おはよー! 今日どっち行くの?烏帽子?
先週久々に駒形の「北斗の拳」やってんけど、ドテンションでなぁ。各駅やで。
核心のピンチがなかなか取られへんねん。
次、キョンしてランジやろ。上ガバやけど右のスメアが効かへんから跳ばれへんわ。
調子のエエ時はスタティックにいけるんやけどなぁ。
まあ、ムーブは単純やから今日はレッドポイントするで!
そういや、先週は「プロミネンス」をマスターでオンサイトしとるヤツがおったわ。
パンプしとったのによう頑張ってたで。
おれなんか5便はだしたのになぁ・・・

上は我々クライマーが普段かわす、ごく普通の会話です。
しかし、一般の人間がこれを全て理解しようとすると
そうとうの生活の犠牲が必要となるでしょう。

ここでは、このサイトを訪れてくれた一般の人にできるだけ
用語を理解をいただけるようピックアップして解説します。



ア行
◆アプローチ <一般 >
  (approach)
 通常、駅や車を降りてから岩場に着くまでの「歩き」のことを言う。
フリークライマーにとって初めてのエリアで気になるのはまず、
アプローチが楽かどうかです。
私を含め30分以上の登りだと、難色をしめす人が多い・・・
◆アルパインクライミング
  <スタイル>
 よく「本チャン」のクライミングを指してアルパインと言う人がいるが、
厳密な意味では 間違っている。
本来アルパインクライミングとはヨーロッパアルプスで行われているような、
氷雪岩等のすべての条件下のもとに行われるスタイルであって、
日本なら積雪期のクライミング がそれにあたる。
無雪期の「本チャン」は「コンティニュアス・ロッククライミング」
というのが正しい。
詳しくは保科雅則氏の「アルパインクライミング」をどうぞ。
◆アンダークリング
<技術>
(略・アンダー/undercling)
 ホールドを持つ方法の一つ。下向きのホールドのこと。
体が上に行くほどバランスは安定するので、
頭上のアンダーを掴んだら、思い切って足を上げるのがコツ。
◆インクノット
<技術>
 ロープ結び方の一種。
自己確保をとる時によく使う。
◆ A0 <技術?>
 (エーゼロ)
 登っていてどうしても「フリー」で越えられない部分を越えるため
ボルトを踏んだり、ヌンチャク等を掴んで登ること。
当然、フリークライミングでは反則行為だが、
岩場で当たり前のように、行われているのはなぜ?・・・
エイト環 <道具>  8の字型をした確保器兼下降器。
昔はこれでビレイしたものだったが、
今やATC&グリグリにその地位を取って変わられた感が有る。
しかし、使い様によってはそれらと遜色はないと思うのだが。。。
◆オブザベーション 
<技術?>
(observation) 
 登るルートのホールドやスタンスを観察すること。
コンペ(競技)では6分間のオブザベーションができる。
もちろん、通常の岩場では何時間でも、
何日でもオブザベーションしてかまわない。
特にオンサイト・トライの時は慎重に観察したいものです。
地上から見るだけでは、10Mくらいまでしか判らないので、双眼鏡を使う
とか、ルートと平行して生えている木があれば登ってみるとか・・・
◆オンサイト<スタイル>
(onsight)
 あるルートを、そのクライマーにとって最初のトライで墜落やロープに
体重を預けることなく、「フリー」でリードすること。
ルートのグレードとプロテクションの数以外の情報を
事前に知ることは許されず、他人の登りを見ることさえできない。
プロテクションのプリセットは容認されています。
フリークライミングのスタイルでは、最もあっぱれとされる。
あるルートのオンサイト・トライは一生に一度だけです。
初めての岩場ではこれを狙って頑張ろう!    別名:一撃

カウンターバランス
  <技術>
 文章で表現するのは難しいが、ある方向へ手を伸ばす時、重心がそちらへ移動してバランスが崩れるので、それを保つため足などを反対の方向にやってバランスの均衡を保つテクニック。例えば、地面 に右足だけで立ち、右手を水平に思いっきり遠くに伸ばそうとしたら、浮いている左足を水平に上げるとバランスがとれるでしょ、この感覚のこと。
カ行
核心部 <一般 >
(crux)
ルート中の最も難しい部分。たいがいこの部分で落ちるが、
ここを通過しても力つきて落ちることもよくある。
また、例えば30mのルートで終了点直下が核心だったりすると、
落ちるたびにそこまで登らなければならず、
だんだんと嫌気がさしてくる時がある。
私の場合、こうもり谷の「カンテ」や備中の「変な事聞いていいですか」がその例。。。
◆カチ <俗>
(edge)
 カチっと持てる、かかりの良いホールドの通 称。エッジ。
◆ガバ <俗>
 ガバっと持てる、大きなホールドの呼び名。
クリップするホールドになったり、レストするためにとても重要。
K崎さんはU平さんのことを「ガバ子」と呼ぶが、理由はよく知らない。
英名=bucket (バケツ)

