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大雪の敬称


 あれは、平和が花言葉のオリーブのピクルスが、酒場に届いた12月下旬のことだったケロ。

 ぼくと、ティシアは、冒険のメンバーの話をしていたケロ。

「…でもさ、いろいろ出来る職業って、その分技術が分散しちゃってて、攻撃力は低くなっちゃうじゃない。
あたしが非力なんだもん、仲間の攻撃は強力でなくっちゃ。
早いうちに相手をがんがんやっつけてしまった方が、気持ちいいじゃない。
回復も防御も、あんまりいらなくなるしね」

「なるほどケロ。ティシアは、そういう基準で冒険のときの仲間を選んでるんだケロ」

「うん。マーロ君とか、アルター兄ィ、ロッド親方、レティル姉、…」

「あれ? ティシアは、マーロのこと、『せんせ』って、呼んでたんじゃなかったケロ?」

「うん、この間まではね…。でも、なんか、最近しっくりこないなぁって、思ってたのよ。
そしたら、こないだのスタット先生の依頼で冒険に行って…」

「ああ、森を超えて届け物するマーロの護衛に行ったんだケロ?」

「そう。そのときね、妖精相手に…すごくナマイキな奴だったけど…ムキになりすぎて、 初歩の呪文失敗しちゃったりしてね。
 ますます「せんせ」って感じじゃなくなっちゃったのよね。なんとなく。
だから、止めたの」

「で、君づけケロか」

「うん。だって、今のところそれが一番しっくり来るんだもん。本人もそれでいいって言ってるし」

「ふうん、なるほど…ケロ」

「…なに、にやにやしてんのよ、かえるクン」



 この辺りから、かえるクンがゲーム中に花言葉を教えてくれる植物を、冒頭でお話の内容と シーズンにあわせて出すのがとみにきつくなってきました。
 この冒頭も、どちらかと言うと苦肉の策で出来たものですが…今は結構気に入ってます。 開店前の酒場のカウンターに、そっと下ろされたオリーブの小さな樽のイメージです。


 あと…私は、ゲームプレイ中…特に冒険中は、完全に一ゲーマーでした。
 プレイ中の私のパーティー編成は、キャラクターの性格・好みなどはほとんど無視。 「フィールドの障害物をまんべんなくクリアできるか」ということと、 「いかに手っ取り早く雑魚戦を終わらせられるか」ということが基準でした。 ランダムエンカウントの戦闘はうざったくて、そう何度もやってられないというタイプなので…。
 それで、色々な技を手広く覚えるタイプや、回復・防御系の魔法を使うタイプより、 戦士や魔術師などの攻撃力のある専業系統のキャラを多用してました。 そちらの方が、低いレベルのうちにより強力な技をおぼえますし。 行動順ゲージを見比べながら、MPを惜しみなく使って、広範囲技を2つ組み合わせたり、 一撃必殺技で一体づつ倒したり(これが出来るのが専業系キャラ)してました。
 ただし、ティシア達盗賊は例外で、モンスターからの強奪のほか、すばやさを生かして何度も通常攻撃… 広範囲技で弱った敵の、とどめさし係となっておりました。
 で、MP回復薬はモンスターから補充…ゴブリンはカモに見えていました。 …と、いっても、雑魚戦では1戦闘に各キャラ1,2回の技使用で大体片がつくので、 MPが不足して困るということもなかったのですが…。


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