かぞくしんぶん「あさま」  
   041号 2002年11月15日 (金)   
 

<浅間山の噴火>


小学校2、3年の頃、浅間山がすごい音と共に噴火した。昼間は黒い煙がもくもくと立ち、夜は山頂から立つ赤い火柱と、降ってくる焼け石が頂上付近を赤く染めているのが見えた。その時登山していた人達の何人かが死傷したというニュースが記憶をさらに鮮明にしている。
最近図書館に行った時、「地震と噴火の日本史」(伊藤和明著)という本が眼にとまった。それによると、 浅間山の一番有名な大噴火は、1783年の「天明の大噴火」。火砕流で477人が犠牲になり、この時の6kmの溶岩流が今「鬼押出」(タイトルの写真は鬼押出から撮った浅間山)になっている。この噴火による吾妻川の大洪水で、約1300戸が流失し、死者は約1400人をかぞえ、江戸川には流れ着いた死体と壊れた家の残骸が埋め尽くしたという。噴火と洪水の関係をリアルに知ったのは初めてだ。
ところが地震と噴火の関係もすごい。「一つ前の関東大震災」というのが1707年の宝永巨大地震。この地震は日本列島が歴史時代に体験した最大規模の地震(M8.4)で、家屋の倒壊約6万戸、この地震で発生した大津波による流失家屋約2万戸、死者2万人以上。この地震から49日後に富士山が「宝永の大噴火」を起こしている。
京都に住んでいる者にとってもっと恐ろしいことが書いてあった。
京都では過去1000年の間に巨大地震が5回起こっている。1185年,1317年、1596年、1662年、1830年で、約160年に1回ぐらいの間隔。ところが最後の1830年の地震から172年になる。もういつ起こっても不思議ではない。阪神大震災のことを思い浮かべながら、「京都大震災」に備えなければと思った。
                                           (誠人)


[ トップに戻る]