おおぐま座の銀河 M81,M82


M81,M82


 天の北極近くに見える、おおぐま座の銀河M81とM82です。M81は下の渦を巻いている天体の方で、Sb型に分類される渦巻き銀河です。上に写っているM82は、横長の線状に見える不規則銀河で、銀河の中心部分から星群が高速度で噴出していることで有名な銀河です。
 どちらの銀河も赤緯が70度と高いので、ほぼ一年中見ることができます。しかし見頃としては、南中して見やすくなる春先の頃でしょう。空の暗いところでは、双眼鏡でも二つの銀河が寄り添った様子が見えますので、春の銀河観望には欠かせない天体です。

 D70+ε160で初めて撮影した写真です。最近人気のデジタル一眼は「噂通りよく写る」というのが実感できました。撮った画像をすぐモニタで見れるのは、本当にありがたいですね。今回は銀塩では表現しにくかった、M81の中心部から腕部分を表現してみました。

 また、気になるHα感度ですが、やはり無改造のためM82の中心部やM81に点在する赤い部分は写りにくいようです。画像処理でなんとかできるかな、とも思っていましたが、画像データ上にその領域の情報がほとんどないので難しそうです。Hα光を透過するバンドバスフィルターなどを使って、コンポジットするという手法もあるようですが、あまり有効な方法とは言えなさそうです。Hα領域の写りを期待するなら、思い切って改造してしまうのが最もよい方法だと思いました。

 D70の使用により35mmカメラよりも拡大率は上がったというものの、530mmの焦点距離では銀河に対しては迫力不足です。できれば1000mm程度の焦点距離で狙ってみたい対象ですね。

撮影条件
Epsilon160+D70カメラにて直焦点撮影
EM-200赤道儀 BORG76ED+STVにて自動ガイド
露出時間:10分×4 5分×4 (総露出時間:60分) 
設定感度:ISO800 QUAL:Raw  WB:Auto
Rapにてダーク減算後、Photoshopにて処理
2005年2月撮影

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