ケロッ! こんにちは、はじめましてケロ!
ぼくは、見てのとおりのかえるケロ。
このコロナの用水池で生まれ育った、チャキチャキのコロナッ子ケロ。
大きくなってからは、大通りの酒場の二階にある、冒険者宿の空き部屋に住み着いてるんだケロ。
かえる仲間は「そんな乾いたところに住むなんて変わってる」って言うケロも、住んでみるとなかなか居心地がいいんだケロ。
人間の噂もよく分かるし…内緒の話だケロも、ご馳走も結構たくさんいるんだケロよ。
名前は…あるケロも、かえるの名前は、人間には分からないケロね。鳴き声の微妙な質とか、高さの違いが分からないケロから。
今日は、ぼくの住んでいた部屋が空き部屋じゃなくなった日の話をするケロ。
あれは、『意外、驚き』の花言葉を持つツクシが、スギナに変わり始めた4月初めのことだケロ。
暖かい、いいお天気だったケロ。ぼくは、部屋の一番奥でうたた寝をしていたケロ。
なんだか、下の酒場が騒がしくなったような気がしていたけど、
夢うつつに、またアルターが騒いでるな…としか思ってなかったケロ。
そのうち、ドアが開いたような気がして、ふっと気が付くと…すぐ後ろに、人間が立っていたケロ!
「わー! 人間だケロ!!」
天井まで跳ね上がるほど驚いて、すっ飛んで逃げたケロ。
人間の大声が部屋中に響いたケロも、聞いている余裕はなかったケロ。ぼくはパニックになって、部屋中を逃げ回ったケロ。
「勝手に入って悪かったケロ! 許してほしいケロ〜!」
また、人間の声が聞こえたケロ。
だんだん、その声が何を言っているか聞き取れるほど落ち着いてきたケロ。
「ちょっと! 怒ってないから、落ち着いてって言ってるでしょお!!
いい加減にしないと怒るわよ!!」
それで、ようやく気がついて、ぼくは恐る恐る聞いてみたケロ。
「…あれ、もしかして…ぼくの言葉が分かるケロ?」
「もちろんよ! だから、止まんなさいってば!」
ちょっとイライラした声で即答されたケロ。それで、やっと安心して、振り返って見たケロ。
その人間は、女の子だったケロ。
人間にしては背が低くて、柔らかな桃色の頭をしていたケロ。
でも、なにより気になったのは、その子の雰囲気だったケロ。とっても変わっていたケロ。まるで…
「不思議だケロ。かえるの仲間と同じカンジがするケロ…」
そう言いながらすぐそばまで近寄って行っても、その子はいやな顔をしなかったケロ。
それで、ぼくは決めたケロ。
「…だから、友達になれるケロ!」
そしたら、その子、ちょっと変な顔をしたケロ。
「え? 友達になるのに、資格がいるの?」
「あ…ごめん、そんなつもりじゃなかったケロ…」
ぼくがつっかえると、今度は、にっこり笑って、
「…ま、いいわ。あたし、ティシア。よろしくね」
「よろしくケロ。ぼくは……」
「あー、あなたの名前、今のあたしには発音できないわ。あなたのことは『かえるクン』でいいでしょ?」
「ケロ…」
ぼくがうなずくより早く、ティシアはいきなりぼくを抱き上げたケロ。
「ねえ、かえるクンは、コロナのこと詳しい?」
「…あ、うん、もちろんケロ」
「よかった、ちょっと聞きたいことがあるの…」
こうして、ぼくは…驚いている間に…ティシアと友達になっていたんだケロ。
2ndプレイ、青竜編をお送りします。
主人公が盗賊になったのは、プレイヤーの好み、ではなくて…前回のプレイの結果です。
一番最初にゲームを始めた時には、レンジャーや精霊使いにひかれていたのです。
でも「システムが分からない初回は、 とにかくハズレがないオーソドックスな戦士から行ってみよう」と思った結果
コリューンが生まれ…その結果
フィールドの数々の障害物でとかく苦労しては、「盗賊はいいなぁ」と思うようになりまして…。
実際、冒険中に「自力で」鍵を開けたり罠を見つけたりするのは、かなり爽快感がありました。
「怒ってないから落ち着きなさいよ、でないと怒るわよ」…これは、私自身が新しく最初からやり直すたびに、
あわてふためくかえる君に向かってつぶやく台詞だったりします。
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