梟の詩  
  思えば遠くへ来たもんだ   
 
 
 
                          008号     2003/3/02 (日)
 
 
 
  <戦場のピアニスト>  
 
 
 

1日は映画1000円の日。10:15の一番に間に合うように見に行った。すでに始まって5分過ぎ、人気のある映画だけあって、手探りで前のほうの端の席にやっと座り、見ることが出来た。
ナチスに占領されたポーランドのワルシャワの街。ユダヤ人は公園に行っては行けない、ベンチに座っては行けない,歩道を歩いては行けない、何時以後は外に出ては行けない、外に出るときはユダヤの星のついた腕章をつけなければ行けない、…と誰もがばかげていると思うユダヤ人にたいする差別政策が、「違反すれば厳重に処罰する」と実施されていく。処罰すると言うことは殺されると言うこと。やがて仕事を奪われ、家を奪われ、ゲットー(ユダヤ人專住区)に隔離され、命まで奪われていく。その過程がリアルに丁寧に描かれていく。
主人公の有名であるピアニストも例外ではありえない。「こんな時代は死ぬ事より、生き抜くことの方が難しい。」家族全員が強制収容所送りになる直前、家族から引き離され一人だけ助けられる所から、彼の奇跡的に生き残るための戦いが始まる。
ゲットーからの脱出、転々と変える隠れ家、ゲットーにおける武装蜂起と鎮圧、ワルシャワ暴動とその弾圧の目撃、食料と水が尽き飢えと渇きとの戦い。
破壊し尽くされたワルシャワの街で、最後ナチスの将校との対決が感動を呼ぶ。
「君の職業は?」「ピアニストです。」「一曲弾いてくれないか。」ショパンのピアノ協奏曲第1番が流れる。ショパンの曲がこんなに人間の魂を揺さぶるとは思わなかった。
2日、ピースウォークに参加した。今ならまだ間に合う、イラクへの武力攻撃反対、国連中心に平和解決をと願いながら歩いた。歩きながら、バクダットを「戦場のピアニスト」のワルシャワにしてはならないと思った。