
Feel Nature〜南・西九州の旅
またまた年末・年始恒例となりました
「どこかに行く旅」
2010−2011年にかけても
南〜西九州方面の旅行をしました。
しかしこの年末は九州は豪雪で、
行動もままならない状態・・
雪だらけの旅行記ですが
どうか最後まで、おつきあいください
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今回のきまま旅は、南九州から西九州に向かいます
毎年恒例になっている「年末年始にどっかに行く旅行」シリーズ
今年も3泊4日の旅です
とはいうものの、今年も行く時には宿泊先だけ決定していて
その途中どこに行くか全く決めていないいい加減さ・・
これも毎年のことです
しかも九州地方は大雪に見舞われ、交通手段が寸断・・
旅行というより必死に移動するのみという感じになってしまいました
なので、立ち寄ったところにタッチ&ゴーという旅行記になりますが
ま、しばらくお付き合いください (^^ゞ
【12月29日】 1日目 宮崎空港→(・・・・・・)→霧島温泉
伊丹空港から昼前に宮崎空港に到着
この日は快晴。この時はまさかこの後に訪れる天候不順は信じられませんでしたが・・

【宮崎県庁】
宮崎空港は宮崎市街の中心部にほど近いところにあります。
宮崎といえば、いまや観光地となっている宮崎県庁
県庁前の楠並木は癒しの空間です

宮崎県庁の庁舎は昭和7年に建設され、九州で唯一戦前から残る県庁舎です
左右対称の美しい姿でお出迎え

前庭には宮崎の観光スポットを喚起させるようなものが見られます
そして玄関には「あの方」が(笑)
守衛の方によるとピークに比べ観光客の数は随分減ったとのこと・・
時間はすでに昼食時
県庁近くの「どげんかせんとい館」でいただきます
もちろん「あの方」の2007年知事就任の際に発せられた
フレーズからとられています。もうあれから3年以上経つんですね・・
いただきましたのは、やはり宮崎での定食といえば「チキン南蛮定食」
大変おいしくいただきました

時間があればこれから西都原古墳群に行く予定でしたが、今日の宿泊先は霧島
したがって西に進路をとります。
【関之尾の滝】
宮崎から約40分で都城に着きます。
都城は緑豊かで空気の美味しい町です。
その都城を代表する観光スポットが「関之尾の滝」
日本の滝100選にも選定されている美しい滝です。
2010年7月の大雨で一部崩落があったようですがそれでも
美しい姿を見せてくれていました。

滝はやはり動きと音がなければ迫力がありませんね
それでは、こちらをクリック!
この滝の上流には甌穴(おうけつ)という珍しい自然現象が見られます。
甌穴とは、川の流れにより小石や岩石の破片を回転させて川床を削り、
浸食されてできる円形の穴のことをいいます。
幅80m、長さ600mの規模は世界一です。
時間はまだ14時30分
宿泊先に入るにはまだ早いということで
遠回りになりますが、快晴の桜島を見たくなり一路南に車を走らせます。
【桜 島】
解説はありません
桜島の雄姿をご堪能ください
さらに中腹にある湯之平展望所からは美しい姿を現してくれました
遠回りして来た甲斐がありました


もう時間は夕方、桜島からフェリーで鹿児島にわたり一路、霧島温泉に向かいます

ホテルは霧島温泉の奥座敷 硫黄谷温泉の霧島ホテル
日本初の新婚旅行と言われている坂本龍馬とお龍も訪れた老舗です
玄関にはしっかりと2人のパネル(笑)

夕食は薩摩黒豚のしゃぶしゃぶをメインとしたお料理です
もちろんここでは芋焼酎!
硫黄谷という珍しい銘柄をロックで3杯いただきました・・
【12月30日】 2日目 霧島温泉→(・・・・・・)→人吉温泉
明けて2日目の朝
天気はあいにくの雨 しかも昼過ぎから寒波の影響で九州地方は雪の予報です
まずホテルのカフェテリアで見つけた「龍馬ラテ」
龍馬の顔がラテの上に浮かびます

【霧島温泉郷〜塩浸温泉・犬飼滝】
霧島温泉から車を走らせること約20分
塩浸温泉龍馬公園に到着

1か月の霧島滞在のうち18日間もここ塩浸温泉に逗留したそうです。
1件宿しかない鄙びた場所でしたが、龍馬ゆかりの地ということで公園の整備がされています。
しかし目の前に流れる石坂川の流れはなかなかの風情
この流れを龍馬夫妻も見たかと思うと感慨もひとしおです

