これは英国諜報部員M16(東山)、米国連邦捜査官FBI(植草)、米国諜報部員CIA(錦織)それぞれが身分を隠してVacationを楽しむために旅に出たというお話。 M16はヨーロッパの各国で華やかなバケーションをひと通り堪能した後、裏通りを散策中にとある女性と出会い、心を惹かれる。そこへ不良少年(生田)がやってきて、姉に手を出すなと警告した。その女性を含め裏通りで暮らしている女性は、男の帰りを待っているという。不良少年の姉もその一人で、待っている男というのはマフィアからお金を持ち逃げし、今ではもう殺された可能性が高いとも知らず・・・。 その真実をM16は、不良少年に黙って姉に告げると、姉はマフィアによって殺されてしまう。その後不良少年もマフィアに一人で乗り込むが、M16が正体を明かして無事助け出し、未来の希望の光になるのは君だと忠告してVacationの旅が終わった。 FBIはどこか緊迫した雰囲気漂う町へ休暇に訪れた。そこのホテルで鍵を部屋に忘れてしまい、閉め出されて途方にくれているところへ、一人の少年(風間)とホテルのボーイが現れる。チップを渡すことで親切に手助けをしてくれて事なきを得る。貨幣価値が日本の20分の1で、彼には小金でもここの住民には縁の無いほどの高額のため、そこからVIP待遇を受けることになる。ホテルのボーイの勧めでカジノへ行くと、運も味方につけて大勝ちを続け、大金を手にしたFBIのもとへ様々な理由をでっち上げた人々が金の無心に集まってくる。大勝ちした気分の良さもあって、気前よくお金を与えるFBI。カジノを出たあとも「病気の母の治療費が必要だ」という青年(長谷川)にお金を渡す。その後、女たちを引き連れてホテルへ戻り騒ぎを繰り返していると、いきなりテロリストに襲われる。そして、銃で脅されて全財産をむしり取られてしまう。しかも、そのテロリストの中心人物はホテルで親切に助けてくれた少年だった。少年は、いつも我が物顔で入り込んできては、国をかき回していく外国人が許せなくてこのような行為を行ったという。その言葉にハッと気づかされたFBIは、すっかり肩を落としてしまう。 そこへ「母の治療費を」とせがんだ青年が現れた。母を病院へ無事にいれることが出来て、病気も回復するとお礼の言葉を言いにきたという。様々な人にお金を取られ、挙句の果てに全財産までむしられて、お金の価値を忘れかけていた時に、ようやく人の役に立てるお金の使い方ができたとFBIは思った。そして本当のお金の価値の意味を知り、そこから新たな気持ちでVacationを続けた。 CIAは大学時代のミュージカル仲間に会うために、とある王国へ休暇に訪れた。そして旧友の誘いもあって、ステージの上で数年ぶりに踊り楽しんでいた。そこにわがまあと評判な皇太子(長谷川)が現れて、突然「劇場を取り壊し、そこに自分の銅像を建てる」と宣告する。公演を間近に控えた劇団員やCIAも必死に説得を試みるが、なぜかこの劇場を憎むかのように取り壊しにこだわった。この劇場を先代の王までがずっと大切にしてきた場所なのに、皇太子がかたくなに反対するのは納得がいかなかった。 だが劇団員によってCIAはこの劇場の地下にものすごいお宝が眠っているという噂を知る。「きっと皇太子はそのお宝を狙っているに違いない。祟りの伝説をでっちあげて、劇場までおびき寄せて、怯えさせて取り壊しを考えさせよう」という意見でまとまる。リハーサルまで行って実行をするが、その作戦は皇太子に見破られてしまい失敗してしまう。そしてステージを爆破しようとした瞬間、突然謎の扉が出現する。皇太子がその扉を開けたその先には、何よりも大切な宝物が眠っていた。それは、先代の王が描いた王妃の肖像画だった。そこでCIAは、「大切な宝物とは財宝や財産なんかではなく、愛するものや思い出であり、それはずっと大切に守っていかなくてはいけない」ということを皇太子に伝える。その後、取り壊しの命を受けていた工事の人がステージを爆破してしまう。皇太子はすぐに爆破の中止を告げるが、もう時は遅し・・・。そこでもCIAは「ステージはなくなっても、歌いたい人とそれを聞きに来る観客がいればどこでも続けていける。どんなときもShow must go on!」と、これからも公演を続けるように言ってみんなを励ます。 |