クロックはアナログ信号です。
ジッターは
アナログ量です。

妄言多謝


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「ON爺の独り言」2011はこちらです。
「ON爺の独り言」2010こちらです。(読者のご協力で復元できましたが、一部文字化けが残っています。)
「ON爺の独り言」2009 こちらです。


「音楽再生専用機のためのUbuntu Studio 10.04LTS (Lucid)カスタマイズ法」



2012年5月22日  知性とは屹立するものである
●静かな日々が過ぎていく。左肩が痛かったりするが、今のところはまあ何とかなる。ゆっくりと動き、ゆっくりとものおもふ。
 癒されていくことを静かに感謝する。

●いろいろと本を読んでいる。読んではすぐにゴミ箱に捨てるものもあるが、最近はヘヴィなものを中心に読んでいる。堀田善衛「路上の人」徳間書店
 ヨナという主人公の名前から鯨に呑み込まれた旧約・ヨナ書の主人公かと思えば、ヨーロッパの道(街道)の路上生活者のことだった。このスケールの大きさと視点の鮮やかさ。解説は加藤周一氏で、思えばこういう知の巨人達とは結構のご無沙汰だった。知性とは屹立するものであり、屹立することを恐れないものだと言うことを、僕はこの人達から学んだ。
 目を洗れること請け合い。

「日本国債、フィッチが格下げ 円急落」
 格付け会社のフィッチ・レーティングスが、日本国債の自国通貨建て格付けを「ダブルAマイナス」から「シングルAプラス」に1段階引き下げたと発表したことが円売りを誘った。」
 Everything that has begining has end.


●今日嬉しかったのはカナダから届いたBursonのディスクリート・オペアンプで作った、マルチch再生用のダウンミックスアンプが無事動いたこと。友人設計の基板がくたびれてきたので、蛇の目スルーホール基板にハードワイアリングで新基板を作成し、セレクターにDACT CT102電源基板(20V設定)と共に収納した。
 先週末、集中して1日で製作したものの、もう無理が利かなくなったので、完成してからどっと疲れが出て、結局今日の動作確認と相成った。

 やはりディスクリート・オペアンプはICベースのものとはクオリティというか情報量が基本的に違う。少しばかりセンターとサブウーファーのレベルが高いのでゲインを調整しなければならないが、ビョークなどよく知った曲のSACDマルチの新たな側面を発見して鳥肌が立った。勿論PCMのマルチもスイッチ切替で再生可能だ。
 これから我が家に遊びに来られる人は、新たなイリュージョンを体験されることだろう。


2012年5月17日  自作/改造は損か得か?
●今回いろいろと紹介した電源などの自作品は、概ね以下のポリシーで製作しています。
1.パソコン関係機器などの音質にの電源が及ぼす影響やその度合いの確認用に製作。

2.できるだけ高品位なプレミアムパーツを使い、高音質・ローノイズを目指す。

3.回路的には10MHzアトミックのように超ローノイズを要求する機器以外は余り凝らずに、まずは製作しやすく性能の良い3端子などで、全電源のリニア化を優先する。その後必要な場合はグレードアップを検討する。

4.ケーブルを差し替えて、様々な機器に給電できるように効率化する。

5.これら各機器電源の前段階として、基本的に1機器・1アイソレーション・トランスを壁コンとの間に入れてアイソレートし、グラウンドループを切ってケーブルによる機器間漏洩電流を減らすことに努める。

自作/改造は損か得か?

1.まず汎用品については自作はあまりメリットがありません。
2.高品位なプレミアムパーツを使いはじめると、がらっと様子が変わります。
 こういうパーツはコスト面、また補修部品としての長期安定供給の不安、といった理由でメーカーではまず使かいませんし、使えないケースが多いのです。
 個人の場合は1品モノですから、多少の予備があれば良いので、思い切り良いものを投入できるわけです。こうなると、音のクオリティもいつの間にか我が家の方が良い、という状態も起こりえます。(皆がそうはなりませんが。)あるいは市販品を使って気になる部分のパーツを交換して音質強化するという手もあります。

 これは皆さん自作/改造しましょう、ということを言っているのではなく、こういうやり方もあり、この場合はパーツなどとの音質の相関関係が実に良く分かってくるというわけです。電源もOEM外注するだけでは、トータルの音質について充分分からないと思うんですがね。


●やっとここまで来ました。

 例えばこのポゴレリッチのモーツアルトは実によくディテイルが録れており、木質感もちゃんと入っています。ピアノは単なる「パキパキ音」ではなく、指のキータッチによる音質・音量のコントロールやペダルによる響きのコントロールまで、恐ろしくニュアンスに富んだ楽器です。

 そしてこのCDのような細かい所の音は、楽器の近くにマイクがなければ充分に録れないもので、一般的なホールの中程などでは充分に聞けない音です。つまりこれはオーディオならではの可能性を意味しています。

 さあ音楽の時間です。


2012年5月16日  CD/HDDドライブ用電源の改良
●今回のシステム改良のもう一つは、CDドライブ/HDDの3トランス式電源の強化。ドライブモーター用のトランスを30VA→50VAに容量アップして、幅広い範囲のHDDを使用できるようにするのと、ノイズ対策など。
 右の写真のCDドライブにはPremium2用の33.8688MHz(下側の本体内蔵)とFirewire伝送用の24.5760MHz(上側の白いアルミケース)の2個の高品位クロックを搭載しているので、本来はこれを専用トランス2台に分けて、4トランス式にするともっと良くなることと思います。
 トランスやケースなども用意してあるのですが、こちらは大工事なのでなかなか腰が上がりません。


●上の写真が3トランス式ドライブ用電源ですが、左上が今回50VAに容量アップした12V用トランスです。右上はクロック用12V、右下は回路用5Vです。
 CDドライブからリッピングなどする場合にはCDドライブ用にこれを使い、HDD用には別途12V4Aの電源を使います。
 ここまで改良した電源やクロックのCDドライブだと、HDD側のクオリティがなかなか追いつきません。これも別途いろいろと取り組み中なので、ご紹介するかも。


2012年5月15日  我が家でも再度Voyage MPDが浮上しそうな気配濃厚
●ラトックシステムからUSB入力付きDAC「RAL-24192DM1」がリリースされ、昨日実機を聴きました。写真よりもずっとスマートな縦長の、しかしずしりと重い薄型で、真正面からオーディオグレードのDAC。
 定番のΔΣ型ではなく、今やレアなラダー型の24bit/192kHz対応マルチビットDAC「PCM1704」を、L/R各Ch.専用に2個搭載しており、自社開発アルゴリズムで制御してノンオーバーサンプリングです。腰の据わった表現力でなかなか良い出来です。S/PDIF同軸入力でも信号からクロックをリカバリせずに、内部のローカルクロックを使います。
 USB入力にはX-MOS上の自社開発アルゴリズムでEHCIの「High Band Widthモード」を用いて、Windows/Macでドライバーインストールなしに24bit/192kHz対応していました。一体感のあるしっかりとした音です。

 若い人に是非本格的なオーディオとして使ってもらいたい、という同社の思いで実売は20万を切るそうです。2012年6月中旬出荷開始で、特典付き予約受付中。

●で、特筆すべきは「Voyage MPD対応」という点です。USB DDCとして以前から同社の24192UT1を外部電源付きで、ワイスDAC2に同軸接続して使っていましたが、UT1はUSBフロントエンドとしていささか物足りない感は否めず、さりとてアンテロープのZodiac Goldは非常に良い音ですがVoyage MPDには対応しておらず、どうしたもんかなあと思っていましたが、我が家でもDM1をUSB DDC+DACとして一体で使う前提で再度Voyage MPDが浮上しそうな気配濃厚です。
 これはVoyage用のグレードアップとしてお薦めです。

●また同社のフラッグシップとなるUSB入力付きDACも現在開発中とのことで、こちらは10MHzルビジウムも入力出来る仕様で、特にアナログ回路に注力するとのことです。これでVoyage MPDを鳴らしたら、どうなることでしょう。

●この秋に国内オーディオメーカーさんからネットワーク・プレーヤーの中上級機が登場するらしく、こちらも楽しみです。


2012年5月14日  「聴こえるべき音をマスクする要素」
●原稿はあと1本となり、今週中には仕上げる予定だ。
 左肩や腕が痛くて眠る時も気になるとか、しんどいことはあるが、ともかくも穏やかな日々が過ぎていくことを心からありがたく思う。

●いま出来るうちに、自分の音とシステムについて出来るだけ手を掛けておきたい。気になることや改良予定の箇所にはちゃんと手を入れて、心おきなく音楽を聴けるようにしたい。

●「いま、せせらぐものに何かのたよりがきこえさうだ。」と言う風に鳴るためには、ではどうすれば良いのだろうか?

 まずは「聴こえるべき音をマスクする要素」を減らして行かねばならない。これはコネクター類やケーブルのようなパッシブなパーツも含めて、出来るだけ情報量の多いもの、言い換えれば出来るだけロスが少ないものを選別して行かなければならない。僕はこの40年間コネクタ類などを含めパーツの音を聞き分けて来た。もちろんすべてを聞ける訳ではないが、自ずと良いものは分かってくる。ワイスATT-202もその文脈の上にある。
  
●そしてマスクする大きな要素としての「ノイズ」を減らす、具体的にはノイズフロアーを下げる事だ。
 具体例を挙げよう。上の写真で「Wadia Digital」というロゴがご覧いただけると思う。Plitronの余剰在庫トランスです。我が家のプリはデンマークDACTのラインアンプ基板CT-101をデュアルモノで鳴らすため、同社の電源基板CT-102を2枚 ±20V出力で使っているが、その元電源として+48Vが必要だ。デフォルトは付属スイッチングアダプタでしなやかな音も悪くないのだが、トータルのレスポンスが欲しくてトランス式電源を自作している。これはDACTの仕様ではないので、当然自己責任。
 で、下の写真(タイバンド結束前)のここに使うわけですな。回路図はこちら。1次2次それぞれにシールド付きで、恐ろしくノイズフロアーが下がる。ちなみに巻き線の「・」はコールド側につなぐという表示。外側の巻き線のインピーダンスが低くなるので、ノイズ耐性などが改善される方向になる。

 この24Vをシリーズにして48V、それをパラって出川式第2世代整流モジュール、CPM、ポリプロのフィルムコンや既にディスコンのBlackGate NXなどを使い、高耐圧用3端子TL-783CKCに電圧調整用ポテンショメーター(Vishay Spectrol)をつけて48V出力になるよう調整している。
 アナログもデジタルも、この部分の構成の仕方でもう相当に音が変わる。

●電源トランスにシールドがあるからアイソレーショントランスは不要だ、などと短絡しないこと。シールドの中身と働く箇所が違うので、もちろんアイソレーショントランスも使っています。ちなみにプリアンプはいまのところアイソレーショントランス容量1KVAがトータルの音質面でいい感じなので、大飯くらいですが仕方ありません。機器側のヒューズは当然入れてますが、アイソレーショントランスの方も温度ヒューズ付きを選び、スイッチをつけて最初のラッシュカレントを流してから機器をスイッチオンします。たんなる言葉の印象だけで温度ヒューズなしのタイプを選ぶ人がいますが、僕は安全は非常に大事な要素だと判断しています。