さらに山奥に行くと犬飼滝があります
この滝も龍馬の旅行途中立ち寄ったところです

龍馬が姉である乙女に宛てた手紙の中に
「陰見の滝は五十間(100m)も落ちて,中ほどには少しもさわりなし。
げにこの世の外かと思われ候ほどめずらしきところなり」
と感銘を受けたことが伺えます。
しかし雨が強くなってきたことと遊歩道の足元が滑りやすくなってしまったことで
滝壺近くまでいくことを断念・・
滝見台から遠景を望むだけとなりました・・残念

これから人吉に向かって行くわけですが、
雨がいよいよ強くなってきて観光地に降り立ってじっくり巡ることも難しくなりました。
そこで、観光地巡りとは趣を変えて、JR肥薩線に沿って人吉に向かうことにしました。
【肥薩線沿線の旅】
【嘉例川(かれいがわ)駅】
まずは霧島温泉郷のほど近く、明治36年開業の嘉例川駅を訪問

ここは2年前にも訪れたのですが、やはり何度見ても心が和む場所です。
次は夏に訪れたい場所です。
ひっそりたたずむ木造の駅舎に蝉の声がコラボする様は
きっと井上陽水の「少年時代」の世界そのものなんでしょうね
タブレット受けが竹藪の中から忽然と出てきて、それを展示する・・微笑ましいですね
でも、竹藪の中ってどういう状況だったんでしょうか
【吉松(よしまつ)駅】
さらに北上、吉松駅に到着です。

ここは肥薩線と吉都線の接続駅
かつての鉄道の要であることを示すがごとく、SLの展示がされています

駅舎のトイレに暖簾(笑)

ここの駅の特徴は、待合室
畳敷きの待合室です。ここで温かい会話がなされているんでしょうね
何だかほっとする空間です

【真幸(まさき)駅】
吉松駅の次は肥薩線のなかで唯一宮崎県に位置する駅 真幸駅です。
ここは「真の幸せ」という縁起のいい名前で人気の高い駅です

急勾配の中にある駅でスイッチバック駅としても知られます

ホーム中ほどにある「幸せの鐘」
幸せの度合いに応じて鳴らすとよいとされていますので
ほどほどに鳴らさせていただきました (^^ゞ

また、この駅の入場券は「真の幸せに入る」ということで人気が高いです
無人駅ですが、吉松駅で購入することができます。

【大畑(おこば)駅】
ここから一気の北上
知る人ぞ知る秘境駅 大畑駅に行きます。
周りに集落は一切ありません。
駅に向かう道も梅林の間を抜ける細い道が1本通じているだけ
道中、「ホンマにこの道で正しいんか?」と不安になってしまいました。

そしてようやく駅に到着です

この駅は日本で唯一ループ線とスイッチバックを合わせもった駅として知られています。


大畑と書いて「おこば」。難読駅の一つですが
「こば」とは焼畑の意味で、かつてこの辺りに大きな焼畑があったことからこの名がついたという説が有力です
駅の名板の下には人吉の郷土玩具、きじ馬が可愛いアクセントを演出です
この駅はもっぱら蒸気機関車のために作られたような駅
人吉から急勾配を登って来た機関車がこの駅で給水をする必要がありました
今でもその給水所の跡が立派に残っています。

さらに駅のホームには、機関車の煤で汚れた顔を洗うために設置された湧水盆が残っています

駅舎の中には大量の名刺!
なんでも、ここに名刺を貼ると出世するんだそうで・・
私の名刺もこの中のどこかにありますよ(笑)
もし閲覧されている方で、大畑駅を訪れる方がいらっしゃったら
探してみてください(笑)
駅舎内にある時刻表
趣のある時刻表です。
人吉行き1日5本、吉松行き1日5本 計10本
内観光列車が4本ですので、普通列車はわずか6本しかありません。

大畑駅は明治から日本を支えてきた鉄道を知るには
格好の文化財であると思います。

【人 吉】
ここから今晩の宿泊地、人吉に向かいます
人吉駅の観光案内所で
吉松から地道で大畑に行って来た旨を伝えると大層驚かれました
それで、大畑駅の駅舎に名刺を貼ったことをいうと
「きっと出世しますよ (^^ゞ」と言われて、少しいい気分(単純ですねww)

人吉駅に飾られていた「SL人吉」のレリーフ
これ、何でできているかわかりますか?

