梟の詩  
  思えば遠くへ来たもんだ      
 
 
 

                          035号     2004/4/29(木)

 
 
 
  <結婚記念日>  
 
 
 

32回目の結婚記念日。今回は退職後はじめて迎える結婚記念日なので特別だ。宝ヶ池のホテルで昼食をとることにした。
地下鉄を降り、地上に出ると、若葉に跳ね返る陽光があふれ、目の前に比叡山がせまっている。「こんなに爽やかな所に住めたらいいな。」とつい今住んでいる所と比べてしまう。宝ヶ池のほとりには、一周1.5キロの道路が整備されていて、今日も走っている人がいた。それを見ると、何年ヶ前ここで行われた「スーパーウルトラマラソン(6時間走)」に参加したことを思い出した。10時にスタートし、池の周りをぐるぐる回り、16時花火の合図でストップする。途中、休んでもよし、食事の為に止まってもよし、昼寝も良し、それまでに何キロメートル走れるかという競技。飲み物、小さいおにぎり、すぐ食べられる果物が机の上にずらりと並べられていて、飲み放題、食べ放題だった。僕は60キロ走ることを目指したが、58キロくらいでおわって残念、次回には目標達成をと思った。しかし、病気でその後は参加できなかった。そんなことを思い出しているうちにホテルに着いた。
ビールを飲みながら中華料理をとった。二人でレディコースを選んだので、量は少なかったが味が良かったので満足した。
そこから、今日が35回目の結婚記念日という友人のT氏宅 まで歩いていった。T氏の奥さんは我々と同様にこの4月退職し、「ようやく憧れの主婦業になれました」と、4人の子供さんの子育てと、最近の様子を話してくれた。T氏は退職まで後1年であり、今日は留守だったが、帰りぎわになって帰ってきたので、4人で駅まで2キロの道を話し話し歩いた。彼は、「ぼくは退職し、何もすることが無く、時間が有り余るのが恐ろしい」とか、「退職した男性に一番人気があるのは何か知ってるか?何と料理教室だって。」という話題もあったが、ほとんどが今の教育現場をめぐる話しだった。それが僕にとっては、僕も講師だから目の前の世界のことにもかかわらず、もう遠い世界の話のように思えて、1ヶ月で現職との差がこんなにできてしまったのかと内心驚いてしまった。
夕食には二人の息子が金を出し合って、豪華な食事を作り祝ってくれた。