梟の詩  
  思えば遠くへ来たもんだ      
 
 
 

                          033号     2004/3/26(金)

 
 
 
  <日本海をめざして(6)ついに舞鶴湾へ >  
 
 
  あと一回で海まで行けると意気込んでいたのに、一度は天気が悪く、もう一度は知人のご不幸があって、この日を逸したら3月中には行けないという26日、家族3人で出かけた。
舞鶴線のワンマンカーを下りようとボタンを押してもドアが開かないので困っていると、かわいい男の子が「1番前の車両の前のドアまで行かないと下りられないですよ。」と、親切にわざわざ走ってきて教えてくれた。
真倉駅を下り、伊佐津川に添った路を歩き始めると、真冬の北風を思わせる冷たい風が正面からふきつけた。国道を越えても伊佐津川に添っていくと、土手につくしが芽生えていて、「こんやのおかずにする。」と摘んでいた。
1時間あまり歩いたところで、早かったが河原に腰を下ろして1個しかないおにぎりを食べた。目標を達成したら、海のご馳走をたっぷり食べようという目論みだった。
線路を越え、桜のつぼみが開きかけている公園を過ぎると、川にはカモメたちが群れ、潮の香りがしてきた。橋を渡ると吉原という集落で、真ん中を貫く運河には小さな漁船が浮かび、道路に面した戸の前には今朝とって来たばかりの魚をくしに刺して干していた。何十年も前からの風景がそのまま残っているようだった。
仕事をしていたおばさんに尋ねると、この先もう少しいくと匂崎公園があって、そこからの眺めがいいですよと教えてくれた。
舞鶴湾に突き出した匂崎公園の先端には、物見櫓がたっていて、そこから 湾のはるか向こうに日本海を望む事ができた。ここが<日本海をめざして>の旅の終点にするにふさわしい地点だと思った。
ついに大阪湾から日本海までのウォークが完成した。万歳。
遅いお昼に、おすし屋でお作り定食を食べ、魚屋さんで5種類の魚を買って帰った。