答えは「つまようじ」

南陵高校の生徒さんの制作です。
約67000本のつまようじを発泡スチロールに刺しているそうで
その精巧さに目を奪われます。
人吉名物といえば、素朴な駅弁
駅前に大きく「汽車弁当」の文字

で購入したのが、栗めし 900円
これは人吉の栗がゴロゴロ入ってお気に入りの一品
是非人吉にお越しの際は、購入されることお勧めです
チェックインには少し時間がありますので
熊本初の国宝に指定された青井阿蘇神社に参拝します

社殿は1609年造営ということですから、400年以上の歴史を有することとなります
その中でも圧倒的な存在感を示しているのが楼門

茅葺の社殿、黒漆に赤漆を施した豪快かつ繊細な装飾
一見の価値ありです。
境内からみた楼門

今夜の宿は人吉温泉の中でも老舗の「清流山水花あゆの里」さん
6年前にリニューアルしたそうなんですが、その前は「鮎里ホテル」と称していたようで
実は私の父親が今は亡き母と新婚旅行で訪れたところだそうで・・
(これは後でわかったことでしたが)
何かの縁を感じました。
そこで頂戴した夕食は川魚ヤマメの塩焼をベースに
肥後牛のしゃぶしゃぶなどを堪能
お酒は当然のように球磨焼酎です
【12月31日】 3日目 人吉温泉→(・・・・・・)→雲仙温泉
昨日までは冷たい雨でしたが
この年末年始は一番の冷え込みとなり、ここ人吉にも雪が・・
しかも旅館の方に伺うと近年見たことがないとのこと・・

旅館の横を流れる球磨川も一夜のうちに雪景色

この雪で人吉から熊本へ向かう高速道が通行止めとなり
球磨川沿いの国道219号線を走るしかないことがこの時点で判明しました。
でもせっかくの天が与えてくれた雪です
人吉の雪景色をもう少し味わうこととします
球磨川のほとりにある人吉城跡と相良護国神社
しっとりとした情景を描き出してくれました
しかしここからは山越えの道、運転には細心の注意が必要となります
そしてレンタカー契約のときに依頼していたタイヤチェーンが大活躍することになります
普段雪道などを運転しない関西人、久々にチェーンを巻いてのドライブです。

高速道路では一瞬で通過してしまうポイントですが
国道ならではの旅を楽しむことにします
【一勝地駅】
肥薩線には先に述べた、真幸駅と並んで駅名で人気のある駅があります
それが球磨川沿いにひっそりと佇む「一勝地駅」です。
名前の通り、スポーツ選手や受験生に人気の高い駅ですが
名前の由来は、鎌倉時代にこの地を治めていた、一升内下野守という地頭の名によるといわれています。

ここの入場券はとてもユニーク
お守りの形をしていて、希望すればパウチもしてくれます。(プラス40円の200円となります)
買い求めるときに聞いたのですが、明日すなわち元日になると
全国各地からこのお守りを買い求める人が殺到し
特に受験生を預かる学校の先生がまとめて買い求めるそうで、
1日に2〜3000枚発行することもあるそうです。
しかし、今回はこのようなお天気・・果たしてどうだったんでしょうか・・

【球泉洞】
一勝地駅から10分ほど車を走らせると球泉洞があります

時間はちょうどお昼時
ここのドライブインにて年越しそばをいただきます

いただいたのは、猪肉入りのそば とってもワイルドですがとっても美味でございました

せっかくなので、球泉洞を見学
秋芳洞のように整備はされていませんが、日本では2番目に長い鍾乳洞だそうです
(ちなみに一番は岩手県の安家洞)

見学コースは往復約30分です
長いトンネルが鍾乳洞への入り口

中はとても細い通路でゆっくり見学というより探検気分を味わうといった感じです
しかしながら、外の寒さが和らぐ空間は心地よく
多分夏はひんやりとした空間になるのだろうなと思いました
旅程はここまでは比較的順調でしたが・・
時間は14時前。これから熊本港まで車を走らせ、島原にわたります
球磨川沿いに車を走らせ、八代から熊本港に到着したのが16時前でした
ちょうど前のフェリーが出発した後で、次の便が17:40発
入り口前で待っていると係員の方がやってきて
「すいません、今日のこれ以降の便が欠航と決まりました」との一言
「へ?嘘やん」「すんません、風が強くて波が高く、予報も収まりそうにないんで・・」
天候には勝てません・・
時間は16:30。
取り急ぎ宿に電話し大幅に遅れる旨の連絡をします。
熊本港から雲仙に行くには高速道路を使って250キロあります。
(フェリーだと直線で30キロなんですが・・)
で、すぐさま交通情報を確認すると幸い八代ICから大村ICまでは今なら通れるとの情報。
本来は大村ICの先の諫早ICまで行かねばならないのですが、大村ICから諫早ICまではすでに通行止め
悩んでいるヒマはなく取り急ぎ、益城ICまで車を走らせ、行ける所までいくことにしました。
鳥栖JCTあたりで雪も激しくなり、佐賀県内に入ると路面も雪が目立つようになりました。
そして大村IC付近は大雪。とてもじゃないけど諫早まではいけない状況。
(あと少し遅れると八女ICから佐賀大和ICも通行止めになっていましたので間一髪というところでした)
大村ICを降りると再び、チェーン装着
そうしないと、雲仙の山道を登ることができません
一度、人吉で着脱をしていたことがここで幸いしました(笑)
大村から雲仙までノロノロ運転・・紅白歌合戦をラジオで聞きつつ向かいます。
そして這う這うの体で何とか雲仙に到着したのが21:30・・
延々5時間運転したことになりました(同乗していた父親が一番しんどかったでしょう・・)
チェックインして遅れを詫びると、まだ30組ほど到着できていないとのこと
やはりこの雪 半端ではなかった・・
まずは、用意して待ってくれていた夕食をいただきます
でもあんまり味わっている時間は正直ありませんでした (申し訳ない)