●またこれまでチャンデバとカタツムリの高域/中高域用アンプ2台とでアイソレーショントランス1.5KVA1台を共用して来たが、これを独立したアイソレーショントランスにした。
 これでまたノイズフロアーがさらに下がるのが面白く嬉しい。アースやアイソレーションは理屈とそれなりの経験である程度は見当がつくものの、実際にはなかなかに難しく物量も要求される。トライしてみるしかない。
 まあこういう事をしなくても「音は出る」ので、それで良しとされるのももちろん道楽の世界です。しかしコンピュータ関連機器もケーブルで接続している実態としては、壁コンとの容量結合で「グラウンドループ」ができており、ノイズは機嫌良くケーブル内を行き来していると言うことは、刻み込んでおいてください。

●で、まあオーディオというのはアナログ電子回路がベースでありまして、理屈と経験などに基づく使いこなし(≒広義のソフトウェア)によって選択されたハードウェアという物量を要求するものなのです。そういうのを「オカルト」とか言ったりするのは、オーディオの知識と経験が全くなかったり、オーディオを分かっているのかどうかも非常に怪しいレベルの話だということ、それを丸わかりに露呈しているだけだ、ということを言い切っておきましょう。デジタルのフロントエンドの、それもソフトウェアレベルだけでは達成できないものが山積していると言うことです。
 もちろん僕は何でもかんでもアルミ削り出しとかの「ハイエンド」が良いとか言っているわけでは全然ないので。それは上の写真やこれまでの記事を見ていただければ、分かる人には分かっていただけると思う。

 問題は世界はもっと広く深い、と言うことです。


2012年5月7日 ああ、いま、せせらぐものに 何かのたよりがきこえさうだ。
 「竹林の七賢」
 
 さても黄色い円月である。             
 さても閑雅な竹林である。
 七人(ななたり)の賢い人、風月の友、
 この幽人たちの面持、姿、 
 その清らかさはかぎりもないが、 
 あまりに世の中からかけ離れた、 
 それゆゑの月の出が、
 明るい間近な光である。 
 ああ、いま、せせらぐものに
 何かのたよりがきこえさうだ。
 さてもこの良夜に
 言葉を失くした
 ひとつひとつの霊(たましひ)である。 
 近いやうでもまた 
 遠い銀と紫の世界の中である。


(北原白秋「水墨集」より)


2012年5月4日  あれこれ
「ネットオーディオ」vol.6を読む。エスペランサ・スポルディングのインタビューなどもあって、音楽関係の記事とリーズナブル価格の機器紹介と使いこなし記事が以前に比べてずっと落ち着いた感じになって良いと思う。隔月は大変だと思いますが、頑張ってください。
 やはりこの分野もそれなりにこなれてきた感じがする。今年は著作権(国外)、OS、DSDなどおそらくいろんな意味で分水嶺の年の一つになるだろう。
 メディアは腰を据えて自らも変化しながら、しぶとく頑張らねば行けない。先をちゃんと見据えた落ち着いた議論が求められると思う。

●「ストレージ研究2」の『「コンピュータ的性能・スペック」と「オーディオ的な音質の良さ」には必ずしも明確な関係はない。』という結論には、戸惑いも反発もあると思っていますが、「はずだ。」というのはもう耳タコです。僕のように沢山買うと別だけど、2~3個ならさほどお金が掛かる話でもなく、各自自分の耳と装置で刻苦勉励されたし。意見はそれから言ってもらいたい、ですね。
 まず手を動かす。耳で聞く。口を動かすのはその実績をふまえてから。

●これまで落ち着いてできなかったHiRezダウンロードをせっせとやっています。フランスのquboz.comなんかみてもHiRszでは例えばChanell ClasiccsなどHD Tracksあたりと重複しているレーベルも多くてゲップも出るけど、著作権が片付いたら増えるんじゃないかと思う。
 こういうサイトは実際にダウンロードしてみないと分からない事も多い。とは言え、財布も大きくはないので、何でもかんでもというわけには行かない。自然と各自の好みに応じて分担されていく形になっていくだろう。いつまでもオーディオ関係者が音楽データ評論をやっている時代ではないと思うが、音楽関係者もそろそろオーディオの勉強をしていただきたい。


2012年5月3日  1冊の本
●ここ何日か我が家は工房と化しています。ケーブルがとぐろを巻き、作業用テーブルの上には例えば電源ケーブルのスイッチボックスにするため端子台とスイッチ、ケーブルストッパーを取り付けたアルミダイキャストボックスや、絶対位相をスプリットするためのスウェーデンLundahlのトランスや微少電流用トグルスイッチ、さらには工具やケーブル、熱収縮チューブなどが所狭しと並んでおります。
 左手の調子が今ひとつなので、気を付けてゆっくりと作業していますが、こうして手を動かしていると何も考えなくて済むので、最良の気分転換の一方法です。
 ノーチラスのチャンデバ電源のアイソレーショントランスをパワーアンプと完全に別系統にしたり、いままでやらなきゃと思いつつまとまった時間がないとできないのでそのままになっていたタスクを、一つ一つ実行しています。アタマの中では構想を練りつつ、もう少ししたら依頼の原稿を書く予定です。

河合一さんの「デジタルオーディオの基本と応用」(誠文堂新光社)を買った友人達から「ハードルが高い」とか「難しい。」というメールが来ています。
 確かにこの本はかなり高いレベルです。しかし手元にあるだけで、何時か役に立つときがきっと来るでしょう。
 こういう固い本は少部数しか刷られず、それが売れると品切れになり、そのまま動きがなければ絶版になります。そうなれば折角技術者が勇気と決意を持って書いた本を、どんな内容か見ることすらできません。後に続く人達も出てこないでしょう。

 本書の一番の特徴は類書がない、という事です。前回の記事に紹介したような危機感を持って問題点を整理した本は他にはありません。例えば流行の「32ビット」の内容について、残念ながらきちんと紹介した業界パブリシティや記事を見たことがありません。本書では詳しい説明をしていませんが、「この32ビットであるが、結論から言えば、アナログ的にはほとんど無意味と言える。(中略)32ビットというワードを用いることは、=高性能化の誤ったイメージをユーザーに与えてしまう。」(p.133)とあっさりと結論づけています。
 こんな感じで「拾い読み」しても、あるいは「眺める」だけでも、何らかの意味でイメージは少しずつでも伝わっていくと僕は思います。
 ウイーンの友人に送るべく、僕ももう1冊買いました。あまり普段聞かないSACDを1枚買ったと思って、本書に投資していただければ有り難く思います。


2012年4月28日  いま自由な質問とオープンな議論を
今回の「PCオーディオfan 6」は全体として見ると、これからの動きやまとめ方をワイワイとやっている感じで、少しはこなれてきたと思います。自分がいま関心があることも関心がないことも、多様な流れの一つとして柔軟に捉えていただければ、とても有り難いです。
 
僕の「30のギモン」も、何でもかんでもCDを悪者にして、言葉の中身を詰めずイメージだけで説明してしまおうとする安易さに「待った」を掛けているだけで、これからの技術陣の活躍に期待しているわけです。大事なのはこれからのことで、過去の詮索など何の役にも立ちません。

河合一さんの「デジタルオーディオの基本と応用」(誠文堂新光社)についても、前書きの「また、個人/企業ブログ等でのデジタル・オーディオに関する記事も多く見ることができる。そんな中にあって、著者の個人的主観であるが、特に商品/技術解説における不可解、説明不能、誤った理解、誤解を与える説明といったケースに頻繁に遭遇する。」、あるいは後書きの「エンドユーザーは趣味の世界でオーディオを楽しんでいるが、一方での音楽ソフト制作、オーディオ機器設計・生産、デバイス開発・設計、雑誌メディア等はプロフェッショナルであり、ビジネスとして成立しなければ存続することはできない。そのための施策のひとつとしての販売促進方法やイメージ戦略を否定することはできない。但し、エンドユーザーに誤った印象や誤解を与える表現はある程度制限されるべきものである。」とあるのを見ると著者の危機意識も深いことが分かる。

 後書きに「著者自身は科学としての技術(理論と動作、実特性)と音質(聴感)との相関関係をより明確に出来る事を理想としているが、音質評価そのものが人間の感覚、主観要素に大きく影響されるものであることもあり、なかなかハードルの高い課題である。」とあり、年間100回以上ライブを聴きに行っておられると言うことも、強く共感できるところです。

「4.デジタルオーディオのキーワード」では以下の項目が上がっている。
 4.1.32ビット分解能の真実
 4.2.192KHzサンプリングの真実
 4.3.帯域外ノイズの真実
 4.4.SACDの真実
 4.5.オーディオDACの変換方式と音質

 そして「5.DA変換でのクロックジッター」は圧巻であると思う。

 
まだ全部を読了はしていないものの、これは全てのユーザー、業界関係者に必読書としてお読みいただきたいと思う。数式や測定グラフなどもあるが、文章は分かりやすく、繰り返し読む内にどこら辺りに問題点があるのかイメージが掴めてくるだろう。もちろん、もっと踏み込んで欲しいという箇所も散見されるが、本書のような必読書を少数の専門家だけのものにして絶版にでもしてしまったら、オーディオ界の大きな損失だと思う。
 ユーザーや業界関係者には随時参照できるよう、できるだけ座右においていただきたいと思います。

●もちろん本書はデバイス側からの見方であり、利用するオーディオメーカーさんなどのご意見もありましょう。しかし、自由な質問とオープンな議論が巻き起こり、それがこれからのオーディオ・マーケットを活性化していくことを何よりも望むものであります。


2012年4月27日  30のギモン
●昨日はUbuntu 12.04LTS Preciseが、今日はUbuntu Studioがリリースされている。といってもウブスタ君は Install/Live DVDでAlternate DVDではないので、そちらはもう少し待たなければならないだろう。
 現行の11.10 Oneiricも使っていますがなかなか大変で、どのデスクトップ環境でもJackを停止・終了できません。ま、様子見ですね。

●明日発刊の「PCオーディオfan 6」で一番力を入れて書いたのは「いまさら聞けない PCオーディオ 30のギモン」(P107)です。
 昨年はCD30周年ですが、もうCDの知識は風化しつつあり、デジタルオーディオの基礎知識もはなはだ心もとない実情です。その中で「CDはちゃんと読めてないが、PCオーディオではハードディスクで丁寧に読んでいるから、1.ビットパーフェクトだから、2.精度が高いから、PCオーディオの方が音質が良い。」などという見当違いも甚だしい話が蔓延し、あろうことかジャーナリズム各誌にも散見されるくらいです。この間全く音を聴かずに、ご自分で確かめもされずに、言葉のイメージとらしき理屈だけでついて行った、という構図が透けて見えます。まずこのあたりをちゃんと整理しておきたかった、というのが理由です。昨日のHDDでもそうですが「これはコンピュータの話ではなく、オーディオの話なんだ」と言うことが最近ようやく理解されつつあるように思います。
 もうひとつはPCオーディオと銘打ってはいますが、「デジタルオーディオの基礎知識」のイメージだけでも押さえておきたい、という意図もあります。

 いつも書いているように、僕はたまたまデジタルオーディオの手段としてコンピュータを使っているわけで、特にいろいろな事を調べて行くには各パーツに分けられるコンピュータが便利だとは思います。しかし結局はオーディオの中にコンピュータまたはその機能が包含されていく形が機能的・時代的に適切だと考えています。

