< ロープの足絡み >

 リードしていて、しばしばやってしまう危険な状態が「ロープの足絡み」だ。
足をロープに絡めたままフォールすると多くの場合頭が下になり(逆立ち状態)、
最悪の場合そのまま頭を壁に打ち付けて怪我をすることがある。
実際、筆者も怪我をして血を流す場面を目撃したことがある・・・

 しかし、危険であることを頭で理解していても、実際に登っていると知らないうちに絡んでいたり、
ムーヴに夢中になるあまり、頭の中は真っ白、前腕はパンパンで、そこまで気がまわらないという時もある。
 教本でも「危険だから足を絡めないように、絡めたまま落ちると怪我をするよ」、と書かれているのだが
ではどうしたら絡めないですむのか、その方法やコツを記した本を私は見たことがない。
そこで、ここでは私がロープを足に絡めないようにするため、気をつけていることを紹介する。

 ルートが強く前傾し、体を振るムーヴを多用する(シューズのアウトサイドを使うような)場合では、
足に絡みにくいと思う。なぜなら、わざわざロープと壁の間に足を入れていかないと、
そういう状態にならないからである。
また、ヒザがロープより外にあれば絡みにくいのだが、例外もある。それは・・・以下のような場合。

 知らないうちに絡んでいるのは、正対で高いフットホールドに立ち込んでいくムーヴの時に起きやすい。
 下の写真はその危険な例。 ・・・写真の例は右足のケースで書いてます。

P−1
P−2
P−3

 この場合、下のボルトが右寄りにある時は、特に起きやすい・・・(P−1)
 右足をハイステップしたち込んでいく・・・ (P−2)
 その結果、危険な足絡み・・・(P−3)

 では、この場合、安全な方法とは・・

右足を上げたとき、
ロープを足の甲にのせる・・・(P−4)

そのまま立ち上がっても
ロープは絡まない・・・(P−5)
P−4
P−5

 アップにしてみると・・・
P−6
P−7
 足を上げながら意識してロープを足の甲にのせる・・・(P−6)
 そのままフットホールドに足を置く・・・(P−7)

と、これだけのことで危険なロープの足絡みは、たいがい防げると思う。

 要点としては・・・
1− 常にヒザがロープと壁の間に入らないよう意識する。
2−正対ムーヴではロープを足の甲にのせる。

 私はこのセオリーに気付いてから、足を絡める状況になったことは、ほとんどない。
ビレイヤーからしょっちゅう注意される人、一度お試しあれ。。。




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