疲れを温泉で癒して、部屋に戻ると
白組が優勝していました (^^ゞ
【1月1日】 4日目 雲仙温泉→(・・・・・・)→熊本空港
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。
雪の雲仙で新年を迎えました

ご紹介遅れました
宿は富貴屋さんです

朝食は島原の郷土料理、具雑煮でのおもてなし
正月気分を味わいます。

雲仙名物といえば雲仙地獄
雪の雲仙地獄も悪くないよなと思い、一旦は訪問しようとしたのですが
路面の凍結がひどく、父親の靴も革靴だったため滑る恐れがあったため
観光はあきらめ、早めに山を降りることにします。

まずは小浜温泉郷に降ります。
凍結した路面をゆっくり降りること約1時間弱で到着。
湯気が立ち込める光景を見ると、なんとなく落ち着きます
昨日から雪道と氷道の行軍を余儀なくされていましたので
緊張がほぐれたのかもしれません。

小浜というと、小浜高校
この温泉郷の町から甲子園に行ったのが昭和63年の話。
今から23年前のことです。
旅先で甲子園出場校を訪問する・・
その地方の水、空気を知るとその学校に対する考え方も変わります。
高校野球ファンである私のもう一つの旅の楽しみ方です。
ここでチェーンを外し、念のためフェリー会社に電話
すると「今のところは運航していますが、風が強くなってきたので今後はわかりません」との回答
もし、フェリー欠航となると、地道で熊本空港まで行くことになりますが、
高速道路も昨夜の雪で通行止めの範囲が広がっているため時間までに到着がほぼ不可能・・
急いで、口之津港へ向かいます。
そして車を走らせること約30分余りで
口之津港に到着

到着と同時に、次の便の改札が始まっていました
どうやら何とかなりそうです (^^ゞ
口之津港から約30分で鬼池港(天草)に到着するのですが
その道中が波と風が激しくて揺れも相当ありました

【天 草】
当初行くことは考えていなかった天草
しかし天候のいたずらでここに導かれてきました。
まずは城山公園に向かいます。
本渡城跡の高台にある公園で市街を一望できます。

ここにある殉教公園で静かな時間を過ごします。

天草は言えずと知れたキリシタンゆかりの地。
その天草の乱で散った殉教者を祭っているのがこの千人塚です
さらに各地に点在していた墓碑を集めたキリシタン墓地も
凛とした雰囲気を醸し出します。

残念ながら併設のキリシタン館はお休みでした
天草から熊本へ向かう国道324号線は別名「タコ街道」
道の駅有明はタコのオブジェで出迎えてくれます
しかしながらリアルですな・・
ここで昼食タイム
「たこカツ丼」というメニューがあったので、頼んでみると
カツ丼の中にタコの天ぷらが入っているものでした
(てっきり タコのカツが入っているんだと思いましたが (^^ゞ )

ここから天草五橋を経て九州本土に向かいます。
(写真は天草五橋1号橋 これを渡ると九州に行けます)

【三 角】
渡ったところになるのが三角駅

そこで見かけた「三角西港 めざそう!世界遺産」の文字
これは行かねばなりません。
三角西港と言えば、NHKドラマ「坂の上の雲」のロケでも知られていますが
明治時代の遺構がそのまま残る貴重な港としても知られています。

ここの醍醐味は石積みの埠頭
当時の曲線美が今でも堪能できます

波乱万丈の日程もようやく終了
無事に熊本空港から大阪に帰りつくことができました・・
地元の方も経験のないという雪に振り回されてしまいましたが
それも一興。いい思い出となりました
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