●この間、支持してくれたり励ましてくれた方々は沢山おられましたが、実質一人で立ち続けているのは本当にものすごくエネルギーのいる事でした。血も流しましたし、傷も負いました。

●ただ、ここのところずっと気持ちが平安になっています。「30のギモン」の末尾にも紹介しましたが、干天の慈雨のような本が出たからです。
 河合一さんの「デジタルオーディオの基本と応用」(誠文堂新光社)です。ホンマモンの技術者が「ユーザーに『デジタルオーディオの真実』について理解してもらうことが重要であると、本稿の執筆を決意した」という意気込みで出版してくれたのです。ああ、これで無理して頑張らなくても済む、という安らぎがようやくにして訪れました。
 この本の事は明日書きましょう。


2012年4月26日  「コンピュータ的性能の高さ」と「オーディオ的音質の良さ」とはほとんど関係がない。つまりは「聞いてみないと分からない。」
●ちょっと前ですが、QNAPのNAS TS-119を買いました。写真でTS-119の後側の下の大きいのが12V4Aの自作電源「Power Cube 12」で、その上に載っている2つのキューブのうち上側のシルバーが5V約1.5Aの「Power Cube 5」です。左下の秋葉館製2.5inchケースに入っているのはFLAC等のマスターファイル保存用HDDです。
 写真は2.5incHDD上のFLACを解凍展開して、TS-119にWaveファイルを収録しているところです。ソフトはMac OSのXLD

●これまで常用にしていたTS-110の中身をアルミケースに収納しようかとも思ったのですが、まあVoyage MPDなど自宅での常用にはTS-119を使う事にして、TS-110は訪問先でネットワーク・プレーヤーなどに使えるようにするつもりです。それぞれのお宅のネットワーク環境はまちまちなので、その都度マニュアルで設定して追い込めるのを一つくらい持っていても良いか、というわけです。外に出て武者修行をしない人には何の関係も無い話なので放っておいていただければよろしいかと思います。
 
●28日発売の「PCオーディオfan 6」では「国産ネットワーク・トランスポートの粋を聴いていただこう」という趣旨で、読者宅にDPAT Technology 0037SFORZATO DST-01を持ち込み取材しています。残念ながら先方のDACとの相性によりDPATの方は音出しができませんでした。今回も他の複数機種DACなどで事前に動作確認した上で持ち込んだのですが、改めてこういう繊細な機器の持ち込みには入念な事前の接続機種確認とバックアップ用機材を十重二十重に準備しておく必要を感じました。
 内弁慶の人達からはいろいろと言われるかも知れませんが、僕の場合は外受けを気にして隠したりせず一つのステップとして、こういうことも前向きな材料として記事にしているわけです。

さて、この間、3.5inchハードディスクの音質評価をしていたことは既に書いたとおりですが、その結果を「ストレージ研究2」として「PCオーディオfan 6」に5ページにわたり掲載しています。
 一番強い印象は「コンピュータ的性能の高さ」と「オーディオ的音質の良さ」とは、ほとんど関係がない、という事です。今回は全て7200回転のHDDに統一したので、あとはキャッシュとかSATAの伝送速度や各種ハードウェアやファームウェアが異なるわけですが、「伝送速度が速いほうが音質が良い」とか「キャッシュが大きい方が良い」とかの一般的傾向や、決め手になるべき指標やスペックは特に見いだせませんでした。

 とはいえ、メーカー別に見るとかなりはっきりとした順位が見えてきて、とりあえずは
メーカーを手がかりに、その中で音の良いものを選別してシステムを構成していく、という作業が効率的かつ必要だと言えそうです。つまりは「聞いてみないと分からない。」と言うことで、これはプロオーディオの人達の感覚とも合致しています。

 おまけにSCSI(スカジー)はもう入手がほぼ完全に不可能なので雲の上に置くとしても、SATAよりは一昔前のIDE(PATA)のほうが音が良いんですね。「技術進歩はどうなっているのか?」というよりも、「コンピュータ的技術進歩は効率的なデータ処理のためのものであり、音質改善とは別物だ。」と考えるべきなのでしょう。
 詳しくは雑誌をご覧くださいませ。


●あ、ワオン・レコードのHiResサンプラー、それもPCMだけでなくDSDも沢山入っています。この機会にペアマイク録音の清々しい録音で、音場を空間を感じ取っていただき耳の洗濯をなさってください。


2012年4月22日  RMEとLinux
●LinuxのffadoドライバーがRME Fireface400/800にほぼ対応しているようです。

 数多く出ているRMEを鳴らせることはLinuxの普及にもつながるし、特にVoyage MPDでの良い知らせを各方面に期待したいものです。

絶対位相(Absolute Phase)の重要性をかなり前から感じていますが、まず一般的には何のことか理解されないだろうし、マッチングする効果は多分音を聴かないと納得してもらえないだろうと思って特に記事にしませんでした。
 昨日友人宅で、スピーカー端子の±を入れ替えて絶対位相を切り替えて試聴し、音質や音場のでき方がかなり変わることで、その重要性と録音によるばらつきに改めて感じ入りました。

 ちょいと仕込みをしておりますので、近日中には報告できるかも。

●遊ぶつもりが別の仕事が来たので、仕事の合間にとりあえず我が装置のあちこちをいじり始めています。ここ何日かはアースとSN。プリ電源に投入予定のPlitronのシールド入り電源トランスがカナダから発送ルートに乗ったので、このあたりが仕上げどころかな。


2012年4月18日  「PCオーディオfan6」校了
「PCオーディオfan6」は明日で校了、4月28日発刊予定で、Amazonでも予約受付中です。
 記事の内容はまた改めて書きます。

●IPv6恒久的対応のためにInternet Societyが提唱して世界的に実施されるイベント「World IPv6 Launch」(6月6日)が実施され世界的に以降が始まるまで、あと1月半を切ったが、先日書いたNTT東西のアホな話はそういう段階での事で、おそらく「サキオク~リ」されることは間違いなさそうだ。

 我が家は関電の「eo光」だが、これがレンタルの無線ルータを借りる契約している場合のみ認証し接続する、というわけの分からん状態です。問い合わせて「IPv6の主旨からしたら自分のIPv6対応ルータを使えないのはおかしい話ではないか?」と言うと担当者は「おっしゃるとおりですが、いまのところ無線ルータを使う場合のみ認証する事になっています。」との答え。
 「将来対応は?」と聞くと、「申し上げることは具体的には現在ありません。」との答え。「レンタル料金が惜しくて言っているのではなくて、性能的にも趣旨的にも自前のルータが使える状態にして欲しい。早急に上に上申せよ。」と要望しておいたが、はてさて上は維新の会で浮き足立って、できるだけ自前で課金したいというスケベ根性のままで何も考えていないのだろう。
 2000年問題は大騒ぎしたのにね。


2012年4月12日  オワネット、オワ日本
●ほらね。
次世代ネット「IPv6」移行 日本は乗り遅れるのか
NTTの「鎖国体制」に課題


要するにNTTの茶坊主どもが、ガラパゴスなNGNというのを作った。もう何年も前に警鐘は上がっていたが、これが日本的組織。仕方ナーイ。

先進サイト使えぬ恐れ グーグル副社長が警鐘


●え~コンピュータというのは基本的にはアホです。IPアドレスが重複するとか、何かにぶつかってしまうとフリーズして設定も変えられない、というのは良くあるケースです。こういう時は再起動、リセット。

 人間の場合、柔軟性はあるのですが感情の動物なので、気持ちの上で固まってしまい、意固地になるというのは良くあるケースです。再起動、リセットできないのが辛いところで、できるだけ考えないよう努力する他はありません。


2012年4月9日  「遊び」と「余裕」が無ければ楽しくない。
●3泊4日で東京滞在。取材や打ち合わせ、原稿書きですが、この機会にといろいろやるので、いやあ結構疲れました。今日は整理しながら残る原稿の段取りを考えましたが、体が水分のみ求めて食欲がないことや、必要な資料機材群が明日にしか届かないので、メールも開かず1日休養と決めてひたすらゆっくりとした。
 窓を大きく開けて外の空気を取り入れて、陽がかげりゆくにつれて移ろいゆく室内の暗さを楽しみながら、まどろみと追想のほの暗くゆったりとしたうねりに身を任せていた。

やはり趣味道楽なので、「遊び」と「余裕」が無ければ楽しくない。なのにどうも防衛的というかある種の守りの意識の高い人に会うことがとても多い。人を信じる方が結局周囲に振り回されてしまった被害者意識などが加わると結構根強くもなるようで、話がそこにさしかかると表情が硬くなり、こちらもそれと察するとインパクトの高い話題は避けるので、まあ無難に行った方が、となる。
 でも、心のガードを下げて武装を解いていただければ、本当はこんなものは何とでもやり様があるので、具体的に切り分けて、過去の資産を活かし、基礎的な知識にかなった形で、かつ新しい知識を活用して再構築していくことは充分に可能だと思う。(基礎知識が充分に普及していなかったため、時間が経って気持ちが先に固まってそれに併せて理論武装を重ね続けてしまったのでしょう。残念な事です。)

 本当にやる気と勇気があるなら、手づから試して「音を聴けば」AB比較系など半日もかからずにいろんな事が分かる。これだけの事だ。なのに「挙証責任」を相手に押しつけて、「納得させられるものなら、納得させてみろ。」という風に構えれば、結局は思い込みが耳を殺す事だってある。

 「うちはこれなんだ。これで行くんだ。」という決めつけが、このように遊び心を殺してしまうのはとても残念な事だ。違う可能性を同時に走らせていれば、その時々でいいとこ取りもできるだろうし、一時的にせよ問題を忘れられれば結構心は楽になって、また息づき始める。「ハイブリッド的生き方・やり方」って、そういう意味でも必要だと思うのですが。

ネットワーク環境の肥大化も今後問題になるだろう。動いてはいるがやたらにややこしい接続、優先無線入り乱れて、しかもネットワーク中継機器に古い機種が多ければ、パフォーマンスや信頼性低下も避けられない。
 どうもオーディオ用に既存ネットワークの抜本的な再編成をお薦めするか、別のネットワーク環境新規導入をお薦めするか、という時代が来ているようだ。


2012年4月2日  揃い踏み

●上の写真はワイス MAN301 。右下のApple タイムカプセルをWiFiルーター兼NASとして使い、iPadからリモコンする。
 スイッチオンして時間がたつとともに音はどんどん変貌して、抜けが良くてしかも深く精緻な音場が展開する。CDをリッピングしたタイムカプセルごときで、アトミック10MHzクロックも入れずにこんな一体感のあるハイグレードな音を出されたらとてもじゃないが溜まったもんじゃない。ながら聴きするつもりでもつい耳をそばだててしまう。USBメモリ Pico Boostに収録したHiResはこれまた凄い。精密感と彫りの深さではMacBook Pro+ウブスタ君+Orpheus+OCX+Stanford アトミック級10MHzクロックSC-10も負けているところがある。うむむ、どうしてくれようか。
 これはプロトタイプなので、まだ4倍速でのCDの音は聴けていない。ふむん。

