”相生ペーロン祭”2010年5月30日 兵庫県相生市相生湾
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ペーロン船の概要と漕ぎ手から見た魅力 |
作者の体験とペーロン船の変遷を昭和40年代と現在使用されている船の違いを含め概要を私見として紹介。
前から右舷1・3・4・5〜ハネ,左舷2・3・4・5〜ハネまでの漕ぎ手が乗船するが左右の漕ぎ手は同数。
漕ぎ手の他に艇長・太鼓・銅鑼・舵取りが加わる。
艇長:船のスピードと漕ぎ手の力量に合わせ太鼓の打つ早さを調整し指揮棒により采配する艇の責任者。
太鼓:スタートはドン・ドン・ドンと打ち最初と三つ目のドンで櫂を水面に入れて漕ぐ。スピードに乗ると三つの鼓の音に一つころを入れて力強く漕ぐことを意味し枚数(漕ぐ回数)を落として力配分とスピードの調整をする。スピードを上げる場合はころが入っている場合は一つ追加して五つの鼓の音に合わせ最初のドンと最後のドンで力強く漕ぎ、枚数は他の鼓より多い。
銅鑼:太鼓に追従する。
舵取り:スタート時ミヨシをたて、1番2番が補助し、チームにより異なるがハネの漕ぎ手がスタート前に旗ざおから伸びたロープを保持して他の数人の漕ぎ手が櫂を進めロープの張力と船のミヨシが左右に向くのを防ぎスタートの合図を待つ。折り返しターンはチームの漕ぎ手の力量によりスピードを落とさずにターンする方法と、最短経路を取り船足を0とする方法等のチームカラーがある。ターンと漕ぎ手の力がマッチすると小気味よい旋回が得られる。
漕ぎ手:1番・2番は形と容姿を求められていて3番櫂のサポートと威勢の良い掛け声を先導する。力が入りすぎると櫂に均等に力が配分できなく舵取りによって進行方向を是正することになるので注意。3番〜5番は左右の櫂を合わせる役目と1番・2番と同様に掛け声を先導する。ハネは船尾に渦を巻く波を崩し進行を補助する漕ぎ方をしその渦を櫂に乗せうまく弧を描くように潮を後方に飛ばす概念で櫂を運ぶ。残りのポジションは舵取り付近は旋回時に漕ぐことができなくなることが多いが他は太鼓に合わせ声を出し渾身の力で漕ぐ。全ての漕ぎ手の櫂が合い漕ぎ幅が同等になると船が軽く船足が上がり体力の消耗が低くなる。
現在の船は長崎艇に近似し40年代50年代の船より短くてカマチも1番からハネまでほとんど水面からの高さは変わらなくなった。従って、重さも漕ぎ手の数も減少していて1番から5番程度まで櫂の長さが他のポジションと異なりそのポジションには背が高く体重が軽い体格が要求されていたが現在はあまり体格は要求されず、漕ぎ方もほとんど腕力勝負と思える。また、選手の体重を計測し左右・前後のバランスも取っていたが最近は気にならないらしい。
魅力の発見:同じ動作を繰り返す単純なスポーツであるが独特の雰囲気を試合で数回体験すると短距離走スタート時の気分が味わえ、船足が付き左右の船首が後方に追いやられるとますます声が出て活気付き一致団結のゴールと歓喜がえられる。 |
ポジション |
役割(上欄参照)及びコメント |
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向こう側の漕ぎ手は1番と3番。
手前は2番。 |
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太鼓は梁に固縛。
船足が付くと前後に大きく揺さぶられてバチが振り上げられなくようになり安定させるこつを掴むのが大変。 |
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銅鑼は太鼓に合わせて。
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艇長は指揮棒でスタートの合図をし、道中指揮棒を振って太鼓のスピードを対戦相手とチームの力量に合わせ調整する。
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ハネの着座形式は最近左のように両足をそろえているが、以前は外側の足は曲げられ尻の近くに足首が来ていた。 |
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舵取りは体格が要求され旋回時の抵抗に耐えられる力量が必要。 |