スラムの酒場にて。マノンと 「ち、ちょっと、マノン!」 「なんだ、コリューン?」 「黙って見てていいのか? 年頃の一人娘が、「泳ぎに行こう」なんて、素性の知れない男を誘ってるんだぞ!」 「素性の知れないって…おまえのことじゃないか。 おまえなら、大丈夫に決まってるだろ。 いつぞや、ルーの猫がいなくなったときなぞ、ルーに向かって『親父にとって、娘はどれだけかわいいか』 について、一席ぶったそうじゃないか。 もっと親父を信頼しろとかなんとか言って…。 まるでおまえ自身が、娘とごたごたやってる親父みたいだったってな」 「あー、うん、あの時は…そんなことも言った…かな」 「そんな奴相手に心配してどうする」 「う…まあ、そりゃ、そうだけど…」 「ほら、とっとと行って来い。 若いくせにあまりオッサンくさい事を言ってると、嫌われるぞ」 |