●下の写真はDPAT Technology Model 0037 Continuum Perfectionで、アンテロープの10Mアトミック10MHzクロックジェネレーターがセットになっている、スタジオでの検聴機を母体とするプロの現場からやって来た超弩級機だ。このドーンと迫ってくる突破力の凄さには恐れ入る。ジャズやロックのファンは溜まらないと思う。


 高価なネットワーク・プレーヤーの揃い踏みだが、いずれ出てくると思われる欧米の超高級デジタル・ミュージック・プレーヤー群に比べればむしろ安く思えるようになるかも知れない。いずれにせよ、ハイエンド・デジタル・ミュージック・プレーヤーではインデペンデント系のDPAT TechnologyとSFORZAT(これも素晴らしい高音質機器!)が国産では気を吐くのみで、後は海外勢に持って行かれる事になるだろう。


2012年4月1日  巻線間シールド入りカスタム・トロイダルトランス
●少しばかりスペシャルな情報。カナダのPlitronのトロイダルトランスは高音質で知られている。
 そのe-catalogつまりオンライン通販のページの右下に「Surplus Stock 」というのがあって、そこをクリックすると様々なメーカーのOEM製品の余剰ストックが格安で販売されている。

 以前巻線間にシールドがきちんと入っている事に注目して、この「48VA Custom Toroidal Power Transformer. 4 Outputs: 24V x 4 」を買ったことがあって、届いてみたら何とWadia Digitalの表示があった。デジタル機器用の電源トランスですね。

 プリの電源には別のを使っていたので、フォノイコの電源トランスと交換したらノイズフロアがぐ~んと下がって驚いたのを覚えている。で、今日HDDのモーター用12V用を50VAにパワーアップする注文のついでに見たらまだあったので、プリ電源用に1個注文した。プリのSN比はスペックでは-112dBとなっているのだが、これで実質的なSNがぐ~んと上がるだろう。

 同種の巻線間シールド入りのものとしてはWadia用かどうかは分からないが、「60VA Custom Toroidal Power Transformer. 2 outputs: 15V @ 1A and 15V @ 3A. 」というのもあるので、まだまだ円が強い今だから試されては如何だろうか?

「日本株売買シェア、外国人が65%に 11年度 最高更新」という現在、「今年に入ってからの買越額は1兆1000億円を上回る。」のだそうです。消費税増税に失敗したら、「増税余地有り」というだけで保っている張り子のトラの日本国債格付けが崩れて、「日本売り」基調になる可能性は高いだろうから、本当に今の内かも。


2012年3月31日  旅への誘(いざな)
●さて3月も終わりだ。春の声が聞こえるようになれば、気分を変えたい。
 まあ立場上ですがこれだけネチネチと種蒔きすれば多少は伝わるはずなので、それで少しは答えを待ち望む下地ができるとして、一段落にしましょう。

●試聴機器がいろいろと届いているので、週末から来週前半はそれで遊ばせていただいて、後半は東京で取材などこなす予定です。

●4月後半からは怒濤のごとく遊ぶ。月末のPCオーディオfan No.6発刊まで自分のことをやる。ダチの手助けをする。音楽を聴く。それから旅行をする。

La, tout n'est qu'ordre et beaute,
Luxe, calme et volupte.
(L'invitation au voyage - Charles Baudelaire)

おお、そこでは一切が秩序と美、
豪奢と静けさ、そして逸楽。
(「旅への誘い」ボードレール 「悪の華」から)


2012年3月30日  微笑み返し
●トラブル解決が必要になり、サポートの依頼が掛かったので新大阪に急行した。無事解決してほっとしながら帰路についた。明日からはまた原稿書きと試聴だ。

●僕は皆が力を合わせればもっと良くなるのに、と考える人間だ。というか、だった。しかし昨今の状況はどうだろう?俺が俺が、俺は俺は、ばっかりで、おまけにKYして情勢が変わってきたと見れば、すぐに手のひらを返す。丸見えなのにね。
 もちろん何も決められない、先送りの、ツケ回しのジーサン・オジサンたちの責めも大きい。あちこちツケばっかり。花見酒の経済では済まなくなる日がくるのはそう遠い事ではなさそうだ。Sigh!


2012年3月26日  覚書のような、メモのような
●4月28日刊行予定のPCオーディオfan No.6の「ストレージ研究2」でのHDD関係の音質確認作業がようやく一段落しました。

こう沢山さわって音質の違いが見えてくると、メーカー毎に個性も見えてきて、少しかわいくなってきました。中のデータのそれぞれは見えないものの、メディアとしてのHDDの中にちゃんと存在していて、そこからCD-Rに焼いたりUSBメモリなどのメディアに書き出したりもできて、存在感は明確にあるんですが。HDDって磁気の強さでゼロイチ判別している立派なアナログ電子機器ですし....。

 何故愛情が持てないか?←技術的な事が良く分からずイメージが描けないから←なぜイメージや技術的な事が分からないか?←デジタルの基礎知識が普及していないから←何故デジタルの基礎知識が普及していないか?←情報が充分に行き渡っていないし、オーディオ関係者はハードディスクのことなど勉強しようとも思わないから。(調べもせず言葉のイメージだけで、平気でリッピングなどについて書く人達。)...続く。
 てな所ですか。やれやれ。

 ああ、ひとつ忘れていました。オーディオ製品と違ってパソコンやその周辺機器については、「ご説明」してくださるメーカーさんや代理店さんがおられない、というのも基礎知識面では大きな理由だと思います。

一番重要な情報はデジタル再生において、モデルである標本化定理の前提条件が現実には成立せず、あれこれカバーしながらも全体としては元のアナログ音の「近似」であると言うことです。近似であるからこそより良い近似に近づく努力ができるし未来に期待が持てるわけですから、何も「近似」であることを悪いと言っているのではありません。

 例えば昨年が発売30周年だったCD草創期の開発者の一人天外伺朗さんは「・・・標本化定理というのは、確かに指導的な定理なのですが、これはあくまでも理想状態の話であり、現実はこんなにうまくはいきまへん・・・・」とそれを指摘して、なおかつ特性を10倍以上改善したと胸を張っておられる。技術者として誠に素晴らしいではないですか!(天外伺朗「デジタル・オーディオの謎を解くーCD・DATの科学と開発」講談社ブルーバックス 昭和62年3月


さてオーディオ的に一番重要なDA変換はどこまで近似の度合いを高めているのでしょう?そんなこと急に言われても分からないですよね。ほとんど情報がないから。つまりやることはしっかり残されているわけですが、それが課題として浮かび上がっていないわけです。
 デジタルでやるべきことは沢山あります。それが表出しされていないから、例えばコンピュータ系の人達から「ああ、もう終わった話ですねえ。」とか言われて、参入者も少ないわけです。まあ、電子出版も本当にビジネスになるかどうかはこれからでしょうが、あちらの活気に比べて寂しいこと。


●Ubuntu Studio 11.10で、exFATでフォーマットしたFirewireの HDDがいつの間にか自動的にマウントされるようになっていました。といっても我が家はボガーニさん(ppa:abogani)のrealtimeカーネルに加えて、fuse-exfatもインストールしてしてある環境なので、既にアップデートされていたのかも知れません。exFATのUSBメモリはまだ自動的にマウントされないのですが、exFATは音質が良いのでHDDだけでもとても助かります。デスクトップ環境は、Xfceでは問題が多いので、いまはGnome Classic (No Effect)です。

 ちなみにUSBメモリやWin/Mac/Linuxで使うHDDのファイルシステムは通常FAT32ですが、MicroSoftが提案しMac OSもサポートしているexFATは4GBオーバーのファイル対応を含め、全体としてパフォーマンスが良くなっています。HDDもその例に漏れず、「コンピュータ的性能」と「オーディオ的な音質の良さ」は必ずしも、というか大抵は一致しないことが多いのですが、exFATは大当たりで、音質も良くなります。

 でも、リッピングし直すのは、4月末に雑誌を読むまで待ってくださいね

●MacBook Pro 8.3 上にインストールしたUbuntu Studio 11.10(64bit)上で、サンダーボルトが認識され動作しました。おお、いつの間に!やったぜウブスタ君。
 Linuxで良いことが続いてます。


2012年3月15日  アースの真実
●昨日回路について辛口のことを書いたのは、例えば「アースラインへの各接続ポイントは0ボルトだ。」と思い込んでいる人がいたりしたからだ。「電圧でゼロイチ判別するとしても、アースは0ボルトだから、そこを基準にした値は精確であり、やはりこれはデジタル回路じゃないか!」ですって。笑わせてくれるなあ。わはははは。
 電圧で取り扱う以上はアナログだという以前に、電圧もアースも不動のものじゃないっていうことなの!

 実際に電源でも何でも回路を組んでみて実測すると、シャーシアースを落としたポイントと、各回路のアースポイントとはミリV程度の電圧、つまりは電位差があることを知っているだろう。
 つまりは「アース」とは各回路のアースポイントの電位差を強制的にゼロにしようという仕組みの事である。ちなみに「0」というのはインド人が「発見」したとされているが、「0」は特定の値であるとともに、むしろ「設定した目標値」であることが多い。

●具体的に整理してみよう。


(1)上図のアナログ増幅回路でA回路とB回路のアースポイントがともに0ボルトである場合。
 この場合、E:A点・B点間の電位差、I:A点・B点間に流れる電流、R:アースラインの抵抗値、と規定しよう。
 オームの法則によりE=IR、つまり
 ①アースラインの抵抗値がゼロである場合
 ②A点・B点間に流れる電流が0アンペアである場合
 のどちらかの場合でなければ、A点・B点間の電位差は0ボルトにはならない。
 しかし現実の回路部品では基板のベタアースであれ、アース線であれ、抵抗値がゼロである素材はあり得ない。
 したがって、②の場合しか現実的にはあり得ない。しかし、これはB回路にはトータルとして全く電流が流れないことを意味するので、アースとしては実際の意味をなさず、増幅作用は期待できない。

(2)A回路とB回路のアースポイントがごく低い電位差である場合。
 この場合はR(アースラインの抵抗値)が有限の値であっても充分に低ければ、A回路・B回路の両アースポイントがごく低い電位差で有るというのはB回路に電流が流れる事を意味するので、こちらが適切なケースである。

 繰り返します。「アース」とは各回路のアースポイントの電位差を強制的にゼロにしようという仕組みの事である。
  デジタル的に見れば2値状態を閾値(しきい値)により電圧で判別して、1と0、あるいはHとLとするわけで、アースの実態を知れば、これらの信号値も閾値も電圧的には「不安定な状態」に置かれていることをイメージできるだろう。これらの信号値や閾値の揺れが「ジッター」をつくり出す。

(上がデジタル回路の入力電圧のイメージで、下がデジタル出力されるイメージ。実際はどちらも綺麗な直線ではなく、この図はどちらも理論モデル図である。)

●ちなみに今回はシャーシアースを取り上げたが、一方で他の機器のシャーシアースとの相対的な電位差や電源ケーブルのアース接続の状態、あるいは大地のアースなども実際の回路では考えなければならない。
 さらに壁コンと各機器の間がアイソレートされていなければ、機器間漏洩電流がケーブルのアース側を通じて流れるので、グラウンドループ・ノイズもまた厄介な問題である。
 庭に大地アースを打ち込む、といっても、現実には第三種アースをきっちりと実現するのは至難の業だ。

