商品の極上の仕入れ先が同じフロアだなんてこと、 そうそう無いわよ! 張り切ってがんがん稼がなきゃ!」 「とか言って、ダンジョンで拾ったものをモンスターに売りまわってばかりいたら、肝心の『ねこ屋本舗』が忘れ去られちゃうよ。 つきあってくれる騎士さんにも悪いし…」 「いいじゃないの、店は忘れられてても開ければ客は思い出すわよ。騎士団は女の子をエスコートするのが商売なんだし」 「それは違うと思う…。それに、この前ネコの女の子が『いつお店開けるんニャ』って気にしてたよ」 「…やっぱり、たまにはお店開けようかな」 ●月×日 「どうしよう…懺悔するべきかなぁ」 「そうだね」 「ああ、神様ごめんなさい…あたし、悪い子でした…」 「今更後悔するくらいなら、最初から売らなきゃいいのに」 「だって…『きれいねぇ、魔女さん、高くてもいいからこれ下さいな』なんて言われちゃったら、断り切れなかったのよぉ」 「だからって、ダンジョンの中でモンスターに『冒険者の死体』を売るなんて…」 「分かってる、反省はしてるわよぉ…ああ、不幸な冒険者さん、ごめんなさい!」 |