VTEC(Variable Valve Timing & Lift Electronic Control System)
■VTECの原理
エンジンの性能に大きな影響を与えるポイントに、バルブの開閉タイミングとバルブのリフト量があります。バルブの開いている行程を長めにして、リフト量も高く設定すれば、高回転・高出力を引き出すことができますが、低・中速域では吸入した混合気が吹き抜けてしまい、トルクが不足し、燃焼は不安定になってしまいます。
一方、バルブの開いている行程を短くすれば、豊かな低・中速トルクが得られますが、おのずと高出力化に限界が生じてきます。このように、高速域と低・中速域では求められるバルブタイミングとリフト量は異なっています。いわば、バルブタイミングとリフト量により、エンジンの性格が決定されるのです。
ホンダ独創の可変バルブタイミング・リフト機構は、このバルブタイミングとリフト量をエンジンの回転域に合わせて切り換えることで、求める出力特性の高次元での実現を図る画期的なものです。
■VTECの作動原理
このエンジンは、吸気側に3つのカムをもつ1本のカムシャフトと、このカムに対応して、油圧ピストン内蔵のプライマリーロッカーアームとミッドロッカーアーム、さらにはセカンダリーロッカーアームとで構成。
低回転時には3つのロッカーアームがそれぞれ独立して作動していますが、このときミッドロッカーアームによる吸気バルブの駆動は行なわれず、他の2つのロッカーアームの低回転バルブタイミング・リフトで作動します。
一方、高回転時には、ECUからの指示により内蔵の油圧ピストンに圧力がかかり、ピストンが移動することで、それぞれ独立していた3つのロッカーアームが連結されて一体となり、ミッドロッカーアームの動きに追従します。これにより2本の吸気バルブは高回転バルブタイミング・リフト状態で駆動するしくみです。
メーカーHPより
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