梟の詩  
  思えば遠くへ来たもんだ   
 
 
 

                          029号     2003/11/8(土)

 
 
 
  <日本海をめざして(3) 水分の路を越える >  
 
 
 

今回は園部駅を出発して、保津川水域から分水嶺を越えて由良川水域 まで歩くことをめざした。9時03分京都駅発、10時園部駅から歩きはじめた。園部川の橋を渡り、右手にJRの線路を見ながら車がかなり頻繁に行き来する路を、世間話を楽しくしながら歩いていった。トンネルをぬけると、大きな河に出た。保津川の上流だと思っていくと桂川の看板がかかっていた。日吉ダムと「スプリング日吉」入口の前を通過するとようやく殿田の集落に入って、11時50分河辺に腰を下ろしておにぎりを食べた。
「しんきゅうだいがくまえ」駅で、時刻表を見ると、午後のこの時間帯は1時間に1本しか止まらない。この駅の園部行きの発車時刻は毎時13分だと言うことを頭にいれて歩きはじめた。
胡麻駅 を過ぎ団地の中に迷い込んだ。出会った女の子に「ここを行くとぬける道に出られますか」ときくと、長い事考えていて、「少し行くと竹やぶがあるしそこから…」と、とても初々しく答える。踏み切りもない線路を横切って、広々とした高原状の中を真直ぐに行く道に出た。異様な匂いが漂っていた。牛小屋とブタ小屋が連なりそこからの臭いが原因であることが判った。ひたすらややのぼり気味の道を行くと、突然左右に延びる広い道に出て後はくだり気味になっていて、角に「水分の路」(標高210m)」と言う標識が立っていた。この路が保津川水域と由良川水域を分ける分水嶺に当たるわけだが、それがたった210mしかないのが驚きだった。信濃川(千曲川)と富士川(笛吹川)の分水嶺が金峰山2599mもあるのに。
牧場をぬけ、27号線を渡り下山駅に着いたのが2時59分、列車がちょうど動き出した所だった。50分も待たなければならない。汗をかいた下着の着替えをして、さてビールを飲もうかと駅前の商店街を歩くが、酒屋はなし、酒の自動販売機なし、喫茶店なし。衣料店に入って聞くと、「一軒酒屋さんがありましたがこの間店じまいしてしまいました。」あたたかい罐コーヒーを飲みながら、「舞鶴に行ったらカニを食べたいな。」と話し合った。