哲っちゃんのハチロク日記 番外編

TIサーキット’初’体験記 その3(最終話)
98/9/6発行

なんとか2回目の走行までに、ブレーキパッドの交換が間に合いました。
とりあえず、どのくらいの効きなのか分からないため、最初は慎重にブレーキをかけます。

初期の効きはぼちぼちであまり効かないかなあと思ったのですが、奥でのコントロール性が良く、踏めば踏むほど効くって感じで私好みです。またまたイェーイ!とばかりに突っ込み重視の走りで楽しんでいました。リアパッドは最初から入れているウィンマックスの20番ですが、前後バランスも良さそうです。何回も突っ込みでオラオラ状態になりながらも、またもや最後まで走りきることが出来ました。

「いい汗かいたぜ!少しはタイムも上がったんちゃうかな?」とワクワクしながらピットに戻りました。今度は煙もでていません。しにょにょめに「どのくらいのタイムで走ってた?」と聞いてみました。すると、「8秒台くらいかなぁ」という答えが返ってきたのです。

ガッビーン?!!「は、8秒?」全然タイムが上がっていません。最初よりかなりいけてる気分だったのでかなりショック。(をいをい。目標の5秒に全然届いてないやん。やばいんちゃうん。)

とりあえず、次の走行までにはかなりの時間がとってあります。そこで私は食事をしながら、走りの興奮を友達に身振り手振り伝えながらも、何が悪いかじっくり考えてみることにしました。

そして、ふと思ったのです。「俺、2速使ってたっけ??」

よーく考えてみたのですが2速に入れた記憶がありません。いや、間違いなくシフトノブは前後前後としか動かしていないのです。ようやくタイトコーナーの立ち上がりがボエ〜と冴えない理由が分かりました。大間抜けです。シフトチェンジも妙に楽でした。
外はまた雨がシトシトと降っています。

食事を終わらせてピットに戻り、リボルバーのにいちゃんに「ハッハッハッ、俺2速使ってなかったですわぁ」というと「うそばっかりぃ」と言われましたが本当なのだから仕方がありません。とりあえず次は2速を使おう!

そして、ハチロクにスリックタイヤを履いて参加しているにいちゃん(私より若い)から「僕とおんなじ所でブレーキングしてるからやばいですよぉ」というご指摘を受けました。そのおにいちゃんは前回1分56秒台を出しています。(そうか。あんなに頑張って突っ込まんでもええんか)素直にきくことにしました。
さあ、最後のタイムアタックの時間です。計測用の発信機をガムテープで取り付けました。

「おっ雨もなんとか上がったぞ。」

今度はたくさん走りたいので、一番前の方に並ぶことにします。前から5台目くらいでコースインしました。タイムアタックなので今までよりも踏んで行こうと決めていますが、とりあえず最初は慎重に走ることにします。そして肝に銘じたことを思い浮かべながら少しずつペースを上げていきます。しかし2速を初めて使うため、どうしてもコーナー進入のシフトダウンでオラオラってしまいます。回転が全然合いません。それでもコーナーに入るとばっちりパワーバンドに入っているため、コーナーからの加速が先ほどとは比べものになりません。姿勢もアクセルでばっちりコントロールできます。「これは楽しい!!」

3回目ともなると体力の限界を感じながらも、夢中で走り続けていました。さすがに少しずつブレーキがたれてきています。ブレーキはかなり押さえ気味にして、立ち上がりでなるべく踏んでいくように心がけました。

そうこうしていると、結構たくさんの車を抜いて、いつのまにか1度は抜かれた車を抜き返したりしています。(なかなかやるじゃん!)
そして、走行も最後に近づいた頃、やっちゃいました。いや、べつに刺さった訳ではありません。調子良く最終コーナーを3速全開で立ち上り、「ベストラップだぜぇ」とばかり4速に入れようとしたのですが、それまでスコスコ入っていた4速に壁が出来たように入らなかったのです。「かっっちょ悪ぅ」と思いながらアクセルをあおり、そしてスコンと入ったところは・・・2速だったのです。気が付いたときにはクラッチを戻していました。

「ファアァ〜ン〜・・・・」と、とっても艶のあるN2マシンのような甲高い音がストレートに響き渡りました。「あっ、やばいっ!」とっさにクラッチを踏みましたが一瞬でタコメーターは振り切れています。10000rpmは回ったでしょう。
「こ、壊れた?」恐る恐るチェックします。「エンジンは?」回ってる。「水温は?」大丈夫。「油圧は?」大丈夫。「ガラガラいってない?」多分いってない。取り敢えず、即ブローは避けられたみたいです。「良かったぁ、コンロッドがこんにちはしなくて。」これも111コンロッドのおかげでしょうか。
とりあえず1周スロー走行を行い、大丈夫なのを確認すると、こりもせずにまた全開にする私でした。

そうして、何とか無事?3回走りきることができました。
しかし、さすがに3回走るとヘロヘロになりますね。気分は清々しいのですが、帰りの準備をするのが、とっても嫌でした。
そのあと、申込者だけの模擬レースがあったのですが(私はもちろん申込んでいません)、ポールポジションはなんとチェイサー(タイムアタックのタイム順)。確かに異様に速かったです。しかし、模擬レースはあいにくのどしゃ降り。2台のインプレッサのぶっちぎりで終了しました。

さあ、いよいよタイム表が出来上がったようです。タイムが上位の人にちょっとした景品が渡されていきます。もちろん、私のナンバーは呼ばれませんでした。次にカーナンバー1番から順番にタイム表が渡されていきます。(タイムが上がっていなかったらどうしよう。)

「48番」と呼ばれ、タイム表を受け取り恐る恐る見てみると・・・
「10/13 2’04”774」という数字が目に飛び込んできました。
「おぉ、目標の5秒を切ってるやん!やった!」と、声には出さないけど大喜び。10周目にベストラップを出したようです。初走行でこのタイムなら大満足!
そして全車のラップタイム表ももらいました。61台中34位。真ん中よりちょい下ですがよしとしましょう。ちなみにトップはN2ハチロク(模擬レース不参加)で1’52”553でした。そういえばこの車にはストレートであっという間にぶち抜かれたなあ。

その後、とりあえず老人の様に重い体に鞭を打って帰りの準備を済まし、余韻に浸りながら友達とコーヒーを飲み、いっぱしのレーサーにでもなったかの如く走りについて熱く語りまくり、やっと帰宅の途についたのでした。自走で帰れて良かった!

しかしそれだけでは終わらず、最後に見事、行楽帰りの渋滞20kmにはまり、長い1日が終わりました。
ほんと、しんどかったけどめちゃくちゃ楽しかったです。

そして次回、9月13日またまた走行会参加予定です!!
今度はチームレッドから複数台参加します。
つくにが、打倒「てつ」に燃えている!
「金が無い」と言うと「金は貸すから走れ」と言われました。
しかし、走るからには私も負けるわけにはいかない。でも負けたらどうしよう・・・・

おわり

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