梟の詩  
  思えば遠くへ来たもんだ   
 
 
 
                          006号     2003/2/22 (土)
 
 
 
  <徳川道>  
 
 
 

前日の天気予報は昼から雨。午前中だけでも歩ければいいと思い、お母さんに長岡天神の駅まで送ってもらった。「まず、One Day Free Ticketを買って。800円です。」六甲口まで510円だから往復で220円お得になる。
六甲口から登山口までの町並みは急坂で、「こんな所にはいくら立派な家を作っても、自動車の送り迎えをしてくれる人がいないと住みたくないな」と ワイワイいいながら歩いた。徳川道登山口に着くと説明の立て看があった。江戸末期、外国人とのトラブルが頻発した頃の事、大名行列が外国人居留地を避けて通る必要にせまられた幕府が、海岸沿いの西国街道とは別に、六甲山中に作った路がこの徳川道。徳川道のあった杣谷をたどる道は次々にある砂防ダムを迂回しなければならない険しい登りで、大名行列が通ったなんて、夢のような話しだ。
これでは駕籠に乗せてもらっていた殿様も命がけだったろうと思った。 峠近くになってぽつぽつと氷混じりの雨が降り出したが、激しく降り始める前に麻耶ロープウェイのりばに着くことが出来た。
昼食を食べている間に、天気予報通り雨足が強まったので、予定を変え、ロープウェイとケーブルで降りることになった。ぼくは内心ほっとした。
今日の楽しみはそれからだった。
バスで三宮に出て、歩いて銭湯「二宮温泉」まで行くと、開湯は2時から。待つ間近くの喫茶店 「あいあい」に入りコーヒーを飲んだ。疲れていたせいか美味しかった。「美味しいですね。」と言うと、「ここで20年も開いています。ありがとうございました。」阪神大震災にもまけず、たくましく生き残った様子。夕飯まで時間はたっぷりあったので、銭湯でゆっくり湯に浸かり、雨で冷えた体をあたためた。十分温まったところで、水風呂に5回浸かった。後の人が湯から上がってくるまで、小ジョッキ一杯のビールを飲んだ。久しぶりに甘いビールを飲むことが出来た。
夕飯までの小時間を使い、中華街に行き、ごま団子と月餅と干し柿をおみやげに買った。
夕食は、元町駅をはさんで中華街とは反対側にある、上海家庭料理「愛園」で食べた。ビールで乾杯した後、料理に会わせて紹興酒を9人で5本飲んだ。飲めば飲むほど気持ちよく酔う事が出来た。
切手収集をいつから何故始めたかの話しをすると、 「我が家にもおばあちゃんが集めた戦前の銭単位の切手がシートでいっぱいある。どこにあるか捜してみないとわからない。もう30年位そのままになっているはず。」とか、「親の遺品の中に額面だけで何十万円もする切手のシートがある。兄貴が相続する事になっていたのだが、死んでしまったので、ぼくが当面管理すると言うことで預かっている。」と言う話が出てきた。切手は1年に1、2回は空気に当てる事が必要だということで、いつかぼくがお伺いして調べてみる事になった。すごい宝が埋もれているかも。