リョーマ錬金術を学ぶ9



  



              大総統とアルフォンスというある種大物と仲良く楽しい一時を過ごした

             リョーマ。待ち人は思惑通りにセントラルにやってくるのだろうか?

              さてさて、本日はどのような出来事が待ち受けているのだろうか……



             「アル!! 邪魔するぜ!!」

              勢い良く開けられたドア。しかし、部屋の主人であるアルフォンスから

             の返事はない。

             「何時だと思ってんだ! 俺がいないからって怠けてんじゃねぇ!!」

             「鋼のに言われたくはないと思うが……」

             「エドに言われたくはねーんじゃないか」

             「エド君もあまり変わらないと思うよ〜vv」

             「お前等……」

             「まぁまぁ、落ち着いて。ね、エド君。ほらこんなモノがあったよ」

             「「「?」」」

              千石の持つメモに全員の視線が集まり、そして二人は固まり、二人は疑

             問符を浮かべた。



             「エドたち遅い!!」

             「そうだね。何してるのかな? ハボック少尉からセントラルに着いたこ

             とは聞いたからそろそろだとは思うんだけど」

             「まぁ、いいではないか時間はまだある。もう一杯お茶でも飲みながら待

             とうではないか」

             「ブラッドレイさん甘すぎっスよ? 軍人なんだからもっと効率的に行動

             できなきゃ!!」

             「そうかね?」

             「っス」

             「ふむ。では、次からは厳しくしよう。貴重な意見をありがとう、リョー

             マ」

             「別に。だって俺もこれから助けてもらうし、お互い様でしょ?」

             「あぁ、どうやら到着したみたいだよ」

             「な、な、な、何してやがるリョーマ!!」

             「お茶」

             「ははは。そうだな。リョーマの言う通りだ。私たちはお茶をしているの

             だよエドワード・エルリック。君たちもどうかね?」

             「「……」」

             「「キング・ブラッドレイ?」」

             「!? 何で、跡部と千石が知ってるんだ」

             「どうして君たちが大総統を知っている!?」

             「久しぶりだ、景吾、清純。君たちも大きくなったものだ」

             「あれから十数年ですからね。本当にお久しぶりです」

             「あの人が生きている時に数度会ったきりですからね〜。お元気そうで何

             よりです」

             「ということは、リョーマが飛び出した原因は貴方ですか……」

             「原因じゃない!! 景吾言葉が悪い。ブラッドレイさんは俺に渡したい

             ものがあるからって」

             「あぁ? 渡したいものだと」

             「そう。まだ貰ってないけど……。だって景吾とキヨも一緒じゃないとダ

             メだってゆーから」

             「お前が置いてったんだろーが!!」

             「リョーマ君が置いてったんでしょ!? キヨショックだったんだから〜」

             「あ〜。だって、景吾楽しそうだったし……」

             「楽しくねぇ!! なんで無能野郎と話して楽しいんだ」

             「だから私は無能ではない!!」

             「黙ってろ!!」

             「……鋼の(泣)」

             「あ〜。はいはい黙ってろvv 邪魔だ」

             「……(号泣)」

             「アル。リョーマとお前の関係は?」

             「あのね。以前にホークアイ中尉がそっちに行ったことあったでしょ?

             その直前に電話があったんだよ。兄さんと大佐を止めるにはどうしたらい

             いかって」

             「で、お前は中尉のこと教えたのか?」

             「一番効果的でしょ?」

             「……………。で、大総統はどんな関係なんですか?」

             「リョーマの父親とはね、旧知の間柄なんだよ。そして、彼からリョーマ

             に渡すものを預かっているのだよ。だからここに呼んだのだよ」

             「跡部たちとは?」

             「彼等の父親とも親友と呼べる関係なのだよ」

             「そうですか。……リョーマ」

             「何?」

             「だったら最初っからそー言いやがれ!!」

             「人生楽しまなきゃ損じゃん」

             「楽しんでんのはお前だけだ!!」

             「違う。アルとおねーさんとブラッドレイさんも楽しんでるvv」

              リョーマの言葉に名前をだされた二人はさも当然のようにウンウンと頷

             く。

             「……(リョーマを拾ったのが間違いだった)」(←ようやく全ての原因

             に気付いたようだ/笑)

              エドは静かにロイの隣に腰を下ろした。当然ながらロイは少しだけ浮上

             した。





              リョーマの突然の奇行。それの理由がようやく明らかになった。しかし、

             それはただ疲れが増しただけのような気がしないでもない。大総統がリョ

             ーマの父親から預かったというもの。それは一体何なのか?

              まだソレはリョーマの手には渡っていない……












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