●デジタル機器やコンピュータといっても、中身はデジタル情報を取り扱う超広帯域アナログ回路である。なので、ノイズ対策を講じるにはこのような事をあれこれと総合的に考えなければならないのです。


2012年3月14日  電源団子3兄弟
ウブマガVol.7が発刊されています。オリジナルNASのところなど秀逸に面白いです。
 Mocchiさんもこのサーバー特集では本名で出ておられます。ヴォランティアとは言え、仕事の傍ら原稿書きは大変だったでしょうねえ。
 実は僕も基本的には同じような立場で、生涯最後の道楽と決めて採算度外視でパートタイムにほぼ執筆オンリーでライターをやっているので、むしろ彼等と同様に「オープンソースのライター」と言った方が適切なくらいです。あるいは技術系のライターさんもその部類の方が多いようです。
 なにやらjuubeeさんがオーディオ評論家業に同情を寄せておられますが、僕はその標準的な例とは全く言えない人間なので、先生方も同列にされてはお困りではないでしょうか。
 ああ、母の介護のことも成年後見人のこともちゃんとやらねば。

久方のご無沙汰でしたが、今月9日発行の「オーディオ・ベーシック」には、連載「ちょっと趣向を変えまして」第2回目としてウイーンの楽友協会ホールの響き、2つめの連載企画「実践的コンピューターオーディオ整理学」第1回として「サンダーボルトその後、ウインドウズとMac、そしてOS達のこれから」として基本的な展望を試みています。時あたかもスマホ&タブレットへの移行で、Windows PCは売り上げ減、MacはiPhoneやiPadのハロー効果で売り上げ増するも今夏のMountain LionでさらにiOSに近くなりつつあり、やはり目が離せません。またLinuxについては今回出揃ったプレーヤー製品はいずれも具体的なハードウェアを前提として、プロフェッショナルが細部まで作り込んだ環境であり、単なるディストリビューションと同じ扱いをされたとしたら、全く持って可哀想だとしか言いようがないです。
 そのワイスMAN301の概要にも触れているので、併せて読んで考えていただければと。


●4月下旬刊行予定の「PCオーディオfan No.6」が動きだし、確定申告もやらねばならず、でもあまりに寒いので先週末は沖縄に避寒行をしておりました。いやあ暖かいのは良いです。これからは毎年厳寒の頃の1月程度だけでも沖縄に住もうかね。
 っと、友人の所で①CDドライブ Premium2の総リニア電源化、②10MHzアトミッククロック Stanford SC-10の電源取り換えのお手伝いをしてきました。

 写真にあるのが①で、Premium2のドライブモーター12Vにはエルサウンド、Premium2とFirewire出力回路5Vにはラトックシステム、またPremium2内部のクロックをD-Clockに換装しているので、その専用電源15Vにはエルサウンド特注電源をそれぞれあてがっています。3台重ねて電源団子3兄弟。


 また②では市販の組込用電源を使って、よりノイズと高域応答性を改善しています。この配線はやや応急的な感じで、また関係先のノウハウに関わる部分もあるので、写真は載せていません。

 音の反応だけでなく、より深く静かに表現力がぐんとアップし、時間とともにさらにそれが強まり、良い効果が持続的に出てきたのには友人も驚いていました。

●でもね、上の写真を見るだけでは、肝心のポイントは何も分かりませんよ。
 配線のチェックも細かく行い、適切な半田付けの工夫もしていくには、コネクタの知識だけでなく、失敗も含めた経験から学ぶ謙虚さが必要です。失敗を恐れて自分のフィールドだけを狭く守ったりする昨今の風潮の人や、写真付きの記事の通りにやっていけば、などと言う俺は何でも知っている感覚の人には向きません。コンピュータはいざ知らず、オーディオというのは基本的にアナログ的な事に尽きるのですが、あるブログの記事を見て学習意欲のないところに学習能力はないと思い知ったので、友人達に役立てるほかにはそういうノウハウについては書くような無駄はせずに、墓場に直接持って行くことにしませう。


2012年2月25日  空気の音
●昨日はワオン・レコードの小伏さんが遊びに来られて、二人でSFORZATO DTT-01やVoyage MPD、Ubuntu Studioなどを聴いて遊びました。SFORZATOさんからはアクセサリーもお借りできたのですが、その辺りも含めていろいろと細部まで判断できたのは2人がかりのおかげです。

ワオン・レコードはamazonやiTunesなどでも扱われていて、いろいろと反響があるそうです。
 実はこのレーベルが基本としているペアマイク方式やワンポイントマイク方式で録音すると、位相特性が優れているため、部屋の中の空気が動いている音、つまり耳には「し~ん」と聞こえる音も収録されて、マイクで録ると「サー」という僅かな音が残ります。決してノイズではないのです。
 で、これがちゃんと聴こえるかどうか、どのように聴こえるかで、装置の素性がかなりよく分かります。
 良い録音には物凄く多くの情報量があることをご理解下さい。

●「サー」という僅かな音が入っている名演・名録音のひとつ。矢野顕子「ホームガールジャーニー」この1曲目「Paper Doll」で彼女が手を叩いてハンドクラップしていますが、その位置がピアノの鍵盤側に向かって動いているところや、1回ごとに叩く強さが変わっているところなど、ちゃんと「見えて」いますか?

●飛び込みの原稿にかかりつつ、我が家のネットワーク・プレーヤーVoyage MPDの電源などに手を入れています。本体ケースも入れ替える予定です。


2012年2月23日  シンデレラと1394b
●暖かくなって体が楽になってきたので、気分も和らいできました。寒がりの主人が暖房を入れるので、窓辺のシンデレラが花を咲かせてしまいました。すまんのう、みんなワシが悪いんじゃ。グス。

 入院中のお見舞いにもらったので、もう15年以上のお付き合いになります。サボテンはタフですわ。

●HDDとの接続用に、Firewire800(1394b)ケーブルでかなり使えそうなのを見つけました。Audioquest 「Carbon」です。両端9pinの1.5mを試しましたが、カテゴリ7(単線)+両端Sonnet アダプタに比べて少し甘いところがあって、スケールがややダウンしますが、かなり良いです。
 少し前の記憶なのでやや曖昧ですがアコリバの単線と、結構良い勝負するように思います。だったらコストパフォーマンスでCarbonというところでしょう。
 こちらも試しました。世界最上級とはまた大げさな。汎用品よりはメリハリがあって良いけれど、ちょっと大味な感じところもあるかな。でも値段は圧倒的に安いので、それを考えると頑張っています。


2012年2月21日  音楽あれ。
●いろいろ意見はあると思いますが、デジタルオーディオでは音質のためにやるべき事、出来ることが沢山あります。
 僕等の所に集まってくる質問を見ていると、CDスタート時から30年の間に、整理されていないことが沢山有ることが分かります。例えばクロックがデジタルのキモ中のキモであることが、殆ど理解されていないのは何故でしょう?デジタルオーディオの全体像や基本さえ広く理解されていないので、話の接ぎ穂もないケースがしばしばです。「一言で言え!」って?それは基本が出来てる場合に初めて出来ることですよ。基本も出来てないのに、一言二言できっちり出来るわけが無い。
 すぐにCDを悪者にして「言葉」で逃げる。デジタルの基本は時間軸・振幅軸のフォーマット、つまりはサンプルレートとビット数でしょう。CDプレーヤーは読み取りの「精度」が悪くて、PCオーディオになると丁寧にデータを読むから「精度」が良く音が良いって?
 CDトラポは基本等倍でHDDは7200回転とかですし、どちらもエラー訂正の仕組みを持っていますが、そのHDDがどのように丁寧なのですか?「精度」って何なんですか?16/44.1が勝手に18/48に増えたりして「精度」が上がるのですか?
 やれやれ、だから沢山あるんですよ。自分のツケは自分で払って下さいね。アノネオッサンワシャカナワンヨ。

●何故Linuxか?
 もちろん音の良いOSであり、Win/Macではサポート外になってしまうレベルまで音楽再生専用機に徹底的に環境整備できる、と言うことの他にももう一つ答えがあるからです。
 それはソフトウェアベースのコンピュータであり、かなりのことがソフトウェアで対応できるわけで、例えばワイスMAN301がDSD再生対応を予定しているのもこの一つです。勿論ハードウェアの制約はありますが、チップ&ファームウェアベースに比べて自由度・機能拡張度が大きい、と言えるでしょう。
 実は上記の「音質のためにやるべき事、出来ること」もいちいち説明しなくても、それがちゃんと製品に体現していれば良いわけです。
 おまけにGNU/Linuxなしにネットワーク・プレーヤーも、DVDプレーヤーも電気冷蔵庫も洗濯機も出来ないし、動きません。コンピュータ技術はインフラの最たるものであるのです。

●ヨハネス23世は法王メッセージの中で言っています。「教会のために人があるのではなく、人のために教会があるのである。」「もしイエスの御言葉が地上に実現されるならば、教会は無くなっても良いのである。」
 不遜ながら言い換えれば「音楽再生のためにPCは用いられるのであって、良き音楽再生が製品という形で実現されるならばPCはバックグラウンドの黒子であっても良いのだ。」そして新たな地図を作るために、PCを手に知的音楽的冒険の旅に出ることも、また人の子の技であるのです。音楽あれ。

 潮目が変わろうとしている。Tide is turning.
 刮目されよ。


2012年2月19日  ご当地滞在中
●お寒うございます。いやあ、少しリカバリしてきました。


 その理由の一つはご当地滞在中のこれです。





 もうすぐSFORZATOがやって来るさあ、と思いながら仕事していたら、先週末に来てくれました。
 DAPT Technology 0037SFORZATO DST-01WEISS MAN-301、これらのプレーヤー/トラポ達が一つの縦糸で結ばれて、冬の夜空のオリオン座のように輝き始めました。縦糸とは言うまでもなく「Linux」です。今年はこれらの星々を見上げようと、先月個人的にSFORZATOをメーカー訪問してきました。出会いは2(3?)年前の東京ハイエンドオーディオショウで、その時はまだ音が出ませんでしたが、設計者の思いはよ~く伝わりました。三浦孝仁さんが導入されたり、その後の令名はご存じの通りですが、「Linux」という新しい角度から光をあてるべくメーカーさんの御厚意で半月ほどお借りできました。

●AES3つまりXLR端子からのシングル出力で、後方左側に見えるWEISS DAC2に接続しています。DST-01はXLR端子2個でデュアルAES出力も出来て、DAC2もデュアルAES入力出来るのですが、ちょっと仕様が違って試せないのは残念至極です。
 あ、すぐ横のラタンのバスケットは香港で仕入れてきたアンティークです。

●重いです。恐ろしく重く、ずしりと言う重量感は本物です。無線ルーターなども送って下さいましたが、環境に対する対応は恐ろしく素早く、早速我が家のネットワークの一員となってぬくぬくと暖機中です。クロックジェネレーター単体としての出力もあるほどですから、その部分を味わわずしていかんせん、という一言に尽きます。写真はThe Moody Bluesの「Days of Future Passed」24/96(HD Tracks)再生中で、HiResにはプログレが一番良く合うのかも知れません。そしてこれなど届けば、また良きことかも。
 iPadでのMedia Link Playerリモコン(iPhone Apps2倍表示)は非常に良い感じで、NASの楽曲を「フォルダー」単位で表示してくれるのは大助かりです。(これができるとツリーに囚われないので、DBは不要。)