被っている
  <俗語>

 壁が手前におおい被さるようになっている状態。反対は「ねている」。
前傾壁。

ガンバ
  <俗語>

 「がんばれ」の意。私は今でも普段から使っているが、
関東方面のクライマー、あるいはボルダラーなんかは、
「Yes!」とか「COOL!」とか言うらしい。
背中がむず痒くなるっちゅうねん。
◆キョン足
<俗・技術>
 「キョン」とも言う。ムーブの一種で前傾壁でとても有効。
岩に対して正面を向かず、体を横に向け、片足でスタンスを突っ張り、
もう片足のヒザを下にひねって下半身をロックする。
言葉では難しいのでその内、写真を載せます。
K崎さんはこういうムーブを非常に苦手にしている。。。
昔のマンガの「ガキデカ」の「八丈島のキョン」のポーズが似てるので
この呼び名がついた。      英名=ドロップニー(dropknee)。

キンク
 <一般>

 ロープがねじれて癖がついてしまった状態。
エイト環を使っているとなりやすい。
クイックドロー
  <道具>
 カラビナとカラビナをナイロン製スリングで連結したもの。
その見た目がカンフーのヌンチャクに似ているので、
普段は単純に「ヌンチャク」と呼んでいる。
◆クラック
<岩の形状>
(crack)
 岩の割れ目の呼び名。割れ方の大きさによって、さまざまな名称がある。
ジャミングという手や体をクラックに入れて、クサビのように固定する
特殊な技術で登る(以前は普通の技術だったのだが・・・)。
プロテクションも特殊なギアを使う。
詳述すると一冊の本になるほどなので、
詳しく知りたい方はクライミングの専門書でお調べくださいm(_ _)m
◆クリップ<動作>
(clip)
 ボルトにヌンチャクをかけること。または、
自分のハーネスに結んであるロープをヌンチャク等のプロテクションに
かけること。リードしていると時として、クリップ自体が核心のムーブに
なることもある。「5本目のクリップが悪い・・・」などと使う。
◆グレード<概念>
(grade)
 ルートの難易度のこと。
しかし、各国で表現は異なり、日本ではアメリカの「デシマル方式」を
一般に使う。「5.9」「5.10a」・・・のように頭の「5」が
フリークライミングを意味する。ちなみに「1」はハイキング。
「2」は時々手を使う岩場。「3」は3点支持が必要となる。初心者は
ロープを使ったほうが良い。「4」はロープによる確保が必要となるが、
基本的にプロテクションはいらない。「5」がプロテクションの必要な
フリークライミング。「6」はエイドクライミング。

その次の数字が難易度で、通常は5.7か5.8あたりから
フリークライミングの対象となる。
5.10以上はさらに4段階に分けられ、
「5.10a , 5.10b , 5.10c , 5.10d , 5.11a , 5.11b , 5.11c ・・・」
のように難しくなっていく。現在の世界最難ルートのグレードは
5.15bあたりでしょうか。

私の2000年現在の限界RPグレードが5.12c。遥かかなたですね・・・
◆ 撃 <俗>
 あるルートを何回で完登したかをあらわす単位 。
「プロミネンスを二撃したぜ」というふうに使う。
数が少ないほどかっこいいので、普通「一撃」か「二撃」
までしか使わない。まちがっても、「タイムトンネルを18撃した」
などと言わないように。。。

ごぼう <俗語>

 キク科の大形2年草。根は食用。きんぴらや鍋物にすると旨い。
クライミングのシーンではロープを掴んで登ることを言う。
もちろんチョンボである。
語源はごぼうを地面から引き抜く動作からきているようだが、
反対の動作だと思うんだけど・・・

◆コルネ
<岩の形状>
 石灰岩でよく見られる背骨状の隆起。人間の幅ほどもある巨大なものから
指の太さ程度のものまで様々。通常、ピンチグリップを多用する。
その形状から、別名=うんこホールド とも言うが、最近は聞かなくなったなぁ。

サ行
ザイル <道具>

 ロープのこと。昔からの「山屋」さんは今でもこう呼ぶが、
フリークライミングのシーンでは通常、ロープと呼ぶ。
◆残置 <道具?>  残置支点、残置ヌンチャク等、人工的に岩に残されたものを総じてこう呼ぶ。その他、細いクラックから指が抜けずにフォールしたりする時など、
「指の残置に気を付けて・・・」などと言ったりする。
◆3点支持 <技術> 手足のうち3点をホールドから動かさず、残った一つを次のホールドへ移動させるという、「岩登り」の基本中の基本。
しかーし!現代のジムナスティックなムーヴを要求されるフリークライミングでは通用しない。前傾壁ほど手足それぞれ1点ずつの2点支持のバランスが重要。これをカウンターバランスという。

