乾燥空気排出装置の製作


 日本は諸外国と比べて湿度が高く、夜間の天体撮影ではいろいろな弊害が出てきてしまいます。その対策として私が使っているのが乾燥させた循環空気です。参考になるかわかりませんが、簡単に作成法を記載します。

乾燥空気を送る装置
 私が使っているのは上の写真の装置です。装置というのも恥ずかしいほどの簡単な物です。右側の白いのは、金魚に空気を送るための通称「ブクブク」です。左側がシリカゲルを入れて作った乾燥空気を作る瓶です。
※ブクブクから押し出された空気が、シリカゲルの入った瓶の底から噴出し、シリカゲルの中を通る間に除湿されて上のパイプを通って出てくるという仕組みです。

 上の製作に使っているのは、以下の物です。

・金魚のブクブク    ・ガラス瓶(プラスチック瓶) ・エアー玉
・シリカゲル      ・ゴムチューブ        ・ニップル

 これだけです。ちなみに上のガラス瓶は100円ショップ(ダイソー)にて買った物です。

 使う物はなんでもいいのですが、何点か注意するところもあります。
 乾燥空気を瓶内にて作り出しますので、必ず密閉性のよい瓶を使うことが一点。乾燥空気を送りたい容量にあった、空気吐出量を持つ送付装置(ブクブク)を使うことがもう一点。
 そして一番大切なことは、使用するシリカゲルの品質です。ホームセンターなどで売っている袋入りのシリカゲルを使ってもよいのですが、やはり吸湿性があまりよくありませんでした。私が使っているのは、下の写真に載せた製品です。これはもともと写真現像などに使う吸湿剤で、強力な吸湿効果があります。また、吸湿すると青色から白っぽく変色してしまいますが、オーブンなどで温めると再利用することができます。製品名は「ナニワゲル」と言って、大きな写真店などに置いてあります。
※熱して再利用するのはメーカー保証外かもしれません。自己責任でお願いしますね。

ナニワゲル
 作り方は言うまでもないのですが、瓶のフタに穴を二つ開けてニップルを取り付けます。それから瓶内に空気を送る方に、ゴム管とエアー玉を取り付けます(下図)。そして、ゴム管を繋いで瓶内にシリカゲルを入れてフタをしたら終わりです。
※ニップルを取り付けるときに隙間が空かないように気を付けてください。充填性がある接着剤(エポキシ樹脂系)を使ってニップルを固定するのがよいでしょう。なおニップルは、ホームセンターで売っています。写真では一番小さな「マイクロカプラ」を使っています。

 出来上がったら空気を送ってみて、空気がでるところから乾燥した空気が出れば成功です。湿度計などを当ててみて湿度が下がるか実験してみれば、なお安心でしょう。

瓶から取り外した図

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