 では詳しい感想は後日、また場を改めるかどうか、は分かりませんがいずれまた。


2012年2月17日  凄く寒かった。その間、ずっと痛かった。
●先週から今週初めに掛けて凄く寒かった。その間、ずっと血行不良で特に左の肩と手が痛く、断続的にしか眠れなかった。60歳を越した一昨年くらいから特にひどいので、これではウチナーンチュ達の寒がりを笑うどころではない。目ざめて起きると手が縮かむので、部屋を暖めてストレッチしまくって、家の中で手袋もしてキーボードを打てるようになるまでかなりの時間が掛かる。寝るときは風呂に入って逆の手順。いまは冬ごもりだと思って、頑張るしかないか。ああ暖かい島に行きたい。

●MacのFirewire800端子にケーブルをどう繋ぐかには結構悩んでいる方も多いと思う。音の良いFirewire800ケーブルは、今週も一つ取り寄せてまあまあ程度の結果とか、探す努力はしているけれども一応速くても音質とは別物なので、これという抜きんでたものが見あたりにくい現況で書く気になるほどのものはありません。
 で、400のケーブルを使うとして、800-400アダプタのあちこちで入手できるものは結構ぐらぐらで、ときどきハードディスクの認識に時間が掛かったりします。いろいろやってみてアダプタの結論はこれです。
 「Sonnet FireWire 400 to 800 Adapter FAD-824 」。もう一つ「FireWire 400/800変換アダプタ SON-FW-000005 」というのもありますが、オーダーすると結局こちらが来ます。

 @1,940と高価ですが、樹脂製のハウジングが微妙なサイズでコンタクトは安定しています。ただし、全体に大きいので当然反対側は下がります。これを安定させるには下側にノートの高さに合わせてゴムなどを張るとOKです。両面テープは弱いので、カットしたソルボセインをゴム系接着剤で付けています。気になる向きはさらにマジックテープなどで隣り合う端子と縛るとモアベターです。


2012年2月5日 出ました、出ました。
 出ました、出ました。

 キットフォームで価格も頑張ってくれました。最新のルビジウムを使ってリニア電源のスイッチオン直後から約10分でウォームアップ完了。有償レンタルで効果を自宅で事前確認もできます。

 いやあ、ラトックシステムこれで本格的にオーディオ市場に殴り込みですねえ。


2012年2月4日  東京での収穫~SFORZATOとWEISS
●先週東京に行ってきました。
 一つにはSFORZATOを個人的にメーカー訪問してきました。いろいろありますが、BNC出力を持つ内蔵クロックが単体クロックジェネレーターと同程度の質であることを知ったときには、「こういう大事なことをもっとユーザーに伝えないと......。」と思わずアドバイスしてしまったくらいです。
 内容的にはARM周りの組込用Linux 64bitに必要最小限の機能を付加したLinuxベースのネットワーク・トランスポートです。実に清々しい音でした。
 改めてじっくりと自宅でも聴かせていただきたい旨お願いして、まだ雪が消え残るきりりとした日野市を後にしました。

●その翌日聴いたのは、KentがひっさげてきたWEISS MAN301です。詳細は記事で書きますが、これはUbuntu 64bitをベースに、あくまでベースにして、再生アプリや制御関係も全てワイスの開発チームが書いたアルゴリズムだそうです。その内蔵クロックもBNC出力を持っているように、あと必要なのはルビジウムなどのアトミック級クロックだけという質の高さでした。
 そして自社開発のDVDドライブを内蔵しておりCDプレーヤとしてもすぐに使えるのですが、これだけ書けば分かる人には分かってもらえると思いますが、それを「4倍速」で回転させるメカトロのアルゴリズムもリッパーもワイス製なのだそうです。つまり本機によってCDドライブ問題はほぼ決着してしまうだろう、と言うことです。
 USBどころかFirewireの外部HDDも使えるなど、予測していたよりもずっと多機能でした。制御や表示は全てiPad側に集めており、その専門の開発スタッフもいるくらいシンプルかつ高度な制御で、これはパソコン慣れしていないユーザーにも、しているユーザーにも人気を博すだろうと思います。本機1台だけであっけないくらいに簡単な操作で凄い音が出るがために。シンプルで画面遷移が少なくかつ多機能で、一方本体は一切の制御・表示にも関わらず粛々とコマンドベースで動いているがために。
 リリース予定の3月には我が家にも来てくれるので、さらに詳しい事を報告できるでしょう。

●これら2種の「Linuxベースの再生専用機」を聴いて、必ずしもコンピュータに詳しくないベテランオーディオファイル諸氏に告げたくなりました。夜明けはもうすぐ来るだろうと。価格相応あるいはそれ以上の値打ちがあるだろうと。

●KentのヒントでUbuntu Studioも強化できました。なんなのでしょうね、尻尾まであんこの詰まった鯛焼きのような、この充実感は?

2012年1月31日  「ダイレクトドライブはなぜ滅びたか?」~スペック盲信の果て
 もう時効だから書いてもいいでしょう。以下の話は僕の個人的推測も含めて、ほぼ当たっている話だと考えています。

○ダイレクトドライブと「クオーツロック」

 レコードプレーヤーのフォノモーターで「ダイレクトドライブ」というのがあります。本当はダイレクトドライブはかなり優秀な音の良いものがいくつもあったのに、一部DJ用以外では、オーディオ用としては全く消えてしまいました。もちろん基本的にはLPそのものの生産が一部をのぞいて実質的に終わったという背景がありますが、現在でも少数ながら発売されているレコードプレーヤーはあっても、ほとんどがベルトドライブになってしまったのはなぜでしょう?

 それは音質的に「クオーツロック」によるPLL制御と関係があると僕は考えています。僕が以前メインで使っていたデノン DP-80はクオーツをオンオフできる希少な機種です。(人に貸したのですが、何度メールしてもなしのつぶて。早く返してほしいなあ。)

 例えば分かりやすい説明としては「オーディオの足跡」サイトで、ヤマハYP-D71について
 「FGサーボは、ターンテーブルの回転に比例した周波数を発生するFG(Frequency Generator)の回転速度を制御する構造となってます。」
 「このクォーツロックPLLサーボはFGからの周波数と水晶発振器で発生させた基準信号との位相のズレを無くすように制御する方式です。これによりターンテーブルの回転精度は水晶の発振周波数精度まで高くすることができ、負荷変動や電圧変動、温度変化などに非常に優れた安定度を示します。」
と紹介されています。

○実際に聴いてみるとクオーツロックを入れない方が音が伸びやかで良い。

 ところが、デノン DP-80を実際に聴いてみると、どう聴いてもクオーツロックを入れない方が音が伸びやかで良いのです。実際にあれこれの盤で確かめたので自身を持って言えたわけですが、クオーツロックにすると音はぎくしゃくして悪くなります。そこで亡くなったアサヒステレオの先代の社長に相談したところ、「そらそうやがな。クオーツは早かったら遅らせて、遅かったら速めて、結果としてのスペックを上げるだけやからね。瞬間的に早くなったり、遅くなったりをギッタンバッタンと繰り返してたら、音が良くなる訳がない。」

 ところが当時は皆スペックが良ければ「音がいいはずだ。」と信じ込んでいたし、例えばビクターのTT-81のようにクオーツだけしかポジションがないものもあったくらいです。で、いつの間にかダイレクトドライブそのものが消えてしまったというわけです。厳密に言えば基本的なピッチだって、ベルトであれリムドライブであれ、実際には回転数は33.3ぴったりではなく微妙に違っています。しかし実際の製品として音楽を聴くのに何の支障もないわけです。

(注)例えばA=440Hzというのも1950年代辺りからの「申し合わせ」みたいなもので、日本人はたった一つしかない・一筋というのが病的に好きですが、純正調の調律法が一つではないように、別に決定事項でも何でもありません。だから実際の演奏ピッチは楽器により、演奏者の判断により違ってくるし、例えばパイプオルガンのような歴史的建築物のピッチもヨーロッパ各地で相当なばらつきがあるそうです。

○「結果としての回転数スペック」と瞬間瞬間の音の安定性

 例えばウイーフィルが弦だけでワルツを演奏すると、ヴァイオリンやチェロにはフレットが無く指のポジションだけで音程が決まるので、気持ちよくなって半音や一音平気であがってしまうのだそうです。しかし瞬間瞬間では音程は安定しているので、音楽を楽しむには何の問題もないわけです。一方、ヴァイオリンを習い始めた人の演奏はギコギコと音程も安定せず、とても音楽にまでまとまっておらず楽しめない、というのは皆さんご経験のとおり。音楽はシンセやメトロノームの代替物ではありません。

○同様のアナロジーが、クロック信号の長期精度と短期安定性にも重なってくる。

 この問題を「それはアナログのいい加減なところで、デジタルではそんなこととは関係がない。」と思う人は、例えばデジタルオーディオにおける「キモ」であるクロックの短期安定性と音質の関係を理解することはできないでしょう。まずクロックジェネレーターは一つ一つ毎にみな波形も中心周波数も微妙に異なるもので、一つとして同じ物は無く、その中心周波数の長期精度は「何万年に何秒しか狂わない。」という、いわば時計屋さん・測定器屋さん的なスペックです。

 一方で、「音質的には短期安定性・位相ノイズがスペックとして重要だ。」というのがプロオーディオ機器の業界的には定説になっています。上記の例で言うとウイーンフィルの方がこれに当たります。しかし、たまたま長期精度と短期安定性・位相ノイズには強い正の相関関係があって、結果として長期精度追求が音質向上につながっている、ということで結果オーライなのだそうです。このあたりはスタジオ・エンジニアに聞くとみな一家言持っているはずで、対してコンシュマーでは宝くじに当たってお金が有り余ったら買うことを考えはじめる高級アクセサリーとしか考えられていないのが実態です。トホホ。

○「結果としてのスペック」最優先で、角をためて牛を全滅させてしまった。

 要するにダイレクトドライブでは、スペックが良ければ「音がいいはずだ。」という「結果としてのスペック」最優先で、角をためて牛を全滅させてしまった訳です。なんともったいないことではありませんか。
 言い換えればオーディオでは音質の関する限り新しいものが必ずしも良いとは言えないことがあるのは、技術的な「はずだ」の功罪も大きいということです。


 あ、アトミックとか実際に聴いたこともない人の、「理論では」とか、「はずだ」とかいう理屈の切れっ端は不要です。音を聞くオーディオなのに、耳を使って実際の音を確認もしてないのでは、実践ではな~んの役にも立ちませんからね。
 といってもちゃんと聞いたことのある人って何人くらいいるんでしょうね。デジタルのキモ中のキモなのに、何で聞いたことのある人が少ないんでしょうねえ?


