冬の大三角とカノープス


冬の大三角とカノープス


 オリオン座から南の地平線まで流れる天の川を写した写真です。淡く流れる天の川の中には、いくつもの赤い散光星雲が輝いています。一番上から「バラ星雲」「わし星雲」「ガム星雲」へと・・・夏と比べると派手さはありませんが、とても美しい天の川です。

 表題になっている冬の大三角は、写真上部で逆三角形の形で輝いている三つの一等星をつないだものです。一番明るい青白い星は有名な「シリウス」です。
 また表題の「カノープス」というのは、写真中央下端に写っている黄色い星です。カノープスはりゅうこつ座のα星で、シリウスに次いで全天で2番目に明るい星です。マイナス0.7等星の明るさを誇っていますが、日本からは地平線ギリギリにしか見えないので、ずっと暗く見えてしまいます。

 カノープスは中国では「南極老人星」と呼ばれて丁重されている星です。この星を見ると、長生きするという言い伝えも残っているほどです。せっかくですから、是非見てみたい星ですよね。

 冬の大三角とその下で輝くカノープス。なかなか撮影できる機会がありませんでしたが、やっと撮ることができました。個人的にはお正月前ですし「なんとも縁起のよい写真だなぁ」と思っております(笑)。たまには大きくプリントして飾っておこうと思っているところです。

 撮影条件
SMCPentax55mmF4(F5.6)+ペンタ67にて撮影
P-2赤道儀にてガイド
露出55分 エクタロームE200(+1増感)
撮影地:奈良県十津川村
2004年12月撮影

月刊天文ガイド入選作品

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