舞台は東京のとある公園、錦織(錦織一清)は謎の少年ジュン(長谷川純)に'仕事'の依頼のため呼び出された。 かつて錦織は東山(東山紀之)、植草(植草克秀)と共に「企業秘密を盗み取る産業スパイ」だった。そのテクニックは芸術的だとさえ噂されていたほど。しかし10年前、そんな彼らにただ一つ盗むことが出来なかったものがあった。そしてその時の事件が原因で三人のチームは空中分解をしていた。 ジュンは、もう一度それを確実に盗んで欲しいと懇願する。錦織は、東山と植草を説得しようとするが「今さらできない」と二人に拒否をされる。だが、三人はある一人の後輩への思いからその'仕事'を請け負うことにした。そのときに謎の暗号「45133103」を三人は手にする。 10年前・・・。盗みに失敗した時、敵の前に大切な後輩アツヒロ(佐藤アツヒロ)を置き去りにしてしまう。アツヒロはそこで三人の犠牲となって、死んでしまった。その事が何よりも苦痛で、この10年間それぞれの生き方をしてきた。孤独に生きる東山、愛することを忘れた植草、三人の心はバラバラになり仲間を信頼することが出来なくなっていた。 ジュンは、あの時置き去りにしたアツヒロの心が読めるような言葉を口にして、三人の心を見透かしたような振る舞いをする。 やがて、依頼された'仕事'が待っている研究所に三人は向かった。そこで彼らは研究者=赤坂(赤坂晃)に出会う。赤坂は拭い去れない悲しい過去に翻弄されるまま、狂気にとりつかれていた。彼が研究していたもの、それこそが10年前に盗むことが出来ないものだった。そしてそれはこの10年間さらに研究され、今まさに赤坂の野望のために使われようとしていた。 赤坂の野望、それは交通事故で亡くした息子を生き返らせるべく、体と心を入れ替えるということだった。そのため、心がなく体だけが健常な息子と瀕死状態で心だけが残ったアツヒロの体と心を入替えた。そしてそれがジュンだった。 赤坂の野望はとまらず、装置が暴走しはじめていたため、ジュンは三人に赤坂の暴走、そして装置の暴走をとめるために依頼をしたのだった。 三人は依頼を遂行していくうちに、アツヒロへの思い、そしてジュンと仲間の信頼感情がよみがえってきて、アツヒロ、そしてジュンを助けようと奮闘する。 赤坂は交通事故で亡くした息子に何もしてやれず、息子からも何も応答がないと嘆き悲しみを三人に訴える。そんな時、三人が手にしていた暗号「45133103」が、ポケベルで打たれた「とうさん」という言葉だったことが分かる。赤坂はずっと息子が父の助けを待ってたことを知り、息子の死を受け入れる。 そして、装置を止めるためのマスターキーが息子=ジュンの右腕だということを知った。 そうしているうちに装置の暴走が激しくなり、三人とジュン、そして冷凍保存されていたアツヒロの五人で装置を止めに行く。 装置を停止後、研究所の外へ戻ってこれたのは、錦織、東山、植草の三人だった。しかし10年前とは違い、彼らは再び信頼するという心を取り戻した。三人はまたこれから未来に向かって生き始めた。 |
7月29日、今年は初めて東京へ上陸です。どうして大阪公演が今年から無くなったんだろうと今でも思うのですが、東京へはそう簡単に行けないのでいい機会でした。(ちなみに日帰りです。) いつもDVDで見ている青山劇場を想像して行っていたので、もっとおしゃれで豪華な場所に建っているのかと思っていたのですが、普通の幹線道路(大学の向かい)に建っているのにかなり衝撃を受けてしまいました。もっと案内とかあると思っていたんですけどね〜。駅から一本道だったのですが、かなり戸惑いながら着きました。途中ガードマンに道を聞いてもそっけなくて、めちゃくちゃ冷たいし・・・。東京の空気には正直なじめそうにないです。やっぱり住み慣れた大阪が一番ですね。 舞台の方ですが、私なりに今回のテーマは「人としての生き方、そして信頼」といったところではないかと思います。とくに「人間は辛いことや悲しい過去を背負って生きていく」というのが一番心に響きました。 私が21才の時、ずっと好きだった男の人から告白されて付き合い始めたものの1年後理由がわからないまま終幕を迎えました。それ以来私は人を信頼すること、というより愛することの意味がわからなくなりました。男の人とはいっぱい遊びに行くけど、好意を持つまでで「好き」という気持ちは持てずに現在も時が過ぎています。フラれた相手と再び付き合いましたが、やはり本当に愛されているのかということがわからず先日最後の決断をくだしました。 この舞台で、人を愛せなくなっていた期間は10年間でしたが、私はいったい何年かかることやら・・・。舞台のようなきっかけもあるわけではないので、やはり自分自身を変えていくしかないってことをあらためて実感しました。 今回の舞台は少年隊の舞台としてはいつもとは違って新鮮な感じがして、ショーやトークなどがなく残念なこともありましたが、私にとっては今まで以上に心に残る舞台でした。 いろんな意味で今回「Change」って感じでした。 |