シェイク <技術>

 腕をだらんと下げてブラブラ振ること。クライミング中パンプに襲われたら、これで筋力の回復を促す動作。そのやり方は人によって千差万別 。ただ手をプラプラさせる人もいれば、ブンブン!振りまわす人もいる。また手のひらを腰や岩に押し当てて、前腕をストレッチしたり、コチコチになった腕を岩に叩きつけてほぐす、という方法もある。

自然の岩場 <一般>

 考えてみれば変な言葉だが、人工壁の出現で使われるようになった。「生岩」と言う人もいる。
◆ジャミング <技術> クラックを登るテクニックのひとつ。クラックの中に手や足を入れて、ひねったり突っ張ったりして体を安定させるテクニック。岩の摩擦を利用するので、馴れないと非常に痛い。ふだん鍛えることのない手の甲は特に弱い。軟弱なクライマーのためテーピングの使用は認められている。しかし、鈴木英貴氏はビデオで5.13のクラックをテーピングなしで登っていた。。。

シュリンゲ <道具>

 →スリング
スタティック <技術>  直訳すると「静的な」。いちかばちかの「デッドポイント」や「ランジ」ではなく、
じんわりと登ること。「よくあのホールドをスタティックにとれるなぁ」というように使う。
◆スタンス <一般>  安定して立てる足場。もっと小さいものは「フットホールド」というのが正解。
◆ステミング <技術>  足をガバッとおっぴろげて、突っ張ること。コーナーでのクライミングで多用するが、前傾壁でも有効となることがある。ブリッジングとも言う。

◆ストレニュアス
   
<一般>

「奮闘的」と訳す。厳しいムーヴが続くこと。前傾した長いルートでレストポイントはなく、腕はパンパン、頭の中は真っ白。でもまだ終了点ははるか上・・・というようなこと。「ストレニ」と略したりもする。最近では「ローカル・エンデュランス」と言ったりもする。
◆スポーツ・クライミング
<スタイル>
 ボルト等で安全を確保され、危険性をできるだけ排除し、登る行為を純粋に追求するスタイルのクライミング。人工壁や最近の岩場では主流のスタイル。反意語はナチュラル・プロテクションを使用して登る「トラディショナル・クライミング」。

スメアリング <技術>

 スメアはこすりつけること。スメアリングとは靴底の摩擦を利用して、
岩のノッペリした部分に立つこと。スラブで多用する。

◆スラブ <岩の形状>  傾斜の緩いつるっとした岩。最近は前傾壁を登るのがフリークライミングと当たり前のように思われているが、昔はスラブから入るのが当たり前だった。当然人工壁出身のクライマーは苦手にしている(はず)。ルートの中でスラブっぽい部分があったりしたら「スラビーな部分がイヤラシイ」と言ったりしてる。
◆スリング <道具>
 ロープやナイロンテープを結んで輪にしたもの。
あらかじめ縫い付けられているものを「ソウンスリング」という。
こちらの方が通常強度は高い。
◆セカンド <一般>  2番目に登る人(そのまんまや)。主にマルチピッチのルートで使われる。通 常トップより気分は楽だが(上から確保されているので)、小川山の「ジェットストリーム」のような、トラバースするルートはセカンドの方が怖い目に会う。
◆ゼルバン <独語>  ゼルプストバンドの略。ハーネスのこと。フリークライマーの間ではいまや死語。
◆セルフビレイ <技術>  自分自身を確保すること。足場が安定しない場所でビレイするときや、
マルチピッチのルートの確保地点で、アンカーと自分のハーネスをロープやスリング等で連結すること。
◆前傾壁 <一般>  手前にかぶさってくるような傾斜の強い岩壁のこと。現在のクライミングの主流。腕力がものをいいそうだがそれだけでは登れない。
◆ソール <道具>  靴底。クライミングシューズのソールには非常に粘着力の強い素材が使われている。
ソールの進歩によってあっさり登れるようになってしまった課題も多い。

番外
◆フラッシュ
 <スタイル>
 フラッシングともいう。
オンサイトに次ぐ、良いスタイル。
オンサイトとの違いは、ホールド・スタンスの位置や
ムーブのコツ等の情報もゆるされる。
他人の登り方を100回見てもOK。
マニアックな連中はオンサイトで登るため、目をつぶってやるとか・・・。
良い子のみんなはマネしちゃダメだよ。
◆レッドポイント
 <スタイル>
 あるルートを「フリー」で登るためには、難しいルートほど
初見で登るのは困難になる。
トップロープでの試登の後や、2度目以降のトライで登った時にこう言う。
つまり、墜落なしでリードできるまで何回通ってムーブを研究(記憶)しても
OKというスタイル。
◆マスタースタイル
  <スタイル>
 レッドポイントに加え、プロテクションを自分でセットしながら
登ることを一般に言う。日本人の造語らしい。
プリプロテクションか否かでは、体力の消耗がまったく違う。



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