2012年1月29日  技術進歩って本当に常にあるんだろうか?
●最近音質面で評価をしていくと、「技術進歩って本当にあるんだろうか?」と疑われる経験や情報にいくつも接します。すくなくとも音質との関係では昔の方式の方が断然音が良かったというのが何種類か有ります。新しいモノが絶対によいというのは、まあそうあれかしの希望のようなもので、はなはだ儚いです。
 コンピュータの世界でも速ければ必ずノイズなどの問題が発生します。まあサンダーボルトなどは既存をうまくまとめている方でしょう。今は変革期で、無くなるものは勿体ない事にあっという間に無くなるので、よく見極めて選ぶ必要があります。スペックだけで選ぶとカスカスを掴むおそれも充分あるような。

●音質というのは体では自然に分かってくるので、頭で思い込んでいても結局やかましかったりとげとげしいのは長続きせず、オーディオとしては残らないでしょう。残るのはアタマの中の思い込みだけだったりして。


2012年1月24日  ウブスタ君 一から出直しました。そのほか。
●あれこれ遠回りなインストールしたMacBook Pro 8.3でのウブスタ君のデスクトップ画面がおかしくなってきたので、覚悟を決めて週末にトリプルブートの入れ直しにリベンジしました。
 手順としては
.旧のデータが拾われたりしないように、Mac OSのディスクユーティリティでパーティションをゼロ1回書込で消去する。
2.Ubuntu Studio 11.04 Nattyをインストールする。アップデートなど一切しない。
3.Ubuntu Studio 11.10 OneiricのオルタネートDVDをドライブに挿入して、ディストリビューションのアップグレードをしますか?」というダイアログが出たら、アップグレードをクリックする。(インターネットからのアップデートも併用する。)


(注)ちなみにこのとき「Welcome to Ubuntu Studio 11.10 Oneiric」と出ても、こいつに乗ってはいけません。こいつはネットワークのリポジトリからインストールしてウブスタ君ではなくStudioなしのウブ君にアップグレードしてしまいます。そうなると、丸々アイコンのUnity画面が出てしまいます。
ま、慣れるとこれはこれで可愛いんですが、おらっちは先を急ぐもんで。

1と2は上手く行きました。パーティションも問題なくrEFItで動いております。
で、問題の3ですが、かなり時間が掛かってアップデート完了して再起動。が~ん
「Missing Operation System」が出た。もちろんWindowsも起動しません。

 このとき少しも慌てず、いやがっくり来ながらも、まずはMac OSを起動して、端末で
「diskutil list」を打ち込む。と、ちゃんと4つのパーティションになっている表示がされました。「これは行けるかも?」と思い、Ubuntu Magazine Japan付録のCD-ROMを挿入してライブCDで起動します。で、こっちもUbuntuのディスクユーティリティを起動してHDDをクリックすると、ちゃんと4つのパーティションが出ます。
 でウブスタ君がインストされているLinux基本パーティションをクリックして下の注釈のマウントポイントを見ると、何と
「マウントされていません。」との表示。「おらちゃんと『マウントポイントは「/」にして、grubのインストール先は/dev/sda3』と打ちこんだだよ~。」と思いながら、「マウントする。」をクリックしたら「/media/UbuntuStudioにマウント」と出て、ここまで来たら「ええい。行てまえ。」とクリックしました。
 んで、まあマウントされました。ウブスタ君もWindows7もちゃんとrEFItで起動したので、まずは一段落。




ライブCDの時はスクリーンショットを撮ってなかったので、再起動後撮ったら上図のごとく表示されきました。「いつのまにか『/』にマウントされとるがな?!」ですが、上手く行ったので文句は言いません。
 その後ですが、xfce4wm(ウインドウマネージャー)が起動しないとか、Xfce環境はいろいろありましたが、あの手この手でなだめすかして、何とか無事動いております。


 ということであくまで我が家のMBP 8.3 だけの事例ではありますが、起動しなくともめげずにマウントすれば何とかなるかな、というご報告でありました。

モニオさんが、大変勉強になるサイト記事を教えて下さいました。ありがとうございます。以下はその一部の大急ぎの拙訳です。
 Digital Audio: The Possible and Impossible

 
 「我々はデジタルサンプルを聞くのではなく、アナログ波形を聞いているのだ。」
 「ジッターの影響は振幅(強さ)、周波数(ジッターとオーディオソースの)、スペクトラム/波形(どのように変動するか)によって決まる。」
 「音楽に与える影響としてはジッターが全ての楽音を変調してしまうと言うことだ。」
 「次に問題になるのは、何がジッターの原因となるのかと言うことだ。それはいかなるものと言えるし、全てのものだと言えるだろう。一般にDACの内部は非常にノイズの多い環境である。DACとクロックに共通の電源ラインは、ビデオやマイクロプロセッサー、フロントパネルのディスプレイによるハイスピードデジタル信号を供給するものでもあるだろう。双方の電源ラインとDACのクロック回路にはフィルターが設けられているだろうが、全ての変動やこれらの変動がDACのクロックにもたらす微少な変動をなくずことは出来ない。このような理由により、ビデオやフロントパネル表示など不要な回路を切ることでジッターレベルを改善することが可能になるのである。」


 数学を駆使したコンピュータシミュレーションの結果とか、測定の話も出てきてなかなか歯ごたえがあります。数学のプロセスはよく分からなくても、そのロジックをもう少し知りたいなあ、と思いますが、意外と早く「なぜデジタルオーディオで音質が変わるか?」という原因の究明が「ジッターによる混変調歪み」という形の答えで一つ提示されたようです。
 時間が出来たら翻訳をアップしましょうか。招請期待。



2012年1月20日  スローオーディオ
大体同じような方向を向いているのだけれど、僕の場合は「スローオーディオ」だ。そもそもイタリアに始まったスローフード運動は「何かが違う。」という強い感覚から、食や暮らし全体を見直そう、と始まったものだ。
 そのカウンターパートは「グローバライゼーション」だ。世界をフラット化するのではなく、地元の貴重な食材や音源を発掘して大切にする。地元は近いので、距離だって本当は小さいはずなのだ。もちろんスローな動きを有効にしていくには、「グローバライゼーション」の事もちゃんと理解して使うべき所は使っていく必要がある。
 白か黒かの単純な2項区分ではないのだ。それはシンプルな数値化すら難しい、暮らしの、食の、音の「質」の問題だからだ。


先週の土曜日は神戸の北側で、61歳・60歳・58歳の3人で「残りの人生、良い音でゆっくり音楽聴きたいよね~。」と話をしていました。
 で、人間の7倍で過ぎるラットイヤーは早すぎて消耗するだけなので、僕は以前からペースダウンしてじっくりと質を求めるスローオーディオを目指している。例:バージョンアップなんてすぐにしなくても、じっくり見極めてからで良い。
 そのためのオーディオにおけるコンピュータ技術の活用であり、ワイスであり、アンテロープであり、待ちに待ったMAN301なのだ。まだMAN301の音は聴けていないが、昨年のサプライズをほぼ独占したように、実際の経験上ワイスの音の鮮度はずば抜けているから、いやがうえにも期待が高まるわけだ。


だからといって遊び方の可能性を限定する必要もない。コンピュータもいろいろ試せばいいし、アナログ技術も必要だ。事ここに至っては個々人のよって立つところとすら言って良いだろう。ひとそれぞれ音の・音楽の志向はまちまちであり、つまりは多様だ。当然やり方も様々であり、答えも一つではない。

多様性を尊重してこそ、お互いを尊重できてこそ、趣味道楽の世界としてのゆとりや愉しさが生まれるのです。

 事件は会議室=アタマの中で起こってるんじゃないんだ!事件は現場で=実装アナログ回路上で起こっているんだ!
 おしまい。やれやれ。

2012年1月14日  「大工よ、屋根の梁を高く上げよ。」
●いまラスヴェガスのCESにいるKent Poonから届いたビッグニュースは、Linuxベースのプレーヤー/トラポの WEISS MAN301だ。
 以前紹介したMAN202が開発途上でさらに進化を遂げたのが本製品で、3月にはリリースされるとのことだ。この製品は、いわゆるネットワーク・プレーヤー/ネットワーク・トランスポートといえばDLNAだろう、という固定観念を遙かに越えて、ユーザー本位なコンセプトの高機能な製品となっているようだ。
 32bit/192KHzのDACを内蔵する「DACバージョン」と、いわばトランスポートとして各種デジタル出力を備えた「サーバーバージョン」の2つの形態を備えている。

 黒地の資料には、特徴として次のポイントが紹介されている。

 ①All in One-RAM buffered CD Player
 ②All in One-CAS audio files Player
 ③All in One-Network Audio Player
 ④All in One-Perfect CD Ripper

 赤地の資料にはMAN301のベースモデルのフロントパネルとリアパネルの両方が示されている。「DACバージョン」と「サーバーバージョン」でリアパネルにどれだけの違いが出てくるかはまだ分からないが、音源としてはLANからのNASやネットワークとの接続(上記②③)、USB端子から外部ストレージから(上記②③)、またフロント側のスリットが示す光学ドライブからCDの直接再生(上記①)またはリッピング(上記④)を行うことができる。
 またリアパネル右側にアンテナがあるが、これはコントローラーとしてのiPad用で、そのソフトはワイスから供給される。
 アナログ出力はバランス、アンバランス双方があり、デジタル関係はAES/EBUの入出力、S/PDIFの入出力、TOS光の入力、Firewire800の出力を備えている。
 ワードクロックの入出力端子にもご注目ありたい。

●注目ポイントは何か?まず一番目は①、これ自体がCDを直接に、しかもコンピュータのメモリ(RAM)上にその音楽データを上げて再生出来る、一体型CDプレーヤーあるいはCDトラポとしての役割を果たせると言うことだ。外部ドライブで苦労しなくてもすでにビルトインされており、最初はまずiPad上(!!)に表示されるネット経由のカバーアートとともに、CD再生を目一杯楽しんでいただければ良い。
 そして④にあるように一体型のリッピングマシンとしても機能する。CD関係はもうこれで決まったようなものだ。

●そして②のCAS(Computer as Source)とは本気でCDデータを含むNASからの音源データやUSB外部ストレージからの再生を意味し、③ネットワークオーディオプレーヤーとは、USBも含めてネットワーク接続される全ての音源をiPad上で管理し再生出来ることを意味する。

●あるいは「DACバージョン」は同社DAC202を上回るという音質を一体型で楽しみ、「サーバーバージョン」では一般のDACへXLRまたはRCA同軸で、あるいはFirewireインターフェースにはFirewire800から出力出来るわけで、同社のFirewireインターフェース群やOrpheusのようなLinux対応機がその性能をフルに発揮できる事になるだろう。

●ダニエル・ワイスが作り込んだLinuxベースの中身は?どんなOS環境で、どんな再生アプリが使われているのか?何よりもその音は?使い勝手は?
 これらについては今月下旬辺りにKentが実機を抱えてやってくるだろうから、詳細は誌面で紹介したい。

●僕にとっても本命中の本命はこれだ。諸卿よ、これがコンピュータベースのプレーヤー/トラポのあるべき姿だ。

●これなら高音質でコンピュータのことに気を配らなくても高度な音楽再生が出来るのではないか?なによりも近未来オーディオの高音質を求めるベテラン・オーディオファイルに本気で本機の音を聞いていただきたいと思う。
 なぜなら、いまは高価な製品でも数が出れば当然価格は下がっていくだろうし、コンピュータ技術を駆使できるメーカーがさらに後に続くだろう。そうすればいずれもっと廉価に多くの方々に行き渡ると期待したいからだ。よろしければ後進のためにも、まずはベテラン達にこれをお手元に置いて生涯の友としていただきたい。すべての音楽ファンに、オーディオファイルに、この知らせを伝えたい。

