クワガタの産卵材あれこれ

  

  ・クワガタ虫は産卵材の種類朽木菌の種類腐朽具合材の硬さを触角や匂いで
  判断し、卵や幼虫が安全に育ち羽化出来る産卵材を慎重に選んでいると考えられる。
  ・飼育中のクワガタ虫により多くの産卵を促すには、より自然に近い良質の産卵材を
  選んでやるのが理想である。

  ・しがし、自然に近い産卵材が簡単に入手出来るハズも無く、そこで身近に入手可能な
  代用品としてシイタケのホダ木を短くカットした物が一般的に利用される。
  ・外国産のクワガタ虫にはシイタケの産卵材が適さず、特別な材やマット産卵する
  種類も多くおり、産卵セットの良し悪しで産卵数に大きな差が出る。

        【 クワガタの好みの産卵材とマットを熟知しよう 】

                 資料作成:BEETLE・SCHOOL
                    
      
                 HP:http://www.eonet.ne.jp/~beetle-s/


市販されている産卵材

  1、シイタケのホダ木

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      左側:ぐぬぎ材 右側:コナラ材

  
 
価格も安くホームセンターなどでも入手可能な最も一般的な産卵材であるが
   材の種類・朽ち方がさまざまであり、慎重に選択すべきである。

  @ぐぬぎ材(見分け方:樹皮の溝が深く、やや濃い色をしている)
   栄養価はナラやブナより高く、価格もやや高い。最近良い材が入手しにくいが
   コナラ材より硬くオオクワやヒラタの♀に破壊されにくいので産卵材として
     ベストとされている。

  Aコナラ材(見分け方:樹皮の溝が浅く、やや白ぽい色をしている)
  
 くぬぎ材より菌の回りが良く、芯までキレイに朽ちた軟らかい
   材が多く出回っている。牙の弱いノコギリクワガタや外国産のクワガタ虫の
   産卵材として重宝されている。
   自然界ではくぬぎの木よりナラの木の方が多くあるためか、流通量も
   くぬぎ産卵材より多い。

  Bその他の
   桜・ブナ・ケヤキ・ミズナラ・カエデ・柿の木などがあるが
   あまり一般ではない。

  2.レイシ材

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         砂埋めレイシ材


   ・霊芝(サルのコシカケ)を栽培した後の材で、表面は非常に硬いが
   内部は適度に軟らかく、外国産のクワガタ虫の産卵材として利用価値が
     高く、レギュースやオウゴンオニの産卵材に適している。
     ・使用前には、高温殺菌処理し害虫駆除を行う。

  
@砂埋めレイシ材
   
くぬぎ材を砂に埋め霊芝茸を収穫した後の材で、泥埋めレイシ材より
      清潔で害虫がほとんど入っていない。材の直径は10〜50pと
     シイタケ材よりも太いものが多い。
   秋以降に市場に出回るので、良質な物を購入しておきたいものである。

  A泥埋めレイシ材
   
くぬぎ材を土に埋め霊芝茸を収穫した後の材で、色も黒ぽく硬さにムラが
   あったり、害虫が侵入いている粗悪なものが販売されいる事もある。
   しかし、価格は
砂埋めレイシ材より安く根食い系のクワガタ虫などの産卵材として
   使い道もあり、良質なものがあば購入しておきたい材である。
   大きな物が多く、カットしているものもある。


 
3.エノキ材

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   ヒラタケを栽培した後の材であり、良質な物は
レイシ材より重宝であり
   オオクワガタから外国産クワガタ虫まで幅広い産卵材として応用できる。
   軟らかさがほぼ一定であり、幼虫取り出し時の材割が楽である。
   大きいものはカットして利用する。3年物が軟らかく重宝される。
   販売は専門ショップに限られ、それも限定販売される場合が多いので
   購入しにくい材である。

 4.カワラ材

  kawarazaiD.JPG kawarazaiDD.JPG

       カワラ材              カワラタケ


   
@天然カワラ

    
自然界ではオオクワガタが産卵材として利用している材であり、産卵材としては
    最高の材である。山から切り出して来た物が販売されているが、専門ショップにも
    在庫が少なく入手しにくい上に高価であるのが難点である。
    良く似た物に
ニクウスバタケの材があるが、カワラ材よりやや日陰にでき、内部は
    軟らかくキレイに朽ちているがショップでは入手し難い。
    

    
クワガタの学校でも菌糸ビンの無かった昔は、この材でオオクワガタの幼虫を
    飼育していたが、良い材なら73mmの良形のオオクワガタを2年掛けて
    誕生させた経験がある。
    (硬い材での飼育では、形の良いオオクワが羽化します)

   A人工カワラ
    
人工的にエノキ材やくぬぎ材にカワラ茸菌を植菌して作った朽木材で市販品は

    ほとんど出回っておらず、マニアが自分で作成しているのが現状である。

  5.産卵材にひそんでいる害虫

          Gomimusi.JPG Gaityu.JPG

              Gaityu1.JPG Gaityu2.JPG

        Tamamusi.JPG GomimusidamasiY.JPG
                タマムシの幼虫         ゴミムシダマシ
              
Kimawari.JPG
                               キマワリ

    ・産卵材は軟らかい物ほど、いろんな虫の幼虫が侵入しており、中には大切な
    幼虫を食べる肉食の害虫も入っており高温殺菌処理して使用する。
    ・経験上から産卵材に虫が入っていると、産卵しなかったり産卵数が少ない
    様に思える。

    タマムシ・クワガタ・カミキリ・ゴミムシダマシ・キマワリ・コメツキ等が
   入っているが、大切な幼虫を食べるのはコメツキの幼虫と言われており、
    この幼虫は黒く他の害虫幼虫との識別はしやすい。
   (白い幼虫はクワガタの幼虫を捕食しなとしても、良い材でも幼虫の入っている材には
    ほとんどクワガタの幼虫は入っていない事が多い)
    クワガタの♀は何らかの方法で害虫が入っている事を察知し産卵しないのでは
     と考える、従って、軟らかい材を使用する場合は殺菌処理し使用下さい

   
    特に山から持ち帰った飼育材等は天日干しや高温殺菌処理して使用や保管する。
    (アリや山ゴキブリ・ムカデなどのいろんな害虫が侵入しているので、気を付けてください)



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