俳句講座
〜俳句のつくりかた〜
Believe In Snow

現代俳句の定義はいろいろです。五・七・五や季語などを守って作る人もいますし、そうでない人もいます。ここでは、いろんな俳句の形を始める前に、オーソドックスな俳句について勉強してみましょう。

季語

日本には四季があります。人は 生きていく中で、季節と向き合い、またあるときは、忙しい日々の中で季節の中を通り過ぎています。そんな四季に関することばを俳句では「季語」とよんでいます。季語は先人たちが長い期間かけて磨き上げてきたもので、その季語をまとめたものを『歳時記』といいます。

季重ね

季重なりともいいます。一句の中に二つ以上の季語が入っているものです。禁止されているわけではありませんが、これは、あまり、いい句ではないとされています。季語にはその季節のエッセンスが凝縮してあります。一つだけで充分にその威力を発揮してくれます。

生活と発見

日々、生活していてうれしい、悲しい、懐かしい、くやしいなどさまざまな感情が湧きあがってきます。その時、そこには自然や季節が同時に見えてくるはずです。そこで、日々の感情を季語に託して詠む、それが俳句です。俳句は 特別な体験よりも、なんでもない生活の中からの発見が大事だと思います。ある時は楽しみながら、またある時はもがきながら、必死に生きようとする わたしたちの汗や土の匂いのするもの。その生活の中での発見です。

定型

五・七・五の十七音は俳句のルールです。ルールというとかたくるしく感じるかもしれませんが、この五音、七音は童謡などにも使われていますし、テレビや街頭でみる 看板にもよく使われています。これを、五七調といいます。五七五は気持ちのいいリズムです。声に出してみた時のリズムも大事な要素の一つなのです。五・七・五という共通の制約の中で 、それぞれの気持ちを表現する楽しみがあります。

切字

「切字(きれじ)」は俳句の五音・七音・五音のいずれかの末尾に置きます。そこで、いったん小休止を いれることで、その上にあることばの意味を広げたり、強めたりします。また、最後につけることで余韻をもたせる効果もあります。切字には「や」「かな」「けり」があります。切字は効果を生かすために一句の中に一つだけ使うようにしましょう。切れ字ははじめのうちは難しいので、慣れるまではとくに意識しないで作ってみるのもいいでしょう。

定型以外

季語、定型、は俳句の基本ですが、それ以外の形で作る人もいます。いろんな新しい試みとして新しい俳句のスタイルを提唱して、晩年伝統的な俳句に帰っていった俳人もいます。俳句を作り始めて間もないという場合には、まず、「季語」「五七五」この基本 は必ず守るようにしましょう。字余りや無季の俳句にはそれぞれ、そうなるための必然性があるということです。

『歳時記』

季語を集めた『歳時記』をみてみましょう。俳句を作るとき以外に、手紙のあいさつや文章を書くときにも、利用できますよ。いろんな俳人 による『歳時記』があります。いろいろ見てみて、気に入ったものを一冊手元におくことをオススメします。

ざっと、俳句についてまとめてみました。さあ、ここまで読み進めてきたみなさん。理屈にとらわれないで一句作ってみましょう。



参考文献・『はじめての俳句づくり』黒田杏子