魔法学院、資料室にて…
「うむむむ…」
「どうしたケロ?」
「魔術師の魔法にも、雨避けの呪文は無いのだな」
「ケロ?」
「精霊使いの魔法では、精霊たちの本質にたがうことは出来ん。
だから、水に関わる精霊を呼び出しても、雨の中で濡れないようには出来んのだ。
…魔術師の使う魔法は、それとは違うから、そういう呪文もあるのかと思ったが」
「ないんだケロ?」
「どうやら、象牙の塔で世界の真理を探求なさる先生方は、
そういう小さな術は馬鹿にしておられるようだな…まじないは、
精霊使いに任せておけばよい、ということらしい」
「残念だケロね」
「うむ、まったく。…ま、あったとしても、魔術師の呪文は俺には扱えんが」
「じゃあ、何でわざわざ、この雨の中、ここまで調べに来たケロ?」
「好奇心だ…この天気を見て、ふっと思いついてな」
「………………………」
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