その1 …あれは、「友情」の花言葉を持つ、ニチニチソウがピンクの芯の白いかわいい花を咲かせる、 八月のことだったケロ。 「ただいまー!」 「お帰りケロ。髪が濡れてるケロね?」 「うん。ルー姐…じゃなかった、ルー先輩に誘われてね、森の湖に泳ぎに行ったの!」 「そりゃ、良かったケロ。楽しかったケロ?」 「うん、とっても! 今頃の湖の中って、すっごくきれいね!」 「そうケロね。…底まで、潜ったんだケロ?」 「うん! ルー先輩と潜りっこして、底まで行ったの。水草の草原に花が咲いて、お花畑みたいだったよ! お日様がさして、魚の陰が底にうつってて、なんだか飛んでるみたいで… 水の中って、ひんやりして気持ちいいしね。 それで、つい、息するの忘れてて…」 「おいおい、ケロ」 「…うっとりしてたら、ぷかあって浮かびそうになって。 そこに、ルー先輩が心配して、探しにきてくれたの」 「…危ない子だケロ…」 「ほかにも、面白いこといっぱいあったよ。また行きたいな!」 「ティシア…」 「なに?」 「行くときは、ぜーったい、一人で行っちゃダメケロよ!」 その2 …あれは、「愛嬌」の花言葉を持つ、ムベの実が紫色に色づく十月のことだったケロ。 「ただいま」 「お帰りケロ。今日は、森に行ってたケロ?」 「うん。ルー先輩の猫のルビーちゃんのために、マタタビ探しに行ってたの」 「マタタビ…? どんなツルか、知ってたケロか?」 「ううん! ツルだって事も知らなかったもん。 ルー先輩も知らなかったから、捜すの大変だったよ。 結局、ルビーちゃんが自分で見つけたけどね」 「…それじゃ、実も取ってこなかったケロね」 「え? あの実、食べられるの?」 「そのまま食べることは、あんまり無いケロも、元気になるお酒が作れるケロ」 「ふーん」 「ほかにも、今頃はサルナシとかアケビとかヤマブドウとか美味しい実がいっぱい取れるんだケロ。 せっかく森に行くんだったら、知ってる人と行かないと損だケロ。 今度行くときは、ぼく…」 「うん! 分かった! 今度行くときは、ラケル・レンジャーも誘っていくね!」 「(がくっ)…ケロ」 本当はティシアは息をするのを忘れていたのではなくて…水中で息ができているのに気が付いていなかった のです。そのことに気が付くのはまだまだ先になりますが… このゲームをやっていると、どうにも疑問なのが、コロナ周辺の森の植生です。 冬にはスケートが出来るほど硬く氷が張る寒さ…と言うことは、かなり寒いはず…ですが。 ラケルと拾う木の実の中に、シイの実が入っていたり、かえる君がムベ(トキワアケビ)の名前をあげたり… どちらも、比較的暖かい西日本に多いはずなんですが。 …なんて事を考えている私が、マニアックすぎるんですけどね。 |