 「大工よ、屋根の梁を高く上げよ。エアリーズさながらに、丈高き男の子に勝りて高き花婿来る。」(Raise High the Roof Beam, Carpenters./J.D.サリンジャー


2012年11月12日  ストレージや光学ドライブに関心が深まってきているらしきいま
●昼間のタリアセン3。見た目よりも存在感が穏やかなオブジェ。一度芦屋の旧山村邸などライトの建築を見に行って見ようと思う。あちら方面には友人もおられるので、そちらも訪問したらちょうど良いコースになりそうです。(*^_^*)


●土曜日にPCトラポに取り組んでおられるお宅にお邪魔するのだが、その準備がてら写真を撮影し、Premium2など光学ドライブの電源換装法や、外付けケースPremium2Uでの多OS対応USBアダプタと電源換装法、USB/Firewire両方で取り出せるようにするIDE/SATA変換アダプタと電源換装法などを一つのページにまとめました。

 PCトラポ探求もようやく足が地に着いてきているようで、ストレージや光学ドライブに関心が深まってきているらしきいま、諸卿のご参考になればと。ふう。

 IDE/PATA 光学ドライブ/HDDケースの電源等換装法

 (1)Mini DIN コネクターの電源端子に市販電源を接続するアダプタの製作

 (2)外付けドライブPremium2UのUSB変換アダプタ交換と市販電源接続方法

●サンドイッチ方式ドライブ【参考】



2012年1月11日  Well Living、Well Listening
●以前から欲しかったフランク・ロイド・ライト作の照明「タリアセン3」を入手しました。オブジェとしても、照明としてもさりげなく存在し、しかも美しく、疲れた心を癒してくれる。Taliesin、ウェールズ語で「輝く額」。

●Well Living is perfect revenge.という表現があります。仕返しを考えるよりも、良い人生を生きることが最大の復讐になる、という意味です。
 そういう意味なら Well Listening.......と表現しても良いでしょう。アホンダラな人や事にはできるだけ関わらないようにして、人も機器も選び倒す。残り少ない人生を楽しみ、良い音を聞くというポリシーです。ポリシーキット設定変更完了。

 「これだけの音が出るなら、もう音楽だけに集中できるなあ。」とつくづく思ったのが約1年半前の事。それ以来もどんどんと良くなってきているので、本音は同じ曲を何十回も聴かなければならない試聴などすっぱり止めて、ひたすらいろいろな音楽を聴きたい。まあ、そういうわけにもすぐにはいかないが、着実にその方向で行く。これは決定事項だ。それまでは、やるべきことはちゃんとやります。

オーディオシステム紹介のページを約4年ぶりにアップデートしました。電源や小物類は煩雑で煩雑でとても全部書けないし、細部はどんどん変わるので省略です。

●このページを見ると、自作や基板アッセンブル、「改」=改造が沢山あるのに気づかれるでしょう。
 自作は損か得か?
 汎用的な機器なら買う方が安くつくことも多い。ところがある時点からこれが逆に効き始める。それはメーカーが経済性や供給の継続性の観点から絶対に使わないようなプレミアムパーツを使い始めるときだ。僕の場合は回路設計などのスキルは無いので、自称ではなく本当に賢い人達が設計した回路や基板等を選んで使うスタイルですが、電源などを含め随所に自作又は手を入れるところがあります。勿論、その結果も耳で聞いて採否を決めるなど、物凄い手間暇を掛けているので、その労働コストも算入すると絶対にコスト高です。しかし、お金はさほど出ていかないケースもあり、そういうことをゴソゴソとやり続けていると、音の出方を調整できる幅がとても大きくなってきて、ある時点でメーカー製品に魅力を感じなくなったりするわけです。

 でもPCトラポあるいはデジタルオーディオ・フロントエンドは凄く手間が掛かります。世はDSDや近未来オーディオと浮かれている向きも一部にあるでしょうが、底流の向きは明らかで恐らく今年は大きな分水嶺の年になるでしょう。音楽を聴くために何が本当に必要なのか、トータルに考えて判断するべき時期かも知れません。



2012年1月10日  あれこれと
●寒くなって来ました。体のあちこちが血行不良で痛いけれども、ストレッチや一人気功で筋をほぐして何とかやっています。

いずれどこかで書いておくべき話を一つ。
 必ずしも充分に理解されてはいませんが、基本的にはCD/SACDプレーヤーなどのいわゆるデジタルオーディオとコンピュータの動作は同じではなく、似て非なるものです。
 良く「CDプレーヤーは単機能のコンピュータだ。」と言われますが、厳密には正しくありません。CD/SACDプレーヤーは基本的にはチップ(LSI)とそこに実装されたソフトウェアで順次動いていくものです。ファームウェアの更新などはありますが、基本は定められた動作を行います。
 それに対し、コンピュータの場合はCPUなどのハードウェア上にOSという音楽再生以外の汎用の基本システムが搭載され、その上でアプリケーション・プログラムが動きます。また、後からアプリを追加したり設定を変更したり出来る点でCD/SACDプレーヤーとは大きく異なるわけです。
 またクロック信号の同期の仕方も、CD/SACDプレーヤーでは読み出し時に行い、PCトラポの場合にはPCは関係なくコンピュータデータとして送り出していくだけで同期はインターフェース(DDC/DAC)でDA変換前に行うなど、大きく違います。

 つまるところCD/SACDプレーヤーが分かるからといってコンピュータが分かるとは限らないし、その逆もあり得るので、この点で敷居を越えるパワーが必要となるわけです。これが意味するところは、そのうちに理解される時期が来るでしょう。


●DCプラグ1個で接続できるオーディオインターフェースや2.5インチHDD、SATAの3.5インチHDDなどは比較的簡単に市販電源を接続できるので、電源の換装も容易でみなさん実行される方が多いのですが、PATA/IDEの光学ドライブや3.5インチHDDなどは5V/12V両電源が必要で、そのケースには5pinまたは6pinのMini DIN コネクターの電源端子が使われていることが多いので、DCプラグ1個というわけにはいきません。
 そこで付属電源アダプタのケーブルを利用して、途中でXLRプラグ(4pin)を介して市販電源に接続するアダプタづくりのページをアップしました。
 IDE/PATA 光学ドライブやハードディスクケースの電源換装法(1)
  Mini DIN コネクターの電源端子に市販電源を接続するアダプタの製作

 CDが主力ソースなら、入り口が肝心です。このページの中でも外付けドライブPlextor Premium2Uなどの電源に触れております。IDE/PATA接続のCD/DVDドライブの電源もグレードアップしていただいて、リッピングなどの効果も実際に耳で確かめてみてください。またIDEのHDDも音が良いので、機会があればお試し下さい。ただし工作は自己責任でよろしくお願いいたしますね。

 また工作が苦手な方のために、市販アダプタを使う方法など、もう少し簡単な方法も(2)として続けますので、またご覧ください。

●現在ヴェガスのCESに行っているKentからビッグニュースあり、詳細確認中。近日公開予定。招請期待。



2011年1月6日  Mac上のWindows7もサンダーボルトに対応しています!
●お詫びと訂正です。
 MacサンダーボルトはrEFItでトリプルブートしているWindows7上でも動作いたしました。HDDやオルフェウス君もサンダーボルトでちゃんと認識されて音も出ます。
 MacからみればBootCampと同じ状態なので、まずBootCampでも間違いなく動作するでしょう。Windows7でのメリットが大きく向上した喜びを込めながら、謹んで訂正いたします。

●今日はワオン・レコードのオーナー/エンジニアの小伏さんと久しぶりに会い、ワインで歓談しました。いろいろと情報交換しながら、ハードディスクはどこ製が音質が良いかなど意見の一致をみましたので、プロの知恵を誌上にも反映いたします。
 喜ばしいニュースとしては、傅信幸さんもイベントでの試聴ソースに使われている「夢見る翼~Dream of Nike」のDSDマスターから、直に24/192HiResを起こされているとのこと。この古楽器チェンバロとポップな現代曲とが見事に一つに溶け合った鮮烈な名録音・名演奏が新たな高音質で皆様の元に届くのもそう先の話ではなさそうです。その後にはDSD版のリリースが続きます。楽しみにお待ちください。



2012年1月5日  「PCトラポ」「デジタルオーディオ・フロントエンド」と呼んで使い分けるようにしよう。
●電話してくれる友人というのは本当にありがたいと思う。人間やはり接触なので、随分と気持ちが楽になってきます。賢いと思い込んでいるネットストーカーも自分からせっせと墓穴を掘ってくれてるので、「放っておけばいいや。」という余裕ありです。
 いやはや悩ましいのも嬉しいのも人間関係です。

●その友人の話ではないが、「PCオーディオ」という言葉は問題含みだと僕も思う。実際にはPCの中だけのこと、つまり従来なら「CDトラポ」にあたるデジタルオーディオの「フロントエンド」しかやっていないのに、DACやアンプ・スピーカーにいたる全体の系である「オーディオ」を示していると勘違いされては困るからだ。
 全体がコンピュータ制御された訳でもないのに、あたかもPCの中がすべてであるような知識をひけらかす言説に惑わされてはいけない。耳を使わず装置にもかまわない、そんなものをオーディオと勘違いされては困る。
 なので、これからはちょい古の言葉を復活させて、PCだけの話なら「PCトラポ」あるいは「デジタルオーディオ・フロントエンド」と呼んで使い分けるようにしましょう。単なるトラポです。それでもトラポですが。



2012年1月3日  ごあいさつ
初春のお慶びを申し上げます。

 今年の年始は徹底的にのらくらすることにして寝正月で、家族一同集まったりしても寝ていたりして、「よく寝る叔父さん」になってしまいました。ふあ。
 
●とりあえずウブスタ君のインストールについてのご報告です。
 今回のOneiric 11.10でインストールに難儀して、MacやWindowsの再インストールも辞さずに何回もトライして、MacBook Pro 8.3と4.1にどうにかこうにかトリプルブートで納めました。
 昨年末に沖縄に行ったときに、友人がMBP4.1で難儀していたのでサポートし、結局はMacとOneiric 11.10のデュアルブートにしました。

 もともと一つのハードディスクでのトリプルブートは難しいのに、11.10ではインストール時のパーティション設定に問題があるようで、どうやらデュアルブートの方が安全です。ただ、デュアルでもいろいろとあるので、Ubuntu Magazine Japaでは仮想でやった方が安全で良いと進めており、どうもデュアルでのインストール以上のイメージはないようです。
 その経過をこちらに[補足]としてまとめております。

●ああ、こんな面倒臭いことすぱっとやめて、さっさとワイスのトラポかなんかで気楽に音楽聞きたいですねえ。そうしたらうっとうしい怪かしの憑きものなんかはらりと落ちてしまいますかねえ。お祓いしようっと。唵(おん)!怨霊退散!数学お化けのバイナリ妖怪よ、去れ、去れ、去れ!

 「じゃあ、後よろしく!お疲れ!」 なんて言って妖怪うごめくアホな世界に颯爽とさよならして、実家のオーディオの世界に帰ったら気分良いだろうなあ。そういうのを夢に見ながら、当分しこしことやりますかねえ。なんて4月1日に言うべきか。いや半分本気かも。韜晦韜晦。落とし前も要ることだしね。静観静観。








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